コロナウイルスのパンデミックにより、日本ではテレワークやリモートワークなどと呼ばれる、在宅での業務を取り入れる人が急増しました。
製造業はテレワークが難しいとされている業界の一つですが、特定の業務においては、在宅で仕事をこなすことが可能です。今後、テレワークで製造業に携わりたいと考えているのであれば、製造業の在宅ワークとはどのようなものなのか、テレワークが可能な職種には何があるのかといった基礎知識を押さえておかなければいけません。
本記事では、そうした基礎知識に加え、製造業の仕事を在宅でするうえでのポイントや注意点も紹介します。
製造業の在宅ワークはどんな仕事内容？
製造業の在宅ワークとはいっても、他の業種のテレワークやリモートワークと、基本的には変わりません。自宅にいながら、製造業にかかわる仕事をこなしていきます。在宅ワークのため自宅で仕事をするのが一般的ですが、レンタルスペースなど落ち着ける場所で業務をこなすケースも考えられるでしょう。
- 図面設計
- 図面の管理、修正依頼
- CGでのイメージ作成
- ディレクション
- 工数管理
- 事務
具体的には上記のような在宅ワーク内容が多いです。
ただ、業務内容によっては機密性を求められるので、その点には注意しながら仕事を進めていく必要があります。
副業として在宅ワークを行うケース
製造業の在宅ワークを、副業として行う人もいます。副業の場合は、アルバイトなど非正規雇用として仕事をするか、フリーランスとして業務を受注することになるでしょう。自宅で仕事をするのであれば、雇用形態にかかわらず在宅ワークと表現しても問題はありません。
ただ、企業と雇用契約を結ぶ正社員やアルバイトの場合にはテレワーク（または、リモートワーク）、業務委託契約を結ぶフリーランスの場合は在宅ワークといったように、表現が分けられるケースもあります。
本業か副業かで、求められるレベルや収入が変わってくる点も押さえておきましょう。
製造業は在宅でもできる？
製造業はテレワークの導入が難しいとされていますが、在宅でこなせる仕事もあります。特定の職種や業務を選択すれば、製造業でも在宅で仕事をしながら収入を得られるでしょう。また、企業や雇用形態によっても、在宅での業務が可能かどうかが分かれるケースがあります。
ここでは、職種や企業、雇用形態による違いに焦点を当てながら、製造業の在宅ワークについて考えてみましょう。
職種による違い
製造業は工場内で作業をするだけではなく、他にもさまざまな職種や業務により成り立っています。製造業にかかわる職種を大まかに分類したとき、生産や製造、管理や研究開発、軽作業以外は、在宅で行える可能性があるでしょう。
いわゆるデスクワークやオフィスワークと呼ばれる仕事については、テレワークが可能です。
製造業に携わる場合は、業務そのものに魅力を感じるのか、それとも在宅ワークができる仕事に就きたいのかを考慮したうえで、自分に合った職種を選択することが求められます。
企業による違い
同じ職種でも、企業によって在宅でできる場合とできない場合とがあるでしょう。パンデミックによりテレワークが普及したものの、コロナ禍から日常を取り戻しつつある中で、オフィスへの出社を基本とする働き方へと戻している企業は少なくありません。
テレワークによる効率の低下を懸念する企業や、対面でのコミュニケーションを重視する企業では、その傾向が強くみられます。
製造業の仕事を在宅で行いたい場合、それが可能な企業を選択しなければいけません。職種や業務内容のみで判断できるとは限らない点は押さえておきましょう。
雇用形態による違い
職種や企業ごとの違いに加え、雇用形態による違いも無視はできません。同じ企業・職種であっても、雇用形態が変われば、在宅で仕事ができるかどうかが変わります。正社員は出社が求められる一方で、アルバイトやフリーランスの人は出社不要で在宅ワークを可能としている企業もあるでしょう。フリーランスの人のみ在宅ワークとしている企業も少なくありません。
