facebook
PLM 【2025】PDMの価格は?相場や価格を抑えるコツ・PLMとの違いも解説

【2025】PDMの導入価格は?相場やPLMとの違い・価格を抑えるコツも解説

製品設計や開発プロセスを飛躍的に効率化する画期的なシステム・PDM。
PDMによる設計データの一元管理やプロジェクトの可視化により、多くの製造業や開発現場から注目を集めています。

しかし、導入価格の高さがハードルとなり、採用を見送る企業も少なくありません。
加えて、具体的な価格相場がよく分からないという声も耳にします。

本記事では、PDMの価格相場や類似システムであるPLMとの違いについて詳しく解説します。

PDMシステムとは?

PDMシステムとは?

PDMシステムとは、製品の設計データを一元管理するためのシステムです。

CAD図面や部品表など、製品設計に関わる様々なデータを一括で管理し、設計部門と他部署(営業部門など)との連携をスムーズにすることで、製品開発の効率化・品質向上に貢献します。

PDM誕生の背景

かつて、製品情報は部門ごとに分断管理されており、設計変更の度に関連部署間の情報連携が遅延し、製品開発のサイクルを阻害していました。

その結果、設計ミスの頻発や製品の品質低下、納期遅延を招き、顧客からの信用失墜に陥るなど、多くの課題点をはらんでいたのです。

PDM導入のメリット

そんな中、登場したのがPDMです。
PDMは、製品設計に関連するさまざまな情報を一括管理することで、部門間の障壁を取り除き、情報共有の迅速化・加速化を実現しました。

具体的には、以下のようなメリットをもたらしました。

  • 設計変更時の影響範囲を即座に把握
  • 製品開発期間を大幅に短縮
  • 設計ミスの未然防止
  • 製品の品質向上
  • コスト削減

このように、PDMは、設計から製造までの一連のプロセスを最適化し、企業の競争優位性を確立するための基盤を構築するシステムなのです。

PDMの価格相場

PDMの価格相場

続いて、PDMシステムの価格相場について解説します。
以下では、代表的なPDMシステムであるSOLIDWORKS PDM ProfessionalとFullWEB PDMの価格相場についてお伝えしましょう。

  1. SOLIDWORKS PDM Professionalの価格相場
  2. FullWEB PDMの価格相場

①SOLIDWORKS PDM Professionalの価格相場

SOLIDWORKS PDM Professionalは、汎用CADソフト・SOLIDWORKSが提供するPDMシステムで、3DCADに加え、WordやExcelなどの関連ファイルも一括で保存できます。

価格設定のシステムは、年間払いとサブスク式の2パターンです。

種類 年間価格相場 サブスク価格相場
SOLIDWORKS PDM Professional CAD Editor 490,800円 135,100円
SOLIDWORKS PDM Professional Contributor 357,600円 108,000円
SOLIDWORKS PDM Professional Viewer 5ライセンス 850,800円 277,600円
Microsoft SQL Server 個別見積り

参照:大塚商会

②FullWEB PDMの価格相場

FullWEB PDMは、受注生産型の製品を扱う企業に最適なPDMシステムです。
図面・文書管理システムであるFullWEBの強化バージョンで、電機・機械・自動車業界を中心に400社以上の導入実績があります。

FullWEB PDMの価格設定は、一括購入型(オンプレミス型)に追加でライセンスを購入する、もしくはクラウドサービスをニーズに合わせて購入するというシステムです。

種類 価格相場 備考
FullWEB-PDMサーバー 7,500,000円 5FCAL付き
FullWEB追加クライアントライセンス 5,000円~50,000円 ライセンスによって変動
FullWEB追加クライアントライセンス 1,500万円 無制限
FullWEB-PDM SDK 100,000円~1,500,000円
FullWEB-PDMクラウド 200,000円 立ち上げ設定費用
120,000円 サーバー使用料
50,000円 クライアント使用料
(最小構成)
5,000円 クライアント使用料
(1追加)

