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【2024】マシニングセンタとは?種類や加工の手順・導入時の注意点を詳しく紹介!

自動車部品加工や金属加工など、高精度な自動加工が可能なマシニングセンタはさまざまな業界への導入が進んでいます。その一方で自社に実際に導入しようと思っても、取り組み方が分からずにお困りの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事ではマシニングセンタを詳しく解説し、種類や導入のメリット、加工の手順を紹介します。

マシニングセンタと工作機械

マシニングセンタとは

最初にマシニングセンタと工作機械について解説していきます。

マシニングセンタとは?

マシニングセンタとは、自動工具交換装置(ATC)を搭載した工作機械です。
ATCのついていない切削加工機のことは、NC加工機、NC工作機械、などと呼びます。NCデータに従って工具交換や切削加工、旋削加工、穴加工など多彩な加工指示に従って加工します。

工作機械とは?

工作機械とは、切削加工機、旋削加工機などの加工機の総称です。NC工作機械やマシニングセンタもこれに含まれます。
NC工作機械やマシニングセンタを稼働させるには、NCデータが必要です。

NCデータとは?

NCデータとは、機械用に動作指示が記載されたGコードとも呼ばれる文字情報のデータです。
NCデータは、ルールを元に手入力でも物理的には作成可能ですが、ある程度複雑な加工をする場合には膨大な長さになるため、通常はCAD/CAMを使用して作成します。

切削加工・旋削加工・穴加工とは?

ここでは工作機械の加工方法である切削加工、旋削加工、穴加工について詳しく解説していきます。

切削加工とは?

切削加工とは、工具を回転させて材料を削る加工です。
XYZの移動軸を基本にして、工具を取り付ける主軸方向をZ軸とします。

フライス加工やミーリング加工とも呼ばれます。

旋削加工とは?

旋削加工とは、高速回転させた円筒の材料に対して工具を押し当てて削る加工です。
XZの平面の移動軸を基本にして、Z軸が材料の回転軸、工具はX方向に向けて取り付けてあるのが通常です。

ただし、回転軸の中心への穴加工や内側加工をする場合にはZ方向に工具を向けます。材料を高速回転して削るため、非常に高い精度で加工することが可能です。

Y軸をなくした平面で考えられるので、3軸ある切削加工よりも「単純」「簡単」と言われることもあります。

穴加工とは?

穴加工とは、工具または材料を回転させて材料を削る加工です。
XYZの移動軸を基本にして、工具を取り付ける主軸方向をZ軸とします。

切削加工と同様の動作軸で加工できるので、切削加工に含むこともあります。

移動軸と回転軸とは?

マシニングセンタ導入のメリット

移動軸はXYZ、回転軸はABCとしており、X軸方向の回転軸を持つ場合はA軸とし、Y軸方向の回転軸を持つ場合はB軸とし、Z軸方向の回転軸を持つ場合はC軸としています。この回転軸を持つ工作機械では、回転角度を指定して動作させることができます。

C軸の回転は、工具を取り付ける主軸回転と同じ方向ですが、主軸回転は回転の有無しか指定できないので、C軸の回転は別の動作として扱います。

この回転軸を持つことによって、多面加工や同時4軸/5軸の加工が可能となります。
回転軸を動作させながら切削できる工作機械を4軸加工機、5軸加工機と呼び、回転軸を止めないと削れない機械は多面加工機や割り出し加工機と呼び、3+1軸、3+2軸と呼ばれることもあります。
ただし、同時5軸で加工するには、先端点制御の機能が必須です。

マシニングセンタの種類

ここからはマシニングセンタの種類と特徴を稼働軸の数の少ない加工機から順番に解説していきます。

マシニングセンタの種類①立型加工機(3軸)

立型加工機は、オーソドックスなマシニングセンタです。

主軸側がXY方向に動くものとテーブル側がXY方向に動くものがあり、テーブル側が動作する方が主軸の剛性を保てるが、テーブルの稼働分だけマシン自体のサイズが大きくなります。

マシニングセンタの種類②多面加工機

マシニングセンタの多面加工機には、さまざまな種類があり、それぞれが異なる用途や加工ニーズに対応しています。以下に、主な多面加工機の種類とその特徴を紹介します。

横型加工機(3+1軸)

横型加工機は、材料+テーブルに重量がある想定で作られており、B軸が回転します。
Z軸(主軸方向)の稼働は、テーブル側と主軸側となり、どちらなのかは機械によります。

4面取付治具を用いて複数の材料を各面に固定して加工する場合と、中ぐり盤のように一品の大物に対して多面加工する場合とがあります。

門型加工機/5面加工機(3+2軸)

門型加工機は5面加工機ともばれ、材料+テーブルに重量がある想定で作られており、AとCの回転軸はどちらも主軸側にあります

上面を加工するにはZ方向に工具を取り付けて立型のように加工します。アングルヘッドを用いると、A軸を90°持ち上げた方向に工具を取り付けられるので、材料の側面を工具の底面で面削り加工ができます。そのアングルヘッドに取り付けられた工具が加工する方向は、C軸の回転角度によって決定します。

