レーザー切断機やガス切断機などのNC工作機械を使用する場合、切断する図面を作るCADソフトウェアが必要です。また、CADの図面データを、切断機用のNCデータに変換するCAMソフトが欠かせません。そのCADとCAMのプログラミングができるのが、小池酸素工業のKAPです。では、KAPには具体的にどのような特徴があるのかを解説していきます。
幅広い切断機に活用できるCAD/CAM自動プログラミングシステム
KAPは、小池酸素工業が開発した、切断機用の自動プログラミングソフトウェアです。レーザー、ガス、プラズマなど、幅広い切断機の開発を行ってきた小池酸素工業の技術が導入されています。プログラミングでは、高精度での仕上がりを考えたコーナーの処理や、製品の縁に角度を付ける開先加工など、様々な切断条件の反映が可能です。基本的にはプログラミングが主な機能ですが、それ以外にも生産や稼働、鋼材の管理システムと連携させられる機能があります。
ネスティング配置が容易となる様々な機能
KAPでの設計では、基本図形のパターンは全部で55種類内蔵されていますが、作成する形状は特に限定されません。使用する切断機の稼働範囲内であれば、基本図形を駆使しながら、必要な形状を自由に作成可能です。そして、シーケンス制御も自動化されているため、作業者の負担や作業時間が短く済みます。シーケンス制御には、切断ルート作成も含まれていて、切断機のトーチ部分の移動距離が最短で済むようなルートを作ってくれます。
切断機を使用する際にはまず、部材に切断線を配置するネスティングを行います。ただ、ネスティングではなるべく余剰スペースが出ないように、最大効率の配置を組まなければなりません。その作業を人が行う場合、作業の時間が長くなりやすいです。そこでKAPを使用すれば、その大変なネスティング配置はプログラムが自動で行ってくれます。人が作業する場合と比べて圧倒的に短い時間で配置が完了するため、時間ロスを大幅に削減可能です。
また、ネスティングで複数の製品を切り出す場合、製品同士を隣接させた配置にして、その間にある共通線を切るというテクニックがあります。KAPはその共通線切断にも対応していて、切断する回数を減らすことが可能です。本来、共通線切断を行うには、注意しなければならないことが数多くあるため、専門的な知識や配置に関する高い技術が必要です。けれど、KAPであれば少ない操作で、手軽に共通線切断に対応する配置を作成できます。
さらに、切断機には複数のトーチを同時に稼働させられるタイプがありますが、KAPではその経路の作成も可能です。それぞれのトーチが干渉しないことを考え、効率良く短時間での作業が終わらせられる経路です。また、人の手が加わった図面では、切断線が干渉する場合があります。その干渉のチェックも、KAPに搭載されている機能のひとつです。事前に異常を把握しやすくなるため、予定とは異なる製品に仕上がってしまうということを防げます。
管理システムとの連動による効率化
KAPを使用すると、多種多様な切断が実現できますが、どのような製品が求められるのかは、納品先によって異なります。その際には、KAPの生産管理システムとの連携機能が役に立ちます。納品先ごとの切断情報をデータとして保存していれば、改めて受注された時にも同じ条件での切断が容易となります。さらに、納品先のデータはそのまま実績のデータとしても扱えて、KAPでは帳簿形式のデータとして出力可能です。そうすることで、別のところで実績を集計し直すという負担がなくなります。
また、生産管理システムには、切断機に関する情報を管理できる機能もあります。切断機はそれぞれ、対応できる部材の幅や厚みが異なります。そのため、複数の切断機を使用するのであれば、それらに合わせた設定が必要となります。KAPはその切断機ごとの情報も保存しておけるので、プログラミング開始前の条件設定から、切断機に使用するNCデータの作成までの流れがスムーズに進むでしょう。さらに、切断機に関しては、稼働状況の情報も管理できます。切断機から送られてきたデータを元に、通常の切断状況の他、溝を彫るマーキング、早送りの情報などに分類されます。その情報を活用すれば、切断機のポテンシャルも把握しやすくなり、機能を最大限に活用できる可能性が高くなります。
生産管理システムで使用するKAPのデータは、基本的に汎用性の高いCSVデータ形式で出力されます。あくまでも文字や数字のみの情報だけを抽出できるため、他の表ソフトや計算ソフトにそのまま取り込めて、統計やマーケティングに活用することも可能です。
