オンライン上ですべての作業が完了するソフト、Onshape(オンシェイプ)は企業や個人でファンが多いです。
2015年に誕生したこのソフトにはどんな特徴があるのか、エクスポートすることでできることはあるのか理解しておくことが必要となります。
そのうえで実際にエクスポートする方法と手順を知り、動かすとスムーズに作業できるでしょう。
Onshapeにはどんな特徴があるのか
すべての作業をクラウド上で行うことができる世界初のフルクラウド3DCADソフトが、Onshapeです。
free(無償版)とStandard(年額177,650の有償版)、Professional(年額297,990円の有償版)、Enterprise(年額417,120円の有償版)が存在しており、無償の場合は作成したデータがすべて一般公開状態となるという制限があります。
業務用として使う場合には、秘密保持の観点から有償版を選んだほうがいいでしょう。
2021年1月に正式に日本語版が発表されたため、すべての機能を日本語で使用することが可能です。
クラウド上で編集できるため、プロジェクトメンバー全員でのデータ共有ができます。
また、同時にデータ編集しやすいのが、一番の特徴です。
どんな機種のパソコンでもクラウド上で作業できるため、ウェブブラウザさえあればよく、ソフトがなければ作業できないということはありません。
また、スマホアプリをダウンロードすれば、スマートフォンやタブレットでの編集もできるようになりました。
ドキュメント形式でデータを保存するため、いつでもソフトのアップデートと連動し、自動的に最新版を使うことが可能です。
誰がどんなデータを編集したのか、編集履歴ですぐ確認できるため、作業しやすくなっています。
クラウドなのに高いセキュリティを誇るため、不正アクセスなどを防ぐことが可能な点もポイントです。
エクスポートするとどんなことに使えるか
エクスポートすることによって、ほかの3DCADソフトでの編集が可能となります。
Onshapeでは、複数の拡張子にエクスポートすることが可能となっているため、ウェブ上ではなくオフラインのパソコンを使って編集を行いたいときに便利です。
オフラインのパソコンの種類によって拡張子を選ぶことができるから、使っているソフトを買い替えることなく編集できます。
編集したデータを再びインポートで読み込むことも可能です。
ただし、パーツファイルとアセンブリファイルでは、エクスポートできる拡張子の種類や数に違いがあるため、注意してください。
また、バックアップとしても保存が可能です。
万が一ネットにアクセスできないような状況下であっても、こまめにエクスポートしてデータを保存しておけば、トラブルが発生したときにも業務上差しさわりはありません。
ただし、バックアップしたデータを読み込むときには、パソコンに3DCADソフトが入っていることが必須となるため、注意してください。
拡張子をSTLにすると3Dプリンターで印刷しやすいため、3Dプリンターがあれば試作品を作ることも容易です。
保有していなくても業者にデータを送付して印刷してもらう方法もありますが、情報漏洩に注意してください。
プリンターでパーツごとに印刷をして組み合わせてみることで、製品化する前にミスやトラブルなどを発見し、販売後のトラブルを回避できる可能性があります。
実際にどうやってエクスポートしたらいいのか
エクスポートの方法としては、Part Studio等のタブをクリックして行う方法と、グラフィック領域で選択して行う方法があります。
比較的簡単にできますが、拡張子によっては自社で保有する3DCADソフトと合わない可能性があるため、拡張子を確認することを忘れないでください。
拡張子を確認したら保存先を確認し、保存します。
具体的な手順を知っておこう
個別にパーツを保存する場合、画面の左下部分にあるPart Studioを右クリックすると、「エクスポート」という項目が表示されます。
「エクスポート」を選択した場合、「ファイル名」や「フォーマット」、「バージョン」や「オプション」を選択できる画面が出てきますので、「フォーマット」で利用しやすい拡張子を選択してください。
「バージョン」、「オプション」については必要なければ特に触る必要はありません。
「ファイル名」を選択すると好きなファイルの名前に変更できます。
一度に複数のパーツを保存する場合、パーツリストでパーツを複数選択し、右クリックして「エクスポート」を選択しますが、個別の場合とほぼ変わりません。
スケッチや平面図、板金モデルなども保存可能です。
エクスポート先のファイルはブラウザで定めているものになるため、前もってブラウザの保存先を希望する場所に変更しておきましょう。
有償版ではすべてのエクスポートで、ダウンロード先のリンクをクリックすると、ダウンロードできるリンクが記載されているメールを送信するオプションが存在します。
プロジェクトメンバーが保存しやすいようにするか、万が一のバックアップ代わりとして利用が可能です。
ダウンロードできる期間を指定できるため、情報漏洩の危険性を排除するため、いつまでにクリックしてもらえるようにするのかを指定しましょう。
また、パスワードで保護してほかの人がダウンロードしないようにする形を選択することもできます。
ただし、パスワードをメールで添付しないように注意してください。
ほかの通信手段で相手に伝えるようにすると秘密保持の可能性が高まります。
アセンブリの手順としては、まずアセンブリを右クリックし、出てくるリストの中から「エクスポート」を選択しましょう。
後の手順はPart Studioの時と変わりません。
STLエクスポートの手順を知っておこう
STLのエクスポートの場合、パーツのエクスポートとほぼ変わりません。
STLに保存する手段としては、エクスポート画面にて「フォーマット」をSTLに設定してください。
「フォーマット」、「単位」、「解像度」といった項目がありますが、特に問題なければそのまま「エクスポート」をクリックしましょう。
ただし、解像度に関しては、必要な時には設定を変更しなければなりません。
デフォルトでは中間となっていますが、必要に応じて「きめ細かい」などに設定を変えると良いでしょう。
データ量は増えますが、より高繊細なデータとなります。
他の3DCADソフトや3Dプリントをする際のスライサーソフトでデータを読み込んだとき、作ったときよりもガタガタに見えるなど、解像度に問題があると感じた場合には確認してみましょう。
注意しておきたいのは、データをダウンロードしても、履歴などは一切確認できません。