新入社員の研修は、企業の人材を育成する大事な取り組みです。研修を実施することで、業務効率の向上や実践技能の定着など、さまざまな効果を期待できます。
本記事では、研修が必要な理由や研修方法の選び方、おすすめの研修6つなどを紹介します。
新入社員の研修が必要な3つの理由
新入社員に研修が必要な理由は以下の3つです。
- 基本業務の知識・スキル、ビジネスマナーの習得
- 企業文化や理念の定着
- 人間関係の構築とコミュニケーションを促す
1.基本業務の知識・スキル、ビジネスマナーの習得
1つ目は、基本的な業務知識やスキル、ビジネスマナーを学んで、新入社員が実際に活躍できる環境を整えることです。基本業務の進め方や社内システムのレクチャーなどは代表的です。
また、ビジネスマナーの研修を通じて、社内外の関係者と適切なやり取りができるようになります。例えば、挨拶やメール文作成、会議の参加マナーです。それらを身に付けさせて、新入社員が仕事に取り組みやすい土台を作るのです。
2.企業文化や理念の定着
研修を通じて企業の歴史や価値観を学ぶことで、企業が目指す方向性や理念を共有することができます。企業の目的や文化を基準に新たな「マインドセット」を行えるように研修するのです。
また、新入社員が「自分は会社の一員」という意識を持ち、モチベーションや「エンゲージメント」(会社に対する愛着・忠誠心)の向上により早期離職の防止にもつながります。
3.人間関係の構築とコミュニケーションを促す
新入社員研修は、同僚や上司との人間関係を構築する絶好の機会です。グループワークやディスカッションを取り入れることで、チームでの協力や意見交換のスキルを学ぶことができます。
また、上司や先輩社員との交流を通じて、仕事の相談がしやすい環境を作ることも可能です。フォローアップの充実により、新入社員の定着率を高める効果が期待できます。
新入社員研修の4つの種類
新入社員研修にはさまざまな種類があります。ここでは、オンライン研修・対面研修、OJT、ワークショップ、eラーニングの4つの種類について解説します。
- オンライン研修・対面研修
- OJT
- ワークショップ
- eラーニング
オンライン研修・対面研修
オンライン研修と対面研修は、新入社員の基本的な研修方法です。講師と参加者がいる形となり、講師との直接的なやり取りを通じて、リアルタイムなフィードバックを得ることが可能です。
オンライン研修では、時間や場所に縛られず参加できるため、遠隔地の社員や柔軟なスケジュールを求める企業に向いています。一方で、対面研修は、目の前で講師が講義や訓練を施すリアル学習が可能な方法です。
また、両方のメリットを得られるオンラインと対面の「ハイブリッド型研修」も注目されています。
OJT
OJT(On-the-Job Training)は、現場での実務を通じてスキルや知識を習得する研修手法です。先輩社員が指導役となり、新入社員に具体的な業務を任せながら進めることで、即戦力として鍛えられます。
例えば、実際のプロジェクトに参加させたり、顧客対応を横でサポートさせたりすることで、実践的なスキルを学ぶ機会とするのです。そのため、OJTは現場で起こりうる課題に対処する力を身につけられます。
一方で、指導役のスキルや時間的な負担があることがデメリットです。中小企業では講師を使った研修がなく、OJTのみというケースもあります。
ワークショップ
ワークショップは、新入社員が主体的に学びに取り組むための研修手法です。グループワークやディスカッションを中心にした形式で、問題解決能力やチームでの協働スキルを育成します。
ワークショップは短期間で実施できることが多く、導入の柔軟性も高いのが特徴です。自ら考え行動するプロセスを通じて、用意された課題を解決するなど、積極的な個人の学びが実現します。
eラーニング
eラーニングは、インターネットを活用して行う研修手法です。動画などの学習方法を通して、個別のペースで進められる点が大きな特徴です。学習方法には動画以外にも資料、クイズ形式などがあります。
また、学習履歴や進捗状況がデータとして記録されるため、労務管理しやすく、成果を客観的に評価しやすい点も魅力です。
ただし、学習の進捗が個々の意識に依存しやすいため、モチベーションを維持するための工夫や、定期的な進捗の確認が必要です。
新入社員の研修を選ぶ3つのコツ
新入社員の研修を成功させる3つのコツを以下に解説します。
- 講座・講義の実用性
- 講師・企業の実績・評判
- 実施スタイル
1.講座・講義の実用性
1つ目のコツは、講座・講義の内容が実践的か確かめることです。新入社員に即戦力を求める場合、実際の業務で使うスキルを身に付ける講座・講義内容が求められます。例えば、基礎講義の後に実践的な演習や応用の練習などのプログラムがあることです。
2.講師・企業の実績・評判
2つ目のコツは、講師や研修企業の実績や評判を確認することです。経験豊富な講師は、新入社員の指導がうまく、安易に答えを教えずに導く教育ができます。しかも、現場の視点を取り入れた具体的なアドバイスが上手です。
また、過去の実績や受講者からの評価が高い企業であれば、安心して任せられます。そこで、研修の選定時は、講師のプロフィールや実績、評判、研修内容を確認することです。
3.実施スタイル
3つ目のコツは、研修の実施スタイルを自社の事情や目的に合わせて選ぶことです。実施スタイルには、オンライン形式、対面形式、ハイブリッド形式などがあります。
また、短期集中や長期などスケジュールも考慮し、実施環境や受講者の負担を軽減できる方法を選ぶことが大切です。
