多くの企業では、新人研修を4月より前に行います。そして、入社式の直後から本格的な実践教育をスタートさせます。
しかし、侵入社員のスキルアップや実務での活躍を視野に入れた場合、教育方法の選択に悩む担当者も少なくありません。
そこで今回は、自社の新入社員におすすめな教育方法を6つ厳選して紹介します。
新入社員の教育とは
新入社員の教育は、新卒や中途採用で会社に新しく加わった社員に施す研修やトレーニングのことです。新入社員の多くは高校や大学を卒業したばかりの若手が多く、第二新卒でもまだ20代です。そのため、彼らが実践ですぐに活躍できるような教育が必要となります。
教育内容の基本は、会社の理念や文化の理解、基本的な業務スキルの習得、そして職場でのマナーやコミュニケーション能力の向上です。これを座学形式の講義や実践的な訓練、チーム活動など、さまざまな方法で実施します。
新入社員のおすすめ教育方法6選
新入社員のスキルアップには、目的に応じた教育の導入が欠かせません。それが「Off-JT」の教育方法です。ここからは、実践的なスキルが身に付く6つの方法を紹介します。
①SOLIDWORKSセミナー講習 | 3DCADソフト「SOLIDWORKS」の基本から応用の操作を学べる |
②BIM・建築 3DCAD Revitセミナー講習 | 業務経験のない新入社員でも2日間でBIMや3DCADを教育できる |
③Jw_cad基礎セミナー | 無料で使用できるソフト「Jw_cad」の基本操作を学ぶための教育方法 |
④Photoshop基礎セミナー講習 | 画像編集ソフト「Photoshop」の基本的な操作を学べる |
⑤Illustrator基礎セミナー | Adobeのデザイン制作ソフト「Illustrator」の使い方を学べる |
⑥Blender基礎セミナー | 3DCGソフト「Blender」の基礎から応用までを身につけられる |
SOLIDWORKSセミナー講習
SOLIDWORKSセミナー講習は、3DCADソフト「SOLIDWORKS」の基本から応用の操作を学べるセミナーです。電子機器や機械部品などの設計に従事する新入社員に向けた教育内容です。
1日目は、モデリングの基礎、設計変更に強いモデル作成など基礎を習得します。2日目は、専門的な応力解析、複数部品を使ったアセンブリ設計、分解図や部品表作成などの実践的な応用手法を学びます。2日間の短期間で応用まで可能なスキルを身に付けられるのが魅力です。
BIM・建築 3DCAD Revitセミナー講習
BIM・建築 3DCAD Revitセミナー講習は、業務経験のない新入社員でも2日間でBIMや3DCADを教育できるセミナーです。
1日目は、BIMやRevitの基本知識・操作、2Dデータからの3D化、ファミリ作成といった基本の設計スキルを習得します。2日目は、建築設計のパーツ作成、高度なレンダリング技術、各種図面作成など実務レベルの応用技術を学べる内容です。
以上の社外教育を通じて、実務で即戦力のスキルが身につきます。
Jw_cad基礎セミナー
Jw_cad基礎セミナーは、無料で使用できるソフト「Jw_cad」の基本操作を学ぶための教育方法です。2日間で2DCADの基本操作を習得し、実務で活用できる技術を身につけられます。
1日目では、Jw_cadの基本設定やオブジェクト作成、編集、作図補助機能を学ぶ内容です。また、図面に必要な寸法や注釈、ハッチングの作成方法を習得します。2日目は、レイヤ管理、図形の再利用、レイアウト作成など、効率的な図面作成技術を深掘りした学習内容です。
そのため、ソフト利用経験がまったくない建築事務所の新入社員教育にも使えます。
Photoshop基礎セミナー講習
Photoshop基礎セミナー講習では、画像編集ソフト「Photoshop」の基本的な操作を学べます。特にPhotoshopは、広告や印刷、メディア制作の業種などクリエイティブな仕事に携わる新入社員が使いこなしたいソフトです。
セミナー期間はわずか2日間となります。そこでは、タイポグラフィックの作成やレイヤーの使い方、文字デザイン、カスタムブラシの活用など、最初に学びます。2日目には、調整レイヤーや人物修正、モックアップ作成、GIFアニメーション制作といった高度な応用スキルの習得も可能です。
実務に即した内容で、効率的にPhotoshopを使いこなせるようになります。
Illustrator基礎セミナー
Illustrator基礎セミナーは、Adobeのデザイン制作ソフト「Illustrator」を使えるようにする短期研修セミナーです。2日間でデザイン向けの実践的な操作やスキルが身につきます。
具体的には、初日にパスの作成や修正、3Dオブジェクト作成などの基礎です。2日目は、イラストの作成や名刺・バナー作成、カタログデザインなど実際の制作業務に即した内容となります。
実際に、応用でカタログの制作も学べるセミナーです。そのため、カタログ制作がメインの会社で実務をこなせるように教育方法として使えます。
Blender基礎セミナー
