建設業界では人材の流動性が高く、近年注目されている2025年問題が人材不足に拍車をかけています。人手確保に苦戦する企業の声を耳にする機会が増える中、建設業界に特化した人材紹介へのニーズも高まってきました。
しかし、人材紹介会社は多種多様であり、どの会社を選ぶべきか悩まれる企業も多いでしょう。
この記事では、建設業界に特化した人材紹介会社を10社厳選しました。各社の特徴やサービス内容を詳しく解説するので、「人材を安定供給したい」「ミスマッチを避けたい」という企業はぜひ参考にしてください。
建設業の人材紹介会社とは?
建設業の人材紹介会社とは、建設業界に特化した人材紹介サービスを提供する企業のことです。
企業が求めるスキルや経験を持った人材と、新しいキャリアを求める求職者を結びつけ、スムーズな採用を実現するためのサポートを行います。
2025年問題による人材不足が深刻化する建設業において、人材紹介会社は企業の採用活動を支援する重要な役割を担っています。
建設業の2025年問題
建設業界は現在、「建設業の2025年問題」と呼ばれる深刻な人材不足に直面しており、特に、熟練職人の高齢化と後継者不足が顕著です。
国土交通省「大工就業者数の推移」の調査では、大工の数はピーク時の1980年と比較して約3分の1にまで減少し、加えて、60歳以上の割合も半数近くに及ぶなど、高齢化問題の根深さが浮き彫りとなりました。
この慢性的かつ持続的な人材不足は今後さらに加速化すると見られ、建設現場における工期遅延や施工品質の低下、社会インフラの維持困難といった問題が今後発生するリスクが高まっており、社会全体に大きな影響を与えることが懸念されています。
建設業の2025年問題の背景
建設業の主力となる団塊の世代が後期高齢者に突入する2025年は、これまで現場を支えてきた熟練の技術が失われ、深刻な人材不足に陥ると予想されています。つまり、建設業の2025年問題の背景には、少子高齢化社会の加速化が主な要因としてあるのです。
その他、長時間労働や重労働といった過酷な労働環境、他の産業と比較して低い賃金による高い離職率、建設技能を学べる職業訓練校の減少や根強い一人親方制度による人材育成の遅延も、人材不足に拍車をかけています。
近年は、こうした建設業の人材不足を補うための技術革新として、3Dプリンターを活用した住宅建設が注目されはじめました。
以下の記事では、一般的な特殊モルタルではなく、木質素材を使った最新の3Dプリント建築物を紹介しているので、木造建築の新たな可能性を模索している建設業の方もぜひご一読ください。
建設業の人材紹介会社おすすめ10選
では、建築業界の人材紹介会社を10社厳選してご紹介します。
まずは、気になる特徴や料金を比較した一覧表からご覧ください。
会社名 | 主な特徴 | 料金形態 | 紹介料 |
ジョブテック for 建築業・土木業 |
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成功報酬型 | 28% |
ジョブテック for CAD |
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成功報酬型 | 28% |
SUGUNI |
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成功報酬型 | 要問合せ |
ニッケン・キャリア・ステーション |
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成功報酬型 | 要問合せ |
株式会社ブリンクス |
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要問合せ | 要問合せ |
JAGフィールド株式会社 |
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成功報酬型 | 要問合せ |
株式会社RSG |
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成功報酬型 | 要問合せ |
グローバルスタッフ |
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成功報酬型 | 理論年収35% |
ジョブリー建設 |
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成功報酬型 | 要問合せ |
建職キャリア |
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成功報酬型 | 要問合せ |
①ジョブテック for 建築業・土木業
ジョブテック for 建築業・土木業は、建設業界に特化した人材紹介サービスです。
こちらは、10年以上の業界コンサルティング経験を持つエージェントが、求職者のスキルを的確に把握し、企業のニーズに合致する最適な人材をマッチングします。
