AI開発の現場では、AIの知識と実装力の両面を備えた人材が強く求められています。そのスキルを客観的に証明できる資格として、近年注目を集めているのがE資格です。
この記事では、E資格合格を目指す方におすすめ参考書と問題集を10冊厳選しました。基礎・応用・実践の3つのジャンルに分けて紹介しているので、これから学習を始める方も、試験直前の方も、自分に合った一冊をぜひ見つけてください。
E資格とは?

E資格は、ディープラーニングの専門知識と技術力を認定する、AIエンジニア向けの資格です。直近の2025#1試験では1,043名が受験し、合格率は68.26%。これまでの累計合格者数は9,197名に達しました。
AI技術は日々進化しており、数年前の知識がすでに古くなっていることも少なくありません。そこでE資格では、「2024#1」など試験回が合格証に明記され、合格者がどの時点の知識を持っているのかが分かるようになっています。
E資格の難易度
E資格は、国内のAI資格の中でも最高峰とされる難関資格です。AI分野の基礎知識を問うG検定に対し、E資格ではディープラーニングの理論を深く理解し、実際にコードを書いて実装できる力まで求められます。
合格率は例年およそ70%前後と一見高く感じられますが、合格者の多くは200〜300時間におよぶ学習時間を確保しており、決して簡単に突破できる試験ではありません。
E資格の難易度については、以下の記事でも詳しく解説しています。他のAI関連資格と比較しながら、より直感的に難易度を把握できる内容ですので、ぜひご参照ください。
E資格の出題範囲
E資格は、主に以下の5分野が出題範囲です。
主な分野 | 主な内容 |
数学的基礎 | 線形代数や微分・積分、確率・統計、情報理論 |
深層学習の基礎 | ニューラルネットワークの基本構造、様々な活性化関数、最適化手法 |
深層学習の応用 | 画像認識(CNN)、自然言語処理(Transformer)、生成モデル(GAN) |
機械学習の基礎 | 機械学習手法(サポートベクターマシン、決定木など)、モデルの評価指標 |
開発・運用環境 | Pythonによるプログラミング、フレームワークの利用法、分散処理 |
なお、E資格の受験にはJDLA(日本ディープラーニング協会)認定プログラムの修了が必須条件です。試験日の2年以内に修了している必要があるため、スケジュールには十分注意して準備を進めましょう。
JDLA認定プログラムを短期で完了!E資格対策ディープラーニング短期集中講座
E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、効率的に合格を目指せるJDLA認定講座です。
本講義前に事前学習で基礎を習得するため、未経験でも安心してスタートできます。深層学習の理論からモデルの実装、そして試験問題対策までカバーし、合格までのサポートも万全です。
E資格のおすすめ参考書・問題集10選
E資格の学習では、段階的に知識を積み重ねていくことが大切です。初心者の方は、いきなり高度な参考書で学ぶのではなく、まずは数学やプログラミングの基礎を学べる参考書から進みましょう。
ここでは、それぞれのスキルレベルに合わせて選べるように、3つの段階に分けて参考書と問題集をご紹介します。
レベル | 参考書・問題集名 | 主な特徴 |
基礎 | ゼロから作るDeep Learning―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装 | JDLA推薦のE資格対策本のスタンダード |
はじめてのディープラーニング | Udemy人気講師による分かりやすい入門書 | |
最短コースでわかる ディープラーニングの数学 | 高校1年生レベルの数学から解説 | |
応用 | ゼロから作るDeep Learning ❷ ―自然言語処理編 | 実践レベルのディープラーニング技術に特化 |
ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編 | フレームワークを学ぶ人気シリーズの第3弾 | |
[第2版]Python 機械学習プログラミング | 機械学習の本格的な理解・実装に最適 | |
深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ) | トップ研究者がポップな語り口で解説 | |
実践 |
ディープラーニング E資格精選問題集 | 「E2024#2」以降に対応した最新版問題集 |
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版 | 200万部突破したE資格受験対策の定番書 | |
ディープラーニング E資格模擬問題集 | 425問に及ぶ模擬問題をコスパ良く学習 |
①基礎を学べる参考書
まずは、E資格の土台となるディープラーニングやPythonなどの基礎を学べる参考書を3つご紹介しましょう。応用編とセットになった本もあるため、あわせて学び進めるのもおすすめです。
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

