自宅で楽器を演奏したり、配信・収録をしたりする際に気になるのが音漏れです。しかし、大掛かりな工事をするのはハードルが高いでしょう。
そこでおすすめなのが「組み立て式防音室」です。本記事では、組み立て式防音室の特徴や価格相場などについて解説します。おすすめの防音室も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
組み立て式防音室について
組み立て式防音室とは、部品を組み合わせて部屋の中に設置するタイプの防音室です。組み立て式防音室で押さえておきたい以下の項目について詳しく見ていきましょう。
- 組み立て式防音室の価格相場
- 組み立て式防音室の種類
組み立て式防音室の価格相場
組み立て式防音室の価格は、広さや遮音性能の違いによって大きく変わります。簡易的なモデルであれば10万円前後から購入できますが、快適な使用環境や一定以上の性能を求める場合は、50万〜100万円程度の予算を見ておくと安心です。
さらに、防音効果が高く、素材や設計にこだわった高品質なタイプでは、価格が数百万円にのぼるケースもあります。予算に応じて遮音レベルやサイズ、設置場所に適した製品を選ぶことが大切です。
組み立て式防音室の種類

組み立て式防音室には、遮音性能のレベルによって大きく2つのタイプに分けられます。
性能の指標として使われるのが、日本建築学会が定めた「遮音等級Dr値」です。
これは、どれだけ音を遮断できるかを示す数値で、値が大きいほど遮音性能が高いとされています。一般的にDr-30〜45程度の遮音等級があれば、隣室への音漏れはあまり気にならないレベルです。
また、Dr値に基づいた性能保証がついている防音室は「普通防音室」とされ、信頼性の高い製品として位置づけられています。
一方で、Dr値の保証がされていないものは「簡易防音室」とされ、コストは抑えられるものの、防音効果はそこまで高くない点には注意が必要です。
なお、簡易防音室は自作することもできます。以下の記事では、簡易防音室の作り方について解説しています。さらに、既製品として購入したい人向けに、おすすめの商品も紹介しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
遮音等級Dr-35とDr-40の違い
遮音等級Dr値によって、具体的にどの程度の違いが生まれるのでしょうか。一般的に、音圧が10dB減ると聞こえる音は半減するといわれています。
そのため、約90dBのアップライトピアノの音を例に挙げると、Dr30は通常の話し声ですが、Dr35は小声での話し声、Dr40はかすかな話し声程度まで抑えられます。
Dr35からDr40になることで、小声レベルからよく聞かないと聞こえないレベルにまでなるので、大きな差があるといえるでしょう。そのため、防音室を選ぶ際は、遮音等級Dr値をしっかり確認しておくことが大切です。
組み立て式防音室のメリット
組み立て式防音室のメリットは以下のとおりです。
- 工事が必要ない
- 組み立てや移設がしやすい
- 比較的安価に導入できる
これらのメリットについて詳しく見ていきましょう。
①工事が必要ない
組み立て式防音室は、専門業者による施工が不要なため、比較的スムーズに導入できるのが魅力です。
賃貸住宅やマンションなどで「大がかりな工事ができない」「原状回復が必要」というケースでも、気軽に設置できます。
②組み立てや移設がしやすい
多くの製品は自身で組み立てできるように設計されています。マニュアルやサポート体制がしっかり整っているケースが多く、DIYに不慣れな方や女性でも安心して導入できます。
そのため、引っ越しや部屋の模様替えの際に柔軟に対応できるのも魅力の一つです。
③比較的安価に導入できる
組み立て式防音室は工事費用がかからないため、比較的安価に導入できます。また、中古品が流通しているのも、コストを抑えられる要因です。
そのため、防音室に数百万はかけられないという方におすすめの選択肢となるでしょう。
組み立て式防音室のデメリット
組み立て式防音室には以下のようなデメリットもあります。
- 遮音性能のカスタマイズが難しい
- 設置スペースに制限がある
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
①遮音性能のカスタマイズが難しい
組み立て式防音室は、部材があらかじめ用意されているため、現場に合わせた細かな調整ができない点がデメリットです。製品によっては、素材を追加購入できる場合もありますが、それでも工事式防音室のカスタマイズ性には劣ります。
そのため、演奏や歌唱など高い遮音性能が求められる用途では慎重に選ぶ必要があります。。
②設置スペースに制限がある
組み立て式防音室は、室内に設置する都合上、ある程度の広さや天井高が必要になります。防音室自体のサイズに加え、設置後の動線も考慮しなければなりません。
特にワンルームやスペースに余裕のない部屋では、設置が難しい場合もあるでしょう。
おすすめ組み立て式防音室5選
購入できる防音室は、それぞれ異なる特徴を持っています。以下はおすすめの組み立て式防音室です。
| 商品名 | 特徴 | 価格(税込み) |
| おもいっきり集中空間 |
|
327,800円 |
| OTODASU |
|
109,890円〜 |
| GAMEBOX |
|
264,000円〜 |
| おてがるーむ |
|
209,000円 |
| だんぼっち |
|
83,500円〜 |
これらの防音室の詳しい特徴について見ていきましょう。
①おもいっきり集中空間

