ものづくりの現場では、機械化とともに自動化が進んでいます。
自動化を目指すのに導入が進んでいるのが、設計データを利用して、板金をはじめとした製造や加工を行えるCADCAMシステムです。
こちらでは、CADCAMの一つであるRADANの機能や特徴、導入や活用事例についてご紹介します。
RADANとは
RADANは、岐阜県大垣市に本拠地を置くウィリー株式会社が開発した、3次元の板金CADCAMシステムです。CADで作成された設計データをもとにして、NC工作機器などを動かすプログラムであるCAMを用い、データの作成から製造までを一元的に行うことができる点が、CADCAMシステムの良さです。CADとCAMは別々のシステムを利用することもできますが、その場合、データのやり取りの段階で、互換性などの問題が出て、製造工程につなげるまでにトラブルが生じたり、時間を要することがあります。その点、RADANのようなCADCAMツールを使うと、データが利用できないなどの事態や、トラブルに伴う原因究明にかかる時間を削減し、効率よく製造までを行うことができます。
CADCAMシステムの中でも、RADANのような3次元の製品を使うと、従来のCADCAMでは実現が難しかった曲面加工や、同時に複数の軸加工を行うなどの作業が比較的簡単に行えます。自動交換機能を持つ旋盤や工具などとの相性も良いので、熟練した技術者がいなくても機器類を扱うことができ、クオリティの高い製品を納期通りに作ることが可能になります。取引先と同じシステムを利用していれば、受け取ったデータを修正したり編集できるので、作業効率も上がるはずです。
RADANが持つ機能や特徴
RADANは、2次元の作図基本モジュールを軸として、必要な機能を選んで購入できるタイプのCADCAMシステムです。ベースとなる作図基本モジュールには、DWGやDXFなど、汎用的な設計データをインポートする機能や、コマンドやGUIを使った設計機能、板金作図や展開、パターン展開に加え、マクロやレイヤー機能がついています。基本モジュールのほかには、3次元モジュールやCAMモジュール、ネスティングモジュールのほか、その他の多彩なオプションモジュールも選べるようになっています。
RADANの特徴の一つが、ソフトウェアをモジュールごとに追加していけることです。このことにより、設備投資のコスト削減が可能になります。自社にとって必要なモジュールだけを購入すればよいので、コストパフォーマンスが上がるに違いありません。モジュールの種類が多いことも、RADANの特徴といえます。2次元・3次元のモデリングに加え、複数の機器に対して一つの部品データを割付保持する機能も搭載可能なので、自社にある機械類をフル稼働させ、効率よく製品を作ることができます。
RADANの特徴となっているマルチCAM機能は、名前の通り、様々な工程を担える機能です。例えば、レーザーCAMは、全自動割付の設定が可能で、材質や厚みなどを考慮し、切断条件を詳細に設定することもできます。また、作図線を色分けして、低速・高速切断に加え、ケガキ加工なども事前に指定が可能です。さらに、従来では実現できなかった、加工済みの内穴とレーザーヘッドの干渉を回避する機能も利用できるようになりました。
RADANの大きな特徴といえるのが、ネスティングの歩留まり率の高さです。ネスティングは、板金加工を行う場合に、1枚の板金から複数の部品を切断する作業ですが、この作業を効率よく行えれば、材料の廃棄が少なくなり、製造コスト削減に役立ちます。RADANが高い歩留まり率を実現できているのは、リトライネスティング機能があるからです。複数の材料やパターンを想定してネスティング処理をシミュレーションし、歩留まり率が一番高いものを採用して加工できるようにしているのが、リトライネスティング機能の強みです。
作業を効率化したり、ヒューマンエラーを極力減らすための仕組みがあるのも、RADANの特徴といえるでしょう。RADANには、板金CADCAMには、世界初となる、一つの部品データに複数の機器類の割付データを保持できる機能があります。製造に必要な機器に、データの割付を一つ一つ手動で行うと、設定忘れが生じたり、データが更新されたときに変更するのを忘れてしまうことがあります。その点、割付データをRADAN側で管理するシステムをとっていると、データの変更があった場合でも、製造段階への影響を少なくできる点がメリットといえます。
