Revitを1から練習したいけれど、何から学べばよいかわからないとお悩みの方も多いでしょう。
また、最初に何を学ぶべきかイメージできない人もいるはずです。
そこでこの記事では、初心者向けにRevitのチュートリアルをわかりやすくまとめました。
準備・作図・印刷と順を追ってRevitのチュートリアルを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Revitの基本設定チュートリアル
最初のチュートリアルとして、Revitを起動した後に必要な基本設定について解説します。
なお、ここで説明するRevitのチュートリアルは、次項で説明していく作図を計画的に進める重要な準備です。基本設定のチュートリアルを無視すると、作図した後に再度設定をやり直す二度手間が発生するため、ぜひRevitに欠かせない基本設定チュートリアルに目を通しておきましょう。
新しいプロジェクトを作成する
Revitを起動したら、BIMモデルを作成するための新しいプロジェクトを立ち上げましょう。
新しいプロジェクトは、画面左側にある「モデル>新規作成」から実施できます。
また、新規作成をクリックすると、Revitで用意されている以下のテンプレートファイルの選択画面が表示されます。
テンプレートファイルは業種ごとに設定が用意されているため、自分に関わりのある業種を選択して「OK」をクリックしましょう。今回は建築物をつくる手順を説明していくため「建築テンプレート」におけるRevitのチュートリアルを解説します。
建築物の高さを設定する
Revitのワークスペースが開いたら、チュートリアルの次のステップとして、建築物の高さを設定します。
なお、Revitでは高さを「レベル」という名称で扱うのが特徴です。
画面左下に表示されているプロジェクトブラウザから立面図を探し、東西南北の好きな項目をクリックしてください。
ちなみにRevitの画面上にプロジェクトブラウザが表示されていない場合には「右クリック>ブラウザ」からプロジェクトブラウザを選べば表示が可能です。
上記の手順を踏んで立面図をクリックすると、ワークスペースに一点鎖線と高さ、レベルという文字がかかれた図形が表示されます。これが建物の高さを意味するラインであり、Revitでは設定された高さに合わせて、オブジェクトを配置していくのが特徴です。
参考として、Revitで利用する名称の意味を以下にまとめました。
Revitで登場する名称 | 名称の意味 |
設計GL | 建物の土台となる高さであり、地面などを表すことからグランドラインという意味でGLが利用されている |
レベル1 | 建物の1階部分の床を表す高さ |
レベル2 | 建物の2階部分の床を表す高さ(1階建て平屋の場合は屋根部を表す) |
高さは数値部分をクリックすることで、自由に設定できます。
またレベルの数も追加が可能ですのが、今回は上画像の表記のまま次のチュートリアルへと進みます。
Revitの作図チュートリアル
Revitの基本設定のチュートリアルを完了した人は、次に作業のメインである作図チュートリアルにチャレンジしましょう。
外壁を作成する
Revitの作図における最初のチュートリアルとして、建物の外観となる外壁を追加しましょう。
外壁は、編集ツールバーの「建築>壁」を選択することで挿入できます。
プロジェクトブラウザにある「平面図>レベル1」をクリックしたら、上画像のように四角形の壁を書いてみてください。
なお、壁を作図する際には、寸法入力をしながら挿入するのが効率的です。
端点を選択する際に数値情報を入力することで、次の点まで自動で作図されます。
もうひとつ、Revitでは壁を含めさまざまなファミリ(オブジェクトの種類)が用意されています。
今回のチュートリアルでは、レンガ調の壁を選択してみました。
地面と床を作成する
次のチュートリアルとして、レベル1の外壁よりも下側である地面と床を作成しましょう。
まず地面は編集ツールバーの「マス&外構>外構作成>地形ソリッド>スケッチから作成」を選択します。ツールのなかから四角形を選び、ひとつ前のチュートリアルで作成した壁よりも広い範囲に挿入し、チェックマークを押せば、上画像と同じ範囲が地面へと変わります。
続いて建物の床を作成します。
床は編集ツールバーの「建築>床」をクリックすることで起動できます。
事前に挿入していた壁を選択してチェックマークを押せば、自動で床が反映されます。
なお、このときに高さ情報を設定していなければ、キレイな位置に床や地面を配置できません。
床をレベル1、地面を設計GLの位置に配置するために、プロパティウィンドウで基準レベルが正しい位置にあるのかを確認しましょう。
現在のチュートリアルの状態では、上画像のように表示されます。
屋根を作成する
屋根作成のチュートリアルは、前述した床作成のチュートリアルとほとんど変わりません。
レベル2に基準の高さを合わせて編集ツールバーにある「建築>屋根」を選択し、壁よりも広い範囲を囲むことで屋根を配置できます。
