業種別CAEソフトの種類と機能を徹底解説

工場長濵谷

こんにちは濱谷です。
今回は、業界別CAEソフトの種類と機能についてまとめてみました。
CAEを検討する際に役立ててください。

CAEとは?

CAEとはComputer Aided Engineering の略で、一般的に「解析」の意味で使われていることが多いと思います。

CADは、Computer Aided Design「デザイン・設計」ですが、デザインの側面が大きいデザイナーの方から、機構・構造設計がメインのお仕事をされている方まで、幅広い意味合いがあります。

CAEの「Engineering」は、「きちんと機能するよう設計する」「機構・構造設計」といったニュアンスが近いと考えられますので、前段のCAD利用者の中でも、比較的後者に利用されるイメージとなります。
3DCADデータによる「ものづくり」の中で、設計・開発を完結させるには、CADだけではなく、CAEの活用が欠かせません。

CAEと言っても種類は多岐に渡ります。
一般的にイメージしやすいのは、橋や建物などの建築物ではないでしょうか。

CAEイメージ-建築物

建築家は、『ラーメン構造か?ブレース構造か?力を集めるか?分散か?』といった構造計画から始まり、構造設計、構造計算を行います。
最終的には「建物が壊れないように部材断面を決める」ことになります。

また、メカ系のエンジニアに最も親しまれているのが「構造解析」です。

構造解析

さらに、静解析と動解析に分かれますが、それ以外にも、「熱伝導解析」「固有値解析」「流体解析」「樹脂流動解析」などがあります。
図にあらわすと、以下のようなイメージです。

イメージ図

最近では、構造解析の結果をデザインデータ(3DCADモデル)へ直接フィードバックし、人が考え付かないような3Dデータを作成する技術も出てきています。(別記事:ジェネレーティブデザイン

ジェネレーティブデザイン

そもそも決して安くないCAEソフトを買ってでも、CAEを活用するメリットは何でしょうか?

それは、設計の品質向上、試作品の製作回数の激減、などソフトウェアの金額を上回るメリットが見い出せることが、1番の要因と言えるでしょう。

例えば、単純なものでも、大きい、というだけで試作品の製作コストが数千万円することもあります。
設計ミスした場合、その数千万円が泡と消えるわけですから、デジタル上で強度試験ができるのであれば、やらない手はないわけです。

また、10~20年前と比較すると、PCスペックが向上したり、クラウドの演算サービスが出てきたりしているので、大規模な解析演算が気軽にできるようになってきています。

構造解析ソフトまとめ

Fusion 360:Autodesk社

Fusion 360

● 概要
Fusion360は、Autodesk社が提供している高機能3DCAD/CAM/CAEソフトです。
3DCAD機能に加え、豊富なCAE機能が搭載されています。

従来、数百万円していたCAEソフトですが、Fusion 360は年間約6万円と安価で使用でき、さらに高機能であるため、3DCADを活用した設計者解析を推進する為のCAEソフトとして、注目を浴びています。

世界初のクラウドベースの3DCAD+CAE製品で、使用するPCに過度なスペックを求めないで利用可能な製品です。ただし64ビット専用です。

● 主な機能
構造解析機能として、静的応力解析/モード周波数/座屈/非線形静的応力解析/イベントシミュレーション(プレビュー)の5種類、
熱伝導解析として、定常の熱解析/熱応力解析 の2種類、また、解析結果をモデルに適用させる「シェイプ最適化」と、さらに、AIに形状提案させる最先端技術の「ジェネレーティブデザイン」も使用できます。

クラウドベースのソフトなので、計算は全てクラウドで行います。(一部ローカル計算が可能です)
計算をする際は、都度クラウドクレジットを支払う必要がありますが、必要な分を必要な時に買う、という今の時代のサービスとして注目されています。

クラウドベースのソフトなので、簡単にデータ共有ができます。

● 価格
年額56,000円(税別)、月額7,000円(税別)、3年間151,200円(税別)

購入・無料体験版ダウンロード
Fusion 360

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Inventor Nastran:Autodesk社

Inventor Nastran

● 概要
Fusion 360と同じAutodesk社が提供しているプロフェッショナル向けのCAEソフトです。

3DCAD機能と図面機能は、プロフェッショナル向けの3DCAD Inventor をベースに、CAEとしてNastranが搭載されています。
非線形解析に高度な解析機能を有しており、疲労解析、非定常熱解析などに対応しています。

● 主な機能
構造解析機能として、自動落下試験(投射物の衝突や仮想落下試験)、線形静的応力固有値解析応答スペクトル解析(地震と風荷重を考慮した解析)、線形座屈解析静的疲労解析衝撃解析(非線形を考慮した衝突イベントと落下試験の計算を同時に行う)、周波数応答、熱伝導解析として、非定常の熱伝導解析が搭載されています。

