働き方改革や朝の通勤ラッシュ解消などの目的で、日本では国をあげて在宅ワークを推奨しています。また、新型コロナウイルスの蔓延によって、さらに在宅ワークが推奨されて当たり前になりつつあります。
CADオペレーターにとっても、在宅ワークは魅力的な選択肢と考えている人が多いです。では、CADオペレーターは在宅ワーク自体が可能なのでしょうか。
本記事では、CADオペレーターが在宅ワークできるかについて解説します。
CADオペレーターでも在宅ワークは可能！
CADオペレーターであっても、在宅ワークにより仕事をこなすことは可能です。CADオペレーターは、デザイナーなどの指示によって図面を作成するのが主な仕事となります。
CADオペレーターが使用するツールは、CADソフトとパソコンなどのデバイスです。また、データのやり取りをおこなう上で通信環境も必要となります。
上記は家庭などでも準備可能なものであり、デザイナーなどとのやり取りも電話などで対応可能です。さらに、実際に在宅ワークを認めている企業も多くあるので、問題なく働ける環境があります。
在宅ワークするCADオペレーターに必要な要素
在宅ワークの形で働くCADオペレーターは、会社に出社して仕事する人とは異なるスキルや知識が必要です。特に、以下の要素を持ち合わせている必要があります。
- CADオペレーターとしての経験値
- CADを使いこなせるスキルと知識
- コミュニケーション力
- 自己抑制力
各要素の詳細は、以下のとおりです。
CADオペレーターとしての経験値
CADオペレーターが在宅ワークしたい場合、少なくともCADオペレーターの経験がない場合は対応が難しいです。CADを用いて設計する仕事においては、正確性やスピード感などが重視される傾向があります。
そこで、すでに経験があるCADオペレーターと未経験者が同じ土俵に立った場合、経験者の方が選ばれやすいのです。特に、在宅ワークするCADオペレーターに対しては、実績が要求されるケースが多いです。
CADオペレーター未経験者が在宅ワークしたい場合、ある程度の実績を積んでから目指すようにしましょう。
CADを使いこなせるスキルと知識
在宅ワークするCADオペレーターは専門性が高い傾向にあり、一般的なCADスキルを持ち合わせているだけでは、活躍するのは難しいものです。CADを用いた作業では、設計図をベースに図面の形で具現化しなければなりません。
その過程において、作図する前に細かな点まで整合しておく必要があります。発注する側としては、在宅ワークしているCADオペレーターよりも、対面で話しやすい出社しているオペレーターに依頼するケースが多いです。
在宅ワークするCADオペレーターの場合、ほかの人よりも秀でたCADスキルや知識を持ち合わせて、受注者にアピールできるかがポイントです。
CADオペレーターに必要なスキルは、以下の記事でも詳しく解説しています。
コミュニケーション力
CADオペレーターは、基本的には設計図をベースに図面を作成していく仕事となります。作図は基本的に一人でコツコツとこなさなければならず、集中力が問われます。
一方で、設計図に対して疑問点や不明点がある場合はデザイナーなどに問い合わせなければなりません。普段、会社に出社していれば細かな内容まで対面で話しやすいものですが、在宅ワークの場合は電話やWebミーティングなどの形を取る必要があります。
そこで、コミュニケーションツールをうまく活用しながらコミュニケーションを取れるかが問われるのです。
自己抑制力
CADオペレーターに限らず、在宅ワークする場合はいかに自己抑制力を働かせて対応できるかがポイントです。在宅で仕事する場合、ついつい周囲の誘惑に惑わされてしまいがちです。
たとえば、テレビを見ながら仕事したり休憩時間を多くとってしまったりするケースが散見されます。ひどい場合、飲酒しながら仕事している人も少なからず存在するのです。
在宅ワークではどうしてもオンとオフが切り替えにくいため、いかに自己抑制できる強い意志があるかが重要です。
CADオペレーターが在宅ワークするメリット
CADオペレーターが在宅ワークすることによるメリットとして、以下が挙げられます。
- 自由に時間を使える
- パソコンやツールがあればどこでも仕事できる
- 出費を減らせる
各メリットの詳細は、以下のとおりです。
自由に時間を使える
在宅ワークでフリーランスとしてCADオペレーターとして働く場合、自由に時間を使えるメリットがあります。会社勤めの場合は、朝晩の通勤時間がかかってしまいます。
また、勤務時間内に別の用事などを足せないので、自由度は低いです。一方で、在宅かつフリーランスで働く場合は仕事に区切りをつけて自由に家事などを実施できます。