上面でも側面でもない傾いた面や穴を加工するには、ユニバーサルヘッドを必要とし、A軸とC軸の回転角度によって多様な方向の面や穴に対して加工が可能となります。

移動軸については、テーブル側(ベッド側)はX軸の一方向のみに稼働し、主軸側は門の上部のレールなりにY軸、主軸方向にZ軸が稼働します。

Z軸の方向にさらに深く工具をおろして削る動作や、門ごと下げて低い位置を削る動作など、W軸の可動範囲を持つ機械もあります。

マシニングセンタの種類③5軸加工機

5軸加工機とは、主に同時5軸の機械で、割り出し加工も可能です。

テーブル側、主軸側、どちらに回転軸を付けるか、機械メーカー側で想定する加工材料の重さや大きさ、加工範囲によって決めております。各特徴は以下の通りです。

テーブル側に回転軸を持つ加工機

テーブル側に回転軸を持つ加工機は、主軸の剛性があるので切削速度を上げても振動しにくい特徴があります。

主軸側に回転軸を持つ加工機

主軸側に回転軸を持つ加工機は、重量のある材料を振り回すような動きにならないので安心して加工できるが、主軸を振り回すことになるので無理な角度の工程には注意が必要となります。

5軸加工機の大きなメリットは、中途半端な角度の割り出し加工もできることでしょう。扱う材料や製品のタイプによって向き不向きがあり、高価でもあるので、目的を持って慎重に選定すべきマシニングセンタでもあります。

また、機械側に先端点制御の機能の搭載を必須とし、同時5軸対応CAMを扱えることを必須としております。なお、マシンシミュレーションも確認できる環境があることが好ましいでしょう。

マシニングセンタの種類④複合旋盤加工機

複合旋盤加工機とは、ターニング(旋削)とミーリング(フライス加工)一体化したものです。

円筒型の加工材料を扱う加工機で、旋盤加工と切削加工を組み合わせることができるため、どんな複雑なものでも加工できるポテンシャルを持ちます。

タレットと主軸を両方持つため、加工時間の短縮や精密で複雑な量産加工が得意です。
なお、実現するためには対応しているCAMが必須となります。

マシニングセンタを使った加工の手順

マシニングセンタを使って加工する手順は以下の通りです。

  1. 3Dモデルデータを用意
  2. 3DCAMにて3Dモデルデータを元にツールパスを作成
  3. 3DCAM上でポストプロセッサ変換により、NCデータを出力
  4. マシニングセンタに工具と材料をセット
  5. マシニングセンタにNCデータを読み込ませ加工開始

この手順の内、②~⑤の工程をほぼ自動になるようアシストするマシニングセンタが2024年6月に新発売されましたので以下で紹介いたします。

自動にアシスト機能が付いたマシニングセンタ「TAKMill」

おすすめのマシニングセンタ

前述のように製品により使用するマシニングセンタも異なり、生産が多様化されれば幅広い知識やスキルも必要とされるので、思うような生産ができない場合もあります。

そこでおすすめのマシニングセンタが、株式会社岩間工業所が開発し新発売しているライトユーザー向けマシニングセンタ「TAKMill」です。

TAKMillは工作機械の難しい操作性を簡素化し、初心者でも熟練者並みの高精度な加工を可能にしています。

加工プログラムの構築に関しても、Autodesk社のCAMソフトである「Autodesk Fusion」のAPI機能を利用し、機械側に効率的にデータ出力できる仕組み搭載しております。

さらにポリゴンデータ加工に特化したC&Gシステムズ社製の3DCAM「CraftMiLL」との連携により、滑らかで美しい研削も可能です。

マシニングセンタ導入時の注意点

マシニングセンタ導入時の注意点

マシニングセンタを導入すれば自社の生産性を高めることができますが、効率的な導入・運営を行うためにもいくつかの点に注意しなければいけません。
ではマシニングセンタ導入時の注意点を紹介します。

注意点①費用対効果を十分検討する

マシニングセンタは数百万円程度で購入できる低価格のものから、1億円近くする高額製品まで使用目的や機能によって価格も異なります。したがって導入時には、マシニングセンタの導入目的や導入後の収益も検証するなど、費用対効果を見込んだうえでの導入を進めましょう。

導入後の費用対効果を得るためにも、導入後の生産で見込める利益やマシニングセンタにかかるランニングコストなどを算出し、そのうえで予算と相談しながら最適な機種を選択しなければいけません。

注意点②人材育成に手間がかかる

マシニングセンタを使いこなすためには工作機械に関する知識だけでなく、CADやCAMなどの設計・製図に関わる知識も必要です。したがってマシニングセンタ導入時には工作機械や設計・製図のソフトの取り扱いに精通した、ハイスキルな人材も必要とされています。

そしてそのような高い技術を持つ人材の育成には、手間がかかるのも注意点の1つです。
企業ができる具体的な解決策として現場でのOJT教育の徹底や、マシニングセンタの専門資格である「マシニングセンタオペレータ(機械加工技能士)」の取得を進めるのもおすすめです。

尚この資格は難易度やスキルによって、特級・1級・2級・3級に分類されています。

注意点③導入の意図を明確にする

マシニングセンタを導入する際には、導入の意図も明確にしましょう。具体的に導入によりどのような製品を生産し、どれくらいの収益を確保したいのかなどの目的を明確にしなければ、導入による成果を得ることはできません。

一方で導入による具体的な意図や施策を事前に練っておけば、導入すべきマシニングセンタの機種や今後の生産計画も具体化され、収益化へのスキームも明確になります。

マシニングセンタの導入で作業効率化を図ろう!

本記事ではマシニングセンタを詳しく解説し、種類や加工の手順、導入時の注意点を紹介いたしました。
自社の生産にマシニングセンタを導入すれば、労力の軽減化による人件費の削減や品質の安定化など、さまざまなメリットを得ることができるでしょう。

今後自社の生産にマシニングセンタを導入する際には、本記事を参考にして効率的な導入を行い、十分な成果をあげてください。

TAKMillの詳細はこちら

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