参照:株式会社コネクテッド

このように、PDMシステムの価格相場はソフトウェアの種類、導入形態(オンプレミス・クラウド)、機能の豊富さ、導入規模などによって大きく変動します。
また、年額払いやサブスクなど購入方法によって価格も変動するため、「どの程度の期間利用するか」ということも価格を左右する要素となってきます。

まずは、PDMシステムの導入形式や利用期間を考慮したうえで、利用したいPDMシステムの価格相場を把握しましょう。自社の状況に合った最適なシステムを選ぶためには、類似システム・PLMとの違いを理解することも重要です。

PDMとPLMの価格・機能の違い

PDMとPLMの価格・機能の違い

PDMとPLMは、どちらも製品開発において欠かせないシステムであり、しばしば比較の対象となります。PDMシステム導入にあたり、製品ライフサイクル全体を管理するPLMとの違いを把握することは、導入を検討する上で重要な要素です。

以下では、PDMとPLMの価格相場や機能面から、両者を比較してみましょう。

①PDMとPLMの価格の違い

PDMとPLMは価格帯に明確な違いがあります。
PLMはPDMの機能を包含する上位システムであり、一般的に初期投資がPDMの1.5~3倍、数百万円から数千万円が相場です。

先ほどお伝えしたSOLIDWORKS PDM Professionalでは、導入価格の相場が年額35万円~85万円程度でした。FullWEB PDMのような大規模なシステムでも、サーバー初期費用が750万円から、といった具合に、PLMに比べて一般的に導入コストが低めです。

また、システム導入にあたり、年間保守にかかる価格相場は導入価格の5%~15%なので、FullWEB-PDMサーバーの場合は年間375,000円~1,125,000円別途かかる計算になります。

このように、一般的にはPDMはPLMに比べ導入価格が抑えられますが、企業の成長や業務拡大などを考慮した場合には、PLMの導入がベストな選択肢というケースもあるでしょう。
特に、製品のライフサイクルが短く、頻繁な設計変更が必要な場合、PLMの導入が効果を発揮します。

PLMシステムの価格については以下の記事でも解説しています。
価格帯ごとの選び方についても解説しているので、PLMシステムの最適な価格帯を探したい方はぜひ参考にしてください。

【2025】PLMシステムの価格を徹底比較!価格別の選び方も紹介

②PDMとPLMの機能の違い

PDMとPLMの機能の違い

上記画像から見て取れるように、PDMはPLMの一部として位置づけられています
以下は、両者の違いを記載した比較表です。

項目 PDM PLM
対象範囲
  • 2D/3DのCADデータ
  • 図面関連文書(仕様書など)
  • 設計関連文書
  • BOM(部品表)
  • PDMの対象範囲
  • 部品供給サプライヤー情報
  • 顧客クレーム情報
  • 製品トレンド情報
  • 生産計画
  • 製品仕様情報
主要機能
  • データ管理
  • データ共有
  • データ検索
  • ワークフロー管理
  • セキュリティ機能
  • PDMの機能
  • ポートフォリオ管理
  • 要件管理
  • 開発スケジュール管理
  • 原価管理
  • 取引先情報管理
  • 技術文書管理
主な導入部門 設計 設計部門を含む全部門
操作性 比較的シンプル 比較的複雑
スケーラビリティ 小規模から中規模プロジェクト向け 大規模プロジェクトやグローバル展開に対応

上記のように、PDMとPLMは、対象とする範囲や機能、スケーラビリティが異なるため、自社の製品開発における課題を明確にし、それらを解決できるシステムを選択することが重要です。

特に、「製品開発の効率化・品質向上を実現し、企業全体の競争力を強化したい」と考えている場合、PLMの導入が最適な選択肢といえるでしょう。

PDMからPLMへ進化する製品開発

製品開発は、かつてはPDMが中心となり、設計図や部品表などのデータを一括で管理していました。設計データの管理に重点を置くことで、設計の効率化や品質向上を目指すという設計主導型開発が主流であったのです。

