3Dプリンターなどを使用して立体的な造形を行うためにも、高精度なモデリングが可能な3DCGソフトの導入が欠かせません。
そこで近年注目されているZbrushを使用すれば、今までのソフトと比較してスムーズで精度の高い造形が可能です
本記事では多様な機能を持つ3DCGソフトであるZBrushを紹介し、価格や無料体験版、勉強法などを詳しく解説します。
ZBrushとは
ZBrushは1990年にアメリカのソフトウェア会社、Pixologic社が開発した3DCGソフトです。
3DCGソフトとして有名なソフトには、3DSMAXやMAYAなどが挙げられますが、ZBrushはそれらのソフトの通常機能に加え、高精度な造形を可能にしたスカルプトモデリング機能を搭載しています。
この機能を活用すれば、従来のソフトのようなインターフェイス内でシンプルな造形を行うのではなく、まるで粘土をこねながら実際に手で造形を行うようなリアルな体験が可能です。
スカルプトモデリング機能は初心者でも使いやすく、3DCGを初めて手掛ける方にもおすすめのソフトといえます。
ZBrushの価格はいくら?
ZBrushを導入すれば高精度で立体的な造形が可能ですが、どれくらいの価格で導入、使用ができるのでしょうか。
そこでここからは、ZBrushの種類ごとの特徴や、それぞれの価格を詳しく紹介します。
ZBrushのプラン | 価格 |
学生プラン | 10,450円(税込)※有効期限1年 |
年間サブスクリプション | 56,100円(税込) |
ZBrush Core
ZBrush Coreは、3Dゲームや映像作品などのキャラクター制作に特化した3DCGソフトです。
3Dモデリングソフトの中でも直感的な操作性に富み、3Dプリンターを利用したフィギュア作成などでも頻繁に利用されます。
ZBrush同様のスカルプトモデリング機能を搭載し、粘土を扱うようなリアルな造形が可能です。
また自分に最適な環境設定が可能な、ショートカットキーも搭載するなど便利な機能も搭載しています。
下記にZBrush Coreの価格をわかりやすく表記します。
・学生向けプラン:10,450円(税込)※有効期限1年間
・基本プラン:月額17,600円
尚ZBrush Coreの永続ライセンスは2024年1月1日以降販売を終了しており、購入の際にはサブスクリプションモデルや中古市場の利用を検討しましょう。
ZBrush Core Mini
ZBrush Core Miniは前述のZbrush Coreの機能を制限したモデルで、機能的にはZBrush CoreやZbrushに多少劣るものの、検索や作動などの最小限の機能を搭載しています。
直感的でシンプルな操作性も特徴で、3DCG初心者にも最適なモデルといえます。
またストロークに合わせてリアルタイムにポリゴンの密度を変化させ、トポロジーを修正するSculptris Proも搭載するなど、シンプルながらも機能性にも富んだ3DCGソフトです。
尚このソフトは完全無料でダウンロードできるので、これから3DCGの造形に取り組みたい方に最適のソフトといえます。
ZBrush for iPad
ZBrush for iPadとは、いつ、どこでも場所を選ばずにiPadを使用してZBrushの高度な3DCG造形を可能にしたアプリです。
iPad特有のタッチ式の使いやすいインターフェイスにより、直感的な操作性を実現しています。
デスクトップ版と同様のメッシュ編集機能やマルチ解像度などの機能を備えるなど、リアリティに富んだ3DCGの造形が可能です。
またZBrush特有のスカルプトモデリング機能も搭載し、ユーザーは場所を選ばずにテクスチャを使用したペイントもできるように構成されています。
そのほかにもスナップショットのインポートやリアルタイムな色彩なども可能で、指やペンでの操作を考慮した操作性も魅力です。
下記にZBrush for iPadの価格をわかりやすく表記します。
・無料プランあり
・年間プラン:13,000円(税込)※有効期限1年
Zbrush for iPadの価格は機能やプランにより異なるので、最初は無料プランで試験的に使用し、必要であれば有料プランにアップグレードするのもおすすめです。
ZBrushの無料体験版はある?
