デジタル化が急速に進む現代社会において、企業の競争力維持・向上にはDXやAIの活用が欠かせません。その裏で、DX・AI人材不足も深刻化しており、人材育成の遅延が課題となっている企業も増えてきました。
これらの課題解決に有効なのが、AIビジネス研修です。カリキュラムでは、最新AI技術やビジネスへの応用方法を学べるため、DX・AIの人材育成の加速化に繋がります。
この記事では、AIビジネス研修を12選、オンラインから対面型まで幅広く紹介します。AIビジネス研修を利用するメリットや選び方、実際の活用事例もお伝えするので、AIビジネス研修選びに迷っている企業経営者の方はぜひ参考にしてください。
AIビジネス研修とは?
AIビジネス研修は、企業のAI人材育成を促す学習サービスです。各部署の業務に合わせたAI活用方法を学び、組織全体の課題解決に貢献できるAI人材育成促進を実現します。
AIビジネス研修は、「最近話題の生成AIの活用法が分からない」「AI技術の活用戦略が立てられない」といった場合に、大きな効果を発揮します。
AIビジネス研修の主な内容
AIビジネス研修では、AI技術をビジネスに活用するための知識とスキルを段階的に習得していきます。主な内容は以下の通りです。
ステップ1. AIの基礎知識習得
まずは、AIの基本的な内容からスタートします。例えば、AIの種類、ビジネス現場での活用事例などを理解したうえで、AIがビジネスにどう役立つのか、ざっくりと全体像を掴んでいきます。
ステップ2. AIのビジネス活用
続いて、具体的なビジネスシーンを想定した演習を通して、業務効率化、および新アイデアの創出方法を習得します。近年は、生成AIツールなどを実際に触りながら、AIに的確な指示を出すプロンプト作成のコツなどの実践スキルを学ぶ研修が多いです。
ステップ3. ビジネス課題へのAI応用
最後に、研修で学んだ知識やスキルを、各企業の具体的な課題にどう応用できるかを学習します。この際、参加者同士で意見交換するなど、ワークショップ形式で課題解決策を見つけていくケースが多いです。
生成AIの業務活用が広がりを見せる中、生成AIを専門的に学べる学習サービスも増えてきました。以下の記事は、生成AIに特化したスキルを習得できるセミナーを紹介しているので研修サービス選びの一環としてご参照ください。
AIビジネス研修を利用するメリット
AIビジネス研修を利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?以下では、主なメリット3つについて解説します。
- 企業の競争力を強化できる
- 業務効率化を実現できる
- リスキリング補助金を受けられる
①企業の競争力を強化できる
AIビジネス研修は、企業の競争力を大きく向上させるというメリットがあります。AI技術は日々進化しており、スキルの鮮度が評価とキャリアに直結するため、「過去にAIスキルを身につけたことがある」というだけでは十分とはいえません。
AIビジネス研修では、常に最新の情報を反映したカリキュラムを提供しており、参加者は最先端のAI技術を元にした実践的なスキルを習得できます。常に変化する市場に対応し、競争優位を確立したいと考える企業にとって、AIビジネス研修はメリットの多いサービスといえるでしょう。
②業務効率化を実現できる
AIビジネス研修は、業務効率を大幅に向上させるためのスキルを習得できるという大きなメリットがあります。AI技術を活用することで、ルーチンワークの自動化やデータ分析の高度化など、幅広い業務効率化が実現可能です。
例えば、生成AIを活用した資料作成では、作業時間を短縮し、同時に品質の向上も達成できます。また、データ分析スキルを身につければ、市場動向や顧客ニーズを迅速に把握し、意思決定をスピーディに行うことができるようになります。
③リスキリング補助金を受けられる
AIビジネス研修は、リスキリング(学び直し)を支援する補助金制度を利用できる点もメリットといえるでしょう。
