3DCADソフトであるOnshapeとSOLIDWORKS。
同じ3DCADソフトで操作性も似ているため、よく比較されることがあります。
「OnshapeとSOLIDWORKSってどんなところが似ているの?」
「OnshapeとSOLIDWORKSの違うところはどこ?」
「自分にはOnshapeとSOLIDWORKSのどちらがおすすめ?」
といったOnshapeとSOLIDWORKSに関する疑問について、まとめました。
この記事を読んで、CADソフト選びの参考にしてみてください。
OnshapeとSOLIDWORKSの共通点
OnshapeとSOLIDWORKSには、共通点がいくつかあります。
ここからは、2つのソフトの共通点についてご紹介していきます。
3DCADソフト
OnshapeとSOLIDWORKSは、どちらも3DCADソフトです。
3DCADソフトとは、3次元の立体的なモデルを利用して設計を行う設計ツールのことです。
3DCADは従来までの平面的な作図を行う2DCADとは違って、立体表示することで視覚的にわかりやすくした状態で設計ができます。
これによって、複雑な形状の設計も今までより簡単にできたり、お客さんへのプレゼンの場面などで、3Dモデルを表示することでわかりやすくして説明できたりするメリットがあります。
こうした3DCADは様々な分野で活用されていますが、OnshapeやSOLIDWORKSは、機械や医療、建築や土木などの幅広い分野で設計ツールとして活用されています。
操作性が似ている
OnshapeとSOLIDWORKSの共通点として、操作性が似ていることが挙げられます。
というのも、実はOnshapeはSOLIDWORKSの元開発者によって開発されたソフトなのです。
また、OnshapeやSOLIDWORKSは操作しやすいCADソフトとしても知られています。
3DCADはその機能の高さから、操作が難しく、初心者では扱いにくいソフトが多い傾向にあります。
ですが、OnshapeもSOLIDWORKSも直感的な操作で簡単に使えるように工夫されており、初心者でも使いやすいCADソフトになっています。
また、2DCADと3DCADでは扱う次元が異なるため、今まで2DCADを使っていた人が3DCADに移行しようとしたとき、その操作性の違いに戸惑う人も多くいます。
その点、OnshapeやSOLIDWORKSは、従来の2DCADの延長として操作できるような操作感が特徴となっているため、現在2DCADを使っていてこれから3DCADを始めたいという人にもおすすめのCADソフトです。
OnshapeとSOLIDWORKSの違い
ここからは、OnshapeとSOLIDWORKSの具体的な違いについてご紹介していきます。
OnshapeはフルクラウドCADソフト
Onshapeは、クラウド上で全ての作業ができるフルクラウドCADソフトです。
ソフトをダウンロードする必要もなく、インターネット環境さえあればどこでも設計やデータ管理ができます。
クラウド上の一つのデータに複数人が同時に接続して作業することもできるので、離れた場所にいるチームと共同設計することも簡単にできます。
また、クラウド上に全ての機能があるため、ソフトのわずらわしいアップデートも不要で、全て自動で最新のOnshapeを使うことができます。
一方で、SOLIDWORKSはフルクラウドCADソフトではないため、ソフトを自分のパソコンにダウンロードして使用する必要があります。
アップデートも定期的に必要ですし、データの共有もフルクラウドCADソフトのOnshapeに比べるとわずらわしい手間が多いです。
ただ、逆に言うとフルクラウドCADソフトでない分、ネット環境が無くても作業できるというメリットがあります。
インターネットに接続しないで作業している会社などでは、ソフトをダウンロードして使えるSOLIDWORKSがおすすめです。
Onshapeは基本使用が無料 SOLIDWORKSは有料ソフト
Onshapeは無料で使うことができます。
無料で使えるのは、愛好家や教育目的に限った場合で、作成したデータはすべてパブリッククラウド上に閲覧可能な状態で公開されます。
データを非公開の状態で保存したり高度な機能を使ったりする場合には、有料版の購入が必要になります。
