製造業への就職・転職をイメージしたとき、「大変なのではないか」といった不安が頭をよぎる人は少なくないでしょう。実際に体力を必要とする仕事もあれば、危険を伴う業務もあります。
しかし、製造業と一言でいっても職種や仕事内容は幅広く、多くの人がイメージするような大変であったり危険であったりする仕事ばかりではありません。製造業に従事した経験のない人でも携われる仕事も少なくはない業界といえます。
今回は、製造業の仕事を紹介しつつ、初心者や未経験者でも従事可能な職種や、実際に携わる際のポイントなどについて解説していきましょう。
製造業の仕事とは
製造業とは、端的に言えば、製品や商品をつくり、販売する業種です。サービスの提供ではなく、物理的に存在するものをつくる点が大きな特徴でしょう。どのようなものをつくるのかを考え、金属やプラスチックなどを加工し、製品をつくりあげ、消費者へと届けるのが、製造業の仕事の大まかな流れです。
大きなものから小さなものまで、ものをつくる仕事はすべて製造業といえます。つまり、人々は製造業でつくられたものに囲まれ生活しており、日常に不可欠な業種・仕事であるといえるでしょう。不良品は、人の健康や安全を脅かすおそれがあります。
製造業は世の中を便利にするだけではなく、人々の安全を守る重要な仕事である点も認識しておかなければいけません。
製造業の代表的な分野
製造業は、つくるものや分野ごとに細分化されることがあり、その種類も多岐にわたります。
電子機器や自動車、家電などが製造業の代表的な分野です。医薬品や建築、食品も製造業に含まれる分野となっています。家具やアパレルも説明したように物理的に存在するものをつくる仕事のため、製造業に分類されるでしょう。
各分野で仕事内容は大きく変わるのも製造業の特徴です。従事を目指す場合には、興味をもてる分野を限定して就職・転職先を探すのも、一つの考え方となります。
製造業の仕事の種類
製造業は、とても多くの人が関わり成り立っている業種です。工場などでものをつくる仕事をイメージする人が多いものの、それ以外の仕事も存在し、むしろ、一般的な業種とさほど大差のない職種の人たちが仕事をこなし、製品が製造され、消費者に届けられているといえるでしょう。
ここでは、製造業の仕事の種類を大まかに紹介します。
商品企画
どのような製品をつくるのかを考える仕事が、商品企画です。製造業は、この商品企画から始まるといってもよいでしょう。新製品や改良のアイデアを生み出し、企画として提出するなどします。その土台となる市場調査も含まれ、ニーズやデータの分析も商品企画の重要な業務です。
時代や社会のニーズを捉えながらも、従来のものとは異なる斬新な発想で新製品をイメージできる能力をもつ人に向いている仕事といえます。
研究開発
自社のみの技術や特許を生み出したり、それらを製品に活用・応用したりするのが研究開発の仕事です。大きなメーカーでは、基礎研究・応用研究・商品開発の分野にそれぞれのプロフェッショナルがおり、新製品のための研究や開発を長期間にわたり行っています。
高度な知識や技術が求められる仕事でもあり、また、何年も根気強く研究を続ける忍耐力も欠かせないでしょう。
設計
実際に製造する製品を具体的な設計図や図面に落とし込む仕事も製造業には欠かせません。指定されたサイズや機能、コストなどを考慮しつつ、イメージを製品として成り立つ具体的な形へと導く重要な仕事です。
製品は設計図通りに生産・製造されるため、製造業の核となる仕事ともいえるでしょう。
生産・製造
製造業と聞いたときに、多くの人がイメージしやすいのが、生産・製造の仕事でしょう。設計図などをもとに実際に製品をつくりあげる仕事です。
何をつくるのかや担当によって、求められる知識や技術は異なります。イメージ通りの製品ができない場合には問題点を見出し、微調整するなどしつつ改善していかなければいけません。
製造業の醍醐味ともいえるため、やりがいの大きな仕事となるでしょう。
管理
製造業には、製造された製品や製造過程などを適切に管理する仕事もあります。製品の品質に関するものは品質管理、製造ラインや生産量のコントロール、生産スケジュールに関するものは生産管理などと分けられるケースも少なくありません。
そのときどきの状況に臨機応変に対応する能力も求められ、さまざまな部署や職種の人たちとのコミュニケーション能力も必要とする仕事です。
保全
製品を製造するのに欠かせない機械や設備の保全を担当する仕事もあります。正常に稼働しているかをチェックし、必要に応じて修理や調整を行わなければいけません。定期的なメンテナンスも任され、製品の品質だけではなく、従業員の安全を守るための重要な仕事でもあります。
営業・販売
製造された製品を、顧客などに営業し販売する仕事です。同じ製品でも、営業や販売を含めたプロモーション次第で売れ行きは変わります。そうした戦略を練り、消費者や社会のニーズにマッチした活動を行わなければいけません。
製造業の売上を左右する仕事のため、とても重要な役割を担っているといえるでしょう。
事務
製造業に分類される企業で、事務職を担当します。電話や来客の対応、書類の作成や整理などを行い、自社で働く従業員のサポートをする重要な仕事です。経理作業など、お金にかかわる業務も担当する場合は、より大きな責任感が求められるでしょう。
初心者におすすめの製造業の仕事
製造業の仕事の種類を紹介しましたが、このなかには、初心者や未経験者でも従事やチャレンジが可能な仕事もいくつかあります。それらを取り上げながら、実際にどのような仕事内容なのか、なぜ初心者でもできるのかなどについて解説しましょう。
CADオペレーター
