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仕分け装置の比較まとめ(日酸TANAKA・三菱電機・トルンプ・アマダ・ヤマザキマザック)

昨今、切断機メーカー等の間では仕分け装置の開発に注目が集まっています。仕分け装置は、鋼板等から切り取られたパーツを自動で仕分けする装置です。パーツはパレットなどに積みあげられ、次の工程へと送られます。パレットは部品名や次工程、納付先ごとに分けられますので、後工程の効率性が向上します。この記事では、仕分け装置の比較をしながら、機能面や価格などを見ていきます。

仕分け装置は切断機の作業効率を高める

仕分け装置が注目されるのには様々な理由があります。まず、ファイバーレーザーのユーザーにとって、片付け作業がネックとなる傾向があります。それに対して、仕分け装置を導入すれば切断機の作業効率を高められます。従来、片付け作業は作業者の人手に頼る割合が多く、相当な作業負担がありました。単純作業や腰痛などの問題から、片付け作業者が辞めてしまうケースも少なくありません。また、人手による仕分けでは仕分けミスが発生することもあります。それらの課題を解消するためにも、仕分け装置の導入は有効です。加えて、同装置の導入は工場内の部品搬送を効率化できるため、搬送に要する人手も削減可能です。

日酸TANAKAの仕分け装置

ここからは各メーカーの仕分け装置を比較していきましょう。日酸TANAKAのPMG-M0050/PMG-M0100は、門型切断機と同じレールに設置可能な仕分け装置です。同装置は切断後の部品を自動的にピッキングし、専用パレットに仕分けします。溶断現場の自動化に貢献すると共に、作業者への負担を大幅に軽減できるのが強みです。また、既存の切断機に対応しており、導入コストを抑えられるのもメリットです。PMG仕分け装置の対象材料は軟鋼材(黒皮・ジンク)で、可搬重量はM0050が50キロ以下/1製品、M0100が100キロ以下/1製品となっています。可搬サイズ(縦×横)はM0050が1,000ミリ×1,000ミリ以下、M0100が2,000ミリ×2,000ミリ以下です。両装置とも位置決め用レーザースポットや監視カメラ&モニタ、障害物検知装置が備わっています。また、機体間衝突防止装置が標準装備されており、人為的なミス等による事故を予防できます。

PMG仕分け装置では、複雑な仕分け工程もピッキング作成用CAMによって簡単にプログラミングできます。部材データから重心が割り出され、対象部材に応じたマグネットが選択されます。配置時にはパレットに合わせて、効率的な仕分け経路が算出されます。PMG装置をサポートするのは、切断機とピッキング機をライン制御する専用コントローラーです。同コントローラーは、切断スケジュールの受信や配材用パレットの位置情報の受信、ピッキング用NCプログラムの作成機能などを備えています。

三菱電機の仕分け装置

三菱電機のASTES4は、テーブルタイプの切断機及びストッカー向けの仕分け装置となります。多数の機能を使い分けられるのが特徴で、母材の装着から残材の排出まで対応可能です。こちらの仕分け装置は独自の特許技術により、多種多様な素材に柔軟に対応できることが強みです。素材データや切断データを入力するだけで、ほとんどの工程を装置が自動で判断して仕分けします。ASTES4はスイスで開発されており、自動化で実績のあるヨーロッパでも多数導入されています。同装置は独立制御4本アームが採用されており、幅広い対応力を発揮します。それぞれのアームが独立制御されますので、長尺製品でもピックアップ可能です。また、アームは自由に回転できるため、配置時には向きを揃えて積載できます。さらに、アームに専用ツールを付けることで、幅広い形状の部材が仕分け可能です。その際にも、部材の材質や重量などから最適なツールを自動で選択します。加えて、部材情報の読み込みから仕分けシステムの稼働まで簡単な操作で行えます。

ASTES4は板厚1~25ミリの部材の仕分けにも対応可能です。国内で16ミリ以上の厚板に対応した装置はほとんどありませんので、25ミリまで対応可能なのは大きな強みです。また、専用の管理ソフト「SortCAM」が用意されており、ほとんどの操作を直観的に行うことができます。ASTES4の価格はレーザー加工機に匹敵しますが、大量生産の現場では導入コストに見合うパフォーマンスを期待できます。実際、建機や建材の生産現場で高い需要が見込まれています。

アマダの仕分け装置

アマダのテイクアウトローダー(TK3015L)とテイクアウトローダー付きリアマニプレーター(RMP-NTK)も、テーブルタイプの切断機及びストッカー向けの仕分け装置です。複合機との組み合わせが可能ですが、ツールは固定された1種類です。TK3015Lは仕分け作業の負担を軽減しつつ、次工程を考慮した集積が行えます。薄板だけでなく中厚板の梱包材にも対応しており、長時間の連続運転が可能です。加工パレットへの配置から集積まで、全て自動運転できるのも強みです。

部材がセットされた加工パレットは、管理工程に従って自動で連続的に交換されます。加工パレットに応じて、薄板から最大25ミリの厚板にも対応可能です。TK3015Lでは様々な寸法の部材や幅広い素材を装着できますので、単品加工及び残材ストックにも使えるのが魅力です。パレット枚数の増加により連続運転ができ、標準の10枚からオプションで12枚や15枚も選択できます。加工パレットと梱包材を組み合わせれば、素材の1枚取りから集積までの連続運転が可能です。加工パレットへのセット時には、プリ原点セットシステムにより部材の傾きなども補正されます。一方、RMP-NTKには素材供給・製品集積システムが組み込まれており、効率的な連続運転を可能にします。梱包材から必要な素材を搬入でき、加工後の集積まで自動で行われます。

トルンプの仕分け装置

トルンプのTruLaser Center 7030は、レーザーカッティングの全プロセスが統合された仕分け装置です。リードタイムと加工コストを削減でき、レーザー加工プロセスにおける最大限のパフォーマンスに貢献します。同装置は描画からパーツ分類まで実行可能で、スマートゲイトが部材の転倒や溶接固着を防止します。TruLaser Center 7030のソートマスター・スピードは、精緻な大型部材も高速でスタック可能です。また、トルトポス・ブーストにより部材の切断や取出し、配置用のプログラミングを自動で作成します。加えて、同装置は全自動レーザーマシンと倉庫の接続を可能にします。正面や側面での接続ができますので、原材料と完成品用に仕分けできます。さらに、TruLaser Center 7030はマイクロジョイント用の部材でも確実な切断・排出が可能です。

レーザーカッティングでは、30ミリの鋼板の切断が可能です。それに加え、半導体チップ等もマイクロメートルレベルの精度を誇ります。トルンプの強みは、多種多様な切断作業に対応できることです。トルンプの本機械は3D部材にも対応しており、プロファイルやパイプのカッティングも行えます。同社はレーザー装置や関連機器の開発に加え、機器との最適な連動を実現するシステムも提供しています。その中には特許取得の2in1ファイバもあり、内外から高く評価されています。

ヤマザキマザックの仕分け装置

ヤマザキマザックの仕分け装置は、三菱電機やアマダと同じくテーブルタイプの切断機等と共に設置されるタイプです。ロボット技術が採用されており、パレットの配置レイアウトの自由度が高いのが特徴です。

多種多様な部材の仕分けを効率化する仕分け装置

板金のレーザー加工は、切断後の部材仕分けに相当な労力を要します。人手による仕分け作業は、作業者にとっても大きな負担です。仕分け作業の省人化を実現するのが、自動仕分け装置です。仕分け装置は名だたるメーカーが開発しており、多種多様な部材の仕分けが効率化されるのが大きな魅力です。

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