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【2025】CATIA(CADソフトウェア)の使い方とは?基本操作をわかりやすく解説

CATIAは3Dも2Dも扱えるCADソフトウェアです。
CATIAとは何か?どういう使い方なのか?よくわからない、という方も多いかと思います。

そこでこの記事では、CATIAの基本操作やできることをわかりやすくまとめました。
学習方法や上達方法についても後半で触れていますので参考にしてみてください。

CATIA(キャティア)とは?

CATIA(Computer-Aided Three-dimensional Interactive Application)は、フランスのDassault Systèmes社が開発した3D CADソフトウェアです。

2D、3Dの両方を扱えるだけでなく、多数の部品を組み合わせたり、強度解析や振動解析などのCAEも行えるハイエンド品になります。その為、部品数が多く複雑で難しい設計検討に用いられることが多く、航空機や自動車、産業機器などの製造業界で活用されています。

CATIAの主な特徴

それでは、CATIAの主な特徴をお伝えします。
まずは総合的な機能性が優れる点で、3D設計から解析、製図まで一連の流れを包括しています。
次に拡張性が高い点で、業種や用途に応じて必要な機能を追加しやすくなっています。
最後にグローバルスタンダードになっている点で、海外プロジェクトや大手メーカーでの導入実績も豊富になっています。

CATIAと他のCADソフトウェアの比較を確認する場合は、以下の記事をチェックしてみてください。複数のCADソフトを比較紹介しています。

【2025】各社CADソフトを徹底比較!価格別3DCADとおすすめ3DCADの比較

CATIAを始める準備

CATIAのアイコンCATIAを使うにはライセンスが必要です。残念ながら無料体験版は提供されていませんので、継続的な利用にはライセンス購入が必要です。
また、CATIAの動作は意外と軽快な印象はあるものの、3Dモデルの複雑さによっては高性能なグラフィックボードや十分なメモリが必要になります。

必要なハードウェアとソフトウェアの準備

CATIAは高い処理能力を求めるソフトウェアであり、以下のようなスペックのPCが推奨されます。

項目 必要な内容
CPU Intel Core i7以上 または AMD Ryzen 7以上
RAM 16GB以上(大規模アセンブリの場合は32GB推奨)
GPU NVIDIA Quadro または AMD Radeon Proシリーズ
ストレージ SSD推奨(最低500GB)
OS Windows 10/11 Pro(64bit)

ライセンスの取得

CATIAは商用ライセンスの他に、学生向けのライセンスがあります。
学生の場合は、ダッソー・システムズの「Student License Program」を利用することで、低コストで学習可能になります。
企業では、ネットワークライセンスやスタンドアロンライセンスを選択できます。

導入のご相談について

実際に使ってみたい、どうすればよいのか、という方はまずキャド研の無料相談窓口にご連絡ください。
CATIAはもちろん、CAD全般に関するお悩みにお答えします。お気軽にご相談ください。

CATIAの使い方(基本操作)

初期の操作画面

上記はCATIAの操作画面を開いた状態になります。このままではどうすればよいか分からないと思いますので、CATIAの操作方法を知りたい方向けに、基本操作であるモデリングや製図、解析の使い方を画像付きでわかりやすくまとめました。

CATIAを導入しようと思うけれど、使い方がわからないと不安という方、実際にこれから使う上で基本を確認したいという方は、ぜひ各項目をチェックして基本操作を把握してみてください。