1回の仮想試験で、金属やゴム、軟部組織などをモデル化できる、高度な材料モデル機能や、フレーム ジェネレータによる梁の理想化、スライド、摩擦、溶接などさまざまなパーツの接触を高精度でシミュレートモデル化する機能を保有しています。

● 価格
426,000円/年間、月額52,920円(税別)、3年間1,152,360円(税別)

Inventor Nastran

Inventor - PDMCパッケージのご紹介

ANSYS Discovery Live:ANSYS社

ANSYS Discovery Live

● 概要
ANSYS Discoveryシリーズは、SpaceClaimを軸とした3次元CADとCAEが一体化した、設計者向け製品群です。
3次元で設計したCADモデルを、一般的なCAEとは桁違いのスピードで瞬時に解析。
すぐに結果が検証することで、初期設計の開発コスト大幅削減に貢献します。

● 主な機能
Discovery Ultimate

構造解析:線形、幾何学的非線形(大変形など)、接触、材料非線形(塑性)、モーダル解析、応力寿命疲労、ひずみ寿命疲労

伝熱解析:定常伝熱解析、過渡伝熱解析、伝熱携帯として、熱伝導、熱伝達、輻射に対応。

流体解析:定常流れ、非定常流れ、単相流流れ、多孔質媒体、伝熱(共役熱伝達(CHT)、自然対流)、粒子追跡

電磁界:静磁場解析、交流地場解析、温度依存性材料特性及び温度条件

また、多くの連成解析<流体-構造(片方向)、構造-モーダル、熱‐構造など>に対応している。

● 価格
要問合わせ

ANSYS Discovery Live

Ansys Mechanical:ANSYS社

Ansys Mechanical

● 概要
ANSYS Mechanicalは、構造解析と伝熱解析機能を全て備えたパッケージです。

「Mechanical Pro」、「Mechanical Premium」、そしてフラッグシップ製品である「Mechanical Enterprise」で構成されており、エントリーレベルからアドバンスレベルまでシンプルかつスケーラブルにステップアップしていただくことが可能です。

有限要素法解析のフラグシップツールとして、主要な3DCADの多くにアドオンとして利用されています。

● 主な機能
ANSYS Mechanical Enterprise:
ANSYSの構造解析・伝熱解析すべての機能をカバーしているほか、容易に連成解析を行うことができる「ANSYS AIM」も搭載したフラッグシップモデル

ANSYS Mechanical Premium:
Mechanical Proの機能に加え、高度な非線形応力解析や線形動解析などが利用できるミッドレンジ・モデル

ANSYS Mechanical Pro:
線形構造解析や接触解析、伝熱解析、疲労解析など、汎用的な解析機能を利用できるエントリーモデル

● 価格
要問合わせ

Inventor Nastran

HyperWorks :Altair社

HyperWorks

● 概要
HyperWorks は製品開発に必要な構造、衝撃、機構、流体、電磁場(波)、最適化に加えて、プレス、鋳造、押出成形用の各種ソルバーや、それらを使用するためのプリ・ポストプロセッサを備えた統合CAE プラットフォームです。
共通のライセンスで全ての製品を利用でき、幅広い問題に適用できます。

主要な自動車OEM、重工メーカー、電機メーカー、その他の業種でも幅広く利用されています。

● 主な機能
ほぼ全ての解析機能を有しており、それぞれの解析用に適切なソルバー(解析エンジン)を使用しています。

構造解析・構造最適化ソルバー OptiStruct
非線形・衝撃解析・連成解析ソルバー Radioss
熱流体(CFD)解析ソルバー AcuSolve
高周波電磁界(EM)解析ソルバー FEKO
低周波電磁場 / 熱シミュレーションソフトウェア Flux
電波伝搬と無線ネットワークプランニング WinProp
粒子法ベースの流体シミュレーション nanoFluidX
マルチスケールモデリング Multiscale Designer
複合領域設計性能スタディ・最適化 HyperStudy
マルチボディダイナミクス(MBD)ソルバー

● 価格
要問合わせ

HyperWorks

Simcenter 3D:シーメンスPLMソフトウェア社

Simicenter 3D

● 概要
Simcenter 3Dは、Siemens PLM Softwareが提供する、設計、1Dシミュレーション、試験、データ管理に関する、スケーラブルでオープンな拡張性に優れた3D CAE向けの統合環境です。

組み込まれた業界トップのジオメトリ編集、関連性を維持したシミュレーションモデリング、複数領域のソリューションに業界の専門知識を組み合わせて、シミュレーションプロセスの処理を加速します。

