世界的な原料が高騰している中、建物建築等に欠かせない鋼材価格が、例を見ない勢いで高騰しています。ここでは、主な鋼材の取引価格がどの程度の水準にあるのかを確認するとともに、手元にある鋼材の節約方法についても説明していきます。
鋼材が現在値上がり中！？
日本を始めとした世界各地では、建築用木材の価格が大きく上昇しており、住宅販売や建設に関わる、ハウスメーカー等に多大なる影響を与えています。加えて、厚鋼板と呼ばれる鋼材価格に関しても、同様に値上がり幅が大きくなっているため、鉄鋼業を営む会社にも、徐々に影響が出てきています。通常、鋼材価格が上昇する場合、数パーセント程度というケースが多くを占めてきましたが、2021年に入ってからは、上昇率が2割近くに及ぶようになっています。
2020年から猛威を奮っている新型コロナウイルスにより、経済活動は大きく停滞する反面、テレワークが浸透した結果、一部の地域においては、住宅価格が大きく上昇しました。その後は、新型コロナウイルスに対するワクチンが普及し、大きく停滞していた経済活動が、徐々に行われるようになりました。アメリカ合衆国や中国といった、経済大国での住宅に関する需要が予想以上に拡大、結果として、現在の鋼材価格の上昇へとつながっています。
こういった事情により、多くの鉄鋼メーカーが、あらゆる種類の鋼材価格を値上げせざるを得ない状況に陥りました。さらに、値上がり幅を大きくしている要因としては、通常は年1回程度行われる価格改定が、2021年に限って、2回以上行われている点にもあります。1回に行う値上げ幅に関しても、1トン当たりの価格が平均6万円と、かなり大きくなっているため、鋼材を使う会社にとっては、極めて多大なる影響を受けます。
鋼材を輸入に頼る日本の影響は大きい
日本の場合、鋼材の多くを外国からの輸入に頼っているという現状があります。とりわけ、鉄鋼会社が作る高炉や電気炉の原料の一つ、鉄鉱石は日本国内では採取できず、輸入は必要不可欠となっています。しかし、2021年を境として、1トンあたりの国際取引価格が、200ドル前後で推移している等、急激に価格が高騰するようになりました。なお、高炉等を作るための材料には、高層ビルの解体によって生じる鉄のスクラップも含まれています。その鉄スクラップを伝熱で溶かして、電炉材として、再利用する形で製造を行っていますが、電炉材であれば、日本国内でも豊富に揃えられます。
輸入依存の鉄鉱石と異なり、日本国内で容易に製造できる電炉材も、2021年に入ってからは、取引価格が上昇しています。日本鉄リサイクル工業会によると、2021年6月現在の取引価格は、1トン当たり4万円後半台で推移しており、2020年と比較して2倍以上に跳ね上がっている点が特徴です。ただ、高騰している電炉材の取引価格は、必ずしも経済面で不利になるとは言えず、外国へ輸出する場合は、有益な収入源となります。実際に、需要が高い中国への電炉材の輸出価格は上がっており、国内取引での損失分をカバーできる可能性があるからです。
鋼材を節約するには、購入するタイミングが重要
鋼材自体は、需要の増加に伴い、今後も価格上昇が予想されるため、建築会社等は今後を見据えて節約を行う必要があります。とはいえ、人件費等を減らして節約すれば、会社の運営にも多大なる影響を与える可能性が高いため、鋼材の購入タイミングそのものを考慮する方法が無難です。ただ、下げ止まりの気配が一切見えない現状では、提示価格で大量に購入する以外の選択肢はないと考えます。その場合は、「需要見合い」と「プラスアルファ」を考えた上で購入しないと、損失幅が高くなってしまいます。
現状では下がる要素が見受けられなくとも、いずれかのタイミングで、反動により取引価格が下がってきます。もし、リーマンショックのように、原材料の暴落が起きる兆候があれば、大幅に下落する可能性が高まってくるのです。そのため、価格の暴落を予想して、むやみに大量購入せず、需要に応じて少し多めに購入するというパターンが、最善と言えます。また、世界と比較して日本の電炉材は比較的安めの部類に入るため、そういった鋼材を中心として購入するのも一つの選択肢です。
鋼材価格の高騰は様々な悪影響を及ぼす
