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【2026】Inventorは使いにくい?実際の活用事例もあわせて解説

今回は、3D機械設計用CADソフトである Autodesk Inventor(以下「Inventor」)について、「使いにくい」と言われる理由や実際の操作感、そして利点を整理して紹介します。
実務での導入を検討されている設計担当の方にとって、ソフト選定のヒントになる内容となっています。

Inventorとは?

Inventorとは
引用:Autodesk公式

Inventorは、米国のAutodesk社が開発・提供している3D機械設計・モデリング用ソフトウェアです。主に部品設計、アセンブリ、図面化、シミュレーションなど、製造業の設計工程で幅広く利用されています。

Inventorの特徴として、パラメトリックモデリング、アセンブリ設計、直接編集モデリング、2D図面生成、様々なCADフォーマットのインポート・エクスポート対応などがあります。
これらの機能により、製品開発の初期段階から製造準備まで一貫して扱える環境を提供しており、CADを中心とした設計業務を効率化することを目的としています。

ただし、こうした高機能であるがゆえに、「使いにくい」という声も散見されます。次章では、その理由を整理していきます。

Inventorが使いにくいと言われる理由

実際にネット上で「Inventor 使いにくい」「Inventor 難しい」といった声が挙がっており、その背景となる要素が複数指摘されています。以下では、主な理由を整理します。

理由①操作が複雑・マウスクリックが多い

一部ユーザーからは「操作にマウスクリックが多すぎる」「手間がかかる」というコメントがあります。例えば、フォーラムでは「Why does it require so many mouse clicks to perform.」(Inventorはなぜ操作にマウスクリックがこんなにも必要なのでしょうか。)
との記述があります。
引用:Autodesk Forums

このように操作フローが煩雑と感じるユーザーが一定数いますが、ある程度機能をおさえてしまえば設計者なら誰でもスムーズな操作が可能です。

理由②プロジェクト管理・ファイル構造がわかりづらい

初心者向け情報としても、「まずプロジェクトファイル(.ipj)を正しく設定しないと、後々データ管理が混乱する」場合があると指摘されています。
引用:Applied Software, GRAITEC Group

言い換えれば、設計データの保存・参照・リンク管理が他のソフトと比べてハードルが高いという印象がありますが、慣れれば問題ありません。

理由③動作が遅い・クラッシュが起きるという報告

フォーラムには「30 min.+ more if Inventor does not stop working.」(重すぎると30分くらいフリーズする時がある)と、ごく稀に動作パフォーマンスへの苦言があります。
引用:Autodesk Forums

高機能な分、設計データ・アセンブリが大規模化すると動作負荷が上がる傾向があるようですが、パソコンのスペックをきちんと確認したり、設計データの管理で改善することができます。
また、何社も関わっているような大規模なデータでない限り、キャド研のスタッフの元では非常にスムーズに動作しています。

理由④ワークフローが他ソフトと異なり馴染みにくい

他CADからの移行時に、操作感・設計プロセスの違いを理由に「使いにくい」と感じるケースがあるそうですが、そこはどんなCADソフトでも同じです。
逆にいうと、一度慣れてしまえば多機能なInventorからなかなか離れられなくなる良いメリットとなります。

使いにくいという声は海外ではあるようですが、日本では少数派のようです。

実際にInventorは使いにくい?

Inventorは使いにくい?

ここでは、先述の「使いにくい」とされる理由を、Inventorの機能・ワークフローと比較しながら検証します。結論としては、「状況によっては使いにくく感じるが、適切な運用設計・習熟があれば十分活用できる」というバランス感です。

比較①マウスクリック・操作数vs機能の豊富さ

確かに、Inventorでは多数のコマンド・オプションが用意されており、ショートカットキーやカスタマイズ設定を活用しないと「クリック数が多い」という印象を持たれやすいです。しかし一方で、アセンブリ設計、パラメトリックモデリング、直接編集、シミュレーションなどを一つの環境で統合できる点は強みです。
つまり、操作が複雑に感じるのは機能の豊かさゆえとも言えます。習熟することで効率的に操作できるようになるため、「使いにくさ」は初期ハードルと位置づけられます。

比較②プロジェクトファイル構成の複雑さvs管理の柔軟性

プロジェクトファイル(.ipj)などの設定を含む管理構造が分かりづらいという指摘があります。
しかしながら、正しく設定すればライブラリ管理、バージョン管理、リンク部品の更新などを効率的に行えます。つまり、初期設定を怠ると運用が混乱しますが、運用設計をしっかり行えば、管理面でむしろ優位となることがあります。

比較③動作パフォーマンスの課題vs高機能設計支援

実際、大規模アセンブリや複雑なシミュレーション処理ではPC性能・設定がボトルネックとなることがあります。
ただし、Inventor自身も安定性・大規模設計対応を改善し続けており、適切なハードウェア構成、サーバ連携、最新バージョンの活用、ファイルクリーンアップなどで改善可能です。結局、環境整備を行えば「使いにくい」は軽減されます。

