建築CAD検定は、就職や転職、キャリアアップの役に立つ建築向けのCAD資格です。
しかし、本当に自分向けなのかわからない、どの級を受けるべきか選べないとお悩みの人もいるでしょう。
そこでこの記事では、2026年最新版の建築CAD検定スケジュールや、難易度、合格率をわかりやすくまとめました。また、おすすめの級や意味ないと言われている誤解についても紹介しているので、試験の申し込みの準備としてチェックしてみてください。
建築CAD検定とは?

建築CAD検定とは、建築図面をCADソフトで正確に作成できるかを評価する実技試験です。
一般社団法人 全国建築CAD連盟(AACL)で実施されている資格試験であり、次のような場所で広く採用されています。
- 建設会社
- 設計事務所
- 職業訓練校
- 建築系の学校
なお建築CAD検定では学科試験を実施しておらず、平面図・詳細図・トレースなどを制限時間内に作成する実技試験で構成されています。建築学生はもちろん、すでに建築系の仕事をしている方や、建築系のCADオペレーターを目指している方におすすめの資格です。
国土交通省が定める国家資格ではなく民間資格になりますが、実務評価型の技能検定として教育機関がカリキュラムに組み込んでいます。
2026年の試験日程・申し込みスケジュール
2026年の建築CAD検定は、個人による一般受験、複数名による団体受験によって試験日程やスケジュールが変化します。
| 項目 | 4月 | 7月 | 10月 | 2027年1月 |
|---|---|---|---|---|
| 一般受験 | 〇 | × | 〇 | × |
| 団体受験 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 試験日 (日曜日) ※会場により異なる |
4月5日 4月12日 4月19日 4月26日 |
7月5日~ 7月19日 |
10月4日 10月11日 10月18日 10月25日 |
1月10日~ 1月24日 |
| 申込期間 | 2月2日~2月20日(団体は1月15~1月31日も) | 4月15~4月30日、5月1日~5月20日 | 8月3日~8月20日(団体は7月15~7月31日も) | 10月15~10月31日、11月1日~11月20日 |
| 合否の発表 | 6月中旬 | 8月下旬 | 12月中旬 | 3月中旬 |
出典:全国建築CAD連盟「2026年度試験日程(一般受験)」「2026年度試験日程(団体受験)」
7月と翌年1月の試験は団体のみ受験できるため、一般受験の場合は、4月と10月の年2回です。
試験は全国の指定会場で行われ、会場ごとに受験日が割り当てられます。
申し込み条件が個人と団体で異なるため、建築CAD検定を受験したい方は、必ず公式HPもチェックしてください。
建築CAD検定の試験内容・過去問の傾向
建築CAD検定では、級に応じて次のような図面が出題されます。
| 級 | 出題内容 |
|---|---|
| 4級 | 単純なトレース(線・寸法・文字) |
| 3級 | 平面図のトレース |
| 2級・准2級 | 平面詳細図・建具・寸法 (準2級はトレースメイン) |
| 準1級 | 自分で構成する設計図 |
級が上がるにつれて、自分で考えて作図する問題が増えていきます。
また、作図する図面の種類も増えるため、事前準備とCAD知識の理解が欠かせません。
建築CAD検定の受験費用
建築CAD検定の受験費用は、級が高くなるごとに金額も増えていきます。
| 級 | 一般受験の受験料 (税込) |
団体受験の受験料 (税込) |
|---|---|---|
| 4級 | 受験不可 | 3,500円 |
| 3級 | 11,500円 | 11,000円 |
| 准2級 | 12,000円 | 11,500円 |
| 2級 | 12,500円 | 12,000円 |
| 準1級 | 15,500円 | 15,000円 |
出典:全国建築CAD連盟「実施要項(一般受験)」「実施要項(団体受験)」
団体受験のほうが、一般受験よりも500円安く受験できます。
企業で受験したい場合などは、費用を抑えやすい団体受験を選ぶのが最適です。
建築CAD検定の級別難易度と合格率

