3Dモデル作成やシミュレーションなど、幅広い用途で活用されるSOLIDWORKS。
SOLIDWORKSには、スキルを証明できるSOLIDWORKS認定試験があり、設計エンジニアや教育関係者の間で注目を集めています。
しかし、SOLIDWORKS認定試験は種類が多いため、具体的な費用や特徴が分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、SOLIDWORKS認定試験の種類や受験料、合格ラインについて詳しく解説します。試験の申し込み手順もお伝えするので、受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
SOLIDWORKS認定試験とは?
SOLIDWORKS認定試験は、SOLIDWORKSの専門スキルを証明する国際的な資格制度です。
この資格は、製品や部品の設計、シミュレーション、3Dプリンティング、板金、溶接など、各専門分野での熟練度を示します。SOLIDWORKSの専門スキル保有を証明するために、認定試験合格者に対して「電子認定証」を授与しているのも特徴です。
SOLIDWORKS認定試験は、機械設計業界のプロフェッショナルとしての信頼性と価値を持つ資格として、自動車、航空宇宙、医療機器など、幅広い業界で注目を集めています。
SOLIDWORKSとは
SOLIDWORKSは、使いやすさを追求した革新的な3DCADソフトです。
開発当初から「誰もが使いやすく」「適正価格で提供する」という製品ポリシーを貫き、高機能なハイエンド3DCADと手軽で廉価なローエンド3DCADの中間「ミドルレンジ3DCAD」の先駆的存在として広く認知されてきました。
直感的な操作性と豊富な機能を兼ね備え、2013年には累計ライセンス販売数200万を突破。自動車部品からスマートフォンまで、幅広い製品の設計に活用され、エンジニアの想像力を具現化するための強力なツールとして支持されています。
SOLIDWORKSについては、以下の記事でも紹介しています。
機能や使い方、各ライセンスまで詳しく解説しているので、SOLIDWORKSの理解を深めるためにもぜひご一読ください。
SOLIDWORKS認定試験のレベルと受験料
SOLIDWORKS認定試験は、難易度によって5つのレベルに分かれています。
各レベルで求められる知識やスキルは異なり、レベルごとに受験料も異なります。
レベル | 名称 | 受験料 |
基礎 | 3DEXPERIENCE – 3DSwymer | 無料 |
初級 | CSWA(Certified SOLIDWORKS Associate) | 8,000円 |
上級 | CSWP(Certified SOLIDWORKS Professional) | 2,500円 |
上級専門 | CSWP-Advanced(Certified SOLIDWORKS Professional – Advanced) | 1,500円 |
最上級 | CSWE(Certified SOLIDWORKS Expert) | 11,000円 |
SOLIDWORKS認定試験には教員向けもある
SOLIDWORKS認定試験は、上記のレベル以外に「TECE(Technology Educator Competency Exam)」もあります。
TECEは、SOLIDWORKS教育版ライセンスを保有している教職員を対象とし、毎年提供される無償バウチャーコードを使えば無料で受験可能です。CSWAとTECEに合格すると、SOLIDWORKS教育の専門家「SOLIDWORKS Accredited Educator」として認定されます。
SOLIDWORKS認定試験の種類
先述したように、SOLIDWORKS認定試験は5レベルあり、計13種類の認定試験があります。
以下では、各レベルにおける認定試験の種類、合格ライン、試験時間についてまとめました。
- 3DEXPERIENCE – 3DSwymer
- CSWA
- CSWP
- CSWP-Advanced
- CSWE
SOLIDWORKS認定資格①3DEXPERIENCE – 3DSwymer
3DEXPERIENCE – 3DSwymerは、SOLIDWORKS認定資格の基礎レベルです。
この認定資格は1種類のみで、合格すると3DEXPERIENCEプラットフォーム「3DSwymer」機能に対する理解を証明できます。