鋼材管理システムによる最適な歩留り
KAPでは、使用可能な部材の情報も管理可能です。どれくらいの部材が残っているか、それぞれの部材にはどのような特徴があるかといったことがひと通り把握できます。管理機能を活用すれば、歩留りが最適になるような部材選びが可能となります。切断機を使用する場合は、なるべく残材が出ないように工夫する必要があり、残材が少なければ少ないほど、良い歩留りということになります。KAPで行うネスティングでも、より良い歩留りを実現できるように切断線が配置されます。ただ、場合によってはネスティングではなく、部材選びで歩留りの良し悪しが決まることがあります。
最適な歩留まりを実現する場合は、最小限のスペースに、必要な分の切断線を配置することが望ましいです。部材が大きければ良いというわけではなく、時には小さい部材が適していることもあります。したがって、手元にある部材の中で、最適な大きさのものを選ぶことが大切です。KAPを使用して部材をひと通り管理していれば、その最適なサイズをピックアップすることも容易となります。
パッケージナビゲーションシステムとの連動が可能
切断機では、ネスティングの配置次第ではサイズの大きな残材が出ることがあります。その残材にまだ使えそうな部分が残っている場合、そのまま廃棄してしまうのはもったいないです。そのような時に活用できるのが、小池酸素工業のパッケージナビゲーションシステムです。残材をCCDカメラで撮影し、その上に収まるネスティングができるシステムで、特許技術であるナビゲーションカメラを取り付け、高精度でのネスティングを実現可能です。小さな製品を作る際に、新しい部材を用意せず、無駄になるはずの残材を活用することで、コストを抑えられます。KAPは、そのパッケージナビゲーションシステムでも、生産管理を担うことができます。KAPには自動で寸法を表示できる機能があるため、CCDカメラで撮影した残材の正確なサイズを把握した上でのネスティングが可能です。
小池酸素工業のナビゲーションシステムでは、残材はRF・ICタグによる管理が可能です。どのような部材から切り出した残材なのか、どのタイミングで製造されたのかといった情報を、データベース形式で保存する形です。KAPを使用すると、その残材に関する様々なデータを、パッケージナビゲーションシステムと連動させられます。そうすると、残材の厚みや質といったトレーサビリティ情報をシステムに正確に伝えることができ、残材加工時のトラブル発生を抑止しながら、高精度な切り出しに繋がります。
小池酸素工業の切断機を使うために欠かせないソフトウェア
KAPは、小池酸素工業の切断機を使うために必要なプログラミングを、短時間で済ませてくれるソフトウェアです。そして、プログラミングの他にも、効率的な切断を実現するための機能が数多く備わっています。場合によっては必須ではなく、オプション扱いとなることもありますが、導入すれば恩恵を受けられる可能性が高いです。
自動ネスティングができるおすすめのソフトウェア紹介
自動ネスティングが可能なおすすめのソフトウェアを紹介します。
平均5%の材料コスト削減!世界最高水準の自動ネスティングCAD/CAMソフトウェア「SigmaNEST」
自動ネスティングソフトウェアでおすすめなのが、日本国内の人気はもちろん世界中で好評を得ているSigmaTEK社の「SigmaNEST」です。
「SigmaNEST」は、自動ネスティングの性能に定評があり、最高の歩留まりによって材料コストを平均5%削減することができます。
また、幅広い加工機に対応しているのも特徴の一つです。
最高レベルの高歩留まりネスティング結果と材料の有効活用の実現はもちろん、見積り、生産、出荷など、あらゆる工程を一本化、且つあらゆる費用を削減できる、とにかく凄いソフトです。
- 材料コストを削減したい!
- 人的負担を減らしたい!
- 機械の稼働をより効率化したい!
- 基幹システムと連携したい!
- 複数の機械をワンシステム化したい!
こんな効率化を求めるなら、まずはこの自動ネスティングソフトを要チェック。
日本国内のサポート体制もしっかりしているので導入前の相談からアフター対応まで何かと心強く安心です!
初めて自動ネスティングを導入する方にもおすすめです。
一般のネスティングソフトとシグマネストの違いや配置パターン比較は、SigmaNESTの公式サイトにわかりやすくまとめられているのでおすすめです。最先端の自動ネスティングソフトウエアの概要をぜひご覧になってみてください。