一方のSOLIDWORKSには無料体験版はありますが無期限に使える無料版は無く、本格的に設計を行うには有料版を購入する必要があります。
OnshapeとSOLIDWORKSの違いと共通点について、表にまとめました。
Onshape | Solidworks | |
3D機能 | ○ | ○ |
フルクラウド機能 | ○ | × |
無料版 | ○ | ×(無料体験版あり) |
Onshapeがおすすめな人・SOLIDWORKSがおすすめな人
OnshapeとSOLIDWORKSの共通点や違いが分かったところで、Onshapeがおすすめな人とSOLIDWORKSがおすすめな人を詳しくご紹介していきます。
お金をかけずに個人利用したい人はOnshapeがおすすめ
個人使用であればOnshapeの無料版を使うことができるので、お金をかけずに個人の範囲で3DCADを利用したいという人にはOnshapeがおすすめです。
ただ、作成したデータを誰でも閲覧できるようにするのがOnshapeの基本なので、無料版で作成したデータは誰でも制限なく閲覧できる状態になってしまいます。
無料版が使えるのは個人的な使用に限られているので、仕事の大事な情報は入れられませんので、データが公開状態にあることを含めるとお仕事で使われる場合には有料版の購入が必要になります。
オンラインで設計したい人はOnshapeがおすすめ
リモートワークをシ推進している企業で働かれている方やノマドワーカーなど、自宅や出先で設計したい人は、データの持ち運びが必要ないフルクラウド3DCADソフトのOnshapeがおすすめです。
ソフトをダウンロードせずにブラウザ上でモデリング設計ができるので、どこからでも手軽にデータを編集できます。
また、保存したデータはパソコンからだけでなくスマホやタブレットからも接続できるので、会議や営業の場面でタブレットなどを使って実際に3Dモデルを見せることで、簡単に設計の説明ができます。
本格的に設計がしたい企業や設計事務所はSOLIDWORKSがおすすめ
本格的に設計・製図を行う目的で企業や設計事務所に3DCADを導入したい場合には、SOLIDWORKSがおすすめです。
基本的な3DCADの機能は大きく変わりませんが、OnshapeよりSOLIDWORKSの方がH鋼などの鋼材機能やパイプ設計、ワイヤーハーネス機能など高度な設計機能を備えており、詳細な図面やより専門的な設計がしたい場合にはSOLIDWORKSの方が適しています。
どちらかのソフトの購入を考えている人には、Onshapeには無料版が、SOLIDWORKSには無料体験版がありますので、どちらのソフトも試してみてはいかがでしょうか。
OnshapeとSOLIDWORKSの比較まとめ
ここまで、OnshapeとSOLIDWORKSの共通点や違い、それぞれのソフトがどういう人に向いているのかについてご紹介してきました。
OnshapeとSOLIDWORKSは同じ3DCADソフトで操作性が似ていますが、OnshapeはフルクラウドCADで、SOLIDWORKSはより専門的で高度なCADソフトです。
それぞれのソフトのメリットとデメリットをよく理解して、CADソフト選びの参考にしてください。
また、どちらのソフトも無料版や無料体験版がありますので、一度使って試してみることをおすすめします。
Onshapeを購入する方法
Onshapeを提供する米国のPTC社は、2021年より待望の日本語版の供給を日本市場で開始しています。
その際、Onshape日本語版は、複数の販売代理店を経由して提供されることになりました。
よって、正規ルートでOnshape日本語版の利用を開始するには、まずはPTC社と代理店契約を結んでいる販売店にコンタクトをとる必要があります。
インターネット上でこちらから、Onshape導入の相談や購入を受け付けています。
販売代理店から購入するステップをご紹介します。
1. Onshapeライセンス販売サイトにアクセスする
2. 以下の3つのライセンスから選び、「ライセンス購入ボタン」をクリックする
3. 注文フォームに必要事項を入力して送信する
注文フォーム送信後、請求書が届くので支払いを完了すると、ライセンスが発行されます。
無料版を既にお使いの方も、ライセンス発行後は、自動的に商用版のOnshapeを利用することができます。