製品開発の広がりとPLMの登場

しかし、製品開発は設計段階にとどまりません。
製造、販売、アフターサービスなど、製品のライフサイクル全体を考慮する必要があります。

加えて、近年は新製品開発の迅速化に対するニーズの高まり、さらに市場の競争激化や製品の複雑化に伴い、製品開発プロセス全体を統合的に管理する必要性が高まりました。

このようなPDMの適用範囲拡大に伴い、PDMをPLMとリブランディングするパッケージベンダーも増えてきました。これは、「製品開発のライフサイクル全体を管理する」という概念が多くの業界で浸透してきたことを反映しています。

WindchillはPLMの代表的な製品で、PDMで培われた設計データ管理のノウハウを基に、製品開発プロセス全体の最適化、製造現場の効率化・迅速化、そしてコスト削減を実現します。

PDM機能を網羅したPLMソフト「Windchill」

Windchillは、製造業を中心に世界中で広く利用されている高品質なPLMソフトウェアです。
Windchillは、クラウドを活用した統合管理システムを採用し、CADデータや部品表などを一元管理することでスムーズなデータ連携、製品開発効率アップを実現しました。

さらに、直感的な操作性は、情報共有の容易化、円滑なコミュニケーション促進に大きく寄与します。高度な検索機能は、「必要な情報に素早くアクセスしたい」「開発期間の短縮を目指したい」というケースにも最適です。

開発元のPTCは、グローバルなPLM市場を牽引するトップ企業の一つであり、Windchillは世界中の多くの企業で採用されています。導入後は、24時間体制のグローバルサポート、および経験豊富なPLMエキスパートによるサポートにも対応可能です。

Windchillは、製品開発から販売までの製品ライフサイクル全体を効率的に管理したい企業に最適なツールといえるでしょう。

Windchillについては以下の記事でも詳しく解説しています。
使い方や豊富な機能についてもお伝えしているので、Windchillの導入を検討している方はぜひご一読ください。

Windchillとは?使い方や機能、メリットなどを解説します!

PDMの価格に影響を与える要因

PDMの価格に影響を与える要因

PDMシステムの価格は、製品によって大きく異なりますが、その価格差を生み出す要因はいったい何なのでしょうか。以下では、PDMシステムの価格に影響を与える主な要因について解説します。

  1. 機能の範囲
  2. 導入形態
  3. 利用規模

価格に影響を与える要因①機能の範囲

PDMシステムの価格差の要因には、対応する機能の範囲が挙げられます。

PDMシステムは、製品ごとに機能の範囲が異なり、シンプルなデータ管理機能のみを備えた製品から、設計データのバージョン管理や高度なセキュリティ機能など、多岐にわたる機能を搭載した製品まで多彩です。

一般的に、シンプルな機能に特化した製品は、リーズナブルな価格設定であることが多く、多機能な製品は、その分高額になる傾向にあります。
その他、個別ニーズに対応するためのカスタマイズ対応、もしくはAPI連携といった付加機能の有無も製品の価格に影響します。

価格に影響を与える要因②導入形態

PDMシステムの価格に影響を与える要因の一つはシステムの導入形態です。
PDMシステムの導入形態は、一般的にオンプレミス型とクラウド型の2つに分けられ、それぞれ価格、および支払い方式が異なります。

オンプレミス型は、自社のサーバーにシステムを構築する方式です。いわば、ソフトウェアを購入するようなイメージを持ってもらうと良いでしょう。
このため、初期費用は高額になる傾向がありますが、自社でシステムを管理できるため、柔軟なカスタマイズが可能です。

クラウド型は自社でサーバーやソフトウェアを購入する必要がないため、初期費用を抑えて短期間で導入できるというメリットがあります。
ただし、利用期間は継続的に一定額の支払いを行わなくてはいけません。

