JavaScriptは、Web開発において広く活用されているクライアントサイドのプログラミング言語ですが、Node.jsを使えばサーバーサイドでも利用できます。
そのため、Node.jsを使えば、クライアントサイドとサーバーサイドを同じ言語で統一できるという大きな利点があります。本記事で、Node.jsとはなにか、その特徴からパソコンへのインストール方法まで詳しく見ていきましょう。
JavaScriptの「Node.js」とは
Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行できる環境です。もともとJavaScriptはWebブラウザ内で動作するクライアントサイドのプログラミング言語でしたが、Node.jsを使うことでサーバー側でもJavaScriptを利用できるようになりました。
これにより、フロントエンドとバックエンドの両方をJavaScriptで開発することが可能になります。
また、基本文法がJavaScriptと同じのため、JavaScriptを理解している人であれば、習得の難易度はそこまで高くありません。
JavaScriptの特徴や実際の使い方についてはこちらの記事にて詳しく解説しておりますので、ご参考にしてください。
JavaScriptのNode.jsを使うメリット
JavaScriptのNode.jsを使うメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- C10K問題への対応
- クライアントサイドとサーバーサイドで同じ言語を使える
これらのメリットについて見ていきましょう。
メリット①C10K問題への対応
C10K問題とは、クライアントの接続数が多くなると、サーバーのパフォーマンスが低下する問題のことです。
従来のサーバーでは、プロセスごとに1つの処理を行うため、接続数が増えるとサーバーのプロセス数が上限に達し、処理が滞って遅延が発生します。
Node.jsはノンブロッキングI/O方式によって、1つのプロセス内で複数の処理を同時に実行できます。
これにより、接続が増加してもプロセス数の制約に縛られることなく効率的な処理が可能です。
Node.jsを活用すれば、C10K問題を避け、サーバーのパフォーマンスを向上させられます。
メリット②クライアントサイドとサーバーサイドで同じ言語を使える
Node.jsの大きなメリットの一つは、クライアントサイドとサーバーサイドの両方で同じJavaScriptを活用できることです。
通常、クライアントサイドでJavaScriptが使われていても、サーバーサイドではPHPやRubyなど、ほかの言語が使われることが一般的です。
しかし、Node.jsを使うことでサーバーサイドもクライアントサイドと同じJavaScriptで動作させられます。
ただし、JavaScriptとNode.jsは完全に同じではないため、別途学習は必要です。
それでも、文法はJavaScriptと共通している部分もあるため、新しい言語を学ぶよりも学習コストはかかりにくいでしょう。
また、Node.jsを使ってアプリ開発をするうえで、3DCGの知識も備えておくと、開発に活かせる機会があります。
以下の記事では、3DCGを無料で作成できるソフト「Blender」の基礎知識について解説しています。
3DCGの作成に興味のある方は、こちらもあわせてご覧ください。
JavaScriptのNode.jsのデメリット
Node.jsはメリットだけではなく、以下のようなデメリットも存在します。
- 対応サーバーが少ない
- 多くの処理に弱い
これらのデメリットについて確認していきましょう。
デメリット①対応サーバーが少ない
Node.jsはすべてのサーバーでサポートされているわけではありません。
そのため、未対応のサーバーでNode.jsを使うには、VPS(バーチャル プライベート サーバー)を利用する必要があります。
VPSを使うのにも専門的な知識が必要になるため、対応サーバーが少ないことはNode.jsを使ううえでデメリットになるでしょう。
デメリット②多くの処理に弱い
Node.jsはシングルスレッドで動作するため、同時に複数の処理を並行して行うマルチスレッド型に比べて、重いタスクが発生するとシステム全体に悪い影響を与える可能性があります。
例えば、あるイベントの処理が長引いた場合、ほかのリクエストが待ち状態になり、システム全体のパフォーマンスが低下したり、最悪の場合、サーバーがダウンしてしまったりするリスクが高まります。
また、Node.jsを使ったアプリ開発だけでなく、ゲーム開発にも興味のある方は世界中で人気の高いゲームエンジン「Unity」もチェックしてみてください。
以下の記事では、Unityを始める方法や、Unityをパソコンにインストールする方法について紹介しています。
JavaScriptのNode.jsをインストールする方法
JavaScriptのNode.jsをインストールする手順は以下のとおりです。
- ダウンロード画面にアクセスする
- インストーラーを開く
- Node.jsがインストールされているか確認する
インストールの手順を一つずつ見ていきましょう。
1.ダウンロード画面にアクセスする
まずは、Node.jsをパソコンにダウンロードするために、ダウンロード画面にアクセスします。
お使いのブラウザから「Node.js」と検索すると、Nodo.jsがダウンロードできるページが表示されるのでクリックでアクセスしてください。
推奨版と最新版があるので、最新版から使っているOSのアイコンをクリックしてインストーラーがダウンロードされるまで待ちましょう。
