建設や製造業をはじめ、現代ビジネスに必須のマーケティングツール・WordPress。
企業のホームページ、ECサイトなど、多彩なシーンで活用されていますが、WordPressは仕組みが複雑で、始め方に戸惑う方もいるのではないでしょうか?
この記事では、WordPressの始め方を超初心者向けに画像付きでわかりやすく解説します。
WordPressの仕組みやサービス内容、始め方、選び方と、段階を追ってお伝えするので、WordPressの始め方を知りたい方、仕組みがわからない方はぜひ参考にしてください。
WordPressとは何か

WordPressは、ウェブサイトのコンテンツ(文章、画像、デザインなど)を投稿・管理・更新するシステムのことです。WordPressは、世界で最も使われているCMSでもあり、実に世界中のウェブサイトの約30%がWordPressで作られています。
WordやExcelのような感覚で簡単にウェブサイトを編集、記事を投稿できる
- WordPressの仕組み
- WordPressは2種類ある
- WordPressはどのくらいで習得できる?
①WordPressの仕組み
WordPressは、無料で使えるオープンソースのソフトウェアです。しかし、多くの人がWordPressを無料で使っていないのは、WordPress独自の仕組みが関係しています。
まずは、WordPressの仕組みがピンとくるように、家づくりに例えて解説してみましょう。
- WordPress = 家を建てるための「設計図や道具セット」(無料)
- サーバー = 家を建てる「土地」(基本有料)
- ドメイン = その土地の「住所」(基本有料)
つまり、WordPress自体は無料ですが、WordPressを公開するためのシステム、および誰もがアクセスできるドメインは基本有料、というわけです
・ドメイン:ウェブサイトのインターネット上の識別名(aaaa.comなど)
自分のパソコンだけでは限界がある
中には、「WordPressを自分のパソコンで動かせば無料なのでは?」と思う方がいるかもしれません。しかし、ローカル環境(自分のパソコン)でWordPressを動かした場合、世界に公開するサイトにはなりません。
それには、主に物理的な理由と技術的な理由があります。
・パソコンの電源を切るとサイトが見られなくなる
・家のインターネットが不安定だと、サイトも不安定になる
②技術的な理由
・専門知識がないと、世界に公開する設定が非常に難しい
・インターネット上の住所となる「〇〇.com」のような独自ドメインが使えない
・セキュリティ対策が不十分で、外部からの攻撃リスクも高い
ただし、ローカル環境でWordPressを始めるのは、サイト構築の練習には最適です。WordPressをローカル環境で試したい方は、以下の記事で手順を解説しているので、参考にしてください。
②WordPressは2種類ある
実は「WordPress」には以下の様に2つの違うサービスがあり、ここも混乱しがちなポイントなので、あわせてお伝えしておきましょう。
②WordPress.com(ブログサービス):アメブロやnoteのように手軽に使える
2つのサービス名が同じである理由
この2つのサービス名が同じであるのは、WordPressの開発者・マット・マレンウェッグ氏がどちらもかかわっているためです。彼は、
- まず、誰もが無料で使える「WordPress」を開発
- その後、手軽に使えるサービスとして「WordPress.com」を立ち上げ
このような経緯で2つのサービスを開発しました。
この2つを区別する際には、ドメイン名の最後をチェックしてください。なお、「.org」は非営利団体、「.com」は商用を意味しています。
③WordPressはどのくらいで習得できる?
WordPressは、1〜2日程度使っていると大まかな機能を把握できます。WordPressの操作自体は直感的に分かるので、もともとWordやGoogleドキュメントを使っている方であれば短期間で理解できるでしょう。
| 習得レベル | 期間 | できること |
| 基本操作 | 1日~2日 | 記事投稿、画像挿入、基本設定 |
| 中級レベル | 1ヶ月 | テーマ変更、プラグイン導入、デザイン調整 |
| 上級レベル | 3ヵ月 | SEO対策、コードを使ったカスタマイズ(HTMLなど) |
上記のように、デザインのカスタマイズやプラグインの活用といった専門的な設定になると、HTMLやCSS、PHPといったコードの知識も必要です。
本格的にWordPressを導入したい場合、効率的にスキルアップできるセミナーの利用も検討しましょう。
WordPress.comの料金プランは?
WordPressのブログサービス「WordPress.com」は基本機能に対応する無料プラン、機能を拡張できる有料プランがあります。無料プランは、訪問ユーザーに対する広告表示とサブドメイン利用を条件に基本機能を無償提供しています。
ここでは、WordPress.comの料金プラン、無料と有料の違い、およびその他の無料で使う方法をお伝えしましょう。
- WordPress.comの料金一覧表
- 無料と有料の違い
- その他の無料で使う方法
①WordPress.comの料金一覧表
まずは、WordPress.comの料金をまとめた一覧表をご覧ください。
| プラン名 | 月額料金 | 主な機能/特徴 |
| 無料 | 0円 | 基本操作、広告表示 |
| パーソナル | 400円 | 独自ドメイン利用、広告非表示 |
| プレミアム | 900円 | カスタマイズ機能拡張、Google Analytics連携 |
| ビジネス | 2,900円 | ラグイン利用、高度なカスタマイズ |
| eコマース | 5,220円 | オンラインストア機能 |
②無料と有料の違い
続いて、無料プランと有料プランの違いを見てみましょう。
| 項目 | 無料プラン | 有料プラン(パーソナル以上) |
| ストレージ容量 | 制限あり | 6GBから50GBまで |
| ドメイン | WordPress.comのサブドメイン | 1年間無料の独自ドメイン |
| 広告 | サイト訪問者に広告が表示 | 訪問者に広告非表示 |
| サポート | 限定的 | エキスパートチームサポート |
| プラグインのインストール | 不可 | 可能 |
| サイト全体のカスタマイズ (フォントと色) |
不可 | 可能 |
| 動画のアップロード | 不可 | 可能 |
| Googleアナリティクスとの連携 | 不可 | 可能 |
このように、無料プランでは基本的なWebサイトの運用は可能ですが、有料プランにすることでより多くの機能やカスタマイズ性が提供され、本格的なWebサイト構築が可能になります。
③その他の無料で使う方法
WordPressは、無料ドメインと無料サーバーを組み合わせれば無料で使えます。例えば、マイナーな無料ドメイン(.tkなど)と、無料で利用できるサーバー(XREAなど)を組み合わせると完全無料です。
ただし、マイナーな無料ドメインは有料レンタルサーバーのサービスとして提供しているケースが多く、またドメインの更新を過ぎると使えなくなるなどのデメリットがあります。
無料サーバーも、サポートの不足、安定性の欠如などのリスクがあるため、本格的なサイト運営を検討している場合は有料プランを検討しましょう。
WordPressを始める前にサーバー・サービスを決めよう