Simcenter 3Dは、スタンドアロンのシミュレーション環境として利用可能です。

● 主な機能
構造、音響、フロー、熱、機構、および複合材の解析だけでなく、最適化やマルチフィジックスシミュレーションにも対応しています。

● 価格
要問合わせ

Simicenter 3D

SIMULIA :Dassault社

SIMULIA

● 概要
SIMULIAは、Abaqus FEA、fe-safe、Isight、Tosca、Simpack、Simpoe、SIMULIA SLMなど、マルチフィジックス、プロセス統合、最適化に対応する高度なシミュレーション製品ポートフォリオを提供します。

業界アプリケーションのユーザーと設計者およびエンジニア向けにロールを提供し、毎日の製品設計作業を通じてシミュレーションを利用できるようにします。
シミュレーション・テクノロジーには、構造、流体、プラスチック射出成形、音響、および構造アプリケーションが含まれます。

● 主な機能
設計者およびエンジニア向けに、構造、流体、プラスチック射出成形、音響、および構造アプリケーション。
最先端の物理シミュレーション・テクノロジーとして、構造、流体、マルチボディおよび電磁気シナリオの強力なシミュレーション。
Simulation Data Science分野の機能を利用して、強力な結果分析を行うことが可能。

● 価格
要問合わせ

SIMULIA

流体解析ソフトまとめ

CFD:Autodesk社

CFD

● 概要
Autodesk® CFD には流体の流れと熱伝達をシミュレーションできる数値流体力学用ツールが搭載されており、実際の製造に取りかかる前に製品性能の予測、設計の最適化、製品動作の検証を行えます。

● 主な機能
熱伝達シミュレーション、建築と MEP への応用、MEP ツールとしての応用、産業フロー制御、柔軟なクラウドの解析オプション

また、自由サーフェスモデリング機能では、液体と気体の間のインタフェースをシミュレートできます。波、スロッシング、流出などの流れ現象をモデル化することができます。

● 価格
要問合わせ

CFD

Ansys Fluent:ANSYS社

Fluent

● 概要
Fluentソフトウェアは、産業用途向けに、流れ、乱流、伝熱、そして反応のモデリングに必要な幅広い物理モデリング機能を搭載しています。

これらの用途は、航空機翼上の気流から火炉内の燃焼、気泡塔から石油プラットフォーム、血流から半導体製造、さらにクリーンルーム設計から排水処理プラントに至るまで、広範囲に及んでいます。

● 主な機能
Fluentは、筒内燃焼、空力音響、ターボ機械、さらに混相流システムのモデリング機能を備え、特殊モデルを含む幅広い領域を網羅しています。

● 価格
要問合わせ

Fluent

樹脂流動解析ソフトまとめ

Moldflow:Autodesk社

Moldflow

● 概要
プラスチック射出成形用の専用解析ツールです。

プラスチック射出成形のシミュレーション ソフトウェアである Moldflow® は、製造上の欠陥を低減させるのに役立ちます。
射出成形金型設計、プラスチック部品設計、および射出成形プロセスのための各種ツールを利用できます。

● 主な機能
成形品最適化スタディ、冷媒流解析、収縮と反り、バルブ ゲート開閉の制御、二材射出成形シミュレーション、半導体封止成形、粉末射出成形、誘導加熱、熱可塑性樹脂射出成形、金型の冷却、ランナー バランスなど、プラスチック成型金型の設計には必要不可欠な機能が揃っています。

● 価格
要問合わせ

まとめ

いかがだったでしょうか?
業務で高機能なCAEを利用しようとするとやはり数百万円かかってしまいますが、用途によって適切なCAEツールを選択することが重要だと思います。
例えば、Moldflowは、プラスチック樹脂成型に特化したCAEとなっている為、金型製作を行う会社ではよくお見掛けします。
また、流体解析ソフトも、例えば風洞実験を行う設備が必要な場合、利用する為には時間も高額な料金も発生する為、事前に解析できると効果が出やすいですね。

今回ご紹介したCAEソフトウェアは、全て3DCADで設計されたモデルがあることが前提です。
今お使いの3DCADと親和性の高いCAEソフトを選択することも重要です。

また、これから簡単な構造解析から始めたい、という方には、Fusion 360を利用することで、3DCAD、CAEの両方のコストを抑えることができます。
また、クラウド演算が使えるCAEであれば、数百万円するPCを購入しなくて良い、といったメリットもあります。

多くのCAEソフトウェアが、30日間の無料体験版を用意してくれていますので、一度ダウンロードして試してみてはいかがでしょうか。

それでは、また!

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