デジタルで実現できることが増え、アニメや映像の現場では3DCGを使うケースが急増しています。そのため、今まで3DCGを使っていなかった企業も、研修などで基本的な知識や技術を学ぶ必要が出てきています。その点で役立つのが、Blenderによる研修です。
こちらでは、Blenderを使った研修のメリットやおすすめの研修内容、研修選びで注意すべき点について取り上げます。
Blenderの研修を受けるメリット
Blenderを研修に使用するメリットの一つが、無料の3DCGソフトであることです。
3DCGソフトというと、高機能が盛り込まれているものほど価格が高くなる傾向にありますが、Blenderは開発当初から無料で配布されており、企業に加え、個人の利用も多くなっています。
研修費用の予算が厳しい企業は特に、使用するソフトの経費が無料になるBlenderに魅力を感じるでしょう。
無料のBlenderは、個人で使用しているケースも多いので、趣味などで使っている方に応用部分の研修を受講してもらうと、仕事の経験がなくても、作業現場に溶け込みやすくなるはずです。
Blenderは無料ですが、必ずしも機能が劣っているということはありません。
一般的な3DCG制作では、
- 造形作業であるモデリング
- キャラクターの自然な動きを再現するリギング
- 静止した状態の絵に動きをつけるアニメーション
- さまざまな光の要素を取り入れてリアルな映像に仕上げられるライティング
- 3DCG映像を静止画として書き出すレンダリング
などの機能を使っていますが、Blenderにはそれらすべての機能が盛り込まれています。
たとえ、他の3DCGソフトを使うとしても、Blenderの研修で基本的な機能や作業方法を習得していれば、仕事に十分生かすことができるでしょう。
Blenderのおすすめ研修5選
Blenderによる研修の効果を理解できたところで、Blenderを使った研修の中でおすすめのものをピックアップしてご紹介します。
番号 | 研修名 | 特徴 |
1 | Blender基礎セミナー |
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2 | 完全無料3DCGソフト”Blender”で3Dグラフィックデザインを学ぼう! |
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3 | Blenderでキャラクターをモデリングしてアンリアルエンジンで動かす講座 |
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4 | 初心者からの3DCGデザイン・モデリング【Blender入門講習会】 |
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5 | Blender実践基礎講座 |
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1.株式会社VOSTの「Blender基礎セミナー」
すでにIT分野で多方面にわたる研修やセミナーを展開している株式会社VOSTが提供する講座です。
受講者はすでに1万人を突破し、98パーセントを超える満足度を記録しているこちらの講座は、2日間で実践的な内容まで踏み込んだものとなっています。
こちらの講座の目標を見ると、ポリゴンモデリングの基礎を理解してマテリアルの設定ができるところから、アドオンを使った背景の制作やWebサービスを使用した自動アニメーション作成まで、かなり広範囲のものであることがわかります。
これらを合計10時間程度で習得できるのは魅力です。
こちらの講座は、東京と大阪で対面受講が可能で、遠方の企業などはライブウェビナーで受講することができます。
2.Udemyの「完全無料3DCGソフト”Blender”で3Dグラフィックデザインを学ぼう!」
udemyは、2009年にアメリカで設立されたオンライン動画学習プラットフォームですが、2020年にベネッセコーポレーションと資本提携し、包括的業務提携契約を結んで、法人向け研修サービスを展開しています。
トヨタ自動車やソフトバンク、みずほフィナンシャルグループなどの大手企業での研修にも使われており、研修で使うのにうってつけの講座を多く提供しています。
この研修はBlenderでの作業効率を上げる基本技術の習得に加え、頻繁に使用するショートカット・下書きを用いたモデリング作業を行っていきます。
こちらの講座は、個人で作りたいと思える年賀状やバースデーカード、クリスマスカードなどを題材にしていて、Blenderをはじめとした3DCGソフトの知見が全くない人でもトライできる内容になっているのがメリットです。
