安定した職業に就きたい、高給な仕事に就きたいという人におすすめなのはCAD系の職業です。
CADは、さまざまな業種の企業で活用されるようになっており、この資格を持っている人は、就職や転職でも有利になる場合があります。
そこで今回は、CAD関係の仕事におすすめな資格を8つ紹介していきます。
CADとは?
CAD、あるいはCADシステムは、コンピューターで設計図面が作成できるソフトウェアのことです。
アメリカでいち早く活用されていたこのツールは、正式には「computer aided design」という名称がついていますが、一般的には3つの単語の頭文字を取ってCADと呼ばれています。
パソコンなどにインストールするだけですぐに使えるのが、CADの魅力です。
CADで出来ること
CADを使用すると、パソコンで建築物の製図やサイズの計算などを自在に行うことができます。
CADが使われるようになる以前は、建物の設計図などを作成する際に、人間が手書きで製図をしていました。
CADは、建物の平面図や外観を表す立面図、断面図などをキーボードの操作で作成することが可能で、修正も簡単に行えます。
寸法や面積の計算もできるため、設計の作業がスムーズに進みます。
小さい電子部品の設計も可能なCADは、いろいろな業務に活用できる便利なツールです。
【2025年版】CAD資格おすすめ8選
CAD資格名 | 階級 | 受験料(税込) | おすすめポイント |
建築CAD検定試験 | 準1級〜4級 | 10,500円〜14,700円 | 建築設計の職に就きたい人や給与を上げたい人におすすめ |
2次元CAD利用技術者試験 | 基礎・2級・1級 | 7,700円〜16,500円 | 2DCADの幅広い仕事に就きたい人におすすめ |
3次元CAD利用技術者試験 | 2級・準1級・1級 | 7,700円〜16,500円 | 3DCADの幅広い仕事に就きたい人におすすめ |
CADデザインマスター認定試験 | 特になし | 10,000円 | CADの中でもデザイン系の仕事をやりたい人におすすめ |
オートデスク認定資格プログラム | 特になし | 会場による | Autodeskのソフトが扱えると証明したい人におすすめ |
Vectorworks操作技能認定試験 | 特になし | 3,300円 | Vectorworksを仕事でよく使う人におすすめ |
機械・プラント製図技能士 | 特級・1級・2級・3級 | 21,000円 | 国に認定されているCADの資格が欲しい人におすすめ |
CAD実務キャリア認定制度 |
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7,300円〜13,600円 | 在宅試験が可能で、3Dや2D CADスキルを証明したい人におすすめ。幅広い業種でのCADスキルの証明に役立つ資格。 |
CADの資格にはいろいろな種類がありますが、広く知られていて取得するのにおすすめなのは上記の8つです。
受験料はどの資格もそこまで高くありませんが、資格勉強をするのに講座を受けたり本を購入することを考えると5〜7万円程度の予算を考えておくと良いでしょう。
この8つのCAD資格の内容や開催スケジュールについては下記で詳しく解説していきます。
①建築CAD検定試験
引用:aacl
建築用図面の作成スキルを問うこの試験は、一般社団法人の全国建築CAD連盟が実施しています。
準1級から4級まであり、4級は高校生のみ受験が可能です。
4級以外の級については、受験資格は特に定められていません。
試験のスタイルが一般受験と団体受験に分かれているのも、建築CAD検定試験の特徴です。
一般受験は年2回、団体受験は年4回のスケジュールで行われていますが、準1級の試験だけは一般受験、団体受験のいずれも毎年1回です。
②2次元CAD利用技術者試験
引用:acsp
CAD利用技術者試験は、一般社団法人のコンピューター振興教育協会が行っている試験です。
その中でもこちらは2DCADに対応した試験です。
基礎、2級、1級の3つのレベルが設けられていて、1級には建築・機械・トレースの3つのカテゴリーがあります。
2次元CAD利用技術者試験の基礎と2級については随時受験が可能です。
③3次元CAD利用技術者試験
こちらは同じく一般社団法人のコンピューター振興教育協会がやっているCAD資格の3DCAD版です。