先ほどお伝えしたように、WordPressを利用する際は、有料のレンタルサーバーと無料のサービスの2種類から選べます。WordPressの始め方の際には、利用するサービスを決めることからスタートしてください。
ここでは、どちらを選べば良いか迷っている初心者の方のために、それぞれのおすすめのサービスをご紹介しましょう。
- おすすめのレンタルサーバー会社3選
- おすすめの無料ブログサービス3選
①おすすめのレンタルサーバー会社3選
レンタルサーバーは、日本国内だけでも、非常にたくさんの会社があります。ここでは、主なレンタルサーバー3社のサービス内容、向いている人を一覧にまとめました。
| サービス名 | Xサーバー | ロリポップ | さくらインターネット |
| 月額費用 | 693円~2,772円・3種類 | 99円~2,200円・5種類 | 121円~3,850円・4種類 |
| 初期費用 | なし | なし | なし |
| 表示速度 | 非常に高速 | 速い | 普通 |
| 環境構築 | 対応 | 対応 | 対応 |
| サポート | 24時間(チャットボット) | 平日(チャットサポート) | 24時間(チャットボット) |
| 適した人 | 個人、本格運用の法人 | コスパ重視、個人初心者 | コスパ重視・長期運用目的 |
②おすすめの無料ブログサービス3選
サーバーを介さずWordPressを無料で利用できるサービスは、WordPress.comのみです。
しかし、WordPress.com以外にも「note」「アメブロ」「はてなブログ」といった無料ブログサービスがあります。ここでは、4つのサービスの内容と向いている人を表でお伝えしましょう。
| サービス名 | WordPress.com | note | アメブロ | はてなブログ |
| 有料プラン/月 | あり(400円~) | あり(500円) | あり(1,008円) | あり(980円~) |
| カスタマイズ性 | 高 | 低 | 高 | 高 |
| 収益化 | やや難 | やや難 | 難 | 難 |
| 始めやすさ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 独自ドメイン | あり(有料) | なし | あり(Ameba Ownd利用) | あり(有料) |
| 適した人 | 収益化・自分流に作りたい方 | 記事販売や手軽に始めたい方 | 日記風に記録を楽しみたい方 | アクセス率向上を目指す方 |
WordPressの始め方の比較ポイント
続いて、WordPressの始め方の比較ポイントをお伝えします。ここでは、レンタルサーバーとWordPress.comの2つで比較してみます。
- レンタルサーバーとWordPress.comの比較表
- 選び方に迷ったときは必要な機能を確認しよう
①レンタルサーバーとWordPress.comの比較表
まずは、レンタルサーバーとWordPress.comの基本情報を表で比較しましょう。
| 比較項目 | レンタルサーバー(Xサーバー) | WordPress.com |
| 費用 | サーバー代:月額693円~ | 無料(有料プラン:月額400円~) |
| セットアップ時間 | 約10分 | 約5分 |
| 独自ドメイン | あり | 有料のみ(無料はwordpress.com付) |
| カスタマイズ性 | 高 | 中 |
| サポート | 24時間 | 有料のみ |
| 訪問者の広告表示 | なし | あり(有料は非表示可能) |
| セキュリティ | 良い | 良い |
| スケーラビリティ | 高い | 低い(有料プランは高) |
②選び方に迷ったときは必要な機能を確認しよう
WordPressの選び方に迷ったら、まずはサイトに必要な機能を整理しましょう。例えば、「写真や事例をしっかり載せたいのか」「問い合わせフォームを自由に作りたいのか」などを具体的に書き出してみることが重要です。
WordPress.comは、有料プランにすれば、動画のアップロードや独自ドメインの取得など、カスタマイズの幅が広がります。しかし、ビジネス向けの有料プランであれば1ヶ月当たり2,900円必要です
企業サイトの場合、後から「やっぱり違う方が良かった…」となると移行作業が大変なので、必ず事前に必要な機能を整理・検討してから決定しましょう。
レンタルサーバーを利用したWordPressの始め方
WordPressのレンタルサーバーは、多くが手軽に環境構築できるサービスを提供しています。このサービスを使えば、本来なら複雑な作業もわずか10分ほどで完了するため、WordPressの始め方で迷うこともありません。
ここでは、Xサーバーのクイックスタートを使った始め方をご紹介しましょう。
- 申し込み
- WordPress構築に必要な情報を入力
STEP1. 申し込み
まず、Xサーバーの公式サイトにアクセスしましょう。
- 画面右上にある「お申し込み」をクリック

