Autodesk Fusionでモデリングをする際「エッジの仕上がりが上手くいかない、、」と悩む方も多いでしょう。製品のデザインを考える際に角が鋭いと安全性に問題が出る可能性も。
そこで活用したいのが、フィレットです。フィレットを使いこなせればデザインの幅は広がり、様々な形状を作成できます。
本記事ではフィレットの概要をはじめ、面取りとの違いや基本的な操作方法、フィレットを使用するメリットなど詳しく解説します。フィレットに関する基礎知識がわかる記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
フィレットとは?

フィレットとは、設計やモデリングにおいてエッジ(角)部分を滑らかな曲線で丸める機能です。製品のデザイン設計において、よく使用される機能の1つであるため、覚えておきましょう。
ここでは以下2つの点について解説します。
- 用途
- 面取りとの違い
用途
製品の設計において鋭いエッジをそのままにすると、製品の強度や安全性が損なわれたり、摩耗や破損の原因となることがあります。角に丸みを持たせることで、製品自体の強度を高める役割があるとしてフィレットを使用します。
また、フィレットを使用することで製品のデザイン性や感触などを向上させる効果もあるため、活用できれば大きくデザインの幅を向上できるのです。
面取りとの違い
フィレットと面取りはどちらも滑らかなエッジをつけるために使用される手法ですが、用途や機能が全く一緒というわけではありません。主な違いは以下の通りです。
| デザイン性 | 用途 | |
| フィレット | エッジに曲線を加えて滑らかに丸めるもの | 衝撃を分散させて強度を保ち、安全性やデザイン性を向上させる |
| 面取り | エッジに平面を追加して斜めにカットする | 鋭いエッジを減らして部品同士のかみ合わせを良くする場合や組み立てのしやすさを考え用いられる |
フィレットと面取りのどちらを使用するかは作成する製品のデザインや用途によって異なるため、それぞれの違いを理解して使い分けましょう。
Autodesk Fusionにおけるフィレットの操作方法
ここからはフィレットの基本操作について解説していきます。今回は以下の長方形を使用します。

まずは上の画面にある「フィレット」というコマンドをクリックします。

するとフィレットの数値を入力する画面が出てきます。この時、フィレットのR形状を変更する方法は青い矢印、または右の数値を入力することで変更できます。今回は数値で「7.5mm」と入力します。

すると以下の画像のように丸みをつけることができました。フィレットは線や線と線の交点でも丸みをつけることができるため、製品のデザインや用途で使いこなしていきましょう。

Autodesk Fusionの基本的なモデリング方法については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
Autodesk Fusionにおけるフィレットの応用

次にフィレットの応用を解説していきます。応用といってもそこまで難しい機能ではなく、使いこなせれば作業を効率化できるため覚えておきましょう。今回紹介する応用は以下の2点です。
- 複数エッジへの適用
- 面とエッジを選択してフィレットを作成
複数エッジへの適用
フィレットはエッジに丸みをつける機能ですが、一つひとつフィレットを適用していくと時間がかかります。また、場合によっては一度にフィレットをかけたいのに単体エッジに適用することでデザインが変わることもあるのです。
そこで複数エッジの適用です。以下の画面が先ほど基本操作でフィレットを行った画面です。

例えば以下の線だけではなく、繋がっている線全てにフィレットを適用したいという場面もあるでしょう。

その際はダイアログボックスにある接面チェーンのボックスにチェックを入れます。

すると、繋がっている複数のエッジに一度でフィレットを適用することが可能です。すると以下の画面のようにフィレットをかけることが可能になります。

複数エッジへの適用は覚えておくと便利であり、簡単な機能であるため覚えておきましょう。
面とエッジを選択してフィレットを作成
次に面とエッジを選択してフィレットを作成する方法です。手順は基本的なフィレットと同じ操作になります。
まずはフィレットを作成する面とエッジを選択。

面とエッジを選択すると右のダイアログボックスに選択されているエッジと面が表示されます。

数値を入力していきましょう。ここでは8.0と入力します。すると以下の画面のように面とエッジにフィレットが作成されます。

フィレットを使用するメリット

製品を作成する際にフィレットを使用することでどのようなメリットがあるのかについて以下3点を解説します。
- 強度が向上する
- デザインが洗練される
- 変形を防止する
強度が向上する
フィレットを使用することでエッジ部分にかかる応力(単位面積あたりの物体の内部で発生している力)が分散され、機械部品や構造部材の強度・耐久性が向上します。
鋭い角を持つ製品は応力集中が発生しやすく破損や摩耗の原因になりますが、フィレットにより角が丸められることで負荷が広範囲に分散され、強度が高まるのです。また、フィレットを施すことで、負荷のかかりやすい部分が滑らかになり、摩耗の低減も期待できるのは魅力と言えるでしょう。
デザインが洗練される
フィレットを用いることでエッジや角が滑らかになり、デザインが洗練され美しさが向上します。特に製品の外観を重視する場合、鋭い角がないことで手触りや見た目はより良くなるでしょう。
また、フィレットによって陰影の映り方が自然になり、光の反射も柔らかくなるため、視覚的にソフトで高級感のある印象を与えることも可能です。ただし、製品によってはフィレットをかけるとチープなデザインになることもあるため製品のデザインや見た目によって使い分けることが重要です。
変形を防止する
フィレットを施すと応力集中が緩和され、エッジ部分の変形やひび割れのリスクが減少します。
鋭い角は衝撃や繰り返しの負荷により変形しやすいですが、フィレット加工により応力が滑らかに分散されるため、繰り返しの応力を受ける部品の耐久性が向上します。また、熱や衝撃による変形にも強くなるため、製品の長寿命化や保守コストの削減につながります。
精密機器などは経年劣化により大きな事故へと発展することもあるため、フィレットの適用により事故のリスクを軽減できます。
Autodesk Fusionのフィレットを学習する方法