大きな流れは、モデリングで単体の3D形状を作成し、その3Dモデルを利用して製図や解析を行います。
それでは具体的な操作方法を説明していきます。

基本操作①3Dモデリング

パーツを選択まずはモデリングの準備をしましょう。

  1. 上画像と同じように新規作成から「Part」を選択し、OKをクリックします。これで、モデリングの操作画面が表示されます。
    モデリングの流れは、スケッチで2D形状を描き、それをもとにベースモデルを作成し、いくつものベースモデルを組み合わせて作りたい形状に仕上げていくことになります。
    スケッチ面を選択
  2. 最初に「スケッチ」を作成します。基準となる平面を選んでスケッチ準備を行います。
    スケッチ準備
  3. ここでは点、線、円、四角などのコマンドを利用してベースとなる2D形状を作成します。
    スケッチ実行
  4. 寸法拘束でサイズや位置を設定します。後々の製図を想定して、キリの良い寸法値で設定しておくのがポイントです。
    スケッチ拘束
  5. スケッチが完成したら、ソリッド作成に移ります。
    押し出し
  6. ソリッド生成を行います。スケッチを押し出し(Pad)や回転(Shaft)などのツールで3D形状化していきます。今回は押し出しの例です。
    ボディーの追加
  7. 別なベースモデルを作成する際は、上図のように新規ボディーを作成しましょう。これをしないと、この後の操作が分かりにくくなってしまいます!別なスケッチから押し出し
  8. ここで最初とは別なスケッチを作成し、そこから新たな形状をつくります。一見組み合わさったモデルに見えますが、この状態ではまだ別々なモデル扱いです。
    ソリッドの減算
  9. ベースモデルの組み合わせで形状を整えていきます。例では「差」を用いています。
    面取りとフィレット
  10. 面取りとフィレットをつけています。これで形状は完成です。
    材質の指定

最後に忘れがちな、材質の設定です。これをしないと解析ができません。また、質量も正しく出ない(0gになったり、軽すぎたりする)ので、複数のパーツを組み合わせた質量を出すときにミスつながります。
忘れずに正しく設定するようにしましょう。よく使う材料はデータ化して追加するのも効率化のポイントです。

実際のモノづくりを想定して、それに沿ってモデリングしていくのがコツです。とは言え、実際の製作手順なんて知らないよ、ということも多いでしょう。
そのため、あまり気にせず、まずは自分なりに作りやすい形でやってみてください。
数をこなすうちに段々と先の手順を想定しながら効率のよい形状作成ができるようになっていきます。

それではモデルを利用した製図方法について具体的に説明していきます。

基本操作②製図(Drawing)

Drawingの新規作成
CATIAは2D図面にも対応しています。設計レビューや製造現場、品質管理などで紙図面が必要な場合もまだまだ多いです。

  1. まずは上記のように「Drawing」を選択し、図面の大きさも選びましょう。
    ここも初めは、選んだサイズが大きすぎた、小さすぎたということもよくあると思います。段々と慣れていきましょう。
    正面図自動作成
  2. View(投影図)の作成になります。3Dモデルから正面図ビューを自動生成することができます。
    正面図の調整
  3. 正面図の面を選んだあとも、向きや角度を変えることができるので、ここで最終決定しましょう。
    側面図や上面図
  4. ここで正面図以外の面を作成しましょう。正面図を基にして、側面図や上面図、断面図なども作成できます。上記では右側面図を作成しています。
    寸法入れ
  5. 必要な面を作成できたら、寸法を入れていきましょう。上記は基本寸法しか入れていませんが、寸法公差や幾何公差ももちろん入れられます。

「2D図面はちょっと時代遅れ?」と思うこともあるかもしれませんが、図面はコミュニケーションツールとして非常に大切です。ここをおろそかにするとあとで泣きを見ることありますので、しっかり仕上げていきましょう。

基本操作③CAE解析

解析準備

  1. 強度解析や振動解析など、製品の安全性をチェックすることができます。上記のように解析したいモデルの画面から「アナリシス」アイコンをクリックして解析モードに移行しましょう。
    強度解析の用意
  2. 実施する解析を決めます。例では強度解析を行います。
    固定と荷重
  3. 境界条件や荷重条件設定を行います。例では片方の端部を「固定」して、反対側の端部に荷重を掛ける場合を考えます。
    メッシュの設定
  4. メッシュの設定を行います。計算が重くなるので、必要以上にメッシュのサイズを細かくしすぎないことがポイントです。1mm以上の設定にするのがおすすめですが、色々試してみてください。
    準備完了か確認
  5. 解析条件が正しいか確認します。ここでNGの状態で計算を開始してしまうと、いつまでも計算が終わらないという状態になりかねません。その手戻りを防ぐためのエラーチェックです。
    計算して結果表示
  6. 計算が完了したら、結果を確認します。
    結果を分かりやすく表示
  7. 最大または最小応力発生部を確認します。上位いくつの点を示すか決められますので、必要に応じて数値を変えましょう。