● 試験時間:60分
SOLIDWORKS認定資格②CSWA
CSWAは、SOLIDWORKS認定資格の初級レベルです。
CSWAでは、以下の3つの認定試験が実施されています。
Electrical
SOLIDWORKS Electricalの基礎知識と操作スキルを測る認定試験です。
電気理論や電気設備設計、回路図など、電気工学全般に関する知識が問われます。
● 試験時間:60分
Simulation
SOLIDWORKSシミュレーションの基礎知識を問う認定試験です。
試験は英語のみで行われ、実技・筆記の2パートで構成されています。
● 試験時間:120分
Additive Manufacturing
3Dプリンティング基礎力を証明できる認定試験です。
最新3Dプリント市場の原理についての理解も問われます。
● 試験時間:80分
SOLIDWORKS認定資格③CSWP
CSWPは、SOLIDWORKS認定資格の上級レベルです。
CSWPでは3つの認定試験があり、SOLIDWORKSの各分野における高い専門性を問われます。
CAM
SOLIDWORKS CAMを用いた製造工程設計に関する上級認定試験です。
NCプログラム作成や加工シミュレーションなど、CAM機能の高度なスキルを問われます。
● 試験時間:180分
CAMは、コンピュータを活用して製品の製造工程を自動化し、生産効率向上、および製品品質安定化に貢献する技術です。CAMの詳細については、以下の記事をご覧ください。
Simulation
SOLIDWORKS Simulationを用いた高度なスキルを証明する認定試験です。
構造解析や熱解析など、解析全般を問われ、「選択」「手計算」「実技」の3カテゴリから出題されます。
● 試験時間:90分
Model Based Definition
SOLIDWORKS MBDを用いた3Dモデルベース設計に関する上級認定試験です。
取得することで、MBDを活用した製品開発の専門家としての能力を証明できます。
● 試験時間:90分
SOLIDWORKS認定資格④CSWP-Advanced
CSWP-Advancedは、SOLIDWORKS認定資格の上級専門レベルです。
板金、溶接、サーフェスモデリング、金型、図面の5つの専門分野において認定試験が行われています。
Sheet Metal
SOLIDWORKSを使って、板金部品を設計できることを証明する認定試験です。
ベンド許容差やK係数、展開など、板金加工に必要な知識とスキル全般が問われます。
● 試験時間:90分(2011バージョン・英語)120分(2006~2010バージョン・英語以外)
Weldments
SOLIDWORKSの溶接機能操作を証明する認定試験です。
溶接輪郭の作成、溶接部品の変更など、溶接設計全般のスキルが問われます。
● 試験時間:120分
Surfacing
高度なサーフェスモデリング技術を証明する認定試験です。
複雑な形状の製品デザインだけでなく、既存のデータの修正や調整も問われまます。
● 試験時間:90分
Mold Making
SOLIDWORKSを使って、金型設計ができることを証明する認定試験です。
SOLIDWORKモールドツールの機能の多彩な活用スキルを問われます。
● 試験時間:120分
Drawing Tools
SOLIDWORKSの図面機能を活用した図面作成スキルを証明する認定試験です。
図面の種類(正面図、側面図など)を正しく作成し、部品の形状や寸法を正確に表現できるかを問われます。
● 試験時間:100分
SOLIDWORKS認定資格⑤CSWE
CSWEは、SOLIDWORKS認定資格の最上級レベルで、認定試験は1種類のみです。試験では、幅広い解析課題に対して、ほぼ全ての解決策を提示できる高度なスキルを問われます。
資格取得者は、SOLIDWORKSのあらゆる機能を熟知したスペシャリストとして、設計エンジニアと解析エンジニアの間で技術的な橋渡しを行い、製品開発を成功に導く役割を担います。
● 試験時間:90分
SOLIDWORKS認定試験の注意点
SOLIDWORKS認定試験を受ける際には、いくつかの注意点があります。
- CSWEの受験には前提条件がある
- CSWEにはサンプル試験がない
- 再受験までの待機期間がある
注意点①CSWEの受験には前提条件がある
