業務の自動化に注目が集まる中、MicrosoftのPower Automateは無料でも使えるRPAツールとして多くの企業に導入されています。特にPower Automate Desktopは、Windowsユーザーであれば追加費用なしで利用できる点が魅力です。
本記事では、無料版でできることや有料版との違い、導入方法や活用例までを解説します。これから業務効率化を進めたい方や、RPAに初めて取り組む方に向けて、導入前に知っておきたいポイントをまとめました。
Power Automateとは?
近年、業務の効率化や省力化を目的に、RPAツールの導入が進んでいます。
その中でもMicrosoftが提供する「Power Automate」は、導入の手軽さと機能の柔軟性から、多くの企業や個人に選ばれています。特に注目されているのが、無料で利用できる「Power Automate Desktop」です。
ここでは、Power Automateの基本的な仕組みと、クラウド版との違いについて見ていきましょう。
業務自動化を実現するRPAツール
Power Automateは、日々のルーティン業務を自動化するためのRPAツールです。たとえば、毎日決まった時間にデータを抽出してExcelにまとめる、届いたメールを特定のフォルダに振り分ける、社内システムから情報を取得するなど、反復的な作業を自動化することができます。
直感的なインターフェースと豊富なテンプレートにより、専門的なIT知識がなくても使いやすい設計となっており、現場レベルでの業務改善に大きく貢献します。特に、無料で提供されている「Power Automate Desktop」は、Windowsユーザーにとって導入しやすく、RPA初心者にとっても始めやすい選択肢となっているでしょう。
Power Automateで自動化したデータを、よりわかりやすく可視化したい方にはPower BIの活用がおすすめです。こちらの記事では、Power BIの基本から活用方法まで丁寧に解説されており、Power Automateと組み合わせることで業務全体の効率化が実現できます。
【2025】Power BIとは何ができるツールか?無料版Power BI Desktopの使い方や作成例とエクセルとの違いも解説
Power Automateの各プランと種類を整理しよう
Power Automateには複数のプランや製品名が存在するため、初めて使う方にとっては違いが分かりづらいかもしれません。
この記事では主に「無料で使えるPower Automate」をテーマにしていますが、正式な製品構成としては以下のように分類されます。
| 名称 | 概要 | 主な利用対象・特徴 |
|---|---|---|
| Power Automate Desktop | ローカルPC上で動作するRPAツール。Windows 10/11ユーザーであれば無料で利用可能 | 小規模な業務の自動化や初心者向け。手動実行が基本 |
| Power Automate for Microsoft 365 | Microsoft 365の契約に含まれるクラウド型のフロー作成機能 | OutlookやTeams、SharePointなどとの連携に強み |
| Power Automate Premium | クラウドフローに加え、プレミアムコネクタや自動実行など高度な機能が利用可能 | 大規模業務やAPI連携、外部サービスとの統合を求める企業向け |
| Power Automate Process | ボット単位のライセンス形態で、1つの業務プロセスを複数ユーザーで共有可能 | 高頻度なプロセスの自動化や複数人での運用に最適 |
それぞれのプランは、「どこで動かすか(ローカル or クラウド)」「どこまで連携したいか(Microsoft製品のみ or 他社クラウド含む)」「誰が使うか(個人 or 組織)」によって選択が分かれます。
Power AutomateとPower Automate Desktopの違い
Power Automateには、ローカルPC上で動作する「Power Automate Desktop」と、Webブラウザ上で動作する「Power Automate」の2種類があります。いずれも業務自動化を実現するツールですが、用途や連携できるサービス、実行方式などに違いがあります。
以下の表に、両者の違いを整理しました。
| 項目 | Power Automate Desktop 無料版 | Power Automate |
|---|---|---|
| 動作環境 | ローカルPC(Windows) | クラウド(Webブラウザ) |
| 主な対象業務 | デスクトップアプリの操作やローカル作業の自動化 | Webサービス間の連携や通知、データ処理の自動化 |
| 操作方法 | デスクトップアプリ上でフローを作成・実行 | Webポータル上でフローを構築・管理 |
| 料金 | Windows 10/11であれば無料 | 基本機能は無料、プレミアム機能は有料 |
| 実行トリガー | 無料版では手動実行のみ | 条件やスケジュールでの自動実行が可能 |
| プレミアムコネクタ | 無料版では利用不可 | 有料プランで利用可能(例:Salesforce、kintone) |
| 外部サービスとの連携 | ローカルファイルやPC内アプリ中心 | Microsoft 365、Slack、Twitterなど多様なクラウドサービス |
| 拡張性 | デスクトップの細かい操作やUI自動化に強み | ビジネスプロセス全体を自動化するスケーラビリティに優れる |
このように、Power Automate Desktopはデスクトップ作業を中心にした自動化に適しており、クラウド版は複数のサービスやシステムと連携した業務の一元管理に向いています。使い方や目的に応じて、どちらを選ぶか、あるいは組み合わせて活用するかを検討することが重要です。
Power Automate無料版でできること・できないこと

