現代の産業において、鋼材は建造物や家電製品、飲料の容器などに使用されている素材です。
特に鋼材は、建築や土木機械などの分野において、主要な役割を果たしている基礎材料でもあります。
2021年10月現在の鋼材価格および、鋼材を再利用する際の収集方法などについてご紹介します。
鋼材需要と価格の推移
現在の鋼材の国内需要は、自動車や製造業を中心に回復傾向を示しています。
その一方で土木建築向けの鋼材市場は一時的な停滞がありましたが、現在は再び回復の兆しが見え始めています。
回復傾向にある鋼材の国内需要の中、鋼材価格は高騰の兆しを示し始めています。
先ごろ東京製鐵は、鋼材販売価格を全品種で1トン当たり1万円の大幅値上げを発表しました。
更に、日本製鉄は薄板全品種において、販売の一時的な低減を行っています。
販売量の減少などからも、鋼材市場の価格は高騰の傾向が続いています。
鋼材価格の今後の見通し
鋼材価格の高騰は、さらに加速していく事が予想されています。
鋼材価格高騰の傾向を踏まえ、日本製鉄は国内販売店を対象として薄板品種の販売価格を値上げしました。具体的には、薄板品種の全品種を対象として、約2割相当の価格の上乗せとなっています。
また中国では、自らの国内においての鉄鋼需要が高まっています。その事により、海外への鋼材輸出が削減しています。
この影響を受けた日本は、更に供給不足となっているのです。
このような状況を鑑みると、鋼材価格は、当面の間は高騰の傾向が続くと予想されます。
そして、今後の国内において、緩和の兆しを示し始める時期については未だ不透明な模様です。
鋼材の現在の価格
鋼材の現在の価格はWeb産業新聞によると、以下のようになっています。
条鋼類
異形棒鋼SD295(直送)D16-25
東京:93,000円
大阪:89,000円
H形鋼5.5/8×200×100
東京:105,000円
大阪:108,000円
鋼板類
熱延鋼板3.2×4×8
東京:110,000円
大阪:117,000円
冷延鋼板1.0mm
東京:135,000円
大阪:140,000円
厚板16×5×10
東京:133,000円
大阪:137,000円
ステンレス鋼板SUS304(18-8)2mm(円/キロ)
東京・大阪:420円
パイプ
黒ガス管非高炉品50A 2インチ(円/キロ)
東京:163円
大阪:150円
2、3次製品
丸釘100mm(4インチ) (円/トン)
東京:152,000円
大阪:164,000円
鉄スクラップ
H2
東京:41,500円
大阪:40,500円
なお、平鋼、等辺山形鋼、熱延鋼板、表面処理鋼板、大径角形鋼管については価格は時期で変動しているため、随時確認してください。
鉄鋼製品のリサイクル
鉄鋼製品はリサイクルによって、繰り返し利用することが可能な素材です。
鋼材は、天然資源である鉄鉱石を採掘して産出します。
その鉄鉱石を還元および精錬する事で鋼材を作りだすのです。
そして鋼材に圧力を加え、熱処理などを行う事によって、様々な種類や形状の鉄鋼製品を製造しています。
その後鉄鋼製品は、自動車や船舶、または飲料の容器などに姿を変えて製品化されます。
のちにこれらの製品は、経年劣化において使用不可能となります。
回収され、スクラップ化された鋼材は、再び新たな鉄鋼製品の原料としてリサイクルされるのです。
リサイクルをすることによって、天然資源である鉄鉱石の使用量を大きく削減する事ができます。
それに伴い消費エネルギーや環境に及ぼす影響も、同様に減らすことができるのです。
この鋼材のリサイクルは半永久的に繰り返すことが可能で、効率的なリサイクルが出来る資源として注目を集めています。
鋼材を生産する方法
鉄を生産する方法は、
- 天然資源から生産する方法
- リサイクルを活用して生産する方法
の2種類に分かれます。
高炉メーカーは、天然資源から生産する際に使用する鉄鋼メーカーです。
高炉は巨大な装置や設備が必要となり、大企業で主として生産されています。
リサイクルを活用して鋼材を生産する方法は、主に電炉メーカーを使って行われます。
