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Revitの価格について徹底解説

建設業等で建物の図面設計に用いられる設計ソフトの中でも、アメリカ合衆国の会社が開発したRevitはBIM設計分野で広く使用されています。ここでは、設計ソフトとして販売されているRevitの特徴を説明しつつ、販売価格やプラン等についても詳しくご紹介します。

まずはRevitについて解説

アメリカ合衆国のカリフォルニア州に本社を置くオートデスク社は、日本でも知名度の高いAutoCADを開発しているメーカーです。とりわけ、発売されているCADソフトのジャンルが幅広い点が特徴で、主力ソフトのAutoCADは2次元対応型のソフトとして知られています。この他、機械設計に適した3次元対応型のCADソフトのInventorや自動車設計に特化したデザイン用のアプリケーションソフトAliasといったものも販売されています。一方、建築設計分野のBIMで用いられるRevitは3次元方式のCADソフトウェアという位置づけです。

CADソフト以外のジャンルにも強みを持っていますが、中でも3次元のアニメーション系に特化したソフトも多数販売されています。具体的には、アニメーションソフトウェアのMaya及びモデリングとレンダリング系の3dsMaxに加え、グラフィック制作に適したSoftimageも含まれています。オートデスク社が開発するソフトウェアは、製造業や建設業界等の設計分野及びコンピュータグラフィックを専門に行う会社を中心に、世界規模で選ばれている点が大きな特徴です。

Revitの歴史は古く、アメリカ合衆国のマサチューセッツ州に拠点を置いたチャールズリバーソフトウェアによって、1997年に開発が開始されました。しかし、2002年に開発元が現在の発売元であるオートデスク社に買収され、2006年には他のラインナップと合わせるようにナンバーが統一されました。ナンバー統一後の2007年から2015年までは、建築及び設備といった用途別のラインナップも販売されましたが、2016年にはそれまで分割していた建築等の機能を再統一し、Revit単体で販売されるようになって現在に至ります。

知名度の高いオートデスク社をはじめとしたCADソフトは、1990年代という早い時期から3次元対応を行っており、世界規模で見ると多くの建築業者が同時期から積極的に活用するようになりました。一方、日本の建築業界では2次元に対応したAutoCADこそ早い時期に普及し、多くの会社で使われるようになったものの、3次元に限った場合は普及そのものが遅れていました。

設計に関係する仕事としては、設計及びパースやウォークスルーといったものがありますが、こういったジャンルはそれぞれのソフトを使って行っていました。建物系の設計に関してはAutoCAD、パースはコンピュータグラフィック系のソフト、そしてウォークスルーはイラストレーター等のデザイン系ソフトを使っていたという具合です。仕事内容によって担当する人材が分かれていたため、それぞれのソフトを活用して設計関係の仕事を行ったほうが早いという結論に達していました。また、建物を3次元のグラフィックに変換するための処理能力が必須かつ建物建築に要する知識を持つ人材の育成等、様々な課題を抱えていたため、3次元系CADが普及しにくかった実情がありました。

しかし、2009年に建築関係の設計分野において、建物関係のデータを構築、管理するといった概念がBIMという言葉で登場し、大手ゼネコンを中心に広まるようになりました。BIM自体が大手の建築会社を中心に普及していくと、2011年には国土交通省がBIMに関するガイドラインを策定しました。その後、各種団体やメディアの公表等もあり、大手だけでなく中小企業も建築設計分野にBIMという概念を取り入れる形で業務を行っています。

ガイドライン策定後と並行する形で、「建築関係の設計に特化した3次元型CADソフト」という位置づけでBIM対応のソフトが日本国内でも発売されるようになりました。日本では、オートデスク社が発売するRevitとハンガリー製のArchiCADが普及し、シェアを二分する形で広く普及しています。とりわけ、Revitの方はAutoCADをはじめとしたオートデスク社製の製品と連動しながら効率よく仕事ができる工夫がなされており、多くの会社に選ばれている点が特徴です。

Revitのラインナップと価格帯

オートデスク社では、Revitをはじめとした各種ソフトを購入する場合、会員向けのサブスクリプションで販売する形式を採用しています。専用アカウントの登録並びに30日間の体験版は無料ですが、それ以外の方法で使う場合はライセンス方式で購入する必要があります。オートデスク社では、製品の利用期間を1ヶ月、1年、3年に区切ってライセンスの設定を行っています。利用する製品によって値段は異なります。

Revitの場合、BIMが関係する機能を全て搭載したフルバージョンとBIM関連データの閲覧や簡易的なデータ作成に特化したLTバージョンの2種類があります。いずれの場合でも、公式サイトからプログラムをダウンロードして、登録したユーザー分だけ利用できる形式を採用している点が特徴です。BIM担当の責任者かつ管理系の機能を使いたい場合はフルバージョン、管理機能以外の設計業務を専門に行う場合はLTバージョンといったような使い分けも可能です。

各製品ごとの価格設定に関して、1ヶ月使う場合はフルバージョンの場合が47,520円、LTバージョンが11,880円となっています。Revitをメインとして使わないケースや予算が組めないといった事情により、1ヶ月単位で利用する場合に有効なライセンスです。1年になると、フルバージョンで381,240円、LTバージョンでは91,800円となり、1年間を区切りとして短期で利用する場合に活用されます。また、3年になると、フルバージョンが1,029,240円、LTバージョンでは248,400円という値段設定となり、メインとして長く使う場合に選ばれます。

なお、いずれのライセンス形態でも、フルバージョンと比較してLTバージョンの値段が安く設定されています。競合他社と比較した場合は、買い切り型の永久ライセンスバージョンが無い代わりに、1年単位の利用料金が抑えられているため、高性能なBIM特化型のCADソフトをリーズナブルに購入できる点が魅力です。

公式サイト以外での購入は割引価格も

オートデスク社のRevitは、日本法人として設立されているオートデスク株式会社のサイトを利用する他、複数社ある公式販売パートナーでも販売されています。オートデスク社で購入した場合、各種アップデートやクラウドサービス等が無料でできる特典がありますが、公式販売パートナーを選ぶとさらなる特典が得られます。具体的には、ライセンス購入価格の割引に加え、使用時の解説動画が利用できるといったサポートが得られるようになります。

さらに、公式サイトでの登録無しでRevitが使えるようになる他、支払い方法にクレジットカード以外の銀行振込等が選べる点も大きな特徴です。なお、Revitのフルバージョンは、IT導入補助金の対象製品となっており、導入時には政府による財政面での支援も得られます。

BIM特化のCADソフトとしてはリーズナブル

BIMに特化した機能を備えるオートデスク社のRevitは、様々なライセンス期間が用意されています。1万円台から100万円台までの範囲で価格設定がなされており、期間を区切ってリーズナブルにBIM特化のCADソフトを使う場合は有力な選択肢に入るでしょう。

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