RPAツールの導入にはコストがかかるというイメージを持たれがちですが、MicrosoftのPower Automateは一部の機能を無料で利用することができます。特にPower Automate Desktopは、個人利用から中小企業まで幅広く活用されており、費用をかけずに業務自動化を始めたい方にとって魅力的な選択肢です。
ここでは、無料版の対象やインストール条件、実際に無料でどこまで利用できるのかを探っていきましょう。
無料版の対象とインストール条件
Power Automate Desktopは、Windows 10以降のOSを利用しているユーザーであれば、追加費用なしでインストール・利用が可能です
Microsoftアカウントを持っていれば誰でも公式サイトからソフトをダウンロードでき、個人利用や業務利用に関係なく基本的な自動化機能を無料で試すことができます。
無料で利用できるのはあくまでPower Automate Desktop単体の機能であり、クラウドとの自動連携やスケジュール実行など一部の高度な機能は対象外です。また、90日間有効な「無料試用版」も用意されているので有料版を試してみたい人は、「無料試用版」を利用してみましょう。
無料版でできること
Power Automate Desktopの無料版でも、日常業務を効率化するための基本的な機能はしっかり備わっています。プログラミングの知識がなくても、直感的な操作でフローを作成し、自動化を実現できます。
無料版で可能なことには以下のようなものがあります。
- Excelファイルの読み込みや書き込みを自動化
- フォルダ内のファイルを自動でコピー・移動・リネーム
- Webブラウザ上でのクリックや入力などを再現
- 指定された条件に基づき、メールを自動で分類・送信
- 単純な定型業務をPC操作で記録・再生しながら自動化
機能を活用することで、反復作業や時間のかかる手作業を削減し、業務効率を大きく向上させることが可能です。無料版であっても、社内のちょっとした業務改善には十分対応できる性能を備えています。
またデータの抽出に関してはExcelでもできます。詳細を知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
無料版でできないこと
一方で、無料版では一部の高度な機能やビジネス向け連携は制限されています。より大規模な業務自動化やクラウド連携が必要な場合には、有料版の導入が検討されることが一般的です。
無料版で対応できないことには以下の通りです。
- クラウド上でのスケジュール実行
- Power Automateクラウドフローとの連携
- Salesforceやkintoneなどのプレミアムコネクタ
- APIを利用した外部システムとの高度な連携
- Power Automate Desktopのフローを自動で起動する仕組み
機能は、Power Automate Premiumなどの有料ライセンスを契約することで利用可能になります。業務規模が大きくなり、外部システムとの連携やフローの自動実行が必要になった場合には、有料版への切り替えを検討するタイミングとなります。無料版はあくまで入門や簡易的な自動化に適した位置づけであることを理解しておくと良いでしょう。
Power Automate無料版・有料版との違い

Power Automateは無料で使える範囲が広く、個人利用や簡単な業務自動化には十分対応できます。しかし、より高度な機能やクラウドサービスとの連携、自動実行の仕組みなどを利用するには、有料プランの契約が必要です。
以下の表に、無料版と有料版の主な違いを比較しました。
| 項目 | 無料版(Power Automate Desktop) | 有料版(Power Automate Premium など) |
|---|---|---|
| 利用料金 | 無料(Windows 10/11ユーザー) | 月額2,248円〜(ユーザー単位など) |
| 自動実行機能 | 手動実行のみ | スケジュール・イベントによる自動実行が可能 |
| プレミアムコネクタ | 利用不可 | Salesforce、kintoneなどと連携可能 |
| API連携 | 一部制限あり | 外部サービスとのREST API連携が可能 |
| クラウドフローの作成 | 一部可能(条件あり) | 制限なく作成・実行可能 |
| 技術サポート | なし | Microsoftの技術サポート付き |
| コンプライアンス・管理機能 | 非対応 | 組織単位の管理・監査機能が利用可能 |
| 商用利用 | 可能(ただし制限あり) | 大規模環境・商用利用に最適化 |
業務規模の拡大や自動化の高度化に応じて、段階的に有料版へ移行することで、より柔軟かつ強力な業務効率化が可能となります。まずは無料で試し、必要に応じて有料プランを検討するのが現実的なステップといえるでしょう。
Power Automate無料版の導入手順

Power Automate Desktopの無料版は、Windows 10または11のユーザーであれば、誰でも追加費用なしで利用を開始できます。導入は非常にシンプルで、特別な技術的知識がなくても問題ありません。
以下に、初めて使う方向けにインストールから初期設定までの流れを整理しました。
- Microsoftアカウントを用意する
- Microsoft公式サイトからPower Automate Desktopをダウンロードする
- ダウンロードしたインストーラを実行してインストールを完了させる
- Power Automate Desktopを起動する
- Microsoftアカウントでサインインする
- 初回起動時に表示されるガイドに従って初期設定を行う
- 操作画面から新しいフローを作成し、テンプレートまたは手動で作業を登録する
すぐにPower Automate Desktopの基本的な自動化フローを作成し始めることができます。最初は公式テンプレートや簡単な操作記録から始めるのが安心です。
