CADを使う仕事に興味はあるものの、「未経験でも転職できるのか」「年収は上がるのか」「将来性はあるのか」と不安に感じていませんか。
CAD関連の仕事には、CADオペレーターだけでなく設計職やBIMオペレーター、施工図担当などさまざまな職種があり、年収や仕事内容などが異なります。このように、業界や職種選びによってキャリアの広がり方が違う点を理解したうえでCAD転職に臨むのがおすすめです。
そこでこの記事では、CAD転職の将来性や職種別の年収、未経験から転職する方法、失敗しやすいポイントまでわかりやすく解説します。
CAD転職は未経験からでも目指せるが「業界選び」が重要
CAD転職は未経験からでも十分に目指せます。実際、私も未経験から建設コンサルタントに入社してCADを操作し始めましたが、入社し1~2か月で、仕事で使えるレベルまで成長できていました。
ただし、CAD転職はソフトを使えること以上に、「業界選び」のほうが重要だと感じています。
たとえば、土木・建築・設備系の業界では2DCADやBIM/CIMなどを用いて図面を作成する一方、機械業界では3DCADを用いてモデリングを行うのが特徴です。
CADを活用する業界やソフトは多岐にわたるため、自分のやりたいことに合うCAD求人を見つけなければ、途中で挫折するかもしれません。そのため、転職を考える際には「建築・土木・設備・機械のどの分野で働きたいか」を考えることが重要です。
CAD転職が向いているかわかる診断チェックリスト
CAD転職に向いている人には共通点があります。以下のチェックリストに当てはまるか確認してみてください。
- 細かい作業が苦にならない
- パソコン作業が好き
- 図面やモノづくりに興味がある
- コツコツ学ぶことが苦ではない
当てはまる項目が多い人ほど、CAD転職が向いています。
一方で、デスクワークが苦手な方や、営業職のように定期的に社外へ出て働きたい人だと、CAD転職が向いていないケースもあります。
CAD転職を成功させるためには、スキルだけでなく仕事との相性も確認しておく必要があるため、こちらのチェックリストをもとに、自分がCAD転職向きかを確認しておくと後悔を避けやすくなります。
自分がCADオペレーター向きか気になっている方は、転職前に以下の記事もチェックしてみてください。
転職後にCADを活かせる仕事と年収一覧