Blender基礎セミナーは、3DCGソフト「Blender」の基礎から応用までを身につける短期間教育用のセミナーです。
1日目では、ポリゴンモデリングやマテリアルの設定、アニメーション作成を学びます。2日目には、スカルプトモデリング、3Dプリンターへの出力、Webサービスを利用した自動アニメーションの作成など、実践的な学習に進み、実務向けのスキルアップを目指せます。
Blenderのソフトを使用する会社や3DCG作成のある職場では、すぐ役立つ実践スキルを短期間に習得可能です。
新入社員の教育が必要な理由
新入社員の教育は、多くの企業で必要とされます。その理由には、次の2つが挙げられます。
- 基礎的な知識や経験、マナーの不足を補う
- 即戦力の人材を作り出せる
基礎的な知識や経験、マナーの不足を補う
1つ目の理由は、新入社員は若手が多いために社会経験が乏しく、社会人としての基本的な経験や知識、マナーが十分ではないことです。
不足を補うためには社員に新たな教育を施して、早く一人前の社員として働ける下地を身につける手伝いが必要となります。例えば、ビジネスマナーや報連相の方法、敬語の使い方などは、初期の研修教育で学ぶ代表的なものです。
即戦力の人材を作り出せる
2つ目の理由は、教育を通じて即戦力の人材を育成することです。会社は中小企業やベンチャーなどを含めると、人材を遊ばせておく余裕のあるところは多くありません。
特に経営層は、新入社員の成長を早く促して即戦力とし、企業全体の効率や利益を上げたいと考えています。業務に実践投入された社員の活躍次第では、十分に実現が可能です。
新入社員の教育方法の種類と区分
新入社員の教育方法には、さまざまな分類があります。以下に、教育方法の種類として、OJTや集団研修、Off-JT、SDなど4つの区分を紹介します。
- 個別社員の社内教育「OJT」
- 社内の集団研修
- 社外のイベント・講義に参加する「Off-JT」
- 個人的な自己学習(SD)
個別社員の社内教育「OJT」
1つ目の種類は、職場での実践を通じて新入社員を育成する「OJT」です。OJTとは、
「On-the-Job Training」の頭文字の略で、「仕事を通じた教育」を意味します。
つまり、先輩や上司のサポートを受けて、実際に業務に取り組みながら教育する方法です。OJTは、個別指導により社員の特性に合わせた柔軟な教育が可能となります。
ただし、指導する社員の影響を大きく受けるため、教育が大きく成功するか失敗するかは、教える側の能力や器量次第です。
社内の集団研修
2つ目の種類は、人数で区切って参加させるグループワークや講師を招いて全員で講習を受ける講演講義など、社内の集団研修です。
個別に実施する必要がない方法のため、社員負担も少なく、スケジュール調整の難しさもありません。同じ内容を複数人に同時に伝えられるため、教育の効率も高い方法です。そのため、指導する社員による違いが出にくいメリットがあります。
それから、グループワークやディスカッションを取り入れることで、チームワークや問題解決能力を向上させることもできます。ただし、集団研修は個人の進度に合わせた教育が難しいため、フォローアップ研修やOJTと組み合わせるのがおすすめです。
社外のイベント・講義に参加する「Off-JT」
3つ目の種類は、職場を離れて行う「Off-JT」です。「Off-the-Job Training」の略で、「職場を離れた教育」という意味です。
通常は外部の専門家や講師を呼ぶケースが一般的です。会社を離れることで、社内の風土や文化にとらわれず、新入社員の視野を広げる教育が受けられます。
基本的な教育を施す際に、教育担当社員が新入社員の指導にかかる負担を減らせるメリットもあります。これが外部講師を招く大きな理由の1つです。
そして、外部のセミナー講座は短期間で教育が施せます。新入社員教育のスキルアップには特におすすめの方法です。
個人的な自己学習(SD)
4つ目の種類は、新入社員が自主的に学ぶ「SD」教育です。「Self-Development」を省略した用語で「自己啓発」や「自己能力の開発」を意味します。
オンラインコースや書籍、資格取得のための勉強など、個人が自由に学ぶ方法です。職場でカバーしきれない専門的な知識やスキルを身につける方法となります。
ただし、自主的な学習量に左右されるため、モチベーションの維持が問題です。そこで、企業が学習の成果や習熟度を適切に評価し、インセンティブを与えてフォローする仕組みを導入することが大事です。
新入社員の教育方法についてまとめ
新入社員の教育には4つの種類となる区分があり、その中でも「Off-JT」を活用したセミナー参加は企業がぜひ利用したい方法です。
セミナーは習得できるスキルや知識に応じて選択できるため、全体的な学習よりも効率が高まります。特に、CADソフトやCGソフト、画像制作ソフトの操作方法や知識は実践的に学ぶほうが実務に役立つため、おすすめの教育方法です。
上記を参考に、セミナーを活用した教育方法を新入社員に施しましょう。
