実寸法師は、1989年に発売され、主に鉄工業界で活用されてきた歴史あるCADソフトです。
2DCADが基本ですが、3DCADの製図も可能で、作成した図面はCAMデータへの変換もできます。
その実寸法師の具体的な特徴や、活用事例などを紹介していきます。
鉄工業界で活躍するCADソフト「実寸法師」
実寸法師は、鉄工業界に携わっている企業や設計事務所で使用されているCADソフトです。
発売されてから1万以上のライセンス売り上げがあり、鉄工業界でのシェア率は高いです。
数あるCADソフトの中から選ばれ、設計の根幹を担う部分に導入されていることも珍しくはありません。
そして、製図の基本であるCADと加工機へ送るためのCAMはもちろんのこと、表計算やワープロといった機能も標準で搭載されています。
そのため、他のソフトと併用することなく、幅広い作業が実現できます。
使いやすさ重視のメニューとウィンドウ
実寸法師は、スムーズに製図ができるよう、使いやすさを重視して作られています。
直線の描画や削除、複写など基本的な操作は、独自のメニューで常時表示されているため、今どのような作業をする設定になるのかがひと目でわかります。
また、メニューはカスタムも可能で、必要ない機能を省いたり、使用頻度が高い機能を上部に配置したりするなど、使いやすさの追求ができます。
製図では複数のウィンドウを駆使することもありますが、実寸法師はそのウィンドウが全て、画面上のボタン形式で表示されます。
そのため、ワンタッチでアクティブウィンドウへの切り替えが可能で、画面上からわざわざウィンドウを探す手間がありません。
その機能を駆使すれば、図面の一部を別のウィンドウに移動させることも容易です。
さらに、ウィンドウには独自の分割整列機能が備わっていて、複数あるウィンドウの大きさを任意で変更したり、並べ替えたりすることができます。
その上、ウィンドウの中にサブウィンドウを開けるため、複数の図面をまとめて移動させたり閉じたりといったことも可能です。
複数の図形をまとめて扱える機能
実寸法師には、図面のパーツとして使用する複数の図形を、元図でまとめて変更できる機能が備わっています。
その機能を活用すると、元図を変更するだけで、図面上にあるパーツが全て変更されます。
そのため、ひとつひとつ変更させる手間がなく、非常に効率的です。
また、同じ図形を見つけて、まとめて他の図形に置き換えたり、回転させたりできます。
その図形はあらかじめ登録しておけるため、複雑な図形でも少ない手順で一括変換が可能です。
文字の検索と一括編集機能
実寸法師には、図面に使用されている文字を検索する機能が備わっています。
それもひとつのファイルだけでなく、フォルダに入っている複数の図面を対象にした一括検索です。
そして、検索結果は一覧で表示され、その中からひとつを指定すると、その文字が使用されている部分をピックアップしてくれます。
さらに、検索した文字は全部にまとめてカッコを付けるなど、一括編集が可能です。
豊富な図面管理機能
実寸法師では、複数のファイルやフォルダを一括で管理できます。
そして、ツリーでまとめたフォルダ単位で、変換や印刷などができます。
そのため、個別で変換したり、印刷命令を何度も送ったりせずに済みます。
また、複数のファイルを比較することも可能で、それぞれのファイルで異なる部分があれば色付けえ表示できます。
その比較もフォルダ単位で可能なので、変更点や問題点の把握がしやすいです。
多種多様な印刷機能
実寸法師では、異なる複数のファイルをまとめて連続で印刷することができます。
そして、その印刷方法は実寸大はもちろんのこと、拡大縮尺や部分印刷など幅広いです。
特に長尺印刷に関しては、独自のドライバを導入しているため、ソフト上に長さの上限は設けられていません。
他社ソフトとの互換性とカスタマイズ性
実寸法師は、図面を修正したり汎用性が高いIFC形式で出力したりする、KAPリンクやFASTLINKといった他社製のCADとの連携が可能です。
対応しているソフトであれば、実寸法師から製図データを送ることが可能で、他社ソフトで作成したモデルを元に実寸法師内で図面を仕上げることも可能です。
また、対応できるファイル形式も数多くあり、読み込みと書き出し共に10種類以上の形式を使用することができます。
ファイルを管理する際に、実寸法師で作成した図面と一緒に、他の形式のファイルもまとめて一覧表示することも可能です。
独自言語を使用したカスタマイズ