2級、準1級、1級の3つです。
2次元・3次元の技術者試験は、受験資格は特に定められていません。
ただし、いずれも準1級や1級などの上位の級を受験するには下位の試験に合格している必要があります。
2次元CAD利用技術者試験と違い、3次元CAD利用技術者の試験は毎年2回のスケジュールで行われています。
④CADデザインマスター認定試験
引用:jdp
CADオペレーターを目指す人から人気があるこの試験は、デザイン関連の認定試験を広く主催している日本デザインプランナー協会が行っています。
CADデザインマスター認定試験の場合、自宅での在宅受験が可能です。
建築や土木、機械などの幅広い分野のCADのスキルが問われるのが、こちらの試験の特徴になっています。
試験は年に数回のスケジュールで行われており、自分の都合に合った日程を選んで受験ができます。
⑤オートデスク認定資格プログラム
引用:Autodesk
オートデスク認定資格プログラムは、製造業や建築、土木、研究機関など幅広い分野で必要とされるCADスキルを証明する世界共通の資格制度です。
20万人以上が取得しており、AutoCADなどオートデスク製品の操作スキルを認証することで、キャリアアップに役立ちます。
特に「オートデスク認定ユーザー」は、学生や初級ユーザー向けに設計されており、設計者としての基礎的な知識と技術を備えたことを示す資格です。
合格者は、オートデスクが公式にスキルを保証するため、就職時にも強力な証明として活用できます。
試験はいつでも受験可能ですが、各試験会場により異なります。
全国のオートデスク認定試験センター(ACC)にお問い合わせ下さい。
⑥Vectorworks操作技能認定試験
引用:VectorWorks
ベーシック認定試験は、Vectorworksの2次元・3次元作図、ワークシート、基本的なレンダリング操作を含む基本機能の習得度を証明する試験です。
IBT形式で実施されるため、インターネット接続環境があれば、時間や場所に関係なく受験が可能です。
受験者は専用教材を使って試験対策ができ、試験終了後に即座に合否判定が行われます。
合格者にはPDF形式の認定証が発行され、成績優秀者には「アドバンス認定」証が郵送されます。Vectorworksスキルを客観的に証明したい学生や社会人に最適な試験です。
IBT形式(インターネットに接続した環境でコンピュータを利用した試験)のため、メンテナンス期間を除いて、いつでも申込可能です。
⑦機械・プラント製図技能士
引用:Javada
Vectorworks操作技能認定試験は、国が認定する国家技能検定制度であり、CADスキルを含む技術を客観的に証明するための試験です。
職業能力開発促進法に基づき実施され、試験は実技試験と学科試験で構成されます。
合格者は「技能士」として認定され、厚生労働大臣または都道府県知事名で合格証書が交付されます。試験は等級によって特級、1級、2級、3級に分かれ、受験者の技能レベルに応じて評価されます。
厚生労働省が定めた計画に基づき、都道府県や指定試験機関によって実施されます。
試験日程や詳細は各都道府県職業能力開発協会や厚生労働省のホームページで確認できます。
CAD実務キャリア認定制度
CAD実務キャリア認定制度の資格試験は、CADスキルを証明するための実技試験で、在宅で受験可能な点が特徴です。この試験は、3種類の認定試験(3次元CADトレーサー認定試験、3次元CADアドミニストレーター認定試験、CADアドミニストレーター認定試験)があり、それぞれ試験内容や受験料が異なります。
試験は、応募資格が特に設定されておらず、インターネット接続環境とデータ交換機能(DXF)を備えたCADソフトを使用できれば、有償・無償を問わず受験可能です。一般受験者は在宅試験として実施されますが、団体受験者の場合は指定の試験会場で受験します。
申し込みは、専用フォームから受験登録を行い、受験料を振り込むことで完了します。学生割引制度を利用する場合は、学生証の画像を提出する必要があります。振込確認後、受験票や試験マニュアルがメールで送付され、試験に関する詳細が確認できます。
CAD資格が活かせる職種・業界6つ
CADの資格が活かせるのが、次のような職種や業界です。
- 建築設計事務所
- 大手ハウスメーカー
- 機械、電子部品メーカー
- インテリアデザイン・家具メーカー
