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Fusion 360の制御点スプラインを使いこなすための記事―その1

こんにちは、かわちゃんです。
元Fusion 360学生アンバサダー、現在は見習いとしてFusion 360 伝道師(エヴァンジェリスト)の弟子をしています!
これからFusion 360のテクニカルな情報をお届けしていこうと思いますので、よろしくお願いします!

Fusion 360 のスケッチ機能には、なめらかな曲線を描くためのツールとしてスプライン曲線があります。
この記事では、AUTODESK公式のFUSION 360 BLOGにて、[制御点スプライン]について紹介された記事を分かりやすく日本語でまとめました。

制御点スプラインを使いこなすための記事―その1(この記事)では、[制御点スプライン]とは何か、その特徴について解説します。

続いて、その2では、[制御点スプライン]の具体的な使い方やコツを解説します。
[制御点スプライン]の特徴や使用するときのコツを知って、モデリングにいかしましょう!

・参考記事
https://www.autodesk.com/products/fusion-360/blog/?p=9966
参考記事の全文訳

[制御点スプライン]とは?

今まで、スプライン曲線を描くスケッチ コマンドとして[フィット点スプライン]がありました。
このコマンドを使って一連の点を作成すると、Fusion 360 はそれらを通る滑らかな曲線を作成します。

制御点スプラインとは?-1

一方、[制御点スプライン]を使うと、[フィット点スプライン]の代わりとなる方法で、同じ結果を得ることができます。
一連の点を作成すると、これらの点が滑らかな曲線の元となる「コントロール フレーム」を定義します。

制御点スプラインとは?-2

[フィット点スプライン]と[制御点スプライン]の違い

[フィット点スプライン]と[制御点スプライン]の間には覚えておくべき2つの重要な違いがあります。

1つ目の違いは、[制御点スプライン]は(通常)最初と最後の点以外の指定された点を通過しないことです。
スプラインが通過しなければならない点を定義するフィット点とは異なり、制御点は曲線の計算に使用される基礎となるフレームを定義するだけです。

制御点は、スプラインに指定する方向の「張力(tension)」を与えるものと考えることができます。
制御点を遠ざけると、その領域のカーブの張力が増加し、近づけるとその張力が緩和されます。

フィット点スプラインと制御点スプラインの違い-1

2つ目の違いは、形状を定義するために[フィット点スプライン]よりも[制御点スプライン]は多くの制御点が必要になることです。

これは、個々の制御点がフィット点よりもカーブ全体に与える影響が少ないためです。

[制御点スプライン]では接線/曲率ハンドルが存在しないため、より洗練されたコントロールをするには、さらに制御点を追加する必要があります(スプラインを右クリックして[制御点を挿入]を選択すると、点を追加できます)。

フィット点スプラインと制御点スプラインの違い-2

[制御点スプライン]による曲線形状の正確な制御

[フィット点スプライン]は、必要に応じて追加の制御を行うために、接線と曲率のハンドルが用意されています。

しかし、時としてこれらは十分に細かい制御ができず、ハンドルを操作することでスプラインの他の領域に予想外の影響を与えることがあります。

制御点スプラインによる曲線形状の正確な制御-1

[制御点スプライン]を使用すると、曲線の形状を定義する制御点を直接編集できます。
これにより、特定の範囲の曲線形状を非常に正確に制御できます。

制御点スプラインによる曲線形状の正確な制御-2

[制御点スプライン]が適した場面

[制御点スプライン]はモデルの主要なサーフェスの定義において、[フィット点スプライン]より優れていると考えられます。
[制御点スプライン]を使うと、面の数理的な部分を非常に明白に制御できます。

制御点スプラインが適した場面-1

しかし、[制御点スプライン]は形状を定義するために、[フィット点スプライン]よりも多くの点を必要とするので、曲率の変化が多い複雑な形状は[フィット点スプライン]で描く方が簡単かもしれません。

この例としては、ロゴのトレースがあります。
このような作業では、[制御点スプライン]による高度な数学的な滑らかさはおそらくそれほど重要ではないので、[フィット点スプライン]を使った方が少ない操作で形状を作って、編集することができます。

制御点スプラインが適した場面-2

しかし、多くの作業ではスプラインツールの選択は実際には個人的な好みです。

特定の場面では[制御点スプライン]はより高い柔軟性を提供しますが、2つのツールは基本的に同じタイプのジオメトリが作成できるため、自分に合ったどちらか1つのツールを頻繁に使うことになるでしょう。

まとめ

Fusion 360 のスケッチ機能に新しく追加された[制御点スプライン]は、[フィット点スプライン]と比較すると、制御の柔軟性において優れているということでした。

曲率の変化が多い複雑な曲線には[フィット点スプライン]、数学的な滑らかさが必要な曲線には[制御点スプライン]が向いているようですね。
しかし、基本的にはどちらのコマンドを使っても同じ結果が得られるので、どちらを使うかはあくまで個人の好みによるところが大きいようです。

次回の記事では、[制御点スプライン]の具体的な使い方やコツにを解説します。

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