引用:おもいっきり集中空間
おもいっきり集中空間は、自宅やオフィスに手軽に設置できる組み立て式の防音室です。ブースのサイズはカスタマイズが可能で、利用目的や設置スペースに応じて柔軟に対応できます。
音を約-10dB低減できるため、周囲の音が気にならず、作業や学習に集中しやすい環境を実現できます。
さらに、専用の工具や専門業者は不要で、誰でも簡単に組み立てることができるのも魅力の一つです。
スタンダードタイプであれば重量は約30kgと軽量で、設置や移動もスムーズに行えます。
②OTODASU

引用:OTODASU
OTODASUは、コストパフォーマンスに優れた組み立て式防音室です。価格は約10万円からと手頃でありながら、実用的な機能をしっかり備えています。
組み立ては業者を呼ぶ必要がなく、付属のパーツを順番に組み立てるだけで完成します。高さは190cmあるため、大人の男性でも立ったまま快適に使用できるのが特徴です。
さらに、天井には回転式の換気パーツがあり、空気のこもりを防ぎます。また、配線用の穴も備わっており、スマートフォンやパソコンの充電などをスムーズに行える点も嬉しいポイントです。
③GAMEBOX

引用:GAMEBOX
GAMEBOXは、軽量ながら高い遮音性能を実現した組み立て式防音ブースです。パネルには吸音性と軽さを兼ね備えた特殊素材「テクセルセイント」を使用しており、最大で17dBの音を低減できる優れた遮音効果を発揮します。
組み立てには工具が不要かつ手順もシンプルなため、初心者でも設置が可能です。天井には排気ファンが2基搭載されており、こもりがちな空気を効率よく循環させられます。
また、外部の光を取り込める構造のため、ブース内は明るく、圧迫感を感じにくい設計になっています。テレワークや配信、ゲームなど多用途に対応できる防音室です。
④おてがるーむ

引用:おてがるーむ
おてがるーむは、手軽に高い防音効果を得られる組み立て式防音室です。壁材は、吸音材の間に遮音材を挟む三層構造となっており、平均で約27dBの音を軽減します。
さらに、中低音域にも効果を発揮する特殊な吸音材を採用しており、楽器の演奏や配信にも対応できる性能です。組み立てはシンプルな構造で、DIYに慣れていない方でも1時間程度で完成します。工具不要で手軽に設置できるのも魅力です。
また、上部には排気口が設けられており、室内のこもりを防ぎます。さらに、上下には配信や機器接続に便利な配線穴も備わっているため、実用性にも優れた防音室といえるでしょう。
⑤だんぼっち