この参考書は、E資格対策本として2年連続1位、20万部を突破した人気の入門書です。本参考書は、Pythonでゼロからディープラーニングを実装し、ニューラルネットワークの仕組みや誤差逆伝播法などを実践的に学び進めます。
数式が苦手な人でも楽しみながら学べる参考書で、JDLAの推薦図書にも選出。自然言語処理を扱った続編では、word2vecやLSTM、Attentionなどの重要手法についてもゼロから学べます。
出版社、著者 | オライリージャパン、斎藤 康毅 |
発売日 | 2016/9/24 |
価格(税込) | 単行本:3,740円 |
はじめてのディープラーニング

この参考書は、ディープラーニングの基礎を学べる参考書です。オンライン学習・Udemyで人気の講師が、初心者向けに数学(微分や線形代数など)の基礎から解説しています。
フレームワークに頼らずPythonだけで実装するため、コードの一つひとつがどう動き、その原理はどうなっているのかを直感的に理解できます。「説明がわかりやすい」と口コミ評価も高く、E資格の土台構築に最適な参考書です。
出版社、著者 | SBクリエイティブ、我妻 幸長 |
発売日 | 2018/8/28 |
価格(税込) | 単行本:2,948円、電子書籍:2,653円 |
最短コースでわかる ディープラーニングの数学

本参考書は、ディープラーニングの本質理解に必須の数学(微分、ベクトル、行列、確率など)を、高校1年生レベルから解説しています。口コミでも、「数冊学んだ機械学習の参考書の中で一番だった」と評価は抜群です。
参考書内では、数学に基づきイチから記述されたコードがJupyter Notebook形式で提供されるため、実際に動かしながらディープラーニングの動作原理を理解できます。
出版社、著者 | 日経BP、赤石 雅典 |
発売日 | 2019/4/11 |
価格(税込) | 単行本:3,190円、電子書籍:2,871円 |
②応用スキルが身につく参考書
初心者レベルの参考書を卒業したら、さっそく応用を学べる参考書へ進みましょう。ここでは、E資格の理解が深まるおすすめの4つの参考書をご紹介します。
ゼロから作るDeep Learning ❷ ―自然言語処理編

この参考書は、先ほど紹介した『ゼロから作るDeep Learning』の第2弾です。今回は、自然言語処理や時系列データ処理など、より実践的なディープラーニング技術に焦点を当てています。
本参考書は、word2vecやRNN、LSTM、Attentionなど、最先端の技術を実装しながら、その仕組みを深く理解できるのも特徴。基礎編と合わせて学習すれば、体系的にディープラーニングの知識と技術を習得でき、E資格合格へ大きく近づけるでしょう。
出版社、著者 | オライリージャパン、斎藤 康毅 |
発売日 | 2018/7/21 |
価格(税込) | 単行本:3,960円 |
ゼロから作るDeep Learning ❸ ―フレームワーク編

この参考書は『ゼロから作るDeep Learning』シリーズの第3弾です。今回は、「DeZero」というディープラーニングのフレームワークを、ゼロから作り上げていきます。
DeZeroは、モダンなフレームワークの機能を実現する本書オリジナル。全60ステップを通してフレームワークを完成させることで、PyTorchやTensorFlow、Chainerといった現代のフレームワークがどう作られているのか、その根本的な知識を深く理解できる参考書です。
出版社、著者 | オライリージャパン、斎藤 康毅 |
発売日 | 2020/4/20 |
価格(税込) | 単行本:4,400円 |
[第2版]Python 機械学習プログラミング
![[第2版]Python 機械学習プログラミング](https://cad-kenkyujo.com/wp-content/uploads/2025/07/a-2025-07-04T220758.557.png)
さらに、読者のフィードバックを反映し、ライブラリの更新にも対応。特に13章以降はほとんどが新規書き下ろしなので、最新の知識を学びたい方にも最適な参考書です。
出版社、著者 | インプレス、Sebastian Raschka、Vahid Mirjalil、福島真太朗その他 |
発売日 | 2018/3/16 |
価格(税込) | 単行本:4,400円 |
深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

この参考書は、ディープラーニング第一線の研究者が基礎から解説する一冊です。SGD、自己符号化器、ボルツマンマシンなど、幅広い内容が盛り込まれています。
本参考書は、数学的な基礎理論から応用までを、比較的読みやすい言葉で解説しています。大学の教科書ほど難しくないものの、内容が濃いため、他の参考書と合わせて使うと良いでしょう。E資格の理論を深く理解したい方におすすめです。
出版社、著者 | 講談社、岡谷 貴之 |
発売日 | 2015/4/08 |
価格(税込) | 単行本:1,263円 |
③実践力を養える問題集
参考書でE資格の知識をインプットしたら、次は問題集でアウトプットして理解度を深めましょう。ここでは、人気のE資格対策問題集を3冊ご紹介します。
ディープラーニング E資格精選問題集