リスキリングは、企業のDX推進を支援し、デジタル人材の育成を目的として設定されました。2022年には流行語大賞にノミネートされるほど注目度が高く、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)でも、その重要性が繰り返し強調されています。
このような背景から、国や自治体はリスキリングを推奨し、対象となるAIビジネス研修に対し、補助金や助成金を支給しています。高品質な研修サービスをコスパ良く学べるのは、AIビジネス研修ならではといえるでしょう。
なお、補助金制度の種類や対象者、企業によって補助金額が異なります。リスキリングや補助金・助成金については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
AIビジネス研修おすすめ12選
それでは、AIビジネス研修を12選、おすすめ順にご紹介しましょう。まずは、各AIビジネス研修のサービス内容と概要をまとめた一覧表をご覧ください。
研修名 | 運営元 | 主な特徴 | 受講形式 | 料金 |
企業向けDX・AI人材育成研修サービス | CROSS TECH | カスタマイズ型研修 受講後のサポート対応 |
対面 オンライン |
要問合せ |
AI/DX人材育成研修 | スキルアップAI | 実践的カリキュラム AI課題を全サポート |
ー | 要問合せ |
法人研修 | キカガク | オーダーメイド型研修 E資格合格率100% |
対面 オンライン |
要問合せ |
生成AIビジネス活用研修サービス | TIS | 生成AIの実践力育成 ワークショップ型研修 |
対面 オンライン |
200,000円~ |
AI(人工知能)研修 | インソース | 1~2日の短期型研修 派遣型と公開講座あり |
対面 オンライン |
要問合せ |
AIビジネス活用~基礎~ | NEC | マイクロラーニング 受講時間5時間 |
オンライン (eラーニング) |
33,000円 |
ビジネス生産性を10倍加速させる実践研修 | 活コンサルタント | 生成AIスキルを学習 1時間から対応可能 |
対面 動画 |
要問合せ |
AI活用の企画推進を学ぶAIビジネス研修 | AVILEN | 2ステップで学習 動画講義と小テスト |
オンライン (eラーニング) ワーク |
企画:33,000円 推進:44,000円 企画推進:71,500円 |
企業向けAI・データ活用オンラインAI研修サービス | AIアカデミー | 豊富なコンテンツ 個別カリキュラム |
オンライン | 要問合せ |
生成AIコース | アガルートアカデミー | 3プランから選択 生成AIスキルを網羅 |
オンライン 動画視聴 |
動画:19,800円 質問:61,800円 個別:148,000円 |
AI研修 | SAMURAI ENGINEER | 現役エンジニア指導 学習管理システム対応 |
対面 オンライン |
要問合せ |
AI研修(AI人材育成トレーニング) | トレノケート | 多彩なコースから選択 新入社員研修対応 |
対面 オンライン |
3,300円~ |
①企業向けDX・AI人材育成研修サービス|CROSS TECH
CROSS TECHの企業向けDX・AI人材育成研修サービスは、短期集中型から長期育成型まで、貴社のニーズに合わせた研修プランをカスタマイズしてくれるAIビジネス研修です。事前相談はいつでも無料。組織レベル、部署ごとに、サポート、コンサル、研修を自在に組み合わせ、最適プランを提案します。
講師陣は、製造・建築にも強い、10年以上の実績を持つプロフェッショナル。IoT・AR・3DCADなど、幅広い分野をカバーし、AI教育はもちろん、業務改善や新製品開発も強力にバックアップします。研修スタイルは、会場で直接指導を受ける対面、時間も場所も選ばないオンライン(eラーニング)の2種類から選択可能です。
②AI/DX人材育成研修|スキルアップAI
③法人研修|キカガク
④生成AIビジネス活用研修サービス|TIS
⑤AI(人工知能)研修|インソース
⑥AIビジネス活用~基礎~|NEC
⑦ビジネス生産性を10倍加速させる実践研修|活コンサルタント
