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FreeCADとはどんなソフト?

CADの世界で広く使われているのはオートデスク社のAutoCADで、多機能で、最も普及しているソフトと言えるでしょう。
逆に最低限の機能を備えたものではJw_cadがあり、こちらはフリー版としてそこまで多機能を必要としない人達に愛用されています。
そしてその中間に位置するソフトとしてFreeCADがあります。
FreeCADにはどういった特徴があるか、見ていきましょう。

FreeCADとはどのようなソフトか

FreeCADは名前の通りフリーのソフトなので、公式サイトからダウンロードしてインストールすれば無料で利用可能です。
対応OSはWindows、Mac、Linuxと揃っており、パソコンを持っている人なら誰でも利用できるソフトと言えるでしょう。
クラウドで動くタイプではないので、必ずパソコンにインストールする必要があります。
注意点としては、有志が開発しているソフトのため、幅広くサポートが行き届いているタイプのソフトではないところが挙げられます。
そのため、バージョンアップの確認や追加されたadd-onの情報などは、自分で調べて導入しなければなりません。
無料な代わりに、細かい作業も全て自分で行わなければならない、やや面倒なソフトと言えます。
FreeCADは元々存在した3D CADソフト「CAS.CADE」のプログラムをオープン化したものを利用しており、開発はbidder形式で手を上げた有志によって行われています。
海外で始まったプロジェクトですが、日本でも日本語版が作られているため、日本語での利用が可能です。
機能としては3Dモデリングやメッシュデザイン、製図から有限要素解析など、多数のものが標準搭載されていいます。
操作性は通常の3D CADと比べるとややとっつきにくい形をしていて、複雑な3D CADを使い慣れている人ならなんとか理解できるソフト、と言えます。
逆に初心者が初めて触るには難しめのソフトで、カテゴリーとしては玄人向けと言えるでしょう。

起動方法とマウスの操作方法


FreeCADを使うには、まず公式サイトからダウンロードする必要があります。
インストーラー形式で配布されているので、使っているOSのものをダウンロードします。
インストールは通常のソフトと同じなので、指示の通りに行えば良いでしょう。
ダウンロードから起動まで、会員登録のようなものはなく、個人情報を入力する必要もありません。
フリーであっても広告が表示されたり会員登録が必要なソフトが多い中、これは一つのメリットと言って良いでしょう。
起動すると画面が表示されますが、マウスの基本操作を覚えておきましょう。
マウスの中央ホイールをドラッグで画面の移動が行えます。
拡大縮小はマウスの中央ホイールの前後に対応しており、オブジェクトの回転は中央ホイールと左クリックの同時押しです。
ズームという最も標準的な機能が、こちらも一般的なマウスのホイールで行えるので、ここは直感的に操作できる部分と言えるでしょう。
ただし回転は少し特殊な操作と言えるかもしれません。
オブジェクトが表示されている時には周囲に矢印のカーソルが表示されるため、それをクリックすることでも回転は可能です。

ワークベンチに平面で長方形を作図する

FreeCADで図面を書くにはまずワークベンチという概念を理解する必要があります。
例えばワークベンチのPart Design画面を使って長方形のオブジェクトを作る場合、コンボビューからボディーを作成を選ぶと、枠のようなものが作れます。
ボディーの作成はパーツを作るごとに行わなければなりません。
そして、スケッチモードで輪郭のスケッチを行う平面を選択し、縦と横を指定して空間上にスケッチを書きます。
スケッチが書けたら、メニューからスケッチ上に長方形を作成を選ぶと、長方形が作図されます。
長さを指定せず書かれた長方形にはサイズを入れなければなりません。
寸法記入のアイコンを選択してparamsにミリ単位で寸法を書き込みます。
すると、作画されたサイズもその寸法に合うので、縦と横を入力してサイズを決めます。
ここまで行うだけだと、空中で宙ぶらりんの状態になっているため、一致拘束のアイコンを使って図を完全拘束します。
ここまでは平面の作業なので2D CADと同じ状態です。

平面の長方形を3Dにする

2Dの平面で作図した長方形を3Dにするには、スケッチの押し出しという機能を使います。
長方形のスケッチを選択した状態で選択されたスケッチを押し出しというアイコンをクリックすると、平面に高さが加わり、長方形が立体に描画されます。
長方形を立体化しただけだとシンプルな表示ですが、もっと複雑な図形を細かくparamsを設定して立体化した場合、3D CADの機能の凄さを実感できるはずです。
押し出されて立体化した長方形は高さが指定されていないので、指定すれば縦横高さの確定した立体が出来上がります。
立体化したあとも当然、平面的に捉えて端から何センチのところに穴を開けるといった作業が可能です。
また逆に、立体としてとらえて角の部分をトリミングしたりすることもできます。
角のトリミングはエッジを選択し、緑色にハイライトされたら面や立体のエッジにフィレットを作成、というボタンでサイズを指定し、確定すればトリミングされます。
穴を開けるのはポケットの機能で、貫通するまで数値を入力します。
このように工業部品を作るのに適した機能は一通り実装されており、特殊な加工をする場合以外ならアイコンを選択していくだけで作図が可能です。

多種多様なワークベンチとエクスポート、インポートを活用する


FreeCADは、様々なワークベンチを用いることで、さまざまな業務に対応しているソフトと言えます。
前述の長方形の立体を作る場合は、パートデザイン・ワークベンチを用いて、2次元のスケッチ平面から押し出す形で立体化します。
建築ワークベンチを選ぶと、3次元の建築構造物のオブジェクトが初めから用意されているので、表示させてからparamsで数値を変更することで簡単に部材を設計することができます。
テックドロー・ワークベンチは、2次元CADで使われる三面図を描画するワークベンチで、他のワークベンチで3Dとして作ったデータを持って来ることで、簡単に三面図や投影図を作図できるワークベンチです。
スプレッドシート・ワークベンチは、Excelに似た機能を持つワークベンチで、FreeCAD上に表計算を表示することができ、部品一覧やそのサイズなどをリスト化できます。
エクスポートには様々なCADの形式が選択できるため、FreeCADで作ったデータを別の3D CADソフトに持って行くことも可能です。
CADソフトとして一般的に使われているAutoCADのDWG形式だけでなく、IFC形式やSTL形式など、さまさまなものに対応しています。
2Dに変換するだけでなく3Dデータのまま持ち込みが可能なため、図面の納品にも使えます。
逆にインポートも多くの形式に対応しており、海外でも開発されていることもあり、世界中のCADデータのインポートが可能です。
開発は続けられているため、今後新たに広く使われるCADが登場した場合も対応が可能であり、それも一つのメリットと言えるでしょう。
単純に3Dモデリングソフトとして使うにはやや工業製品向けすぎなところがあるFreeCADですが、無料ソフトと考えれば、ちょっとした図形を立体化して眺めてみるのには使いやすいソフトと言えるかもしれません。

少しとっつきにくいが無料で便利なソフト

FreeCADは全体的にはやや、とっつきにくいソフトと言えます。
しかしオープンソースで開発が続けられ、無料なことは非常に大きな強みです。
3D CADによるモデリングを必要としていて、コストを抑えてソフトを導入したいという人には強い味方と言えるでしょう。
情報はネット上に集まっているので、つまずきつつも少しずつ覚えながら使っていきましょう。

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