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AI構築の基本ステップ!注意点も確認しよう

AIの存在がどんどん身近になっていく昨今、AIはどんな仕組みで動いているのか、どのように構築されているのかという点が気になっている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、AIシステムがどのように組み上げられているのか解説します。

AI構築の必要性

AIは「人工知能(Artificial Intelligence)」の略で、人間のような知的活動を行うシステムのことを指します。従来のコンピューターは事前に設定されたプログラム通りの動作しか行えませんでしたが、AIは自ら学習し、認識・理解をすることができます。
この動きによって、問題の解決というコンピューター本来の動作だけではなく、従来では不可能だった予測や計画の立案と言った、人間の知的活動を行うことが可能になっています。
こう聞くととてつもなく高度な技術のように聞こえますが、実際はAIに組み込まれたプログラムが膨大なデータを処理することで、あたかも人間のように動いているのです。
知能と名が付いているもののあくまで機械なので、システムは人間が作る必要があります。

手間暇をかけてAIを構築するメリットはどこにあるのでしょうか。例えば、ビジネスシーンでは

  • コスト削減
  • 商品のムラをなくす
  • プロセス改善

などがAI導入メリットとして挙げられています。コンピューターによるコスト削減は昔から進められていましたが、AIを導入すればより広い範囲に適用できることになります。
最終的な目視チェックや手作業工程などをAIがこなせれば、大幅なコスト削減に繋がります。
人の手が必要な工程が減れば、必然的に商品品質のムラも少なくなります。
人間のスキルやその日の体調、モチベーションによる揺らぎが減るからです。
またAIによる自動化を考えた場合、当然前後の工程も巻き込んで改善点を検討することになります。結果全体のプロセスが改善され、生産性向上に繋がります
これらがAI導入のメリット、言い換えるとAI構築の必要性と言えるでしょう。

AI構築の基本ステップ

AI構築の基本ステップ

AIはどのような流れで構築されているのでしょうか。
基本ステップを確認していきましょう。

まずAI導入の目的を決めます。
自分用に構築するのであればAIを使ってやりたいことをはっきりさせ、ビジネスの場合は自社の課題を洗い出し、それをどのように改善したいのかを考えていくことになります。

目的が決まったら、次はAIに学習させる大量のデータを集めます。AIはこのデータを元に判断を行うため、ただ集めれば良い訳ではなく、質も確保しなければなりません。
例えば「自動顔認証システム」など画像認識を行うAIなら大量の写真データが必要になります。
一枚一枚自分で集めるのは現実的ではないので、データセットなどを使うのが一般的です。

準備が整ったら、収集したデータを元に機械学習モデルを作成します。
機械学習モデルとはAIにおけるプログラムのことで、入力したデータに対する出力(回答)を導き出す仕組みのことです。アルゴリズムやPythonといったプログラミング言語を使って作成します。
プログラミングは初心者に取ってはかなり難易度が高いですが、プログラミング不要の既存ツールを使えば初心者でも作成することができます。

最後にでき上がった学習モデルをシステムに組み込み、動作チェックを行います。
テストデータを使って精度を確認し、精度が低い場合は改善していきます。

AIモデルの訓練方法

AIを実現するためにデータを分析する、それが「機械学習」です。
機械学習で最も大切なのが、予測の精度です。正しい予測を出せるかどうかが最も重視され、そのためにはデータの背景にあるルールやパターンを学習する必要があります。学習方法には

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習
  • 強化学習

の3種類があり、それぞれに特徴が異なります。

「教師あり学習」は、「教師データ」を使って機械学習を進めていく方法です。「教師データ」は「例題」と「正解」がペアになっているのが特徴で、この例題と正解を繰り返し学習させることでパターンとルールを覚えさせ、入力されたデータに「正解」を出せるようにします。

教師あり学習は主に「識別」と「回帰」ができるようになるための学習方法です。

「識別」とは「正しいもの」と「正しくないもの」を分類したり認識したりするものです。
迷惑メールのパターンを学習することで受信したメールを分類したり、「人」と「動物」を学習しておき写真データを分類、自動的にグループ分けすることができます。

教師あり学習を行うことでできるようになる「回帰」とは、一定の間隔で連続するデータ数値を学習し、今後の予測を立てることを指します。企業の売上予測や天気予報などで活用することができ、過去の売上動向を学習することで将来的な売上を予測したり、気温や湿度、季節による傾向、雲の状態などを学習することで天気や降水確率を予測できるようになります。

正解が与えられる教師あり学習と異なり、「教師なし学習」は正解データを与えることなく学習を進めることになります。データの特徴やパターンを覚えるのは教師なし学習と同様ですが、正解か否かを「判断」することを覚えることが教師なし学習の目的となります。
教師なし学習の代表例が「クラスタリング」で、これはデータセットを特定のルールに基づいていくつかのグループ(クラスタ)に分類することを指します。
正解を与えない状態で、データの背景に隠れた構造やパターンを見つけ出すのが特徴で、マーケティングのための顧客分析や、異常検知などで活用されています。異常検知の場合は大多数のデータとは異なる少数派を見つけ出し、それを異常として判断します。

「強化学習」とは、最初からデータを与えるのではなく、システム自信が試行錯誤して精度を高めていく学習方法です。
例えばロボットの歩行距離を伸ばすにはどうしたらいいのかを考える際、入力したデータを使って可能歩行距離を計算するのではなく、歩行距離を伸ばすための歩き方を自ら試行錯誤し、結果を学習しながら最適な歩き方を見つけ出すという学習方法です。
自動車の自動運転の精度を高めたり、待ち時間を少なく人をスムーズに運ぶためのエレベーター制御システムなどに強化学習は活用されています。

AI構築の際の注意点

AI構築の際の注意点

AIを構築する際に下記項目に注意しておきましょう。

データセキュリティの確保

AIは生活を便利にしてくれる頼れる存在ですが、その一方でセキュリティリスクも存在していることを忘れてはなりません。AIは継続的な学習によってその性能を向上させていきますが、未知のデータを与えたときにどのような動きをするか、完璧に予測することは不可能です。
悪意ある者からサイバー攻撃を受けることももちろん考えられます。
不足の事態によってセキュリティリスクが高まることは十分考えられるため、開発段階でAIの脆弱性に関する知識を身につけ、対抗策を講じる必要があります。

継続的なモデルの更新と改善

AIは一度作ってしまえばそれで完了、という訳ではありません。
高い性能を維持したまま活用するためには、継続的な更新と改善が不可欠になります。
我々を取り巻く環境は日々変化しています。
それは日常生活であってもビジネスであっても変わりません。
変化に応じて発生するデータも変わるため、AIを「今」にアップデートする必要があるのです。
予測精度をモニタリングし、ズレが生じたら原因を調査し、モデルを更新あるいは改善する。
その作業を常に実施する必要があります。

段階を踏んで理解を深めよう

AIは非常に便利ですが、構築するにも運用するにも知識とコストが必要になります。
AI構築を目指すのならばまずは基本的なことをマスターし、そこからステップを踏みながら進めていくのがおすすめです。
セキュリティリスクや継続的な更新改善など、構築した後のこともしっかり考えておきましょう。

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