引用:だんぼっち
だんぼっちは、ダンボール素材を使用した簡易タイプの組み立て式防音室です。接合部にはスポンジ製のクッション材が取り付けられており、隙間からの音漏れを軽減します。
特に中〜高音域の防音に強く、歌の練習や配信などに適しています。また、サイズもコンパクトで設置場所に困らないのも魅力です。
コストを抑えながらも一定の防音効果が得られるため、初めて防音室を試してみたい方や予算をかけられない方におすすめです。
工事式防音室とは
工事式防音室は、建物の一室を丸ごと防音空間として設計・施工する本格的な防音設備です。遮音性能や部屋の広さ、内装などを自由にカスタマイズできるため、目的に合わせた理想的な環境を整えられます。
ただし、設計から施工までの工程が必要なため、導入までには一定の時間がかかります。また、一度設置すると取り外しや移設ができない点も、検討時に考慮しなければいけません。
工事式防音室の価格相場
工事式防音室は、オーダーメイドで設計・施工されるため、費用はどうしても高額になりがちです。防音性能のグレードや部屋の広さ、内装の仕様によって金額は大きく変動しますが、一般的には数百万円から1,000万円程度が目安とされています。
特に、ハイグレードな防音室を希望する場合は、事前に詳細な見積もりを取ることが大切です。
組み立て式防音室を購入する際のチェックポイント

組み立て式防音室を購入する際は、以下の項目をチェックしておきましょう。
- 設置場所を確認する
- サイズを確認する
- 保証内容を確認する
これらのチェックポイントについて詳しく見ていきます。
①設置場所を確認する
組み立て式防音室は室内に設置するため、事前に十分なスペースが確保できるかを確認しておくことが大切です。特に注意したいのが、設置場所の環境です。
例えば、窓の多い部屋や壁が薄い場所では、内部の音が漏れたり、外部の騒音が入り込んだりして、防音室の効果が薄れる可能性があります。
理想的なのは、窓の数が少なく、遮音性の高い壁で囲まれた部屋です。購入前には、部屋の広さだけでなく、周囲の音環境も合わせてチェックしておきましょう。
また、早急に騒音対策が必要な方は、以下の記事を参考にしてください。家庭向けと企業向けに分けて、おすすめの騒音対策について紹介しています。
②サイズを確認する
組み立て式防音室を選ぶ際には、目的に合ったサイズを選ぶことが大切です。例えば、ウクレレやアコースティックギターなどの小型楽器であれば、コンパクトなスペースでも十分対応できます。
一方で、ピアノのような大型の楽器を使う場合は、最低でも2畳以上の広さが必要です。
また、演奏以外にも録音や配信、読書や作業といった用途で使用する場合には、机や椅子、機材の設置も考慮してスペースを確保する必要があります。
狭すぎると作業がしづらくなったり、長時間の使用が不快に感じられることもあるため、用途に応じて余裕をもったサイズを選ぶことがポイントです。
③保証内容を確認する
組み立て式防音室を購入する際は、保証やアフターサービスの内容も事前にしっかり確認しておきましょう。特に、中古品を検討している場合は、部材の劣化やパーツの欠損があるケースも考えられるため、万が一に備えて保証期間の有無や内容はチェックが必要です。
また、メーカーによっては設置後のサポート体制や部品交換の対応が異なるため、信頼できるメーカーや販売店からの購入をおすすめします。実際に使用した人の口コミやレビューも参考になるので、商品の性能や耐久性に関する声を確認しておくと安心です。
なお、店舗で販売している場合は、実際に実物を体験できる場合もあります。可能であれば、事前に体験しておくことで納得のいく選択がしやすくなるでしょう。
組み立て式防音室についてのまとめ
今回は、組み立て式防音室の特徴や価格帯、選び方のポイントなどについて紹介しました。組み立て式防音室なら、工事不要で設置が簡単なため、初心者や女性でも安心して利用できる点が大きな魅力です。
用途や設置場所に応じてさまざまなサイズや遮音性能の製品があるので、自分に合った防音室を選ぶことが大切です。購入時には保証内容やアフターサービスも確認し、長く快適に使える防音環境を整えましょう。