3.Udemyの「Blenderでキャラクターをモデリングしてアンリアルエンジンで動かす講座」
前述と同じく、企業研修で利用されているudemyの講座になります。
こちらは、Blenderを使用した基本的な3DCGモデリングに加え、自分で作ったキャラクターを動かす内容が含まれています。
Blenderと同様、近年にライセンスが事実上無料化された「Unreal Engine 4」も合わせて使うので、ゲームやアニメーション業界などの研修に利用できるに違いありません。
研修に参加するにあたり、PCはミドルクラスの3Dグラフィックスが搭載され、ゲームを快適に実行できるものを用意するとよいようです。
4.techgymの「初心者からの3DCGデザイン・モデリング【Blender入門講習会】」
techgymは、自習形式で学ぶことができるプログラミング塾として実績を上げています。
目標となるターゲットに到達するために短期集中で完遂できるよう学習内容が精査されており、研修に取り入れる価値は十分にあります。
なお、こちらの講座は、Blenderを使いこなすのに必要な基本的知識を身につけ、3Dモデリング実践への第一歩を学べるようになっています。
3Dモデリングに興味がある方や、ゲームやアプリを作りたい方、3D制作に携わりたいデザイナーも対象とされ、実務的な内容が学べると期待できます。
すでにVR/ARやARアプリ開発に携わってきたデザイナーでもあるエンジニアが講師となり、1日6時間のタイムスケジュールで学べるので、コストパフォーマンスを重視したい研修におすすめといえます。
5.ShareWisの「Blender実践基礎講座」
ShareWisは、気楽に始められるものから本格的な学習を助けるオンラインコンテンツを提供しています。
特に、プロの講師が提供する有料の「プロコース」はスキルアップを目指すのによい内容となっており、見出しの講座は研修に効果的といえます。
こちらの講座は、Blenderのインストールから始め、画面表示の説明から始めるなど、初心者がつまずきやすい部分のサポートが充実しています。
オブジェクトの基本から実践操作に至る、比較的狭い範囲を3時間以上の動画で丁寧に教えていて、3DCGソフトを始めて使う方が苦手意識を持たないように工夫されています。
Blenderの研修を選ぶ際に注意したい点
Blenderを研修に取り入れる際には、注意すべき点もあります。
研修は、自社の中で、個人としての成長を促し、それが組織の成長につながることを目指して行われます。
実務では経験できない学びや気づきを得る、日ごろの業務から離れて自分の仕事を見つめなおす、参加者と一緒に学ぶことで自分一人では気づけなかった発見ができるというのが、研修の目的となります。
そう考えると、研修を受けたことでその分野のリーダーになれれば申し分ないですが、どちらかというと仕事の幅や深さを広げるために実施されていると考えるのが妥当でしょう。
Blenderは、業界のスタンダードになる可能性を秘めいてるものの、現時点では必ずしもメジャーとは言えないツールの位置づけです。
3DCGの素養を学ぶという点ではメリットが大きいですが、深く学んでも実務に直結しないことがある点を理解しておきましょう。
もちろん、プロジェクトでBlenderを使うと決まっているケースで、実際に作業にあたる担当者は、細かい部分まで学ぶ必要があるため、スクールを利用する方が効果的かもしれません。
一方、プロジェクトリーダーやサポートメンバーなど、大まかな3DCG制作について学びたい方や、実務を担当する方で3DCGソフトが未経験の場合は、まずは短期間に効率よく学べるタイプのものを選んだ方がよいでしょう。
総合的に考えると、株式会社VOSTが提供するBlender基礎セミナーは、基本的な操作から応用まで短期集中で学べる点にメリットがあります。
会場受講とライブウェビナーの2つのスタイルを設けており、研修の形態を企業や受講者の都合やレベルに合わせて選べる点にもアドバンテージがあるといえます。
Blenderを研修以外で学ぶなら
Blenderを研修以外で学んでみたいと思う方はこちらの記事も参考にしてください。
Blender研修のメリットとおすすめの研修内容
Blenderで研修を行うメリットは、無料の3DCGソフトを使って研修にかかる費用を抑えつつ、ソフトの仕様や考え方、基本操作などを習得できる点にあります。
研修は、個人としての成長が、組織の発展に寄与することが目標になります。
映像制作の現場で即戦力を期待される場合を除き、基本を理解して概要をつかむことができ、かつ短期で幅広い内容を扱ったものの方が、研修に向いているかもしれません。