雇用形態を重視するのか、それとも、在宅ワークができる環境を優先するのかを事前に整理し、求人を探したり企業へと応募したりする必要があります。
在宅でできる製造業の仕事の種類
製造業にかかわる仕事の種類は多岐にわたりますが、そのうち、工場などの現場で行われる製造や管理、保全などの業務は在宅で行うのが難しいとされています。今後、5GやAIなどの技術が進化・普及すれば、徐々にそれらの業務もリモートでできるようになるでしょう。
一方で、すでに触れているように、テレワークや在宅での作業が可能な職種や業務も存在しています。
ここでは、在宅でできる主な製造業の仕事の種類を紹介しましょう。
CADオペレーター
設計図や図面を作成するCADオペレーターは、製造業に欠かせない仕事であり、かつ在宅でも可能な職種の一つです。未経験者でも従事可能で、フリーランスという立場で副業として業務を請け負っている人もいます。経験や技術が積み上がるほどに、できる業務や収入が増えていく仕事である点も魅力です。
正社員としての需要も高く、雇用形態にかかわらずテレワークの対象としている企業も少なくありません。特別な資格がなくても従事できるため、在宅ワークで製造業に携わりたいのであれば、チャレンジする価値のある職種となるでしょう。
事務職
製造業の事務職は、在宅でできる代表的な仕事の一つです。顧客からの問い合わせ対応や資料の作成、必要なデータの整理や経理作業など、テレワークでできる業務は多岐にわたります。事務職も、資格などは基本的に必要ありません。
ただ、担う分野や業務によっては実務経験や知識が求められるケースもあるでしょう。
雇用形態としては正社員やパート、派遣社員などが主流で、フリーランスとしての契約は少ない傾向がみられます。
営業職
コロナ禍以降、営業活動もリモートで行う企業が増加しました。製造業も例外ではありません。特に、既存の取引先への営業活動は、在宅やリモートといった形で行うことが可能です。新規顧客の開拓の場合には、外回りによる営業活動が必要なケースが出てくるでしょう。他の従業員との打ち合わせなども基本リモートで行えるため、出社不要や、出社が必要な場合でも週や月に1回程度としている企業もあります。
基本は正社員としての雇用となりますが、企業や商品によってはフリーランスとして従事することも可能です。その場合は、基本給が支給されず、契約数に応じて報酬が上下する形が主流でしょう。
企画開発
企画開発は、完全在宅は難しいものの、一部在宅で業務が行えるケースもある職種でしょう。営業職などと同様に、週や月に1回程度出社が求められるのが一般的ですが、資料作成やプレゼン、会議や打ち合わせへの参加などはリモートでも十分に可能です。市場調査なども、在宅で行える場合があります。
製品の特性によっては在宅での業務が難しいケースがあり、企業によってもリモートで対応しているかどうかは異なるため、事前の確認が欠かせません。
製造業の在宅ワークを探せるおすすめサイト
製造業の仕事を在宅でしたいと考えた際には、それが可能な求人を探さなければいけません。誰でも閲覧可能な求人サイトの利用も一つの選択肢となるものの、より自分のスキルを活かしたい場合や伸ばしたい場合は、製造業に特化した人材紹介サービスを利用したほうがよいでしょう。副業であっても、責任をもって仕事を行いたい場合も同様です。
製造業に従事可能な職種の中でも、CADオペレーターに興味があるなら「JobTech for CAD」で仕事を探すことができます。
CAD業界に特化した転職支援サービスであり、完全無料で利用可能です。担当のエージェントに相談しながら求人を提案してもらえるため、希望を伝えれば、在宅やテレワークが可能な企業を紹介してもらえるでしょう。
未経験者の場合には、提携の教育サービスを受けることにより、事前に知識や技術の習得も図れます。CADオペレーターは、製造業の仕事の中でも、とてもニーズのある職種です。一定以上の知識や技術を習得できれば、在宅でも仕事を見つけやすく、十分な収入を得られる可能性もあります。非公開求人も多数抱えているため、希望に見合った求人がないか、一度「JobTech for CAD」のエージェントへと相談してみましょう。