建築CAD検定は「どの級を受けるか」で難易度が異なります。
ここでは、級別に難易度の目安と公式HPで公開されている合格率の傾向を整理しました。
| 級 | 直近の合格率 (2024年公開) |
難易度 |
|---|---|---|
| 4級 | 89.9% | 超入門(学生向け) |
| 3級 | 72.2% | 初心者向け |
| 2級・准2級 | 60.1%(准2級は58.9%) | 実務者の標準レベル |
| 準1級 | 19.2% | プロレベルの難関 |
出典:全国建築CAD連盟「統計資料」
准1級(プロレベル)
准1級の合格率は0%の年がある一方、30%以上になる年もあるなど、年ごとに合格者にバラつきが出やすい上級者向けの建築CAD検定です。
平均の合格率は約10~20%であり、実務経験が豊富な人だけが通る設計になっています。
そのため、すでに2級や准2級を取得している人が、次のレベルを目指すために取得したい資格です。
自分で図面を構成しながら作図できるかを問う試験で、単なるトレースでは通用しないので、徹底した検定対策が欠かせません。
2級・准2級(実務レベル)
2級および准2級は、合格率が約50~60%と比較的通過率の高い建築CAD検定です。
過年度から合格率が安定しているため、建築CADの基礎と一定の実務経験があれば、比較的合格しやすい級だと言えます。
なお、2級では受験者自らが作図の判断をしなければならない一方、准2級は指定されている寸法に合わせてトレースする実技試験です。
| 級 | 准2級 | 2級 |
|---|---|---|
| 作図 | トレース中心 | 自分で判断して作図 |
| 実務評価 | 補助レベル | 即戦力レベル |
| 就職評価 | △ | 〇 |
建築CADの知識や経験がない未経験は准2級、一定の建築CADスキルがある人は2級にチャレンジするのがおすすめです。
(参考:全国建築CAD連盟「准2級試験のご案内」)
また、建築CAD検定2級について興味をお持ちの方は、以下の記事もチェックしてみてください。
3級(初心者向け)
建築CAD検定の3級は、CAD初心者や学生向けの入門資格です。
2024年の合格率は72.2%であり、過去20年を見てもほぼ70%前後で推移しています。
試験内容は図面のトレースやレイヤー操作など、CADの基本が主です。
建築の知識がなくても合格できる試験構成であるため、未経験からの転職希望者やCADオペレーターを目指している方に適しています。
4級(高校・団体専用)
建築CAD検定の4級は、高校や専門学校などの団体受験専用の資格試験です。
合格率は毎年約90%前後と非常に高いため、超初心者向けの資格だと言えます。
なお、CAD操作に慣れることが目的の試験であるため、就職での評価対象になることはほぼありません。「趣味として取得したい」「将来のために建築CADの触りの部分を理解したい」という方におすすめです。
建築CAD検定はどれを受けるべき?
建築CAD検定は、どの級も受験資格がないため、自由に級を選べる選択型の試験です。
そのため、受験を希望する方は、自分でどの級を取得したいかを選ばなければなりません。
ここでは、以下に示す3つの条件や目的をもとに、建築CAD検定のおすすめの級を紹介します。
- 建築学生は4~3級
- 施工管理・設計補助を目指す人は2級
- 未経験からCADオペレーターを目指す人は3~2級
建築学生は4~3級がおすすめ
建築学生は、まず4級か3級から始めましょう。
建築学生の多くは、建築の知識はあってもCAD操作に慣れていない状態の人が多いため、基本知識やトレース問題を問われる簡単な建築CAD検定にチャレンジし、少しずつ上げていくのがおすすめです。
いきなり2級を狙うと操作スピード不足で不合格になるリスクが高いほか、挫折しやすいため、合格率が高い4級か3級を選んでみてはいかがでしょうか。
施工管理・設計補助を目指す人は2級がおすすめ
すでに建築系の実務経験がある方は、最低でも2級が評価ラインです。
施工管理や設計補助では、次のような実務レベルのCAD操作が求められます。
- 図面の修正
- 寸法・建具の反映
- 施工図や詳細図の読み取り
建築CAD検定の3級は初心者向けですが、2級には「自分で考えながら作図をする」といった試験問題もあるため、実務でも評価されやすくなります。難易度はやや高めですが、参考書なども豊富に販売されているため、独学をしたうえで受験してみてください。
未経験からCADオペレーターを目指す人は3~2級がおすすめ
別業種など、まったくの未経験からCADオペレーターを目指す人は、初心者向けの3級、もしくは実務評価につながる2級を取得するのがおすすめです。
たとえば、未経験OKといった求人であれば、建築CAD検定の3級でも評価されます。
一方で、実務経験者を優遇する求人の場合には2級取得のほうが有利です。
未経験×資格なしの状態で転職をするのはリスキーであるため、まずは3級か2級のどちらかを取得してみてください。
また、CADオペレーターを目指したい方は、以下の記事で年収事情を紹介しています。
建築CAD検定で使用できるソフト(AutoCAD・Jw_cad)

