新たに3Dモデリングのソフトウェアの導入を考えており、そのなかでもRhinocerosとAutoCADのどちらを利用すべきか悩んでいる人も多いでしょう。また2つの製品について互換性があるのか気になっている人もいるはずです。
そこでこの記事では、RhinocerosとAutoCADの違いについてわかりやすくまとめました。
また各製品が対応しているデータ形式や変換の有無など、互換性についても説明しているので、ソフトウェア選びの参考にしてみてください。
Rhinocerosとは

Rhinocerosは、米国シアトルに本社をもつRobert McNeel & Associatesが提供している3Dモデリングソフトウェアです。主にNURBSによる3Dモデリングを実施でき、3Dモデルの作成はもちろん、2D図面の作成にも対応しています。
またRhinocerosは、建設・機械・製造・ゲーム・装飾など、多種多様な業界で利用できる汎用性の高いソフトウェアです。各業種向けの拡張プラグインも用意されており、目的に合わせて必要な機能をカスタマイズできます。
より詳しくRhinocerosの概要を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
詳しい用途について解説しています。
AutoCADとは

AutoCADは、エンジニア向けのソフトウェアを提供しているAutodesk社が開発したCADソフトです。2D・3Dの両方に対応していることはもちろん、別途提供されているBIMソフトと連携できます。
またAutoCADを利用するのは、主に建設・機械・製造といったエンジニアです。
基本的な機能を備えているAutoCADのプランはもちろん、業種ごとの機能を追加できるAutoCAD Plusというプランも用意されています。
また、AutoCADの概要を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
従来のAutoCADとAutoCAD Plusの違いを解説しています。
RhinocerosとAutoCADの違い

RhinocerosとAutoCADは、どちらも3Dモデリングや2D図面の作成に対応しているソフトウェアですが、機能や価格、推奨スペック等に細かな違いがあります。
そこでここでは、RhinocerosとAutoCADのどちらを導入すべきかお悩みの人向けに、2製品の違いを整理しました。
RhinocerosとAutoCADの機能の違い
RhinocerosとAutoCADの機能の違いを、下表に整理しました。
| Rhinoceros | AutoCAD | |
| ソフトの用途 | 3Dモデリング・2D図面作成の両方に対応しているが3Dモデリングの機能が豊富である | 3Dモデリング・2D図面作成の両方に対応しているが2D図面作成の機能が豊富である |
| 利用する業界 | 多業界 | 主に建設・機械・製造業界 |
| 作図・モデリング機能 | 3Dモデリングがメインであり、豊富な機能を利用して細かな造形をつくり出せる | 2D図面作成がメインであり、座標を使った作図に対応できる(業種別の専用ツールあり) |
| ビジュアライゼーション機能 | 高精度のレンダリングが可能 | レンダリングには弱い |
| コラボレーション機能 | あり | あり(BIMソフトにも対応) |
| アニメーション機能 | 追加パックで対応可能 | 別Autodeskソフトで対応可能 |
| 拡張プラグイン | 豊富 | あり |
例えば、Rhinocerosは、多業種に利用されやすいように、汎用性の高いモデリング機能が搭載されています。初期の画面が3Dモデリングからスタートするため、主に3Dモデルの生成をしたい人向けの機能が豊富です。
またAutoCADは、初期の画面が2D図面作成の表示からスタートします。
座標系の設定をすることにより、現実に即した図面作成に対応できるのが魅力です。
なおRhinocerosは専用のプラグインを導入することでBIMに対応できます。
AutoCADについては、Autodesk社が提供している別のBIMソフトとの連携が必要です。
RhinocerosとAutoCADの価格の違い
RhinocerosとAutoCADは、それぞれ価格の考え方が違います。
まずは以下に、各製品の価格情報を整理しました。
| 製品 | プラン情報 | 価格(税込) |
| Rhinoceros | フルパック (永久ライセンス) |
187,000円 (バージョンアップは+110,000円) |
| アニメーション作成パック (永久ライセンス) |
83,600円 | |
| AutoCAD | 1ヶ月契約 (サブスクリプション) |
8,800円/月 |
| 1年月契約 (サブスクリプション) |
71,500円/年 |
例えばRhinocerosは、永久ライセンスとして購入するのが特徴です。
バージョンアップ時に追加料金はかかりますが、永続的にソフトを利用できます。
対してAutoCADは、継続的な支払いが必要なサブスクリプションが採用されています。
ランニングコストはかかりますが、バージョンアップに無料で対応できるのが特徴です。
RhinocerosとAutoCADの推奨スペックの違い
RhinocerosとAutoCADは、導入するパソコンの推奨スペックが次のように異なります。
| 推奨スペック | Rhinoceros | AutoCAD |
| OS | Windows10、11 (macOSも対応) |
Windows10、11 (macOSも対応) |
| CPU | 64bitのIntelまたはAMDプロセッサ | 3GHz以上のプロセッサ |
| RAM | 8GB | 32GB(基本は8GB) |
| GPU | 4GB VRAM OpenGL 4.1対応 |
8GBのGPU 帯域幅106GB/秒 DirectX 12互換 |
どちらも比較的同じスペックから利用できますが、推奨値だけを比べるとRhinocerosのほうが低いスペックのパソコンでも対応できるのが特徴です。
ただし、上記の値はあくまで目安です。
スムーズに処理するように、なるべく表示されている値以上のパソコンに導入しましょう。
RhinocerosとAutoCADがおすすめの人
前述した比較ポイントを見ても、RhinocerosとAutoCADのどちらを導入すべきか自分で選べないとお悩みの人もいるでしょう。そこで、以下より各製品がおすすめの人の特徴を整理しました。
Rhinocerosがおすすめの人
Rhinocerosは3Dモデリングをメインに扱いたい人、また自分好みに機能をカスタマイズしたい人におすすめです。
基本機能が3Dモデリングに寄っていることはもちろん、追加プラグインを組み合わせることにより、自身がよく利用する機能だけで固められます。無料プラグインも豊富に用意されているので、使いたいプラグインがあるのなら、カスタマイズ性の高いRhinocerosを導入しましょう。
AutoCADがおすすめの人
AutoCADは、主に2D図面を作成したい人、またエンジニア向けのCADソフトを導入したい人におすすめです。
主に設計業務に利用する場合、納品データのなかにはdwgやdxfが求められるケースも少なくありません。国土交通省に掲載されている事例にもAutoCADを使った設計図などが公開されているため、信頼や品質維持のためにAutoCADを導入することをおすすめします。
RhinocerosとAutoCADのデータをインポートする方法