価格に影響を与える要因③利用規模

PDMシステムの価格差を生じる要因の一つに、利用規模が挙げられます。
利用規模とは、利用するユーザー数や管理するデータ量のことです。

たとえば、ユーザー数が増加すれば必要なライセンス数も多くなり、さらにシステムへの同時アクセス数が増えると、システムの負荷が高まります。
そのため、より高性能なハードウェアの導入が必要となり、価格上昇につながっていくという仕組みです。

また、管理するデータ量が増加すると、システムに求められる処理能力も高まります。
たとえば、ストレージ容量が膨大になると、データ検索や処理速度が遅くなるため、結果的により高性能なサーバーが必要となる、などの状況が該当します。

このように、PDMシステムは機能の範囲や導入形態、利用規模によって価格が違い、同時に運用方法、メリット・デメリットも異なるため、まずは自社のニーズに合わせて最適な方法で導入することが重要です。

PDMの価格を抑えるコツ

PDMの価格を抑えるコツ

PDMシステムの価格を抑えるには、適切な選定と運用の工夫が重要です。
以下では、価格を抑えつつ効果的にシステムを導入するためのポイントを解説します。

ポイント①必要な機能を明確化する

PDMシステムの価格を抑えるためには、自社の業務フローに必要な機能を明確にすることが肝心です。

すべての機能を網羅した高機能なシステムは魅力的ですが、しかし実際に利用しない機能にコストをかける必要性はありません。たとえば、基本的なデータ管理機能だけで十分な場合は、シンプルな製品を選ぶことで初期費用を大幅に削減できます。

ポイント②クラウド型を検討する

初期にかかる価格を抑えたい場合、クラウド型のPDMシステムも選択肢に加えましょう。
クラウド型は、初期費用が少なく、さらに利用状況に合わせて契約内容を変更できるため、事業内容や規模の変化があった場合でも柔軟性を持って対応できます。

ただし、長期間利用する場合には月額費用が積み重なるため、トータルのコストシミュレーションを行い、最適なプランを選択することが重要です。

ポイント③利用規模を精査する

PDMシステムの価格を抑えるためには、利用規模を精査することも重要です。
PDMシステムの利用規模は、導入コストに大きく影響します。

そのため、まずは利用するユーザー数や管理するデータ量を正確に見積もり、必要十分な規模で導入することを心がけましょう。初期段階から過剰なライセンスを購入するのではなく、段階的な拡張が可能なライセンス形態を選ぶことで、無駄な費用をグッと抑えられます。

ポイント④複数のベンダーから見積もりを取る

PDMシステムを導入する際は、複数のベンダーから見積もりを取ることも重要です。

PDMシステムは同じ製品であっても、ベンダーによって販売価格やサービス内容が異なります。
さらに、上で解説しました利用規模の精査も代行し、最適な価格を提示してくれるベンダーを選択すれば、無駄なコストを削減し、より効率的なシステム導入を実現できるでしょう。

株式会社VOSTは、事前に課題や希望をしっかりヒアリングし、それぞれの企業のニーズにマッチングした、コストパフォーマンスの高いソリューションをご提案いたします。

お問い合わせ・お見積もりは、以下のフォーム上で簡単に完了するので、ぜひこの機会に自社の課題解決を実現する第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

PDMの価格についてまとめ

PDMの価格は、種類や利用規模、利用するベンダーによって異なります。
近年はPDMを包括したPLMに注目が集まっており、中でもWindchillは、高品質なPLMソリューションとして注目を集めています。

Windchillは、製品開発プロセス全体を管理し、設計データの共有やバージョン管理を効率化することで、開発期間の短縮や品質向上に貢献します。
PLM導入についてお悩みの方は、ぜひ以下のページからお気軽にご相談ください。

【2025】PDMの価格は?相場や価格を抑えるコツ・PLMとの違いも解説
最新情報をチェックしよう!