建築CAD検定では、実務で使われているCADソフトをそのまま使用して試験を受けられるのが特徴です。対応ソフトは以下の通りです。
| おすすめの人 | 主なCADソフト |
|---|---|
| 小規模企業に勤める(勤めたい)人 | Jw_cad |
| 中~大規模企業に勤める(勤めたい)人 | AutoCAD、Vectorworks、DRA-CAD |
参考:全国建築CAD連盟「受験可能なCADソフト」
これから就職・転職を考えている方は、上記の条件にあてはまるCADソフトを導入したうえで建築CAD検定の準備を始めるのがおすすめです。対して、すでに建築系の会社に勤めている方は、自身が現在使用しているCADソフトをベースに学習を進めましょう。
なお、上記のCADソフト以外の使用については、全国建築CAD連盟に問い合わせをして確認しなければなりません。
また、CAD初心者の場合、そもそもCADソフトの操作や使い方がわからず、試験対策ができないという方もいるでしょう。それならまずは、特定のCADソフトの基礎知識、実務的な使い方を体系的に学べるセミナー講習に参加するのが最短ルートです。
Jw_cadのセミナー講習で建築CAD検定を対策する

Jw_cadは、日本の建築現場で活用されている無料2DCADソフトです。
特に小規模な工務店・施工管理・リフォーム会社で標準ツールとして使われています。
ただし、一般的なCADソフトと機能の配置構成や操作手順などが異なり、操作に慣れるのが難しい一面もあります。そのため、以下のセミナー講習を通じて正しい使い方と、建築CAD検定に必須の一連の操作の流れをマスターするのがおすすめです。
| セミナー名 | Jw_cad基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 27,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
AutoCADのセミナー講習で建築CAD検定を対策する

AutoCADは、世界的に標準となっている業務用CADソフトであり、建築設計・施工図・BIM連携まで幅広く使われています。ただし、AutoCADは機能数が多いため建築CAD検定で時間オーバーになりやすいのが特徴です。
そこでまずは、以下のセミナー講習で、AutoCADの全体像と、実務でよく使う機能を体系的に学びましょう。作図や修正、レイヤー設定まで建築CAD検定に必要なスキルを学べます。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
建築CAD検定は意味ない?
建築CAD検定について「意味ない」という口コミを見かけて、それが本当なのか不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、建築CAD検定が「意味ない」かどうかは、使い方次第です。
資格そのものに魔法のような効果があるわけではありませんが、建築業界でCADスキルを証明する手段としては十分に実務価値があります。
ここでは、誤解されやすいポイントを紹介します。
- 国家資格じゃないから意味がないという誤解
- 就職・転職に直接有利にならないという誤解
国家資格じゃないから意味がないという誤解
建築CAD検定は国家資格ではなく、一般社団法人 全国建築CAD連盟(AACL)が実施する民間資格です。ただし、知識などを図る資格試験とは違い、建築CAD検定は実技を問う試験であるため、学んだことが実務につながりやすいという魅力を持っています。
企業が求めているのは「資格」ではなく「今すぐ図面を扱える人かどうか」です。
その判断材料として、建築CAD検定が使われるケースもあるため、「国家資格ではないから意味ない」というのは誤解です。
就職・転職に直接有利にならないという誤解
「建築CAD検定を持っていても採用されない」という意見もありますが、これは建築CAD検定の2級未満しか持っていない人が実務を求める求人に応募して落ちるケースがあるからです。
たとえば、初心者向けの3級を取得した人が、即戦力の人材を求めている企業に応募しても、落とされることがあります。即戦力として働くためには、少なくとも2級が必要です。対して、未経験OKなどの企業であれば、3級でも十分に採用される可能性があります。
このように、希望する会社に合う建築CAD検定の級を間違えると「意味ない」という状況に陥ります。就職・転職先の企業が希望する人材像を間違えないためにも、級選びに注意してください。
建築CAD検定の勉強方法(最短合格ルート)

建築CAD検定に最短で合格したいなら、実技試験に最適化した練習方法を取ることが重要です。
試験対策の手順にお困りの方は、以下の流れを参考に、建築CAD検定を対策していきましょう。
- 基本操作を固める(理解する)
- 過去問を「時間を測って」解く
- ミス分析して再挑戦する(苦手を克服する)
まず重要なのが、CADソフトの基礎を学ぶことです。
書籍や建築CAD検定の対策本を購入して、専門用語や使い方を理解しましょう。
次に、全国建築CAD連盟で公開されている、過去の出題例のPDFを参考にしながら、実際に試験時間に合わせて図面を書いていきます。間違った部分や苦手な部分を意識して対策することで、徐々に高品質&ハイスピードな作図が可能となります。
建築CAD検定についてよくある質問
ここまで紹介してきた建築CAD検定について、よくある質問をFAQ形式で回答します。
建築CAD検定についてまとめ
建築CAD検定は、「建築図面をCADで作成できる」という実務スキルを証明できる数少ない資格です。
国家資格ではありませんが、3級~准2級は入門、2級は実務レベル、准1級は即戦力と評価が分かれています。進路や目的に合った級を選び、過去問と時間を意識した練習を行えば、就職・転職・スキルアップに十分活用できるため、この機会に試験対策をスタートしてみましょう。