新入社員におすすめな研修7選
新入社員がスキルアップし、即戦力として活躍するために役立つ7つの研修を厳選して以下に紹介します。
①Autodesk Fusionセミナー講習 | Fusion 360の基本操作から応用スキルまでを学べる |
②Photoshop基礎セミナー講習 | Photoshopの基本操作から実践的な編集技術までを短期間で学べる |
③MOS対策講座 | MOS試験に必要な知識と操作スキルを体系的に学習できる |
④営業セミナー研修 | 営業の基礎知識から実践的な商談スキルまでを総合的に学べる |
⑤AutoCAD自動化セミナー | 設計に必要な自動化のソフトウェア技術を身に付けられる |
⑥AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー | 設計に必要な自動化のソフトウェア技術を身に付けられる |
⑦企業向けDX・AI人材育成サービス | 仕事で使えるDX・AIの知識を学ぶことができる |
Autodesk Fusionセミナー講習
Autodesk Fusion 360は、製品設計や3Dモデリングに特化したソフトウェアです。このセミナーでは、Fusion 360の基本操作から応用スキルまでを学べます。
具体的には、3Dモデリングの基本操作、レンダリング機能の活用方法、設計データの共有方法などです。未経験者でも実践的なスキルを習得できる工夫があり、実践演習が講義に組み込まれています。
オンライン形式もあるため、自宅やオフィスからも参加が可能です。製造業や設計業務に関わる新入社員には特におすすめです。
Photoshop基礎セミナー講習
Photoshopは、デザインや画像編集に欠かせないツールです。基礎セミナーでは、Photoshopの基本操作から実践的な編集技術までを短期間で学べます。例えば、画像の切り抜きや色調の補正、レイヤーの使い方など、実践的な業務に役立つ基本のスキルです。
講師による実演を見ながら学べるため、初心者でも安心して受講が可能です。また、マーケティング資料やプレゼン資料のデザインも紹介されています。クリエイティブ業務向けのスキルを習得したい新入社員におすすめな講座です。
MOS対策講座
MOS(Microsoft Office Specialist)は、WordやExcel、PowerPointのスキルを証明する資格です。この講座では、MOS試験に必要な知識と操作スキルを体系的に学習できます。
基本的な機能の習得に加え、試験対策として模擬問題や解説を活用し、合格を目指せます。
また、資格取得だけでなく、普段の業務に役立つ操作方法も習得可能です。そのため、企業の即戦力として普段から活躍できる力が試験対策を通じて手に入ります。MOSの資格取得を目指す新入社員におすすめの講座です。
営業セミナー研修
営業職として成功するためには、基本的な営業スキルとコミュニケーション力の向上が欠かせません。そこで、営業の基礎知識から実践的な商談スキルまでを総合的に学べる研修内容です。具体的には、顧客のニーズを把握するヒアリング技術、説得力のあるプレゼンテーション方法などです。
この講座には短期集中の講義だけでなく、1年間のフォローアップがあります。短期間では難しい営業スキルの習得も可能です。営業職を目指す新入社員や、営業スキルを向上させたい社員におすすめです。
AutoCAD自動化セミナー
AutoCAD自動化セミナーは、設計に必要な自動化のソフトウェア技術を身に付ける講座です。AutoCADの基本操作に加え、自動化機能を用いた業務効率化の方法を身につけられます。
特に、カスタムスクリプトやマクロを活用して繰り返し作業を簡略化する技術が学習可能です。また、スクリプトの自動化やEXCEL作図の自動連携など、実務に即した事例を取り入れることで、業務にすぐ応用できる内容に昇華しています。
建築や機械の設計や製図業務に携わる社員におすすめです。
AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー
クラウドインフラで上位の市場シェアを誇るAWS(Amazon Web Services)は、クラウドのシステム開発で利用されているAmazonのサービスです。
クラウドを利用したインフラ構築に優れており、AWSの基本的な仕組みを学びながら、実際にサーバーの構築やネットワークの設定を実践的に身に付けられます。初心者向けにクラウド技術の基礎を習得することも可能です。
その上で、インフラエンジニアが新たなスキルを習得する短期集中セミナーとして使えます。AWSを研修で学びたいときにおすすめです。
企業向けDX・AI人材育成サービス
企業向けDX・AI人材育成サービスは、法人向けに研修内容やターゲットを変更してくれるので、自社の新入社員教育に利用することもできる研修です。
既存社員の工数がかかってしまう新入社員の教育も、こちらに外部委託すればリソースを使うことなく社員研修を完了させることができます。
新入社員の研修でよくある質問
ここでは、新入社員の研修でよくある質問についてまとめてみました。
新入社員の研修についてまとめ
新入社員の研修は、業務知識やスキル、マナーを習得させるときや、即戦力を身に付けるときに必要です。
研修方法の種類には、オンライン研修やOJT、ワークショップなどがあり、実践的な内容を取り入れることで効果が高まります。
研修の選定時には、講座の実用性や講師の実績を確認し、実施スタイルを新入社員に合わせることが大切です。今回紹介した新入社員におすすめの研修を参考に選びましょう。