この問題集は、「E2024#2」試験以降の新シラバスに完全対応したE資格対策問題集です。高い合格率を誇る講師陣のメソッドに基づき、厳選された282問の重要問題と詳細な解説を収録しています。
本書は、544ページに及ぶ充実の解説、質問に即座に回答する「AI読者アシスタント」も魅力。学習後の力試しに最適な「総合問題1回分」がダウンロード提供されます。
出版社、著者 | 翔泳社、小林 範久、小林 寛幸、岩澤 有祐(監修) |
発売日 | 2024/10/30 |
価格(税込) | 単行本:6,600円、電子書籍:5,940円 |
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版

こちらは、シリーズ200万部を突破した人気のE資格問題集です。JDLA認定プログラムの第1号事業者であるスキルアップAIの講師陣が執筆し、業界の第一人者・杉山将氏が監修しています。
丁寧で分かりやすい解説が特徴で、正答・誤答どちらも技術解説付き。なお、E資格の最新シラバスをすべてカバーしていない点は考慮しておきましょう。
出版社、著者 | インプレス、スキルアップAI株式会社 小縣 信也、斉藤 翔汰その他 |
発売日 | 2021/5/31 |
価格(税込) | 単行本:6,050円、電子書籍:5,445円 |
ディープラーニング E資格模擬問題集

2025年版新シラバスに完全対応した、E資格対策の電子書籍版模擬問題集です。合計525問という圧倒的な問題量で、ディープラーニングの知識をバランス良く習得できます。
本書は、ニューラルネットワーク、CNN、RNN、GAN、NLPなど、シラバス2024の全範囲をカバーする425問のカテゴリー別問題に加え、本番形式の模擬試験1回分を収録しています。
著者 | 稲川平次 |
発売日 | 2025/1/11 |
価格(税込) | 電子書籍版:580円 |
E資格の参考書で学んだあとの次のステップ
参考書で基礎知識をインプットしたら、次のステップとしてJDLA認定講座を受講しましょう。E資格を受験するには、試験日の2年以内にJDLA(日本ディープラーニング協会)認定の講座を修了していることが条件です。
認定講座では、参考書で得た知識を整理し、より実践的な力へとつなげることができます。合格を目指すうえでも、早めの受講がおすすめです。
本番さながらの模擬試験も対応!E資格対策ディープラーニング短期集中講座
E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、E資格合格を最短で叶えるJDLA認定講座です。
この講座は、事前オンライン学習と本講座の二段構成。まずは数学・機械学習・Pythonといった基礎をオンラインでしっかり学び、準備が整ったうえで本講座に進みます。
本講座では、理論の理解から実装演習、試験対策・模擬試験まで、段階的に学べるカリキュラムを採用。わかりやすさに定評があり、脱落者ゼロ・修了率99%以上という高い成果も魅力といえるでしょう。
セミナー名 E資格対策ディープラーニング短期集中講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 54,780円〜 開催期間 4日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
段階的にスキルアップできる!G検定対策講座
G検定対策講座は、E資格取得を目指す方にとって理想のスタートを切れる講座です。
こちらの講座は、最新の出題傾向に完全対応し、AIの仕組みや活用例、機械学習アルゴリズムの特徴、ニューラルネットワークの基礎、ディープラーニングの応用まで、必要な知識を基礎からしっかり積み上げていく構成になっています。
さらに、専門スタッフによる手厚いサポートと、完全自社開発による質の高いカリキュラムを、リーズナブルな価格で受講できるのも大きな魅力。E資格の学習をスムーズに進めるために、まずはこの講座でAIの基礎をしっかり固めておきましょう。
セミナー名 G検定対策講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 5,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 eラーニング
E資格の学習を始める際は、JDLA認定プログラムの学習内容を把握しておくことで、参考書と講座の知識が一層深まり、学習効率も大きく向上します。
以下の記事では、認定プログラムのカリキュラムや学習の流れを詳しく紹介しています。効率よく学習を進めるためにも、ぜひチェックしてみてください。
E資格の参考書についてまとめ
E資格の参考書を選ぶときは、今の自分のレベルに合ったものから無理なくスタートすることが重要です。
基礎がしっかりしていれば、その後の応用学習もスムーズに進みます。参考書学習の際は、次ステップとしてJDLA認定講座選びも視野に入れておきましょう。