ちなみに、平面の屋根ではなく日本家屋らしい勾配のある屋根をつくりたい場合には、一度作成した屋根をクリックし、編集ツールバーに表示されている「点を追加」で、起伏させたい点を挿入しましょう。
立面図を開いて追加した点をクリックし、高さ位置を変更すれば、勾配のついた屋根を作成できます。
建築物の外観に関するチュートリアルはこれで完成です。
最後に、建物の細かなデザインに関わるチュートリアルを紹介します。
開口部・インテリア・エクステリアを配置する
ここまで作成してきた住宅を、より建築物らしいものとするために、ドアや窓といった開口部、室内に配置するインテリア、家の外に配置するエクステリアなどを挿入していきます。なお、各項目の挿入方法を以下にまとめました。
- 開口部は編集ツールバーの「建築」にある扉や窓を選択する
- インテリアは編集ツールバーの「コンポーネント」を選択する
- エクステリアは編集ツールバーの「マス&外構>外構コンポーネント」を選択する
ちなみに本チュートリアルではRevitに初期から用意してある素材などを使っていますが、データを追加することで他にもさまざまなデザインを追加できます。よりリアリティの高い建築をしたい方は、素材を自作するか、Web上で提供されている素材をダウンロードしてみてください。
レンダリングをする
作図チュートリアルの最後に、完成した建築物をよりリアルなものとして表示するレンダリングを実施しましょう。
レンダリングの機能は編集ツールバーの「表示>レンダリング」という項目で、表示されたウィンドウのレンダリングボタンをクリックすれば、3Dビューの表示画面がそのままリアルな画像へと変換されます。
レンダリングが景観検討や発注者とのイメージ共有に役立つ機能ですので、説明したい項目などをレンダリングして画像保存することをおすすめします。
Revitの印刷チュートリアル
最後に、完成したRevitを印刷するチュートリアルを解説します。
印刷の準備
まず印刷の準備として、編集ツールバーの「表示>シート構成>シート」を選択して、印刷枠を表示しましょう。
続いて「表示>シート構成>ビューを配置」で、図枠内に平面図や立面図、3Dビューなどを配置します。またRevitでは自動で数量が集計されます。数量表も挿入が可能ですので、ぜひ印刷枠に挿入してみてください。
印刷の実施
Revit最後のチュートリアルの印刷は、画面一番上の印刷マークで実施できます。
以下と同じウィンドウが表示されたら、プリンタの種類を選んで印刷ボタンを押しましょう。
印刷は図枠に合わせて設定されているため、印刷画面のプレビューを確認したうえで印刷をしてみてください。
また、Revitのチュートリアルや使い方を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
設計図の書き方も解説しています。
Revitのトレーニング方法
Revitのチュートリアルをひと通り練習したら、繰り返し練習を続けてください。
なぜならRevitは操作内容が複雑であるため、頭と手にしみこませることが大切だからです。
また、同じチュートリアルを繰り返すのではなく、毎回高さや形状を替えながら練習をすることも重要です。条件を変えつつトレーニングしたほうが身につきやすいほか、新しい発見があります。
なお、自分でトレーニングできないとお悩みなら、セミナーなどに参加するのがおすすめです。
以下のセミナーでは、Revitの基礎~応用など、本記事のチュートリアルよりも詳しい知識と操作を学べます。
会場講習はもちろん、ウェビナー、eラーニングなど豊富な方法でRevitを学べるので、ぜひ参加してみてください。
Revitの効果的な学習方法
Revitのチュートリアル以外にもさまざまな知識・操作を学びたい人は、次のような学習方法を取り入れることをおすすめします。
- Webコンテンツを見ながら練習する
- 動画配信サイトの学習動画を見ながら練習する
- 書籍購入して学習する
- Autodeskのマニュアルを読み込む
Revitは独学で学ぶことも可能です。
近年では無料で学べるWebコンテンツや動画配信サイトも見つかります。
ただし、無料コンテンツのなかには情報が古かったり、誤った情報が紛れていたりすることが少なくありません。誤った情報を避けたい方は、正しい情報なのか見極めつつ学習を進めるか、プロの講師が提供しているセミナーなどに参加することをおすすめします。
また、チュートリアルを学ぶうえで自身に最適な学習方法を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。効率よく学習できる方法を解説しています。
Revitのチュートリアルについてまとめ
Revitのチュートリアルをひとつずつ覚えていけば、業務で学んだことをアウトプットできます。
また、Revitのチュートリアルは何度も繰り返し学習し、基礎から応用へと手を伸ばしていくことが大切です。操作方法や使う機能がわからなくなった際には、ぜひもう一度、本記事のチュートリアルを学びなおしてみてください。