CADを使う仕事はCADオペレーターだけではありません。
実際には、設計職やBIMオペレーター、施工図担当などさまざまな職種があり、仕事内容や年収、将来性も異なります。ここでは、それぞれの職種の仕事内容と年収を整理しました。
| 職種 | 年収目安 | 主な仕事内容 | 未経験転職 |
|---|---|---|---|
| CADオペレーター | 300~450万円 | 図面作成・修正 | ◎ |
| BIMオペレーター | 400~600万円 | 3Dモデル作成・設計支援 | ○ |
| 施工図担当 | 400~700万円 | 施工図作成・現場調整 | ○ |
| 設計職 | 450~900万円 | 設計・図面作成・打合せ | △ |
※年収は転職サイトやエージェントの求人等をもとに算出した目安です。
CADオペレーター
CADオペレーターは、設計者が作成した図面をCADソフトで作図・修正する仕事です。
未経験歓迎の求人も多く、まだCADに触れたことがない方でも安心してチャレンジできる転職の入り口として選ばれることが少なくありません。
一方で、単純な図面の作図・修正が中心の求人だった場合には、転職後の年収が伸びにくい傾向があります。キャリアアップを目指す方は、CADオペレーターに転職した後、後述する3つの職種にステップアップしていくことが大切です。
CAD転職のなかでも3DCADにチャレンジしたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
BIMオペレーター
BIMオペレーターは、RevitやArchicadなどを活用して、3Dモデルと属性情報などを統合したBIMモデルを作成する仕事です。特に建設(土木・建築)業界はBIM導入が進んでおり、近年特に需要が高まっています。
実際、私もBIMソフトを扱って設計業務にあたるケースがありましたが、その際に感じたのは、未経験からBIMオペレーターになるのは難しいという点です。まずはCADオペレーターとして経験を積んだのちに、図面の作り方などを理解したうえでBIMオペレーターになるのが理想です。
施工図担当
施工図担当は、設計図をもとに実際の工事で使用する詳細図面を作成する仕事です。
たとえば、施工の流れを工程ごとにまとめたステップ図の作成を行うケースだと、「コンクリート基礎をつくるために、交通誘導員をどこに配置するか、どこに重機を配置するか」という部分まで図面に落とし込みます。
責任は大きいものの、その分、転職後の年収水準も高めです。
建設業界で長く活躍したい方にとって、有力なキャリアパスのひとつになるでしょう。
設計職
設計職は、建物や機械、設備などの設計を行う仕事です。
前述した、各オペレーターの作業の多くを担います。
仕事内容としては、CADやBIMを用いて図面を作る仕事はもちろん、設計に関する報告書の作成や数量計算など、幅広い業務に対応します。加えて、設計に関する専門知識や技術基準や法規(建築基準法や建設業法など)の理解なども求められます。
実際、私も設計職として従事していました。特に、工学系の大学で専門知識を身につけている人なら、CADオペレーターからキャリアアップを目指せる職種です。求められるスキルは高いですが、転職時に年収も上がりやすく、長期的なキャリア形成を考える方に向いています。
CAD転職はやめとけと言われる理由
CAD転職は未経験から挑戦しやすい一方で、「やめとけ」と言われることもあります。
実際、やめとけと言われるのは、CADの仕事そのものが悪いわけではなく、仕事内容や職場選びを間違えた結果として後悔するケースが多いのが実情です。
転職後のミスマッチを防ぐためにも、よくある理由を確認しておきましょう。
未経験からだと年収が伸びにくい求人もある
転職サイトやエージェントには、未経験歓迎のCAD求人も多く公開されています。
しかし、経験者向けの求人と比べて年収が低めであるため、「年収が増えないからやめとけ」と言われる場合があります。
年収が伸びにくい理由として挙げられるのが、企業の教育負担です。
未経験のCAD人材は、CADを扱えないため、スキルを身につけてもらうために教育や研修、OJTなどを実施しなければなりません。その間の費用はすべて会社が負担します。
実質、数か月は仕事で売り上げを出せない人材であるため、未経験の転職時の年収は低めに設定されているのが一般的です。未経験はハードルが低い一方、収入面の不安要素があるので、事前にCADスキルなどを身につけておいた方が収入アップを期待しやすくなります。
単純作業だけの職場もある
CAD業務と聞くと専門職のイメージがありますが、実際には既存図面の修正やトレース作業が中心の職場もあります。そのような職場に転職してしまった結果、「自分が思い描いたCADの仕事と違う場合があるからやめとけ」と言われることがあります。
特に、業界知識や設計スキルが身につかない環境では、市場価値が上がりにくくキャリアの選択肢も限られてしまうため注意が必要です。問い合わせや面接時に、どのような仕事内容なのかをヒアリングしておくことをおすすめします。
未経験からCAD転職するならどの業界がおすすめ?
CAD転職を成功させるためには、職種だけでなく業界選びも重要です。
同じCADオペレーターでも、扱う図面や求められる知識、将来のキャリアパスは大きく異なるため、ここでは、未経験から目指しやすく、将来性も期待できる代表的な業界を紹介します。
建築業界

未経験からCAD転職を目指すなら、まずは建築業界がおすすめです。
特に利用するのが、Jw_cadやRevitといった製品になります。
建築業界はCAD求人の数が多く、上の画像のような住宅やマンション、オフィスビルなどさまざまな図面作成に携われます。未経験からCADオペレーターとして経験を積み、その後は施工図担当やBIMオペレーター、設計職へのキャリアアップを目指せる点も魅力です。
なお、転職前にJw_cadのスキルを身につけたい方は、以下のセミナーがおすすめです。
Jw_cadは無料で使える一方、画面構成が一般的なCADソフトとは異なるため、基本操作を講師から学ぶことで、短期間で仕事に活用できる状態にレベルアップできます。
| セミナー名 | Jw_cad基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
土木業界

インフラ(公共工事やまちづくり)に関わる仕事がしたいなら、土木業界がおすすめです。
土木業界でよく利用するのが、AutoCADやJw_cad、Civil 3Dといった製品になります。
上の画像のように道路や橋梁、河川、造成などの公共インフラの図面を扱うため、景気の影響を受けにくい特徴があります。CADオペレーターとして経験を積みながら、土木設計や施工管理補助などへキャリアアップを目指せます。
なお、転職前に土木業界で良く活用されているAutoCADのスキルを身につけたい方は、以下のセミナー講習で実務スキルをマスターするのがおすすめです。実務経験のある講師から、ハンズオン形式で基本操作や実践的使い方を学習できます。効率よく学習したい人におすすめです。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
設備業界

安定した需要のある業界で働きたいなら、設備業界がおすすめです。
設備業界では主に、RebroやCADWe’ll Tfasなどの製品を使う場合があります。
たとえば上の画像のように、空調設備や給排水設備、電気設備など建物に欠かせない分野の図面を作成します。経験を積めば設備設計や施工管理との連携業務を担当することもでき、転職後には専門性を活かしたキャリア形成が可能です。
機械業界