RADANは時代のニーズに合わせて、新たな機能を取り入れてきたことも、ユーザーが注目する特徴となっています。ウィリー社のリリース情報を時系列に見ていくと、最新のOSに完全対応させたり、製造指示書に記載のバーコードの読み取りを可能にしたり、データのインポートの段階で線や色の種類の指定を可能にするなど、使い勝手を向上させていることがわかります。また、ネスティングの時間を短縮する仕組みや、切断タイプの追加、金型形状の編集の簡便さなど、CAMにかかわる機能の強化にも努めてきました。これらは、RADANユーザーの声を取り入れ、開発を進めてきた結果ということができ、利便性を追求する姿勢が見受けられます。
RADANの導入・活用事例
RADANの導入・活用事例は、たくさんありますが、こちらではその一例をご紹介します。まずは、RADANを使うことで、これまでの作業時間を半分以下に減らすことができた事例があります。こちらは、飲食業界で使う食品加工機械の製造販売を行っている会社の例で、揚げ物を連続して作るフライヤーやオーブンなどの調理器を製作しています。レーザー加工機器を導入するのをきっかけに、CADCAMシステムの見直しを検討した結果、RADANの使い勝手の良さがポイントとなり、導入が実現しました。それまでのソフトでは、ネスティングに2,3日かかることもめずらしくなかったようですが、RADANを使うと、ネスティングの件数がかさんでも、半日程度で終わるようになったようです。
分電盤や高圧受電設備などの電気機器を製造販売している老舗企業では、お客様の依頼を受けて受注生産をするシステムをとっていて、歩留まり率の向上や作業の効率化が課題でした。こちらの企業がRADANを導入した結果、5パーセントから10パーセントほどの歩留まりがアップしたようです。また、以前は手動で板取り修正をしていたので、データを回転させながら試行錯誤を繰り返す日々でしたが、RADANが自動でネスティングを行うことで、作業時間の短縮にもつながり、従業員のマルチタスクが可能になりました。
RADANが製造現場の人手不足の解消に役立った事例もあります。精密機器板金加工を得意とし、スピーディーな納期や変種変量生産を看板に掲げている企業では、生産管理システムと直結できることに魅力を感じ、RADANの導入を決めたようです。RADANを使ってデータを一元管理し、生産管理システムから直接データを取り込み、作業者の負担を軽減させることに成功しました。それまで使用していた2次元から3次元に変更したことで、新人や初心者でも製造工程を立体的にとらえられるようになり、育成スピードアップにつながりました。また、教育する側の負担も減っているようです。
RADANの特徴と利便性
RADANは、3次元の板金CADCAMシステムです。2次元作図システムを基本にして、様々なモジュールを追加で購入できるので、自社に必要な機能を盛り込みつつ、設備投資を最小限に抑えることが可能です。部品データに複数の機器類の割付データを保持したり、歩留まり率を上げたネスティングができることなどがRADANの特徴であり、ユーザーが支持している点です。
自動ネスティングができるおすすめのソフトウェア紹介
自動ネスティングが可能なおすすめのソフトウェアを紹介します。
平均5%の材料コスト削減!世界最高水準の自動ネスティングCAD/CAMソフトウェア「SigmaNEST」
自動ネスティングソフトウェアでおすすめなのが、日本国内の人気はもちろん世界中で好評を得ているSigmaTEK社の「SigmaNEST」です。
「SigmaNEST」は、自動ネスティングの性能に定評があり、最高の歩留まりによって材料コストを平均5%削減することができます。
また、幅広い加工機に対応しているのも特徴の一つです。
最高レベルの高歩留まりネスティング結果と材料の有効活用の実現はもちろん、見積り、生産、出荷など、あらゆる工程を一本化、且つあらゆる費用を削減できる、とにかく凄いソフトです。
- 材料コストを削減したい!
- 人的負担を減らしたい!
- 機械の稼働をより効率化したい!
- 基幹システムと連携したい!
- 複数の機械をワンシステム化したい!
こんな効率化を求めるなら、まずはこの自動ネスティングソフトを要チェック。
日本国内のサポート体制もしっかりしているので導入前の相談からアフター対応まで何かと心強く安心です!
初めて自動ネスティングを導入する方にもおすすめです。
一般のネスティングソフトとシグマネストの違いや配置パターン比較は、SigmaNESTの公式サイトにわかりやすくまとめられているのでおすすめです。最先端の自動ネスティングソフトウエアの概要をぜひご覧になってみてください。