Autodesk Fusionのフィレットを学習する方法は以下の3つです。
- 公式動画で学習
- 参考書を使用する
- セミナーを受講する
公式動画で学習

引用:Autodesk
Autodesk Fusionのフィレットを学習する際はAutodesk社のHPに掲載されているチュートリアル動画で効率的に学習が可能です。Autodeskは初心者から上級者まで段階的に学べる動画コンテンツを提供しており、フィレットの基本操作や応用操作について様々な動画があります。
また、フィレット以外にも基本的なモデリング方法や様々な動画を無料で見ることができるため、公式動画でAutodesk Fusionの基礎知識を網羅できるでしょう。
参考書を使用する
Autodesk Fusionのフィレットは参考書を活用することでも学習が可能です。参考書を活用するメリットは、低コストで体系的に学習できる点です。テキスト中心の学習であるため、より詳細に自分のペースで学習ができるのも魅力と言えるでしょう。
また、Autodesk Fusionは市場のシェアも高いため様々な参考書があります。自分のレベルやスタイルに合った学習方法が選べるのもポイントです。ここではおすすめの参考書を2冊紹介します。
Autodesk Fusion操作ガイド ベーシック編
引用:Amazon
「Autodesk Fusion操作ガイド ベーシック編」は、初心者がAutodesk Fusionを使ってゼロから3Dモデリング、解析、切削加工までを学べる実践的なガイドブックです。
豊富な図解で操作ステップを丁寧に解説し、初心者にもわかりやすい内容となっています。Autodesk Fusion操作ガイドは様々な書籍が出版されており、シリーズ全体を通して基礎から応用までカバーし、「CAM・切削加工編」では、具体的な機械の使い方や複雑な加工手法も解説。3Dプリンター用データ作成や切削加工を学びたい方におすすめの一冊です。
はじめてでもできる Fusion 360入門

引用:Amazon
「はじめてでもできる Fusion 360入門」はAutodesk Fusionを基礎から学べる入門書です。
身近なアイテムのモデリングを通じて各機能の操作方法や3Dプリンターへの出力手順までをわかりやすく解説しており、初心者でもスムーズに操作を習得できます。さらに、練習用のサンプルファイルもダウンロード可能。
実際に操作しながら学べるため、3D CADを初めて使う方にもおすすめの一冊です。
セミナーを受講する
参考書や公式動画での学習は低コストで学習ができる一方で、モチベーションの維持が難しく短期間で学習することは難しいでしょう。そこでおすすめするのがGETT Proskillが運営する「Autodesk Fusionセミナー講習」です。
ここからはAutodesk Fusionセミナー講習の概要について解説します。
概要
Autodesk Fusionセミナー講習は未経験でも2日間で操作スキルを実務レベルまで引き上げることが可能です。受講形式も会場受講だけでなく、ライブウェビナー、eラーニングなど全国どこに住んでいても受講ができます。
セミナー受講後はオリジナル教材が配布されるため、受講した内容の復習や参考書など様々な活用ができ、体系的にスキルを磨けるセミナーとなっています。
| 受講形式 | 会場/ライブウェビナー/eラーニング |
| 料金 | 会場/ライブウェビナー:58,300円 eラーニング:41,800円 |
| 持ち物 | 特になし |
| セミナー受講における到達目標 | 【1日目】 ・Autodesk Fusionでのでのモデリング方法を理解し、設計変更がしやすいモデリングができる。 ・3Dモデルから図面化し、寸法や注記を追加できる。 ・スケッチの寸法、幾何拘束を理解し追加できる。 ・データの保存・共有方法、ファイルのインポート・エクスポートができる。 ・サーフェスを適切に利用した高度なモデリングができる。【2日目】 ・応力解析の条件を設定し、結果から設計変更ができる。 ・複数のソリッドボディを利用したモデリング、アセンブリ内でモデリングができる。 ・部品の組上げ、干渉チェックができる。 ・組図、分解図、部品表の作成・編集ができる。 |
| 会場住所 | ・東京都千代田区内神田3-18-3 アドミラル神田ビル4階 ・愛知県名古屋市中区錦3丁目8-7こまビル6階 ・大阪府大阪市淀川区西宮原1丁目4-25 NlC新大阪12号館3階 |
Autodesk Fusionのフィレットについてのまとめ
本記事では、Autodesk Fusionのフィレットにおける基本概要や操作方法、学習方法について紹介しました。
フィレットを上手く活用できれば製品の安全性や強度・デザイン性が向上し、より高度なモデリングが可能になります。また、複数エッジの一括処理や面との組み合わせなどの応用操作も押さえておくと作業が効率化できるでしょう。
本記事を参考にフィレットの基本操作をマスターしてください。