将来的に年収アップや設計職を目指したいなら、機械業界がおすすめです。
機械業界では基本的に、上の画像のようにAutodesk FusionやSOLIDWORKSといった3DCADを用います。
自動車や産業機械、精密機器などの図面を扱うため専門知識は必要になりますが、その分市場価値を高めやすい業界です。CADオペレーターから設計補助を経て、機械設計者へステップアップするキャリアも珍しくありません。
なお、3DCADとしてシェア率の高いAutodesk Fusionの使い方を覚えてから転職をしたい方は、以下のセミナー講習の受講がおすすめです。モデリングスキルを短期間でマスターできます。
CAD転職で失敗しやすい人の特徴
CAD転職で後悔する人には共通点があります。多くの場合、CADという仕事そのものではなく、転職前の認識不足や企業選びのミスマッチが原因です。
同じ失敗を避けるためにも、よくあるケースを確認しておきましょう。
CADソフトを勉強せずに転職して挫折
未経験歓迎の転職求人だからといって、まったく知識がない状態で入社すると苦労する場合があります。周囲は基本操作を理解している前提で仕事を進めることも多いので、操作方法がわからず自信を失ってしまう人も少なくありません。
こうした失敗を防ぎたいなら、転職活動と並行してAutoCADやJw_cadといったCADソフトの基本操作を学んでおくことが大切です。最低限の知識があるだけでも、入社後の成長スピードは大きく変わります。
在宅勤務希望が通らなかった
「CADの仕事はパソコン作業だから在宅勤務できる」と考えて転職し、後悔する人もいます。
実際には図面の確認や打ち合わせ、教育のために出社が必要な企業も多く、特に未経験者は完全在宅が難しいケースがあります。
転職で失敗しないためにも、求人票の記載だけで判断せず、面接時に出社頻度やリモートワーク制度を確認しておきましょう。
年収だけで選んでやりがいを感じなかった
給与条件だけで転職先を選んだ結果、扱う図面や業界に興味が持てず、仕事が長続きしないケースもあります。CADの仕事は継続的な学習が必要なため、興味のない分野では成長しづらくなります。
後悔を避けるためにも、年収だけでなく「どんなものづくりに関わりたいか」という視点で転職求人を比較してみてください。
未経験からCAD転職を成功させる5ステップ

未経験からCAD転職を成功させるためには、いきなり求人に応募するのではなく、順番に準備を進めることが大切です。以下の流れを参考に、事前に基礎知識を身につけておくことで、応募できる求人の幅も広がります。
- 希望する転職先の業界を決める
- CADソフトの基本操作を学ぶ
- 求人情報を比較する
- 転職サイト・エージェントに登録する
- 応募・面接を進める
まずは建築・機械・設備・土木の中から興味のある業界を決めましょう。
そのうえで、業界でよく使われるCADソフトの基本操作を学んでおくと、未経験でも応募しやすくなります。
求人を探す際は給与だけでなく、教育体制やキャリアアップのしやすさも確認することが重要です。転職サイトやエージェントを活用しながら、自分に合った求人を比較検討してみてください。
CAD転職に役立つ転職サイト・エージェント一覧
CAD転職では、転職サイトやエージェントを通じて求人を探していくのが一般的です。
利用しやすいサービスを以下に整理しました。
| 転職サービス名 | 特徴 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| doda | 求人数が豊富で未経験向け求人も多い | 幅広く求人を比較したい人 |
| マイナビ転職 | 20代・未経験向け求人が豊富 | 初めて転職する人 |
| リクルートエージェント | 業界最大級の求人数を保有 | できるだけ多くの求人を見たい人 |
| アットキャド | CAD・設計系求人に特化 | CAD業界で働きたい人 |
| CAD求人.com | 建設・CAD関連求人が豊富 | 建築業界を目指す人 |
おすすめは、大手系(doda、マイナビ転職、リクルートエージェント)と専門系(アットキャド、CAD求人.com)を組み合わせて利用する方法です。1社だけに絞るのではなく、複数登録して比較することで、自分に合った求人を見つけやすくなります。
また、未経験からCAD転職を目指す場合は、応募書類の添削や面接対策を受けられるエージェントサービスも活用してみてください。
CAD転職についてまとめ
CAD転職は、未経験からでも十分に目指せますが、転職後の満足度を左右するのはCADスキルよりも業界選びやキャリアプランです。
建築・機械・設備・土木それぞれに特徴があるため、自分がどの分野に興味を持てるかを考えることが大切です。年収や働き方だけでなく、将来のキャリアアップも見据えながら転職先を選んでみてください。