比較④ワークフローの違いvs設計プロセス統合

他CADから移行する際に「ワークフローが変わって使いづらい」と感じるケースがあります。例えば、スケッチ/フィーチャー中心の操作体系を採る他ソフトに慣れている方にとっては、Inventorのアセンブリ構造・リンク部品・iLogic・AnyCADなどの概念は馴染みにくいかもしれません。
一方で、Inventorは製造設計プロセスを前提に作られており、部品→アセンブリ→図面→シミュレーションが統合された流れが構築されやすい点はメリットです。つまり、ワークフローを標準化して運用できれば、「使いにくい」から「効率的」に変わる可能性があります。

Inventorを使うメリット

Inventorを使うメリット
引用:Autodesk公式

使いにくいという声とは別の一方で、Inventorには明確なメリットが数多くあります。ここでは代表的なものをご紹介します。

強力な3D設計・製造支援機能

Inventorはパラメトリックモデリング、直接編集、シートメタル設計、構造設計、応力解析、アニメーション、分解図の生成など、製造設計に必要な機能を網羅しており、製品開発のライフサイクル全体を支援できる環境です。

AutoCADとの連携・多くのCADフォーマット対応

InventorはAutodeskのエコシステム内で動作するため、AutoCADとのデータ互換性が高く、DWG/DXFファイルの扱いや他CADからのステップファイルインポートなどもサポートされています。これにより、既存資産との連携も容易です。

拡張性・製造業特化の機能が充実

部品表(BOM)生成、製造用図面出力、自動化(iLogic)やモデルベース定義(MBD)など、製造設計から製造準備までの流れに沿った機能が揃っています。こうした特化性は、製造業における設計効率化を支える上で強みです。

トレーニング・コミュニティの充実

Autodesk Inventorは長年にわたって製造業界で使われており、オンラインフォーラム・公式トレーニング・ユーザーグループが充実しています。困ったときの情報を検索しやすい環境も、使い勝手を支える要素です。

Inventorを実際に使った人の活用事例

そこでここでは、Inventorを実際に使った人の声を紹介していきます。ここで実際のInventorの使いやすさをみてみましょう。

株式会社菊水製作所

株式会社菊水製作所の事例では、長年AutoCAD(2DCAD)を導入していたがこの機会Inventor(3DCAD)に変更したとのこと。

平面図から立体図に変わったことで、作業者も操作への理解がしやすくなり作業の効率化を図ることができたとのことです。
また、立体図になったことでお客さんの理解も深まり、営業にも役立っていると語っています。

参考:オートデスクユーザー事例

有限会社花田設計事務所

有限会社花田設計事務所の事例では、やはり自社では昔から2DCADを使っていて、なかなか抜け出せなかったそう。
ただ、代表を息子さんの花田義勝氏が引き継いでから、設計を3DCADに変えねばと思ってInventorを導入したとのことです。

やはり3D設計にしてから変わったのはお客さんの理解度・驚きで、3Dで設計してくれと依頼されるようになったとも語っています。

また、Inventorに変更してから他ソフトとの連携もしやすくなり、Plant 3DやNavisworks Manageでさらに使いやすく利用しているそうです。

参考:オートデスクユーザー事例

株式会社エコム

株式会社エコムの事例では、Inventorの含まれるパッケージ製品のPD&Mコレクションを導入しており、Inventorによって自動設計を実現させています。

また、Inventor CAMを利用することで加工作業のワークフローの無駄をなくしたり、保守管理の無駄も改善されて使用するソフトも減り、コストカットにも成功したとのことです。

大きなメリットとしてはPD&Mコレクションを導入しただけでさまざまな改善・向上に成功したので、手軽に挑戦できるフロー・コストカットとなったと語られています。

参考:オートデスクユーザー事例

Inventorは使いにくいのか?についてまとめ

本記事を通じて整理したとおり、「Inventorが使いにくい」とされる理由は主に操作の複雑さ、ワークフローの違いといった点にありますが一方で、その裏には豊富な機能・製造設計に特化した環境・連携性・コミュニティ・パフォーマンスの良さというメリットが存在します。

つまり、結論としては 「使いにくさを感じるかどうかは、導入時の設計・運用体制・習熟度によって大きく変わる」 と言えます。
他CADからの移行を考えている場合や、設計チームで統一運用を検討している場合には、事前にワークフローの整理・操作トレーニング・環境整備を行っておくことが成功の鍵です。

Inventorを「使いにくい」と感じるのは、導入前の体制・準備が揃っていないケースが多く、これらを揃えておくことで「使いやすく、強力な設計ツール」として活用できる可能性が高まります。ぜひ、自社の設計プロセス・リソース・運用スタイルに合わせて、適切な導入準備を進めてみてください。

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