また、CADの操作テストを活用して、求職者の実務レベルでのスキルを正確に評価するシステムを導入。設計事務所や建設会社に欠かせないCADスキルの見極めに大いに役立ちます。さらに、独自の提携教育サービスを通じて、AIやDXなど最新技術を習得した人材紹介も可能です。
②ジョブテック for CAD
ジョブテック for CADは、建設業に欠かせないCAD関連企業に最適な人材紹介サービスです。独自のCAD操作テストの実施により、求職者のスキルを実際に目で見て確認できるため、「即戦力となる人材を採用したい」という企業に最適です。
さらに、AIやDXといった最新技術の習得を支援する教育サービスも提供し、最新スキルを習得した人材を育成し、企業の成長をしっかりサポートします。料金形態は「成果報酬型」なので、採用が決まるまで費用は一切かからないのも魅力です。
デジタル化が進む建設業界では、3DCADやBIMといった技術革新によって、従来の設計業務は新たなステージへと移行しています。
以下の記事では、こうした技術革新がCADオペレーターの仕事にどのような影響を与えるのか、そして今後のCAD業界の展望について、詳細に解説しています。
③SUGUNI
SUGUNIは、全国6,000名を超える技術者の登録数を誇る建設業人材紹介会社です。
事前のヒアリング時には約70項目に及ぶ詳細な質問を実施し、企業と求職者の双方にとって最適なマッチングを実現しています。
関西圏を中心に延べ5,000名以上の人材紹介実績があり、現在では関東圏にも事業を拡大。「良い勇気を持った人を招集する」という理念のもと、建築、土木、設備、電気など、多岐にわたる技術分野において、一人ひとりのスキルや経験を元に人材紹介しています。
④ニッケン・キャリア・ステーション
ニッケン・キャリア・ステーションは、建設業・不動産業に特化した人材紹介会社です。
こちらは、建築士資格試験で高い合格実績を誇る日建学院のノウハウと、長年にわたって築き上げた業界ネットワークを活かし、時代のニーズを先取りした人材提案を実現しています。
また、独立系の人材サービス会社として、技術者から多様な職種まで幅広い人材の紹介に対応。日建学院グループ独自の「教育」と「就業」の一体化を追求する姿勢で、自社の教育システムと連携した人材紹介にも注力しています。
⑤株式会社ブリンクス
株式会社ブリンクスは、きめ細やかな対応が特徴の建設業の人材紹介会社です。
こちらは、最長6ヶ月の試用期間を設けた人材紹介予定派遣システムを導入しているので、企業は実務適性を十分に見極めた上で採用を決定できます。
利用時は、綿密なニーズヒアリングから始まり、全国規模での人材マッチング、さらには導入計画の策定まで段階的にサポート。また、スタッフ就業後も担当営業による定期的な訪問とフォローアップを実施し、持続的な関係構築を重視しています。
⑥JAGフィールド株式会社
JAGフィールド株式会社は、企業の成長を加速させる建設業界特化型人材紹介会社です。
建設業関連の技術者からITエンジニアまで、幅広い職種に対応し、各分野の専門コンサルタントが企業の採用活動を全面的にサポートします。
まずは、企業の事業内容、求める人物像などを詳しくヒアリングし、豊富な人材データベースから、ニーズに合わせたスキルや経験を持つ人材紹介に注力。入社後は定期的なフォローアップによる定着率向上にも対応します。
⑦株式会社RSG
株式会社RSGは、建設業・不動産業、医師の人材紹介会社です。実務経験豊富なベテラン層から、BIM/CIMなどの最新技術に精通した若手エンジニアまで、幅広い人材紹介に対応しています。
関東、関西、東海、九州を中心に10万人以上の登録者を有し、入社後の定着率向上に向けたきめ細やかなフォロー体制も万全。紹介した人材が3ヶ月以内に退職した場合は、契約に基づき返金対応も可能です。
⑧グローバルスタッフ
グローバルスタッフは、建設業界に特化した人材紹介サービス会社です。
独自の豊富な人材データベースを活用して、企業の採用ニーズに最適な人材紹介を行っています。
経験豊富な専門コンサルタントが一貫して採用プロセスをサポートし、求人情報の収集から面接調整、入社に至るまでを幅広くフォロー。非公開求人や緊急の採用案件にも柔軟に対応できる体制を整え、新菱冷熱工業グループならではの質の高い人材紹介サービスを提供しています。
⑨ジョブリー建設
ジョブリー建設は、施工管理職や建築設計職に特化した人材紹介会社です。
毎月800名を超える新規登録者を通じて、建設業における人材採用をサポートしています。
同社は、有資格者や実務経験者の紹介に強みを持ち、累計17,000名を超える豊富な登録者の中から迅速に対応。採用後のフォローアップ体制も充実させ、さらに早期退職者に対する返金制度を設けることで、企業の採用リスクを最小限に抑えています。
⑩建職キャリア
建職キャリアは、建設業を中心とした人材紹介会社です。
こちらの登録者は、施工管理技士や建築士をはじめ、建築関連の資格保有者が95%以上。登録者も毎月数百人規模で増えており、多彩な人材から企業の採用ニーズに的確に応えています。