ZBrushは優れた3DCGソフトであるうえに、いくつかの無料体験版も販売されており、有効活用すればコストを抑えて3DCGソフトに親しむことができます。
ではそれぞれのZBrushの無料体験版の特徴を紹介します。
ZBrushの無料体験版では、事前にスカルプティング機能やブラシ、ダイナメッシュなどの機能を体感し、自分の造形にマッチングするかを確認できます。
また申し込みから2週間、もしくは30日以内であれば、通常版と全く同じ機能を利用できる点もメリットです。
一方でデジタルコンテンツにデータ提供元の情報を入力するウォーターマークが表示されない点や、有料版とは違って商用的な目的では利用できない点も把握しておきましょう。
また体験版の利用においてはインターネット接続が不可欠で、オフライン環境では起動や認証ができません。
ZBrush Coreの無料体験版
ZBrush Coreは無料体験版という形式で利用はできないものの、完全無料でのダウンロードが可能で、商用的な利用もできるのもメリットです。
比較的低スペックのPCでも利用できるので、予算を抑えて3DCGの造形を始めたい初心者に最適なソフトといえます。
Maxon社の公式サイトから無料ダウンロードできるので、気になる方はぜひご利用ください。
ZBrush for iPadの無料体験版
ZBrush for iPadの無料体験版では、Zスフィアやダイナメッシュ、SculptrisProなどをはじめとしたZbrushの一部機能を利用できます。
操作に関しても通常版同様に、なめらかで直感的な作業が可能です。
28種類にも及ぶブラシも搭載され、自由自在に3Dモデルを作成することもできます。
一方有料プランよりも機能が制限されており、作成したモデルを商用利用できないので事前に確認しておきましょう。
Zbrushを勉強する方法
Zbrushを有効活用して高精度なモデリングを行うためにも、効率的に学習を進めて知識やスキルを高めなければいけません。
Zbrushの有効な学習方法には以下の点が挙げられます。
- 学習用コンテンツを利用する
- 実際に操作する
- コミュニティを活かして学習する
ではそれぞれの方法を詳しく解説します。
学習用コンテンツを利用する
Zbrushを効率的に学習するためにも、Zbrushのノウハウなどを共有してくれる学習用コンテンツを有効的に利用しましょう。
例えばZbrushの公式サイトには、基礎的な操作から応用テクニックまでを解説したチュートリアルが掲載されており、参考にすれば起動から基本的な操作方法までのスキルを学ぶことができます。
また近年はUdemyやSkillShareをはじめとした、Zbrushのオンライン講座も多数開催されており、初心者から上級者までそれぞれのレベルや目的に応じた学習が可能です。
そのほかにも図解やサンプルデータなどを多数掲載し、Zbrushのノウハウが記載された書籍なども多数販売されており、どこでも気軽に学習できるツールとして利用されています。
実際に操作する
Zbrushの学習を深めるためにも、実際に操作するのも有効な手段の1つです。
まずはシンプルで作りやすいモデリングからはじめ、スキル取得に応じて少しずつ複雑なモデリングに挑戦しましょう。
また1からのモデリングだけでなく、既存の3Dモデルや彫刻作品などを模写して学習を進めれば、細かなノウハウや表現方法を効率的に学習できます。
その後に自分で細かな設計などを行い、自身の作品のモデリングを複数回にわたって繰り返せば、モデリングのスキルも少しずつ習得できます。
コミュニティを活かして学習する
Zbrushのユーザーは、お互いがさまざまな情報を交換するオンラインコミュニティを形成しています。
そのようなオンラインコミュニティに参加すれば、ほかのユーザーからスキルを学んだり、実際の作品を閲覧して細かい説明なども受けられるので、Zbrushの学びの場として有効活用できます。
コミュニティでは、スキルの高いユーザーに不明点などもすぐに質問できるため、セミナーに近いレベルでの学習も可能です。
そのほかにも地域によっては、低価格でZbrushの勉強会を開催しているケースも多く、参加すればコストを抑えたスキル取得ができます。
またほかの作品を閲覧して学習したい方は、TwitterやInstagramなどのSNSのコミュニティに参加し、#Zbrushなどのハッシュタグを検索すればバラエティに富んだ作品を閲覧できます。
Zbrushの価格についてまとめ
近年急速的に高まっているAIなどの先進技術の進化に伴い、リアルな造形が可能な3DCGソフトも進化を遂げています。
中でもZbrushは多彩な機能を持ち、リアルな質感を実現した高精度3DCGソフトで、確かなスキルを取得すれば多様なジャンルでの活躍が可能です。
本記事で紹介したように、低価格の購入も可能でコスパも良好なので、今後3DCGを学んで多様な業界で活躍したい方はぜひご利用ください。