製造業の在宅ワークの求人例3選
それでは、製造業の在宅ワークの求人は一体どんなものがあるのでしょうか。
時給や給料・条件などを求人例とともに見ていきましょう。
A社
- ゼネコン、サブコン、ハウスメーカー、設計事務所などでのお仕事
- 建築意匠図面や住宅図面作成
- オフィスや現場事務所で電気・空調設備図面作成
- 在宅、WワークOK
- 時給1,600円〜2,200円
B社
- フレックス・リモートワーク・時短OK
- 建物を構成する金属部分のオーダーメイドの金属製作金物の図面作成
- 月給20万〜45万円
C社
- 専用ソフト(AutoCAD)を使用して図面を作成
- 転勤なし/リモートワーク可
- 社長と30歳の社員の2名の組織
- 月給20万〜45万円
このような在宅ワークがありました。最初から在宅ワークできる製造業の仕事は少ないですが、それなりに実績があればすぐに在宅ワークから開始することもできるかもしれません。
製造業の仕事を在宅でこなすポイント
一部の製造業の仕事は、在宅やリモートワークでもこなせます。しかし、誰でも簡単に仕事をみつけられるわけではなく、みつけられたとしても継続できるとは限りません。企業に求められる仕事を十分にこなすには、事前の準備も必要でしょう。
ここでは、製造業の仕事を在宅でこなすためのポイントや注意点をまとめます。
十分な環境を整える
製造業の仕事を在宅でこなすには、パソコンやソフトウェアなどを揃える必要があります。正社員として雇用されるのであれば、会社から支給されるケースもあるでしょう。
しかし、フリーランスや副業として行う場合は、自分で用意しなければいけません。扱いやすい機器や作業しやすい環境を整えることも大切です。
環境は仕事の仕上がりや集中力などに影響を与えます。在宅で仕事をする以上、十分な環境を整えてから臨む必要があるでしょう。
知識や技術を習得する
フリーランスとして業務を受注する場合、報酬は出来高制となるケースが大半です。求められた仕事をこなせなければ、満足のいく収入が得られないおそれも出てきます。製造業の仕事を在宅で始める前に、一定以上の知識や技術を習得しておくのも一案です。
職種によっては資格取得を目指すのもよいでしょう。知識や技術、資格があれば、得られる報酬額の交渉もしやすくなります。
まったく経験がない状態と比べて作業効率も高められ、短時間で高収入が狙える点もメリットです。
信頼を得ることも大切
在宅での仕事は監視やチェックが難しい面があり、テレワークなどの導入を敬遠する企業も少なくありません。一方で、信頼を得られれば、在宅ワークでも十分な報酬と仕事量が得られるでしょう。
そのためには知識や技術、資格をアピールするとともに、コミュニケーションを密に図り、良好な関係性を築く必要があります。
例えば、CADオペレーターは、製品の設計図の作成にかかわる職種のため、とりわけ信頼を得ることが大切です。こうした点を意識して求人へと応募したり人材紹介サービスから企業を紹介してもらったりすると、スムーズに製造業の在宅ワークを始められます。
継続して受注できるようにもなり、安定した収入を得られやすくなるでしょう。
製造業の在宅についてまとめ
製造業にかかわる職種や業務は多々ありますが、CADオペレーターや事務職、営業職など、在宅で行うことが可能な仕事も少なくありません。在宅やリモートといった形で従事できるかは、職種だけではなく、企業や雇用形態によっても変わります。
もし製造業の仕事に在宅で携わりたいのであれば、人材紹介サービスのエージェントに相談してみましょう。
事前に勉強をし、知識や技術を身につけ、資格も習得していれば、より仕事を得やすくなります。業務をこなすための環境を整えることや、信頼を得るために企業と十分なコミュニケーションを図ることも、製造業の仕事を在宅で行うためには欠かせません。