CADとは、製品の設計図などをコンピューターを用いて作成するツールです。また、そのツールで設計すること自体をCADと呼ぶこともあります。製造業に欠かせないものであり、分野問わずに使われているといってもよいでしょう。そのCADを扱うCADオペレーターは、初心者や未経験者でも始められる仕事となっています。
もちろん、実際に業務に携わる際には、一定の知識や技術が必要です。しかし、学歴や経歴に関係なく学べ、セミナーや講座の受講により年齢問わずに技術や資格の取得を目指せるものでもあります。体力や研究に関する知識などはないけれども製造業に携わりたいと考える人にとって、チャレンジする価値のある仕事の一つとなるでしょう。
軽作業
製造業における仕分けや製造ラインでの仕事は、軽作業と表現されることがあります。特別な資格や経験がなくても携われる仕事であり、正社員だけではなく、派遣社員やアルバイト・パートなど非正規の雇用形態でも従事可能です。ほかにも、梱包や組み立て、加工など、仕事の種類はさまざまあります。
自分の性格や能力、体力に合った仕事を見つけられるのも軽作業のよいところでしょう。
営業や事務
製造された製品を顧客へと販売するための営業活動や、書類の整理や経理作業などを行う事務も、初心者が携われる製造業の仕事です。コミュニケーション能力や行動力、臨機応変さなど求められる資質はあるものの、資格や学歴は原則不要なため、興味や意欲があれば未経験者でも従事できるでしょう。
製造に直接はかかわりませんが、自社製品に関する知識や特徴の把握が求められるので、製造業の魅力を実感できる仕事といえます。
製造業の仕事を探せるサービス
製造業の仕事を探す際に意識したいのは、自身の今後のキャリアについてです。軽作業や事務作業も重要な仕事であり製造業に不可欠ですが、知識や技術が養える職種のほうが、将来にわたり収入を増やしたり新たな挑戦がしやすかったりするでしょう。
そうした職種を探すには、転職エージェントなどの人材紹介サービスの利用が不可欠です。
製造業の仕事を探せるサービスに「JobTech for CAD」があります。
「JobTech for CAD」はCAD業界に特化した転職支援サービスです。CADを扱える人材を探している企業の求人を紹介してもらうことができ、内定までのサポートをしてくれます。最大の魅力は、製造業やCAD業界が未経験の人でも利用できる点です。
「JobTech for CAD」では提携している教育サービスが受けられ、業界の知識やCADの技術などを習得したうえで転職活動が行えます。
転職相談や、応募時の書類の作成サポート、面接のアドバイスなど、転職活動にかかわるさまざまなことを、担当のエージェントが支援してくれるため、製造業や転職活動の未経験者でも安心です。
利用料金は無料で、「JobTech for CAD」の利用者にしか公開されない非公開求人や独占求人も多数抱えています。
製造業のなかでも、今後のキャリアに活かせる仕事へとチャレンジしたい人にとって、有用なサービスといえるでしょう。
製造業の仕事をこなすポイント
製造業の仕事にはさまざまな種類があり、それぞれで求められる能力や実務経験などは異なります。ここでは、特に初心者や未経験者が製造業の仕事をこなす際に意識したいポイントをまとめましょう。
自分自身に合った仕事を選ぶ
同じ製造業に分類される仕事でも、軽作業と事務作業では業務内容や求められる能力がまったく異なります。営業とCADオペレーターにも大きな違いがあり、それぞれで合う合わないがあるでしょう。仕事を選択する際には、自身に合った仕事を見極めなければいけません。
製造業では、常に立ちながら作業を行う仕事もあれば、反対に座り続ける職種もあります。CADオペレーターのように在宅で携われる仕事もあり、職種ごとに作業スタイルがまったく異なるため選択の際には注意が必要です。
自身の体力や資質などを考慮し、長く続けられる職種を選ぶことが、製造業で仕事をこなしていくための重要なポイントとなるでしょう。
勉強や資格取得で収入増を目指す
製造業の仕事のなかには、勉強や資格取得によってできることなどが大幅に変わるものが多々あります。キャリアアップのために、勉強や資格取得へと積極的に取り組むのもよいでしょう。知識や技術が向上すれば、それに見合った収入も得られやすくなります。
転職の際にも有利になるため、製造業で長く仕事をこなしていくつもりの人は、成長へとつながる資格取得などにも取り組んでみましょう。
自分自身のメンテナンスも怠らない
製造業の仕事をこなしていくうえでは、自分自身のメンテナンスも重要です。体力を使う仕事を選んだ場合には、メンタル面も含めて身体のケアが求められます。CADオペレーターや事務のように座り続ける時間が長くなりがちな仕事の場合は、適度な運動を取り入れる必要も出てくるでしょう。
メンテナンスを怠ると、仕事を長く続けられないリスクが高まります。自身の従事する仕事に見合ったメンテナンスを取り入れることがポイントです。
製造業の仕事についてまとめ
製品をつくり消費者へと届ける製造業には、さまざまな仕事があります。工場などで作業をするだけではなく、設計や事務、営業なども製造業を支える重要な仕事です。そのなかには、初心者や未経験者が従事可能な職種も少なくありません。
製造業への転職前に、特定の知識や技術の習得が可能な教育環境を提供している人材紹介サービスも存在しています。そうしたサービスも上手に活用すると、キャリアアップを視野に入れた転職活動が行えるでしょう。
自身に合った仕事を選択しつつ、勉強や資格取得などにも取り組めば、収入や役職を上げられるなど自身のキャリアを確実に積み上げていくことが可能です。