実寸法師には、TOM言語という自社開発のプログラミング言語が内蔵されています。
そのTOM言語を使用すれば、独自の拡張機能を作って、機能の幅を広げることができます。
具体的には、パターンと数値の選択によって自動で作図をしたり、図面に読み取りコードを埋め込んだりするといったことができるようになります。
また、利用者が必ずプログラムを組まなければならないわけではなく、メーカーに別途発注すれば、利用者の希望に合わせてカスタマイズされたモジュールを用意してもらえます。
3DCADバージョンもある
実寸法師は基本的に2DCADでの製図を行いますが、2次元の図面に高さの情報を付け足すことで3DCADの製図も可能です。
骨材のようなシンプルな形状の製図であればそれだけでも十分賄えて、視点を変えた確認や、断面図の作図も容易です。
そして、より複雑な3次元製図を行うための、3DCADバージョンの実寸法師も用意されています。
2DCADバージョンをそのまま3次元に発展させたような仕様で、使いやすさを重視している点は変わりません。
3次元の図面をX軸やY軸基準などの様々な2次元表示にし、それぞれを同じウィンドウ内に分割表示することができます。
ウィンドウの切り替えも2DCADと同様にワンタッチでできる上に、2次元画面の座標指定は、そのまま3次元の図面にも反映されます。
さらに、他の鉄骨専用CADとも互換性があり、モデルをインポートし、実寸法師の使用に合った修正が可能です。
また、すでに出来上がっている図面を簡単にトレースできる上に、複数人での製図ができるようにモデルを分割するなど、効率的な作業に繋がる機能が数多くあります。
動作スピードと機能の豊富さが活かされている
実寸法師は鉄工会社で、主にCAD製図のために使用されています。
鉄工分野でのシェア率が高いため、クライアントとのデータのやり取りをスムーズにするために、基幹ソフトとして導入されている例もあります。
社内インフラとして、必需品になっていることも珍しくありません。
そして、動作スピードに定評があるため、中には作業効率を高めるために、切断機の純正CADCAMシステムの代わりとして導入されている例もあります。
また、実寸法師は製図以外の機能の豊富さが強みであり、データの集計や文字の検索機能など、少ない手順で効率的に図面ファイルを管理するためにも重宝されています。
さらに、機能の豊富さを活かして、鉄鋼の製図だけでなく、社内ポスターの作成や見積もりの計算に活用している企業もあります。
幅広い機能を持った鉄工特化のソフト実寸法師
実寸法師の基本は、鉄工業界を対象としたCADとCAM機能です。
そして、製図作業がしやすいように様々な機能が搭載されています。
場合によっては、実寸法師だけでもひと通りの作業が完了するでしょう。
また、シェア率が高くクライアントとの連携も取りやすいので、鉄工業界でのCADソフト選びに迷った場合は、実寸法師を導入しておくのが無難でしょう。
自動ネスティングができるおすすめのソフトウェア紹介
自動ネスティングが可能なおすすめのソフトウェアを紹介します。
平均5%の材料コスト削減!世界最高水準の自動ネスティングCAD/CAMソフトウェア「SigmaNEST」
自動ネスティングソフトウェアでおすすめなのが、日本国内の人気はもちろん世界中で好評を得ているSigmaTEK社の「SigmaNEST」です。
「SigmaNEST」は、自動ネスティングの性能に定評があり、最高の歩留まりによって材料コストを平均5%削減することができます。
また、幅広い加工機に対応しているのも特徴の一つです。
最高レベルの高歩留まりネスティング結果と材料の有効活用の実現はもちろん、見積り、生産、出荷など、あらゆる工程を一本化、且つあらゆる費用を削減できる、とにかく凄いソフトです。
- 材料コストを削減したい!
- 人的負担を減らしたい!
- 機械の稼働をより効率化したい!
- 基幹システムと連携したい!
- 複数の機械をワンシステム化したい!
こんな効率化を求めるなら、まずはこの自動ネスティングソフトを要チェック。
日本国内のサポート体制もしっかりしているので導入前の相談からアフター対応まで何かと心強く安心です!
初めて自動ネスティングを導入する方にもおすすめです。
一般のネスティングソフトとシグマネストの違いや配置パターン比較は、SigmaNESTの公式サイトにわかりやすくまとめられているのでおすすめです。最先端の自動ネスティングソフトウエアの概要をぜひご覧になってみてください。