⑧AI活用の企画推進を学ぶAIビジネス研修|AVILEN
⑨企業向けAI・データ活用オンラインAI研修サービス|AIアカデミー
⑩生成AIコース|アガルートアカデミー
⑪AI研修|SAMURAI ENGINEER
⑫AI研修(AI人材育成トレーニング)|トレノケート
AIビジネス研修の選び方
自社に最適なAIビジネス研修を選ぶためには、以下のポイントをチェックすることが重要です。それぞれの要素をしっかり見極めることで、課題解決に効果的な研修サービスをスムーズに見つけられるでしょう。
- カリキュラムの内容・質
- 柔軟性の高さ
- サポートの充実度
①カリキュラムの内容・質
AIビジネス研修を選ぶ際は、まず提供されるカリキュラムの内容と質をしっかり確認しましょう。研修内容がAIの基礎知識から実践的な活用方法まで体系的に組まれているか、自社の業界や課題に関連した事例が含まれているかがポイントです。
また、講師陣の専門性や実績もクオリティに直結します。例えば、製造業や建築業に強いコンサルタントが講師を務める研修もあれば、E資格合格率100%の実績を持つ研修機関もあるので、カリキュラムに合わせて確認しておきましょう。
②柔軟性の高さ
AIビジネス研修を選ぶ際、柔軟性の高さもチェックしましょう。企業によって抱える課題や目的は異なるため、研修の柔軟性は重要な選定基準となります。例えば、オーダーメイド型のカスタマイズ研修か、もしくは多彩なコースを設定しているかなどです。
あわせて、対面とオンラインの両方に対応しているか、マイクロラーニングや動画プランなど、時間や場所を選ばない学習形態があるかも確認しておいてください。
③サポートの充実度
AIビジネス研修は、サポートの充実度で選ぶのもポイントです。AIスキルの習得は一朝一夕にはいきません。そのため、研修期間中だけでなく、研修後のサポート体制が充実していると非常に心強いです。
具体的には、実際のAI導入やデータ分析のPoCを伴走サポート、研修後の質問対応の仕組みなどを確認してください。研修後に社内コミュニティの構築やAIコンペの開催など、人材育成の内製化を支援してくれる研修機関もあるため、これらも考慮して選択すると研修効果が最大化するでしょう。
AIビジネス研修の活用事例
最後に、AIビジネス研修の活用事例をご紹介しましょう。ここでは、本記事で紹介したCROSS TECHの企業向けDX・AI人材育成研修サービスを利用したM社の事例をお伝えします。
M社の課題は「人材育成」と「AI開発」
M社は、長年蓄積したゼネコン各社のプロジェクトデータを宝の山と捉え、AI活用で新たな価値を生み出そうとしていました。しかし、自社でAI開発を進めるには、DX・AI人材の不足と、実データを用いた技術コンサルティングの両立という壁が立ちはだかっていたのです。
そこで、CROSS TECHの企業向けDX・AI人材育成研修サービスは、M社の課題に対して「人材育成」と「AI開発」の二刀流で応えることを提案。まずは、100名規模の社内教育を実施し、経営層も参加しながら全社一丸となってプロジェクトを推進しました。
次に、プロジェクトメンバーを選抜し、テーマを設定し、教育とAI開発を並行して進めるコンサルティングを実施。プログラマーが少ないM社でも、GUIツールを活用することで、効率的に開発を進めることができました。
AIの精度は想定通りとはいかない部分もありましたが、プロジェクトメンバーは今後の方向性と当面の回避策を共有できました。M社からは、「自社でAIを育てていく土台を作ることができた」という喜びの声が見られています。
AIビジネス研修についてまとめ
AIビジネス研修は、企業のDX推進、競争力強化に大きな効果を発揮します。AIビジネス研修は、オンラインや対面など多彩な形式があり、また基礎から実践まで段階的に学べるサービスも多く見られました。
さらに、多くの研修がリスキリング補助金の対象となるため、コストを抑えて学べます。AIは日々進化するからこそ、継続的な学習環境を整え、企業全体のAIリテラシーと競争力を高めていくことが重要です。
