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【2024】FFCAMとは?価格・使い方・機能・導入企業事例

CAMソフト導入を検討している方の中には、「加工精度の高いNCデータが欲しい」「誰もが簡単に利用できるCAMソフトの導入を検討している」という方もいらっしゃるでしょう。

その一つの選択肢として挙がるのが「FFCAM」ではないでしょうか?
FFCAMは金型加工など精密度の高い加工を行う上で最適なツールです。

今回は、FFCAMの概要や活用するメリット、使い方などについて詳しく解説します。
FFCAMの導入事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

FFCAMとは

FFCAMとは

画像引用元:MAKINO 3D CAM System FFCAM

FFCAMとは、株式会社牧野フライス製作所が開発したFF加工対応の3次元CAMソフトです。
簡単設定かつシンプルな操作性がコンセプトとされており、プログラム構築にかかる労力を削減し、誰でも簡単に高品質なNCデータを制作できます。
活用することで、商品の制作から納品までの時間を大幅に短縮できるでしょう。

FFCAMの動作環境

FFCAMは以下のような環境で動作します。なお、下の表はFFCAM 2022のものです。
最新ソフトの動作環境は公式サイトによって常に更新されていますので、導入の際は公式サイトをご覧ください。

OS (64bit) Windows 10 Pro (動作確認バージョン:Version 21H2)
CPU マルチコアプロセッサ推奨
メモリ 推奨8GB以上
ハードディスクの空き容量 インストールに必要な空き容量:5GB以上推奨
グラフィックカード OpenGL用に設計されたグラフィックボードをご使用ください。
USBポート FFCAMのハードプロテクトキーを接続します。
マウス 2ボタン、3ボタンまたはインテリマウス(インテリマウス推奨)

3Dマウスにも対応。

データベースエンジン SQL Server 2012 Express SP4

参照元:3次元CAMシステム FFCAM 動作環境・入力形式

価格

FFCAMの販売価格は現在価格で、3,245,000円(税込)となります。
また、オプションである同時4・5軸加工機能の場合は4,345,000円(税込)、STL モデル加工機能のものは3,520,000円(税込)です。

FFCAMのメリット

CAMソフトにはさまざまなものがありますが、FFCAMを活用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、FFCAMを活用するメリットを4つ紹介します。

最速でデータ作成可能

工具1本の入力作業が3分ほどで完了します。
加工種類と使用工具を選ぶだけで、荒加工から仕上げ加工まで最適な加工方法を選択できます。

また、実際に加工した結果から得られる情報をもとに、加工パスとNCデータを同時に作成するため、すぐに加工が行えます。

パスアシスト機能やワンクリックマスキング機能など、本来CADソフトで行うべき操作がFFCAM上で実行可能です。いずれもクリックして指定するだけの操作であり、CADソフトに全く触れたことのない方でも安心して利用できます。

中仕上げ加工の精度が高い

FFCAMの中仕上げ加工においては、次の3つの方法が活用されており、より精密な中仕上げ加工を行えます。

  • 等高線隙間加工:なだらかな形状の切削でも削り残しのないパスを自動作成
  • コーナ追い込み加工:荒削りによって残った角部分を追い込む加工パスを自動作成
  • 投稿投影加工:角度によって加工方法を変化させる

このような加工方法を用いることで、仕上げ加工を行った時に均一な平面に仕上げられます。
FFCAMではカットパスを生成する必要がなく、モデルに応じて自動でパスを生成してくれます。

磨きレスの追い込み

FFCAMは中仕上げを行う上で難易度の高い曲面・角出しの加工にも強いソフトウェアです。
主に次のような機能を用いて質の高い面を作成します。

  • 面沿加工:複数の曲面に対して滑らかなパスを作る。磨きレスを極力減らすようパスを出力できる
  • 等高線角出し・投影角出し加工:角を強調したパスを作成。指定したエッジのクオリティが上がる

FF加工理論に基づき加工条件をデータベース化

FFCAMは、牧野フライス製作所が30年以上の歳月を費やし自社開発したソフトウェアであり、これまでのデータベースをもとにした切削加工が可能となります。

データによる理論値ではなく実際の切削による検証結果によって成り立っているため、精密な加工が可能です。たとえば、ツールのたわみや寿命による経年劣化、加工精度に最も効率の良い条件を「送り速度」「切込量」「主軸の回転速度」などを自動生成できます。

FFCAMの主な機能・使い方

次に、FFCAMの機能や使い方について解説しましょう。
主な機能だけでも7つあるため、それぞれ簡潔に紹介します。

1.平面部加工抑制機能

投影加工による切削を行う際に、平面部を加工しないよう、工具軌跡の出力を抑える機能があります。別途切削機を使用して平面部を加工した方が良い場合や、素材的に切削を行わない方が良い場合に役立ちます。

2.加工時間の予測機能

従来のCAMソフトの場合、インフォメーションファイルで加工予測時間を確認する必要がありました。しかし、FFCAMでは画面上で加工予想時間を簡単に確認できるようになっており、加工にどのくらいの時間を必要としているのかが一目瞭然でわかります。

3.充実したヘルプメニュー

インターネットに接続されているPCであれば、ヘルプメニューからドキュメント、FAQ、トラブルシューティング、工具メーカーのデータベースなどに直接アクセスできます。
したがって、わからないことがあればすぐに確認し改善可能です。