自由に時間を使えることで、ライフワークバランスを保ちやすくモチベーションを維持しつつ仕事に取り組めます。
パソコンやツールがあればどこでも仕事できる
CADオペレーターの場合、基本的にCADソフトとパソコンなどのツールがあればどこでも働けるメリットがあります。使用するツールの詳細は、以下のとおりです。
| ツール | 目的 |
| CADソフト | デジタルデータとして図面を作成する、シミュレーションなどをおこなう |
| パソコン | CADソフトを操作する |
| インターネット環境 | データの共有や納品 |
自宅以外でも、ノマドワーカーとして場所を問わず仕事できる点が魅力的です。集中できる環境が必要となり、機密保持が必要なデータの取り扱いなどに注意が必要となるものの、どこでも仕事できる点は大きなメリットとなります。
CADソフトの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
出費を減らせる
在宅ワークする場合、出費を減らせるメリットもあります。たとえば、出社して仕事する際には同僚とのコミュニケーションのため食事に誘われる場合があります。
また、歓送迎会などのイベントもおこなわれることもあるでしょう。参加する際には、当然会費を支払う必要があり、人によっては余計な出費となってしまいます。
在宅ワークすれば、対面でのコミュニケーションが減る一方で、出費を減らせる点は魅力的です。
CADオペレーターが在宅ワークするデメリット
CADオペレーターが在宅ワークを選択する際のデメリットとして、以下が挙げられます。
- 仕事とプライベートとの区別がつきにくい
- 健康管理を徹底する必要がある
- フリーランスの場合は雑務が増える
各デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
仕事とプライベートとの区別がつきにくい
在宅ワークするCADオペレーターの場合仕事とプライベートの区別がつきにくいデメリットがあります。会社に出社して仕事する場合、基本的に退勤すれば仕事とは切り離されます。
一方で、在宅ワークの場合はオンとオフの切り替えが難しく、常に仕事に追われる感覚を持ちがちです。さらに、フリーランスのCADオペレーターの場合、緊急時は朝晩関係なく対応しなければならないケースもあります。
一見自由に見られがちな在宅ワークですが、しっかりと意識をもって対応しないと常に仕事のことばかりを考えなければならなくなるので注意しましょう。
健康管理を徹底する必要がある
CADオペレーターが在宅ワークとして働く場合、健康管理は徹底しなければなりません。特に、在宅ワークの場合は同僚同士のコミュニケーションを取る機会が少なくなるため、孤独を感じてメンタル的に病んでしまう可能性があります。
また、出勤する場合は意外と歩く機会が多く、特別な運動をしなくても良い場合があります。一方で、在宅ワークの場合は動く機会が限られるので運動不足なりがちです。
さらに、在宅ワークの場合は通勤時間を考える必要がなく、つい深酒してしまう人も多く見られます。以上のように、在宅ワークでは各種健康に関する問題が生じるリスクがある点を考慮してください。
フリーランスの場合は雑務が増える
フリーランスとして活動する場合、在宅ワークによってCADによる作図以外の作業をこなさなければなりません。たとえば、経理や新規仕事の受注など営業も自分で実施する必要があります。
CADオペレーターとして活躍したくても、実際には本業以外の仕事が増えてしまい、イメージしていた働き方とは乖離する可能性があるので注意してください。
CADオペレーターの将来性と需要
在宅ワークでCADオペレーターとして活躍したい場合、将来性があるかが気になるものです。CADオペレーターの仕事は、一昔前は建築業や製造業で活躍するイメージが強かったです。
最近では、アパレル業界やCG業界で利用される機会が増えており、需要が広がっている状況です。CADは多くの業界で活用されており、今後も活躍の場が広がることでしょう。
CADオペレーターの場合、設計士やデザイナーなどにキャリアアップできる特徴もあります。オンラインでコミュニケーションを取れるツールが増加しており、在宅ワークとしても働ける環境が整っている点も見逃せません。
CADオペレーターの在宅ワークまとめ
CADオペレーターは、在宅ワークとしても活躍できるチャンスがあります。基本的なツールやデバイス、インターネット環境があれば、場所を問わず仕事できるメリットもあります。
ただし、どの会社でも在宅ワークを認めているわけではありません。本記事で紹介した内容を参考に、フリーランスとして活躍することも念頭に在宅ワークを実践することを検討してみてはいかがでしょうか。