住宅建築に必要な鋼材価格の上昇は、ハウスメーカー等が工事を行うためのコストに大きく影響を与えます。通常、工事に関するコストは、平方メートルあたりで換算されますが、鋼材価格が上昇すると、工事費も上がっていく仕組みです。今回の価格上昇は、3割から2倍にも及んでいるため、今後、平方キロメートルあたりの工事費は100円単位で上がっていく可能性があります。市場価格に応じた予算増額措置が採れる公共工事の場合は、すぐに工事関係のコストは上昇しないため、建設計画に影響を与えるものではないと考えられます。
問題は、戸建て建築や大型マンション等の建築がメインとなる、民間建築のケースで、建設計画そのものに影響が及ぶ可能性が高まります。このまま鋼材価格が上昇し続けると、最悪の場合、工事費の上昇で損失分をカバーできず、休廃業に陥る中小事業者が出てくる可能性も否定できなくなります。人材不足の状況と言われて久しい建築業界においては、現場で仕事を行う人は特に不足しており、会社の経営悪化によって、さらなる工事費の高騰を引き起こしかねません。
実は製造業の業績が鋼材の需給に大きく影響
今後も、鋼材の価格上昇が上がりづつけるかどうかは、専門家の間でも見方が分かれています。とある専門商社の関係者からは、「価格が下がる要素が見当たらない」として、今後も価格上昇が続くと予想しています。他方で、一部の鉄鋼加工を行う会社によると、「必ずどこかで価格調整が行われ、これ以上上昇する可能性は低い」との予測もあります。価格上昇に対して、今後の予想を占う要素としては、鋼材を扱う製造業の動向です。中でも、各国が数値化している景気指数は、鋼材の価格に大きく影響を与える要素の一つと言えます。
2021年6月現在、アメリカ合衆国や中国が公表した景気指数によると、経済活動の回復により、上昇している点が、大きな特徴です。アメリカ合衆国の「ISM製造業景況指数」によると、景気の分岐点を示す50以上の、60.6という数字を提示しています。一方、中国国家統計局公表の「製造業購買担当者景気指数」は、景気の分岐点となる50を上回る、50.9と発表しました。景気指数から見た場合、鋼材に関する需要は上がっており、今後も価格上昇が予想される形となります。
さらに、アメリカ合衆国では、今後8年間で日本円220兆円にも及ぶ、大規模インフラ投資構想を打ち出しており、調整をしながら法制化を目指しています。鋼材のニーズが大規模に膨れ上がる可能性があり、供給不足による、さらなる鋼材価格の高騰も予想されます。
鋼材価格の上昇はしばらく続く
鋼材需要の高さによる価格上昇は、下げ止まりの要素がなく、しばらく高値水準で推移していくと予想されます。人件費等の節約では、いずれ会社運営上の限界が出てくるため、鋼材購入のタイミングを見極める点が重要です。
ネスティングによる材料費の削減の方法とは？
ネスティングを簡単に説明すると、CADを用いて板の上に部品を並べる作業を指します。ネスティングを行うことで１枚の板材から複数の製品を抜き取ることが可能となり、無駄な部分を最小限に抑えることができます。
その結果、歩留まりが向上し、製品コストを削減することが可能となります。
さらに切断作業の回数も少なくて済むため、作業時間の短縮にも繋がります。
最近では、このネスティング作業を自動でなおかつ高精度で行ってくれるソフトも増えてきています。数ある中でも、特に高性能、高機能を兼ね備えたこちらの自動ネスティングソフトウェアが世界中で評価が高いと言われています。コスト削減や作業の効率化など工場や会社経営に欠かせないメリットが多々あります。
参考：最高の歩留まり率で、平均5%の材料コスト削減を実現！世界最高水準の自動ネスティングソフトウェア「Sigmanest」のご紹介
自動ネスティングができるおすすめのソフトウェア紹介
自動ネスティングが可能なおすすめのソフトウェアを紹介します。
平均5%の材料コスト削減!世界最高水準の自動ネスティングCAD/CAMソフトウェア「SigmaNEST」
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また、幅広い加工機に対応しているのも特徴の一つです。
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初めて自動ネスティングを導入する方にもおすすめです。
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