- お好みのコースを選択し、「新規申し込み」をクリック

- プランを選択

- 下へスクロールして「WordPressクイックスタート」の「利用する」にチェック

- 「XServerアカウントの登録へ進む」をクリック
- サーバーの契約期間を選択
なお、長い期間で契約するほど月額料金がお得になります。12ヶ月以上の契約で、ドメインが永年無料になる特典が付くので、長期的にブログを続けるならおすすめです。
②WordPress構築に必要な情報を入力
続いて、WordPressの構築に必要な諸情報を入力しましょう。
- ブログのURLになる「独自ドメイン」を決めて入力
(※ドメインは変更できない) - ブログのタイトル、ユーザー名、パスワードなどを設定
- デザインテンプレートである「テーマ」を選択(変更可能)
- テーマに迷ったら無料テーマの「Cocoon」を選ぶ
- 入力情報を確認
- 個人情報とクレジットカード情報を入力
- SMS認証で本人確認を行い、申し込みを完了
- 「サーバーアカウント設定完了のお知らせ」というメールが送付
- メールにブログのURLと、WordPressログインURLが記載
- メールに記載されたURLから、ログイン画面にアクセス
これで、Xサーバーの始め方は完了です。
メールの受信から最大1時間ほど待つと、ブログがインターネット上で公開され、誰でも見られるようになります。
WordPressの無料ブログサービスの始め方
続いて、WordPressの無料ブログサービス「WordPress.com」の始め方をお伝えします。
- WordPress.com公式サイトにアクセスし、「始めてみよう」をクリック

