近年、CAE解析の求人を見かけることが多くなってきました。CAE解析は比較的歴史の浅い職種であるため、情報量も限られているのが現状です。この記事ではCAE解析求人の特徴や求人を受けるときのコツ、CAE技術者の将来性についてお伝えします。
CAE解析とは
CAE解析とは「Computer Aided Engineering」の略称で、機械設計の際に段階的にシミュレーションおよび解析を実施し、スムーズに設計工程を進める手助けをするシステムです。
具体的に設計時において発生しがちな問題点としては、荷重や振動による強度の問題、熱伝導に関する問題があります。
これらの問題点をCAE解析によりパソコンでシミュレーションすることで、問題発覚時における工程の戻り幅が少なくなります。
結果として時間やコスト面での負担も減り、さらには環境にかかる負荷も削減できるので、CAE解析は機械設計に無くてはならないシステムであると言えるでしょう。
このCAEソフトを使える人がCAE技術者やCAEオペレーターとなり、専門の人として会社に就くことになります。
CAE系に転職した際の年収目安や仕事内容については下記記事でも解説しています。
CAE解析の求人特徴
CAE解析は以前まで企業や大学の研究室でしか行われていませんでした。一般的に広がり始めたのは2012年ごろで、CAE解析エンジニアという職種で求人が出るようになったのは2017年ごろからです。
CAE解析求人が年々増加しているのは、各企業におけるCAE解析の需要が高まりと共に技術者の増員が必要となったことが背景にあります。
CAE解析エンジニアとして働くためには一定の知識や経験を求められます。
例えば大学で工学を習得しスーパーコンピューターに関する技術を有していることや、企業の設計開発部門で働いていた実績があることなどです。
CAE解析エンジニアは専門的知識が必要な職種であるため、一般の求人とは異なる点がいくつかあります。
CAEの求人特徴①待遇面で優遇されている
CAE解析エンジニアの求人は、一般的な職種よりも待遇面で優遇されているというのが特徴です。
例えば年収が比較的高いことや年休が多いこと・就業時間が一定であること・福利厚生が行き届いていることなどが挙げられます。
具体的には、CAE職の初任給は一般的な給与よりかなり高く支給していたり、福利厚生として引越し費用の補助制度や産前・産後休暇制度寮・社宅や寮の完備・保養所・契約リゾート施設の優待などの各種優遇を設けていたりする企業が多く見られます。
CAEの求人特徴②新卒にこだわらない
CAE解析の求人の特徴としては新卒にこだわらないことも挙げられます。CAE解析の現場では、機械設計開発に関する経験を積んでいると即戦力となるため、新卒でないことは余りデメリットになりません。逆に、熱流体解析や構造解析、応力解析、衝突落下解などの経験のある人を採用の条件として挙げている企業が多いです。
そのほかにも、設計開発や圧力などの計測スキル、プログラミングや最適化のスキルを持っているとさらに採用に有利になります。
年齢条件として主にCAEの求人は30～40歳を希望する企業も多く見られ、または第二新卒を求めている企業も比較的多く見られます。
そのため、CAEの求人なら応募する側もあまり年齢を気にすることなく、今までの経験を充分に活かして幅広い求人に応募できるというメリットがあります。
CAEの求人特徴③意外と幅広い能力を求められる
CAE解析の求人は幅広い能力を求められることが多いです。一般的には、CAE解析以外にも、CAE分析や考察、または機械設計の改善提案、後継者育成のための人材教育など、今までの経験を活かして様々な分野での活躍を求められることが少なくありません。
CAE解析エンジニアとしての経験を活かして、今後幅広く知識を活用したい人にはCAE解析の求人を利用するメリットは大きいでしょう。
CAEの求人特徴④採用時に学力テストがある
CAEエンジニアの求人の多くは採用時に学力テストを行っています。
また、応募条件として大学院もしくは大学、高専で工学を習得していることを応募条件として挙げている企業がほとんどです。
試験内容としては、職務適性検査や英語の学力テストと面接を2回実施している企業も見られます。