全国規模のネットワークを活用し、地方企業のU・Iターン採用も積極的に支援。採用者が早期に退職した場合も、返金制度で対応しています。
建設業の人材紹介会社を利用するメリット
建設業の人材紹介会社を利用するメリットは多岐にわたりますが、ここでは特に重要な4つのメリットについて解説していきます。
①専門性の高い人材をマッチングしてもらえる
人材紹介会社を利用するメリットは、専門性の高い人材をマッチングしてもらえることです。
多くの紹介会社が建設業に特化しており、人材紹介会社によっては施工管理技士や建築士などの有資格者が登録者の95%以上を占めるサービスも見られました。
建設業では、資格や実務経験が重視される傾向が強いため、即戦力となる人材紹介に対応してくれる業界特化型サービスは非常に魅力的といえるでしょう。
②スキルを事前に評価できる
人材紹介会社を利用すると、建設業に必要なスキルを事前に評価できるのもメリットです。
本記事でお伝えした紹介会社でも、実務レベルに対応するCAD操作テストを導入している人材紹介会社が見受けられました。候補者のスキルを客観的に確認することができるシステムは、採用ミスマッチの防止、スムーズな採用に大きく貢献します。
③完全成功報酬型でサービスを利用できる
建設業の人材紹介会社の魅力の一つは、完全報酬型でサービスを利用できるという点です。
多くの人材紹介会社は、採用が確定するまで無料の完全成功報酬型の料金体系を採用しており、採用予算に限りがある企業にとって大きなメリットとなります。
紹介料は採用者の年収の一部に基づくため、初期費用がかからず予算管理がしやすいのも魅力です。また、必要な人材を確実に採用できる仕組みにより、採用活動の効率化とコスト削減も期待できるでしょう。
④入社後の定着をサポートしてくれる
入社後のサポートが充実している点も、建設業の人材紹介会社を利用するメリットです。
例えば、本記事で紹介したJAGフィールド株式会社や株式会社RSGでは、定期的なフォローアップを行っていました。また、株式会社ブリンクスは担当営業が企業を訪問してサポートを提供しています。
このような体制により、採用された人材の職場定着率が向上し、長期的な人材活用が可能となります。建設業の人材紹介会社のアフターケアは、安心して採用活動を進めたい企業にとって魅力的な要素といえるでしょう。
建設業の人材紹介会社を利用するデメリット
続いて、建設業の人材紹介会社を利用するデメリットについて解説します。
①紹介料の負担
建設業の人材紹介会社を利用するデメリットとして挙げられるのは、紹介料の負担です。
多くの人材紹介会社で紹介料は年収の28%~35%程度に設定されており、中には手数料非公開の人材紹介サービスも見受けられました。手数料は、採用予算に制限がある建設業者にとって大きなネックとなるでしょう。
②紹介会社による得意分野の違い
建設業の人材紹介会社を利用する場合、紹介会社ごとに得意とする地域や職種が異なることもデメリットです。
例えば、都市部に強い会社もあれば、地方の特定分野に特化している会社もあり、また、資格保有者の紹介に注力しているサービスもありました。そのため、自社のニーズに合致しなければ、複数の人材紹介会社と契約を検討する必要が生じる場合があります。
建設業の人材紹介会社の選び方
最後に、建設業の人材紹介会社の選び方について解説します。
①自社のニーズに合っているか
建設業の人材紹介会社を選ぶ際は、自社のニーズに合った会社を選ぶことが重要です。
例えば、施工管理技士や建築士といった専門資格を持つ人材を求める場合、有資格者を多く確保した人材紹介会社を選ぶと、効率的に即戦力となる人材を確保できます。
この際、スキル評価が充実しているかどうかも確認してください。CADスキルが必要な場合、実務レベルの操作テストを行う会社は信頼性が高く、候補者の適性を正確に判断できます。
まずはヒアリングで十分な意思疎通を図り、自社が求める人材に最適な候補者を提案してくれるか確認しましょう。
②返金・アフターフォローに対応しているか
建設業の人材紹介会社を選ぶ場合、試用期間中の返金制度などのリスク軽減策を整備しているかも確認ポイントです。
多くの人材紹介会社は紹介手数料がかかるため、採用ミスマッチや入社後の早期退職といったリスクに対して、ある程度の保証を設けています。
合わせて、定期的なフォローアップを実施する人材紹介会社を選べば、人材の長期的な活用が期待できます。入社後の悩みや不安を解消し、スムーズな職場への適応をサポートしてくれるため、離職率の低下にも繋がるでしょう。
建設業の人材紹介についてまとめ
建設業の人材紹介会社は数多く存在し、それぞれ手数料、サービス内容、フォロー体制などが異なりました。
自社に適したサービスを選択するためには、複数の中から比較検討することが重要です。
まずは、本記事を参考に各人材紹介会社の特徴や魅力をリサーチしましょう。
- 建設業・土木業の人材紹介会社はこちら→ジョブテック for 建築業・土木業
- CAD関連人材紹介会社はこちら→ジョブテック for CAD
ぜひ、上記の建設業の人材紹介会社から希望のサービスをお選びください。