SOLIDWORKS認定試験の最上級レベルであるCSWEを受験するには、いくつかの前提条件を満たす必要があります。具体的には、SOLIDWORKSの上級レベル・CSWP資格、および上級専門レベル・CSWP-Advancedの内4資格取得が必要です。
CSWEは、SOLIDWORKSに関する幅広い知識と深い理解が求められるため、すでにSOLIDWORKSの全般的なスキルを持っている方でも、段階を踏まないと受験できないシステムとなっています。
注意点②CSWEにはサンプル試験がない
SOLIDWORKS認定試験の最上級レベル・CSWEには、サンプル試験が用意されていません。
通常、SOLIDWORKS認定試験は公式サイトにサンプル試験が公開されており、受験前に問題形式や難易度を把握することができます。
しかし、CSWEはSOLIDWORKS認定試験の最高難易度であるため、受験前のシミュレーションに対応していないのです。CSWE合格を目指す場合、SOLIDWORKSの専門トレーニングやセミナーを受講し、試験対策を強化することをおすすめします。
注意点③再受験までの待機期間がある
SOLIDWORKS認定試験は、不合格となった場合、すぐに再受験することはできません。
CSWEの再受験には90日間、その他の認定試験には最低14日間の待機期間が設定されています。
この待機期間は、次の受験に向けて知識を深めるための期間と前向きに捉えることが大切です。しかし、「効率的に認定資格を取得したい」という方にとって、この待期期間は大きなロスといえるでしょう。
合格までの時間を短縮するためには、専門性の高いセミナーや講座などの学習サービスを活用し、目標とする資格取得に向けて計画的に学習を進めることをおすすめします。
SOLIDWORKS認定試験の学習におすすめのセミナー
SOLIDWORKS認定試験の学習におすすめなのは、SOLIDWORKSの基礎から応用まで学べる短期型セミナーSOLIDWORKSセミナー講習の受講です。
この講座では、モデリングの基本操作から高度なサーフェス設計、さらには応力解析や板金設計など、SOLIDWORKS認定試験に準拠した内容を網羅しています。
受講後に講義内容をeラーニングで復習できるため、確実な技術の定着が図れます。
ぜひこの機会にセミナーを活用して最速でのSOLIDWORKS認定試験合格をめざしましょう。
受講期間 | 2日間 |
受講形式 |
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受講料金 |
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SOLIDWORKS認定試験の申し込み手順
最後に、SOLIDWORKS認定試験の申し込み手順について解説しましょう。
SOLIDWORKS認定試験の申し込みは、インターネットを通じて行います。
- まず、「SOLIDWORKS認定試験」の公式サイトにアクセス
引用元:SOLIDWORKS認定試験公式 - 上記のようなページが開いたら、画面を下にスクロール
- 続いて、受験したい認定試験をクリック
今回は「CSWA(初級)Electrical」を選択しました。 - 該当試験のページが開いたら、ページ下部の「試験を受ける」をクリック
- 支払い画面が開いたら、支払い情報を入力後「今すぐ購入」をクリック
- 支払い完了後、受験者用試験アカウントに関するメールが届く
- メールに記載されている手順に従って「virtualtester client」をダウンロード
これで、SOLIDWORKS認定試験の申し込みは完了です。
試験に合格すると、合格を証明する「電子認定証」のアクセス権限が付与されます(24時間対応可能)。取得済みの認定証は、閲覧以外にダウンロード、もしくは印刷することも可能です。
SOLIDWORKS認定試験についてまとめ
SOLIDWORKS認定試験は、5レベルに区分され、計13種類ありました(教職員用除く)。
SOLIDWORKS認定試験は、スキルや専門分野によって細分化されているので、事前に認定試験の種類や内容をしっかり把握して受験に臨みましょう。
SOLIDWORKS認定試験は不合格の場合、再受験することが可能です。
ただし、再受験するためには一定期間の待機が必要なので、やはり効率的な学習計画を立てたいものです。
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