- 自動車メーカー
- プラントエンジニアリング会社
このような仕事に就きたいと思っている人・就いているが給与や年収に不満を持っている人はCAD資格の取得を考えても良いでしょう。
①建築設計事務所
建物の設計や施工などを手掛ける建築設計事務所では、CADの操作ができるオペレーターをよく募集しています。このような事務所では、道路や橋といった公共物の建設施工も請け負うことがあるため、建築、土木系のCADのスキルがある人は重宝されることが多いです。
キャリア形成にはもってこいのスキルと言えるでしょう。
②大手ハウスメーカー
大手ハウスメーカーも、CADの資格が活かせる職場のひとつです。
ハウスメーカーでは、建売住宅やマンションの設計、外観の立面図の作成などに携われる可能性があります。
③機械、電子部品メーカー
機械系のCADをひと通り学んだ人は、機械や電子部品メーカーなどが活躍できる場として考えられます。
機械系のCADは、ボルトやねじなどの小さい部品の設計や製図などに活用できるツールです。
会社が導入しているCADのソフトウェアが自在に操作できれば、即戦力として活躍できるでしょう。
④ インテリアデザイン・家具メーカー
インテリアデザイン事務所や家具メーカーでは、室内レイアウトや家具の設計図をCADで作成するスキルが求められます。特にインテリアコーディネートやオーダーメイド家具の製作に携わる場合、CADスキルを持つことで、設計から製作までのプロセスを効率的に進めることが可能です。
⑤ 自動車メーカー
自動車メーカーでは、自動車のボディや内部構造の設計にCADが不可欠です。特に3D CADのスキルが求められることが多く、エンジニアリングやデザインの分野で活躍できます。自動車部品の精密な設計や製図を担当することが多いため、専門性の高いスキルが重視されます。
⑥ プラントエンジニアリング会社
プラントエンジニアリング業界では、発電所や工場などの大規模施設の設計にCADが使われます。配管図面や設備設計図の作成など、プラントの安全性と効率性を担保するための重要な役割を果たします。この分野では2D・3D CADのどちらも求められる場合があります。
CAD資格を学べるおすすめセミナー
CADの資格は、職場で実務に携わりながら取得をする人も少なくありません。
独学で合格できるレベルまで実力を養えるか不安な人は、セミナーを利用するのも方法のひとつです。
3次元CAD利用技術者試験2級対策講座
「3次元CAD利用技術者試験2級対策講座」は、3次元CAD利用技術者試験の2級を受けたい人におすすめのセミナー講座です。
3次元CAD利用技術者試験を受けたいけど何を勉強したら良いかわからない・ポイントをプロの講師に教えてもらいたいという人におすすめとなっています。
価格は27,500円(税込)ととても安く、eラーニングでどこでも受講できるので若い人にもおすすめできるセミナーです。
また、動画なので期間内なら何度でも見直せるのも個人的に嬉しいポイントとなっています。
CAD資格を取るのにおすすめの練習ソフト
また、資格の練習におすすめなCADのソフトウェアですが、
- 2DCADを始めたい → AutoCAD
- 3DCADを始めたい → Autodesk Fusion
- 建築用3DCADを始めたい → Revit
この3つが特におすすめのCADソフトになります!
2DCADを始めたい方は、CADソフトシェア率No.1のAutoCADを使っておくのがやはり安定ですね!
3DCADを始めたい方は、非商用利用なら無料、商用利用でも年間6万円前後で利用できるAutodesk Fusionがおすすめです。
この3つのソフトはどれもAutodesk社が出しているCADソフトなのですが、Autodesk社のソフトウェアは基本的にビューが分かりやすいので初心者でも飲み込みやすいです!
CADの資格についてまとめ
CADのスキルが証明できる資格は、さまざまな職場で活かせます。資格の特徴をチェックしてスキルアップに役立ててみましょう!
これからCADの資格取得を目指すときは、試験の種類やそれぞれの難易度などをチェックし、自分のスキルアップに役立ちそうなものを選んでみましょう。
ここで紹介したセミナーなどを利用すれば、未経験者でもCADの資格に合格するためのステップを踏むことができるので、ぜひCADの資格を取得するならセミナー講座を検討してみてください。