特に初心者の方は、まず1つでも動作する自動化フローを作ることで、ツールの感覚をつかみやすくなります。
必要に応じてチュートリアルや公式ドキュメントを参照すると、さらに理解が深まるでしょう。
Power Automate おすすめ研修5選

Power Automateは業務自動化に非常に有効なツールですが、操作範囲が広いため、最初の一歩でつまずく方も少なくありません。そうした課題を解決する手段の一つが、専門機関が開催するセミナーの受講です。
操作画面の見方やフローの作成手順を実演付きで学べる講座も多く、初学者から実務レベルを目指す方まで、自分の目的や理解度に合わせて選択できます。
以下に、主要なセミナーを比整理しました。
| セミナー名 | 運営元 | 内容概要 | 料金 | 形式 |
|---|---|---|---|---|
| Power Automate研修 | インソース | フロー作成の基本、Teams・SharePoint連携、業務シナリオに基づく演習 | 有料 | 対面/オンライン(講師派遣あり) |
| Power Automate for Desktop体験セミナー | ヒューマンリソシア | Power Automate Desktopの導入方法、画面操作の記録、自動化体験 | 無料 | オンライン(Zoom) |
| Power Automate入門セミナー | IIMヒューマンソリューション | Outlook・Teamsとの連携、自動化の基本概念、無料/有料版の違い解説 | 無料 | オンライン(リアルタイム) |
| Power Automate講座(入門〜応用) | 大塚商会 | 基本操作から条件分岐・データ取得まで段階別講座を用意 | 有料 | オンライン中心(対面講座あり) |
| RPAオンラインワークショップ | Microsoft | UI操作、フロー構築、Power Automate Desktopとクラウド連携を網羅 | 無料 | オンライン学習(Microsoft Learn) |
このように、セミナーごとに扱う内容や学習形式、料金体系が異なるため、自身のスキルや業務ニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
インソース Power Automate研修
Power Automateの基本操作から、Microsoft 365と連携した実務的なフロー構築まで幅広く学べるのが、インソースが提供するPower Automate研修です。
TeamsやSharePoint、Outlookなどのクラウドサービスと自動化フローを組み合わせる演習が含まれており、職場での業務改善に直結する内容となっています。講義だけでなく手を動かす演習も多く、初めての方でもしっかり理解を深められます。カスタマイズ対応や社内研修にも柔軟に対応しているため、企業単位で導入する際にも適した講座です。
ヒューマンリソシア Power Automate for Desktop体験セミナー
「RPAが初めてで、Power Automateがどんなものか体験してみたい」──そんな方に最適なのが、ヒューマンリソシアが提供するPower Automate for Desktop体験セミナーです。
わずか90分で、インストールから基本的なフローの記録・実行までを一通り試せるコンパクトな構成が魅力です。無料で気軽に参加できるため、まずは実際に動かしてみたいという方にうってつけ。今後本格的な導入を検討している企業担当者の「お試し参加」にもおすすめです。
IIMヒューマンソリューション Power Automate入門セミナ
IIMヒューマンソリューションが実施するPower Automate入門セミナーは、Microsoft 365の利活用をさらに進めたい方に最適です。
OutlookやTeams、Formsなど、日常的に使っているクラウドサービスとPower Automateを連携させ、通知や承認、データ連携などを自動化する実用的な内容が学べます。無料ながらリアルタイムで講師に質問できる構成になっており、疑問をその場で解消しながら学べるのも大きなメリットです。社内展開前の基礎固めとしても有効です。
大塚商会 Power Automate講座
大塚商会のPower Automate講座は、初めて触れる方から応用レベルを目指す方まで、段階別に講座が設計されています。
入門編ではPower Automate Desktopの画面操作や基本的な自動化処理を丁寧に解説。応用編では条件分岐やデータ取得、クラウドサービスとの連携方法など、より実務的なフロー設計に踏み込んだ内容を学ぶことができます。実務担当者として本格的に自動化を推進したい方、継続的にスキルを高めたい方におすすめの構成です。
Microsoft公式 RPAワークショップ
時間や場所にとらわれず、自分のペースでPower Automateを学びたい方には、Microsoft公式のオンラインラーニングパス「RPAワークショップ」がおすすめです。
Power Automate Desktopの基本操作から、クラウドフローとの統合、実用的なビジネスシナリオまで体系的に学習でき、操作ガイド付きの実習も含まれています。無料で学べるうえ、いつでも繰り返し復習できるため、時間の確保が難しい社会人や忙しい業務担当者にも適しています。スキルアップの土台作りに最適です。
まずはPower Automateを無料版で始めてみよう
Power Automateは、無料で利用できる範囲でも十分な自動化機能を備えており、初めてRPAに取り組む方にとって最適なツールです。日常業務の効率化から始め、必要に応じて有料版へのステップアップも可能です。
まずは無料版で実際に手を動かし、自社に合った活用方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
業務改善の第一歩として、Power Automateは大きな力となるはずです。