CAEの求人特徴⑤入社後の研修が充実している
CAE解析エンジニアの求人は、入社後の研修が充実していることも特徴です。
一般的なOJTなどの実際の現場で受ける研修や教育階層別研修以外にも、CAE解析エンジニアならではの語学研修や技術教育などがプラスされ、バックアップ体制を整えている企業が目立ちます。
CAEの求人特徴⑥CAE解析専任講師の求人がある
CAE解析の求人には、CAE解析専任講師の求人も多く見られます。CAE解析に注力したい企業が多い反面、人材不足に悩んでいる企業も少なくはありません。
CAE解析専任講師の求人は実務経験者もしくはCAE解析専任講師経験者のみとなり、ベテランエンジニアに対しても物怖じせずに講義ができるという条件がプラスされてきます。
具体的な業務内容としては、CAE解析研修の講師として研修指導の企画・運営、研修内容を随時見直しての改善や対策、受講生管理に関する事務作業全般などです。
職務のポジション的にはCAE部署の管理職やリーダーが適用されます。
CAE解析の求人を受けるときのコツ
CAE解析の求人を受けるときのコツとしては、事前の学習や下準備を行うことが挙げられます。
多くの企業は採用時に英語などのテストを実施し、面接にも力を入れているため事前に十分にリサーチして準備を整えておく必要があります。
積極的に企画立案できる人材や、シミュレーションができる人材、後進指導・育成ができる人材を求めている企業も多いので、自分の適性に合っているかをあらかじめ考慮しておくことが大切です。
多くのCAE解析の求人では、メーカーやIT企業などで研究開発や設計者としてCAE解析を行った経験者を採用条件として挙げています。
そのため、大学などで工学の勉強をしていても未経験の場合は応募できないように思うかもしれません。
しかし企業によっては採用条件として経験者を挙げていても、未経験者でも相談可能としているところも見られます。
現在は、様々な企業がCAE解析エンジニアの人材育成に力を入れているため、採用条件に当てはまっていなくてもまずは問い合わせてみることが大切です。
CAE技術者の将来性はあるの？
CAE技術者の将来性は非常に有望です。その理由としては、機械設計の現場のみならずモノづくりに関する業界全般において、全工程でのデジタル化が進んでいます。
IoTやAIによる認識技術が加速化すると共に、データの量やクオリティも向上していきました。
そのため、業務推進の一環として高度なシミュレーションを必要としていることからCAE技術者の需要が高まっています。
CAE解析技術の高度化に伴い、業務に対する専門性が高くなったことも理由の一つに挙げられます。
以前は設計工程とCAE解析エンジニアを兼ねていることも多くありましたが、近年は解析に用いるデータの増加や計算が高度になったことなどから兼任することがほとんどなくなりました。
そこで専業でのCAE解析エンジニアを多くの企業が求め始めています。加えてCAE解析エンジニアはDX時代の要職となると言われていることからも、今後の将来性はかなり有望と言えるでしょう。
CAEの求人に関してよくある質問
それではCAEの求人に関してのよくある質問について回答していきます。
CAE解析の求人はどうやって探せばいいですか？
CAE解析の求人は他の職種と同じようにIndeedやマイナビなどの求人サイトで検索して探しましょう。使用しているソフトがあればソフト名で探すのも良いです。
CAE解析の仕事は激務って本当ですか？
CAEの仕事が激務かどうかはその会社によって全く違うので一概に言えません。定時で帰れる会社もあれば残業がある会社も存在します。事前にその部分を質問したり、会社のレビューをよく確認して求人に応募してみましょう。
CAE解析求人は今後増加していく
CAE解析求人は今後も増加の一途をたどるであろうと予想されています。
AI技術の進歩に伴い、機械設計を中心に様々な分野の企業でCAE解析に注力するようになりました。
一口にCAE解析求人と言っても業務は多岐にわたるので、あらかじめ自分の目的に合ったCAEの求人内容であるかリサーチしておくことが大切でしょう。