電炉メーカーは、スクラップされた廃鋼材などを溶かして、主に建造物などの骨格部分に使われる普通鋼材の製造を行っています。
高炉メーカーよりも生産量は少ないですが、生産量を調整しやすい点が特徴です。
また、特殊鋼メーカーはくず鉄を電炉で溶かして不純物を除去し、マンガンなどを加えて特殊な機能を付加させた鋼材です。
特殊鋼メーカーから産出される鋼材は、自動車や航空機のエンジン、パソコンなどの情報機器として利用されています。
鉄鋼メーカーから生産された鉄鋼製品は、鉄鋼関連会社や商社、あるいは直接、各種メーカーに卸され流通します。
鋼材の効率的な集め方
鉄スクラップ処理を行う企業は、リサイクルによって鋼材を再利用する事を目的としています。
効率的な集め方をするために、主に以下の方法により資材を収集しています。
建物解体業から収集する
建物解体業者から出る鋼材は、その資材量の多さから最も効率的な集め方といえます。
建物解体業から収集する場合、鉄スクラップ処理を行う企業は、その収集をより円滑に行うために、車両や設備を整えておきましょう。
例えばパワーゲート車を使用したり、ニューギロなどを設置する事で、鉄骨・鉄筋などの建設廃材を効率的に回収し、加工処理を行う事ができます。
各メーカーから収集する
電機や機械設備メーカーからは、設備の取替工事や、工場の増改築に伴って廃鋼材が発生します。
増改築工事などのタイミングに合わせて効率的な収集が可能です。
また、鋼板加工メーカーからも端材としての鋼材が発生します。
その他の製造会社からも鋼材は収集できます。
金属スクラップ専業者から収集する
金属スクラップ専業者も、多くの廃鋼材を効率的に集める事ができる業者です。
廃鋼材として、一般ヘビー屑などが多いことが特徴です。
一度に多くの鋼材を集めることができるので、ストックヤードの設備を備えて、収納場所を確保しておく必要があります。
さらに天井クレーンなどがあるとより便利になります。
自動車解体業から収集する
自動車解体業は、常時廃棄処分される自動車を多く保有しています。
解体業者や各メーカーから収集する場合とは異なり、時期によって廃鋼材の量が変動しないため、効率的な資材の集め方です。
また、自動車解体の業者は小規模であるため、通常のトラックで資材を集めることになります。
その為に、対応できるようなトラックを、適切な台数保有しておかなくてはいけません。
工場倉庫や、法人企業の閉鎖や移転時に収集する
工場や法人の規模によっては、その閉鎖に伴う際に出る資材を効率的に集めることが可能です。
または、家屋や工場の解体時や、建物のリフォーム時に発生する建築廃棄物から資材を集めるのもいいでしょう。
スポット的に発生する資材を収集する
店舗やオフィスなどからスポット的に排出される資材も、1つの効率的な集め方です。
主に大規模チェーン小売店や、病院などの医療機関などが効率的に収集できます。
医療機関から収集する
特に最近の医療機関は、資材を効率的に集める事ができます。
近年医療機関では、電子カルテの導入が浸透し始めています。
それに伴って大量のカルテが不要になり、カルテを保管していたキャビネットが多く輩出されているのです。
ネスティングによる材料費の削減の方法とは?
ネスティングを簡単に説明すると、CADを用いて板の上に部品を並べる作業を指します。
ネスティングを行うことで1枚の板材から複数の製品を抜き取ることが可能となり、無駄な部分を最小限に抑えることができます。
その結果、歩留まりが向上し、製品コストを削減することが可能となります。
さらに切断作業の回数も少なくて済むため、作業時間の短縮にも繋がります。
最近では、このネスティング作業を自動でなおかつ高精度で行ってくれるソフトも増えてきています。
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参考:最高の歩留まり率で、平均5%の材料コスト削減を実現!世界最高水準の自動ネスティングソフトウェア「Sigmanest」のご紹介
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