- アカウントを選択してアカウントを作成

- 「WordPress にログイン」の画面で「次へ」をクリック

- 画面が遷移したらドメインを作成し、「Search domains」をクリック
(※無料プランの場合「○○○.wordpress.com」という形式のサイトアドレスを入力)
- ドメイン名・有料プラン一覧が表示

- 画面を下にスクロールすると「WordPress.com サブドメイン」という枠が表示
- 「WordPress.com サブドメイン」の「購入をスキップ」をクリック

- プラン一覧の画面に遷移したら「無料プランでスタート」をクリック

- メールアドレスに届いた確認メールからもログイン可能

- WordPressの編集画面が表示

- 「最初の投稿を書く」の画面

これで、WordPress.comの始め方は完了です。ぜひ上記の手順を参考に、好きなサイト名前を付けて、はじめての投稿を行ってみてください。
ブロックエディターとは?
なお、上記画面からわかるように、WordPress.comでは「ブロックエディター」というブロックごとにコンテンツを編集するツールを提供しています。
ブロックエディターは「グーテンベルク(Gutenberg)」というコードネームでも知られており、2018年にリリースされたWordPress 5.0から標準搭載された最新のエディターです。
従来のWordPressを知っている方は使いにくく感じるかもしれませんが、表を丸ごとコピーできる、ボタンリンクも簡単に設置できるなど業務効率化に有効なツールです。
セミナーに参加して豊富なWordPressの機能を使いこなそう
WordPressは機能が充実しており、これらの機能を使いこなすと、魅力的でオリジナリティあふれるサイトを構築できます。その豊富な機能をより効果的に使いこなし、作業をさらに効率化したい方は、プロから直接学べるセミナーに参加するのもおすすめです。
以下の記事は、WordPressでホームページを作る方法を詳しく解説しています。WordPressの始め方の次ステップとして、ぜひご活用ください。
製造・建築業の企業におすすめのWordPressの始め方
最後に、製造業や建築業の会社におすすめのWordPressの始め方をお伝えしましょう。これらの業種には、レンタルサーバー、またはWordPress.comの有料プランの利用がおすすめです。その理由を3つ挙げてみます。
- 信頼感を持たせられる
- 施工事例をしっかり見せられる
- 問い合わせフォームを自由に作れる
①信頼感を持たせられる
建築・製造業界では、信頼が第一です。例えば、レンタルサーバーなどを利用して「yamada-kensetsu.com」のような独自ドメインを使えば、きちんとした会社という印象を与えられます。
しかし、WordPress.comの無料プランだと「yamada-kensetsu.wordpress.com」のようなサブドメインになるため、どうしても見劣りしてしまいます。
②施工事例をしっかり見せられる
建築や製造の仕事は、過去の事例が受注につながる大切な材料です。
レンタルサーバーなら容量の心配をせずに高画質の写真や動画を豊富に掲載できますが、無料のWordPress.comでは容量制限があるため、十分に事例を紹介できないことがあります。
③問い合わせフォームを自由に作れる
建築や製造業の企業において、見積もりや相談は大きな営業チャンスです。レンタルサーバーなど、拡張性の高いWordPressであれば、これらに対応する問い合わせフォームを自由にカスタマイズできます。
例えば、「予算」「工期」「施工内容」など必要な項目を盛り込むことが可能です。しかし、無料のWordPress.comでは、こうした細かな設定に制限があります。
WordPressの始め方についてまとめ
現在、サイト構築で主流のWordPressですが、その始め方には「レンタルサーバー」「WordPress.comの有料・無料プラン」があります。
「note」や「アメブロ」といった無料ブログサービスも手軽ですが、これらは個人での情報発信向きであり、ビジネスでの本格的な運用には向いていません。
まずは、WordPressの仕組みやサービスごとの違いをしっかり把握し、目的に合った最適なサービスでWordPressでのサイト構築を始めましょう。