以上で、一通りの基本操作は終了です、お疲れ様でした。いかがだったでしょうか。すでに他のCADソフトを利用されたことがある方はよりイメージが付きやすかったかと思います。

CATIAはできることがとても多いので、全てを理解し、使いこなせるというのは非常に難易度が高いですが、基本的なことは本記事の操作程度でも十分可能です。尻込みせずに、気軽に取り組んでみてください。

CATIAの学習方法・使い方上達のポイント

学習方法についてまとめておきます。CATIAには無料体験版の設定がありませんので、以下のような方法をオススメします。

項目 内容
公式チュートリアルやユーザーフォーラム 実例が豊富ですし、公式の基準となるやり方が学べます。
CAD系コミュニティ 情報交換ができます。CATIAユーザー同士で学ぶことで隠れた機能を発掘できます。
業務 とにかく業務で触れる回数を増やすことです。習うより慣れろ、です。最初は時間がかかりますが、少しずつ感覚が身についていきます。
各種動画事例 かなり多くの動画が上がっており、基本から高度な内容まで豊富です。様々な事例を研究して、自分のモデリングに取り入れましょう。

CATIAはかなり多くのコマンドがあり、様々な作業ができるようになっています。しかし、一つ一つを確認するのは現実的ではありません。そして知らないとずっと使わないコマンドもあります。
周囲にCATIAの詳しい人がいれば、その人に聞くのが一番ですが、CATIAの操作動画はYoutubeなどの動画サイトにも数多く上がっていますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。

CATIAの導入企業事例

CATIAについて、実際にどのような業務で活用できるのか、学んだ使い方を活かせるのかわからないとお悩みの方もいるはずです。参考として、CATIAを導入し活用している企業事例を抜粋して以下に記載しました。

企業名 用途・導入背景 効果
ボーイング
  •  航空機(777、787など)の設計・開発に大規模導入
  • 3D設計・構造解析に活用
  • 複数拠点でのデータ一元管理
  • 開発期間の短縮・品質向上
  • 設計変更の効率化
トヨタ自動車
  • 車両本体やエンジン、サスペンションなどの設計
  • 大規模開発を一元管理するプラットフォームとして導入
  • グローバル拠点での共通3Dモデルの活用
  • サプライヤーとの情報共有がスムーズ
  • 開発リードタイムの短縮
BMW
  • 高級車・モータースポーツ車両の開発
  • コンセプトデザインから生産準備まで一貫して利用
  • 3Dモデリングとシミュレーションの反復で品質向上
  • デザインと精密度の両立
  • 開発期間の短縮
ゼネラル・エレクトリック
  • 航空機エンジンや産業用タービンの設計・試作
  • 複雑な内部構造の3Dモデリング・シミュレーションに活用
  • 高度な構造解析とシミュレーション連携
  • 開発期間の短縮
  • 高信頼性製品の設計実現

紹介した事例以外にも、航空機や自動車関連の企業は多くがCATIAを採用しています。より複雑かつ大規模になるほど他のソフトに比べて力を発揮します。

CATIAの使い方についてまとめ

CATIAは多機能で奥が深い一方、今回ご紹介したように各作業段階ごとに「ワークベンチ」と呼ばれる専用ツールバーが設定されているなど操作性も洗練されており、大規模かつ複雑な製品開発を支える力強いツールです。基礎を固めつつ、パーツ設計・アセンブリ・製図・サーフェス・解析などをバランスよく習得することで、設計業務の効率はグンと高まります。

最初は「どこから触ればいいの?」と戸惑うかもしれませんが、本記事の操作を基本として一つずつ慣れていけば必ず使いこなせるようになります。
もしCATIAを使う機会がある、もしくは導入しようという方は、CATIAは信頼度の高いソフトですので、安心して技術習得や活用に取り組んでください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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