3ds Maxは3Dモデリングに幅広く使える魅力的なソフトです。ただ、興味を持っていても3ds Maxの使い方がわからずに困っている人もいるでしょう。3ds Maxでモデリングをしたいと思っている初心者のために具体的な方法を紹介します。
3ds Maxでできること
3ds Maxでは3Dモデリング・レンダリング・アニメーション作成に幅広く対応しているツールです。インタラクティブなインターフェースで初心者でも使いやすく、機能も多種多様なのでプロからも人気があります。3ds Maxでできることを簡潔にまとめると以下の通りです。
リアリティのある3Dモデリング・レンダリング
3ds Maxはフォトレベルのリアリティを重視しているのが魅力です。複雑なオブジェクトであっても精密なモデリングで可能で、写真と同じくらいの品質に仕上げられます。レンダリングには各種エフェクト処理やカラー補正に加えて、シーンコンバータを搭載していてシーンに合わせた変換を一括しておこなえるなど、多彩な機能が搭載されています。
高度な機能による品質向上・業務自動化
3ds Maxは高度な機能を搭載して差別化を図っています。スマート押し出しやリトポロジツールは特に力を注いでいて、3Dオブジェクトの自動再構築・自動最適化ができるのが特徴です。3Dモデリングでは試行錯誤の繰り返しになることがよくありますが、3ds Maxでは自動化機能によってスピードを上げつつ、人的リソースを抑えて効率的なデザインを進めることができます。
3ds Maxのモデリング方法
3ds Maxではプリミティブやスプラインの基本的な機能から3Dポリゴンの作成、アニメションの作成、スマート押し出しなどのさまざまな機能があります。ここでは数ある機能の中でも初心者向けに3ds Maxの使い方の基礎をまとめました。ボックスなどの標準プリミティブ・スプラインの作成方法と編集方法をわかりやすく具体的に解説します。
標準プリミティブの作成・スプラインの作成
標準プリミティブとスプラインの作成は3ds Maxでモデリングをする際に必ず押さえておきたい基礎です。どちらも初心者でも簡単にできるので操作の流れを見ていきましょう。
標準プリミティブの作成方法
3ds Maxで標準プリミティブを作成するにはメニューの「作成」から「ジオメトリ」を選択し、「標準プリミティブ」を選びます。作成モードでコマンドパネルのプルダウンメニューから「標準プリミティブ」を選択しても構いません。そして、オブジェクトタイプから「ボックス」などの好みの図形を選びましょう。3ds Maxでは以下の標準プリミティブを作成できます。
- ボックス
- 円錐
- 球
- 天球体
- 円柱
- チューブ
- 円環体
- ピラミッド
- ティーポット
- 平面
- テキストプラス
ここでは最も標準的でよく使うボックスの作成をしてみましょう。オブジェクトタイプと作成方法で「ボックス」選択し、コマンドパネルの「パラメータ」から「長さ」「幅」「高さ」を入力します。そして、ビューポートをクリックすればボックスのモデルを作成できます。
スプラインの作成方法
3ds Maxでスプラインを作成するにはメニューの「作成」を使用します。作成モードでコマンドパネルのプルダウンメニューから「スプライン」を選択しても構いません。スプラインで使用できるオブジェクトタイプが表示されるので、作成したいスプラインを選択します。3ds Maxで使用できるのは以下のスプラインです。
- ライン
- 長方形
- 円
- 楕円
- 円弧
- ドーナツ
- N多角形
- 星
- 文字
- らせん
- エッグ
- フリーハンド
まずは使用頻度が高いラインを作成してみましょう。ラインを選択したらビューポートでクリックすると開始点を設定できます。そして、次にクリックしたところが頂点となり、2点を結ぶラインが作成されます。もう1回クリックすると新しい頂点が形成されてラインが表示されるという仕組みです。ライン作成を終了するときには開始点をクリックして閉じたスプラインにするか、右クリックして終了を選ぶことで開いたスプラインにする2通りの選択肢があります。スプラインはコマンドパネルの「作成方法」から初期タイプとしてコーナー・スムーズ、ドラッグタイプとしてコーナー・スムーズ・ベジエを選択して作成可能です。
オブジェクトの編集方法
3ds Maxでは作成したオブジェクトはさまざまな方法で編集できます。ここではモデリングの初心者向けにオブジェクトの移動・回転・拡大・縮小による操作方法を解説します。
オブジェクトの移動
オブジェクトを作成した場所から移動したいときには座標指定をする方法とドラッグする方法があります。座標指定をする場合にはビューポートのカブにある座標表示にX, Y, Zの座標を入力することで移動可能です。座標にはオブジェクトの位置を基準にして相対座標を表示するオフセットと、絶対座標の2通りがあります。絶対座標の方が複数のオブジェクトをぴったり接触させたり、空間デザインをしたりするのには便利です。相対座標は一つ一つのオブジェクトを少しずつ動かして微修正したいときに向いています。
ドラッグして移動させるにはツールバーから移動アイコンをクリックして移動モードに切り替えます。オブジェクトをドラッグすれば自由に移動できますが、X, Y, Zの軸に沿って平行移動することも可能です。オブジェクトの中央部に表示されているX, Y, Z軸の移動ギズモにカーソルを合わせて移動するだけなので簡単です。ギズモが表示されていないときには、ツールバーから任意の変換をクリックし、オブジェクトの変換ギズモアイコンを表示を選択しましょう。
オブジェクトの回転
オブジェクトを回転させたいときにはツールバーから回転アイコンを選んで回転モードにします。オブジェクトを回転させるときには回転ギズモを使用するのが一般的です。回転ギズモではX, Y, Z軸に沿う形で回転させることができます。結果がすぐに画面に反映されるインタラクティブなインターフェースなので簡単に編集できるでしょう。また、ビューポートに対する垂直軸で回転することも可能です。ビューポート下部で数値入力をするとX, Y, Z軸に沿う回転角を指定できるので、最終的な微修正をするのに使うと良いでしょう。
オブジェクトの拡大・縮小
オブジェクトスを拡大・縮小したいときにはスケールツールを利用します。ツールバーのスケールアイコンをクリックするとスケールモードに切り替わります。スケールギズモを利用するとドラッグするだけで簡単に拡大・縮小が可能です。オブジェクト全体を均等に拡大・縮小する場合にはギズモの中央にカーソルを合わせてドラッグします。単一軸方向の拡大・縮小では軸、複数軸方向の拡大・縮小では平面部分にカーソルを合わせてドラッグします。スケーリングも数値入力によってX, Y, Z軸方向に合わせて自由な倍率でおこなえるので、必要に応じてビューポート下部の数値入力領域を使用しましょう。
まとめ
3ds Maxは高機能で品質の高い3Dモデリング・レンダリング・アニメーション作成ができるツールです。しかし、初心者でも使いやすいインタラクティブなインターフェースが整えられています。基本的なモデリング方法を学ぶときから使えるツールなので活用していきましょう。