2.インストーラーを開く
インストーラーがダウンロードされたら、クリックしてインストーラーを開きます。セットアップ画面が立ち上がるので、Nextボタンをクリックしましょう。
規約の画面が開いたらチェックボックスにチェックを入れ、Tools for Native Modulesの画面が開くまでNextボタンをクリックしてください。
Tools for Native Modulesの画面が開いたら、チェックボックスにチェックを入れてNextボタンをクリックします。
チェックを入れることで、必要なツールが自動的にインストールされます。
ただし、容量が気になる場合や必要に応じて個別にインストールする場合など、ツールのインストールが不要であればチェックを入れる必要はありません。
最後にInstallボタンをクリックしたら、Node.jsのインストールは完了です。
3.Node.jsがインストールされているか確認する
最後にNode.jsが問題なくインストールされているか確認してみましょう。タスクバーにあるWindowsアイコンをクリックして、Windowsシステムツールからコマンドプロンプトを開きます。
「node -v」と入力し、バージョン名が表示されれば、Node.jsが問題なくインストールされています。
また、バージョンを更新したい場合は、再度ダウンロード画面から最新バージョンをインストールしてくることで、バージョンアップが可能です。
JavaScriptのNode.jsの勉強におすすめの参考書
Node.jsを勉強するにあたって、おすすめの参考書をいくつか紹介します。独学でスキルを身につけたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
参考書①実践Node.js入門
引用:Amazon
本書は、Node.jsの基礎から開発・運用までを網羅した入門書です。
Node.jsの環境構築やJavaScriptの重要文法、非同期処理など、基本的な知識をわかりやすく解説しています。
また、CLIツール開発やExpressを用いた開発、データベース連携など、実践的な内容にも触れています。
さらに、アプリの実運用における注意点も解説されているため、Node.jsをこれから学んでいきたいエンジニアに最適の一冊です。
著者 | 伊藤 康太 |
出版社 | 技術評論社 |
発売日 | 2023年1月26日 |
参考書②はじめてつくるバックエンドサーバー基礎編
引用:Amazon
本書は、バックエンド開発に興味を持ち始めたビギナー向けの入門書です。
学習を進めるにあたって、HTMLの基礎知識さえあれば、JavaScriptやNode.jsの知識は不要です。
わずか2時間で、アプリの仕組みやExpressフレームワークを使った開発プロセス、作成したアプリをオンラインで公開する手順までを学べます。
実際にコードを書きながら進められるので、効率的にNode.jsの知識が身につくでしょう。
著者 | 三好 アキ |
出版社 | ー |
発売日 | 2021年10月3日 |
参考書③入門Node.jsプログラミング
引用:Amazon
本書は、Webアプリを構築する手法や、JavaScriptの機能を学べる参考書です。
Webアプリの仕組みに精通していない方でも、サンプルやコードを活用しながら自分でアプリを作るスキルを身につけられます。
また、章ごとに練習問題が用意されているため、自分の理解度を把握しながら学習を進められます。
Node.jsを使ったアプリ開発に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
著者 | Jonathan Wexler、吉川 邦夫 |
出版社 | 翔泳社 |
発売日 | 2019年9月25日 |
参考書④ChatGPTで学ぶNode.js&Webアプリ開発
引用:Amazon
本書はChatGPTを活用しながらNode.jsを学べる参考書です。AIに質問しながら、本格的なWebアプリの開発を行います。
本書を読み進めることで、Node.jsの知識だけでなく、生成AIを有効に使うスキルも身につくでしょう。
JavaScriptの前提知識が必要になるので、JavaScriptの勉強を終えて、Node.jsを学びたいと思っている方におすすめの一冊です。
著者 | 掌田津耶乃 |
出版社 | 秀和システム |
発売日 | 2024年9月6日 |
参考書⑤Node.jsデザインパターン
引用:Amazon
JavaScriptとNode.jsの設計技法を、ハンズオン形式で学べる参考書です。非同期処理と主なデザインパターンから、Node.jsの基礎について深く理解できます。
また、本書の難易度は中級以上に設定されているので、JavaScriptの前提知識があり、さらに進んだスキルを身につけたい方におすすめの一冊です。
著者 | Mario Casciaro、Luciano Mammino、武舎 広幸 |
出版社 | オライリージャパン |
発売日 | 2019年5月18日 |
JavaScriptのNode.jsについてのまとめ
今回は、JavaScriptのサーバーサイド実行環境であるNode.jsについて紹介しました。
Node.jsは、ノンブロッキングI/O方式を採用していることで、C10K問題の解決に適していることや、クライアントサイドとサーバーサイドで同じJavaScriptを使える点が大きなメリットです。
JavaScriptを使ってサーバーサイドの実行を行いたい方は、ぜひNode.jsもあわせて学習してみてはいかがでしょうか。