4.シミュレーション機能

シミュレーションでは、次の2つの機能が搭載されています。

  • 削り残し部分の色設定ができる
  • コーナRの色味をランダムで自動設定できる

5.アニメーション再生機能

シミュレーションはアニメーションで確認が可能です。
また、再生速度の調整も行えるため、加工において不安な箇所のみを確認することができます。

6.作業データを自動で複製保存

FFCAMが意図せずに終了した場合に、複製データを自動で作成します。
一定の間隔でFFCAMが自動保存しているため、作業ファイルの破損を防げる上、保存された場所から作業データを復元可能です。

また、自動複製保存のタイミングは任意で設定でき、マシン性能に自信がない場合は、タイミングを増やすことでリスクヘッジができるでしょう。

7.データ移行に強い複数の保存方式

保存した際にデータだけでなく、テンプレートファイルや挿入文、加工指示書などのファイル情報がデータ移行で簡単に復元できます。そのため、ツール間の移動をストレスなく行えます。

FFCAMでできること

続いては、FFCAM導入によって実現できることを4つ紹介します。

1.複雑な加工に対応可能

FFCAMを活用すれば、複雑な加工にも対応可能です。搭載されているパスアシスト機能とワンクリックマスキング機能はさまざまなシーンで活用でき、直感的な操作でNCプログラムを作成できます。

パスアシスト機能

  • 延長機能:カッターパスを延長し、加工範囲を微調整できる
  • 穴無視機能:指定した溝やポケットを無視してカッターパスを作成できる
  • 面から離す機能:面を指定し、工具が接触しないように調整できる

ワンクリックマスキング

  • ドリル穴を埋める機能:ドリル加工で穴を開けない部分はマスクできる。全ての穴を塞ぐことも可能
  • 切り欠きをふさぐ機能:加工したい面に存在している切り欠きを塞ぎ、加工を単純化できる
  • 2曲線間をふさぐ機能:エッジとエッジの間に面を貼り付けられる機能

2.データの不具合を確認しやすい

高速シミュレーターにより、計算したカッターパスの加工におけるミスを事前に確認できます。
ツールの干渉チェックや工具の動き、カッターパスの発生状況の確認、削り残し部表示や削り残し厚さの色分け表示などをスピーディーに行えるため、データの不具合を事前に理解できるでしょう。

3.同じ品質の製品を複製できる

実切削による検証結果をデータベース化しているため、加工条件データベースをもとに主軸回転数、送り速度、切り込み量を自動的に設定してくれます。データベースは、材料、ツール、環境などの要因を考慮してより良い条件を設定するため、加工品質を一定に保てます。

4.製造コストを抑えられる

FFCAMは通常、3,245,000円(税込)の買い切りソフトです。そのため、使用するほど費用対効果が高まります。もちろん、保守には費用がかかりますが、30年余りの技術力を持つソフトを買い切りで導入できるのは、大きなメリットだといえるでしょう。

FFCAMの導入企業事例

最後に、FFCAMの導入事例を3つ紹介します。

株式会社タウテック

横浜市戸塚区にて、金型の設計・製造を行っている株式会社タウテックは、加工に手間がかかることを問題に感じ、高速加工機を導入しました。多くの加工機を導入しテストカットを繰り返した結果、FFCAMの導入に至ったようです。

同社は「FFCAMは加工条件の膨大なデータベースがあるため、短納期で高品質の商品が提供できる」と答えています。また、加工にかかる手間と時間を削減できた結果、生まれた余裕で今までの仕事だけでなく微細加工や他社ではできないような加工にトライしていきたいと語っています。

株式会社光和

株式会社光和は図面作成から金型設計までを行うメーカーです。

FFCAMを導入する以前は全て手作業で対応しており、手作業によるミスや時間のロスなどが発生していました。また、加工制度にも問題があり多くの手間がかかっていたと語っています。
そういった問題を解決するためにはCAD/CAMの導入が必要不可欠だと感じ、FFCAMの導入に踏み切ったようです。

数あるCAMソフトの中でもFFCAMを導入した理由は、使用していた2次元図面をそのまま流用できることや、丁寧なパスを出せるなどのポイントが業務にマッチしたためとのことです。
また、とにかく優しいUIで誰もが利用できることも「作業が早くて失敗がない」上で重要なポイントだそうです。

導入後は品質が圧倒的に安定し、不良品が少なくなるうえ、作業効率が大幅に向上したといいます。このように、同社は導入によって多くのメリットを感じているそうです。

株式会社ファスト

株式会社ファストは、金型整形やNCフライス加工、3次元モデル作成などを主な業務としているメーカーです。

以前から金型加工を主な業務としていましたが、FFCAMの導入を行ったことで、より高度な金型を効率的に作成できるようになったといいます。

また、フレキシブルな治具の作成も可能となったようで、サイズの異なる場合でも最小限の工数でワークに取り掛かれるというメリットを感じているようです。

その他におすすめのCAMソフト

おすすめのCAMソフト

FFCAM以外のおすすめCAMソフトには「Fusion 360」があります。
Fusion 360はCAM以外にも3DCADやCAEも行えるので、設計からシミュレーションも可能なソフトウェアです。

FFCAM以外で、もう少しコストパフォーマンスに優れているCAMソフトや、便利なCAMソフトをお探しならこちらもおすすめです。
下記ページから無料体験もできるので、ぜひこの機会にFusion 360のCAMも利用してみてください。

Fusion 360のCAMライセンスはこちら

まとめ

FFCAMの概要や活用するメリット、使い方などについて詳しく解説しました。
CAMソフトの中でもより直感的な操作でCAMソフトに触れられるのがFFCAMのメリットであり、その上高品質なデータ作成ができるソフトとなっています。

また、過去製造されたテンプレートを参照し、必要な加工方法を自動で選定してくれるため、効率的に切削加工ができるでしょう。
今回紹介した内容をもとに、FFCAMの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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