RhinocerosとAutoCADは、それぞれ専用ファイル形式のインポートが可能です。
まずRhinocerosでは「ファイル>インポート(上画像)」から、AutoCADのdwgデータを読み込めます。
またAutoCADでは「挿入リボン>読み込み(下画像)」に、Rhinocerosの3dmデータを読み込む項目が用意されています。

データをそのまま読み込めるため、2つの製品を同時に利用したり、協力会社や発注者と連携したりと、データの共有や納品の作業でも手間をかけずに済みます。
RhinocerosとAutoCADはデータ変換が不要
RhinocerosとAutoCADは、それぞれの専用ファイル形式を読み込めることから、データ変換の必要がありません。また、RhinocerosやAutoCAD以外にも次のようなソフトウェアとの互換性があります。
- SketchUp
- SOLIDWORKS
- 3D Studio
わざわざ別のデータに書き出すといった手間をかけることなく、そのままの設定で挿入ができることから、3Dモデリングや2D図面作成の効率化にも役立ちます。
RhinocerosとAutoCADをセミナー講習でマスターしよう
RhinocerosとAutoCADのうち、どちらかもしくは両方を導入する予定があるなら、使い方や操作方法をマスターするために、セミナー講習を受講してみるのはいかがでしょうか。
セミナー講習では、会場講習・ライブウェビナー・eラーニングなどを通じて、経験豊富なソフトウェアの講師から基本知識やノウハウをレクチャーしてもらえます。
AutoCAD基礎セミナー講習
短期間ですべての操作をマスターできるセミナー講習なども開催されているため、ぜひ気になるセミナー講習を探してみてください。AutoCADのセミナー講習に興味がある方は、以下のセミナー講習がおすすめです。短期間で基礎・応用をまとめて学べます。
セミナー名 AutoCAD基礎セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 29,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
Rhinoceros基礎セミナー
RhinocerosとAutoCADの違いについてまとめ
RhinocerosとAutoCADは、どちらも2D図面作成・3Dモデリングを実施できるソフトウェアですが、機能の範囲や価格、スペックなど複数の点に違いがあります。
また、使い方にも違いがあることからまずは無料トライアルなどを利用して操作性や機能についてチェックしてみるのがおすすめです。Rhinocerosは90日間、AutoCADは30日間の無料期間が用意されているので、各ソフトをお試しでインストールしてみてはいかがでしょうか。