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ジェネレーティブデザインとは?概要と対応ソフトを解説

最近CAD関連の記事を検索すると『ジェネレーティブデザイン』『トポロジー最適化』といった言葉を目にする機会が増えましたね。
そこで主要なCAD、CAEが提供している『ジェネレーティブデザイン』『トポロジー最適化』についてや対応しているソフトをまとめてみました。

まず「ジェネレーティブデザイン」とは?

ジェネレーティブデザイン機能のイメージ

ジェネレーティブデザインとは、設計のイメージをソフトに指示して自動生成で近未来的な設計デザインを作成することです。
さまざまな条件で作成できるデザインで、今まではできなかったような複雑なデザインや未来らしいデザインが設計できます。

しかしジェネレーティブデザインを実際の設計に取り込むのは非常に難しく、設計士のスキルが必要なのでジェネレーティブデザインが扱える設計士の需要はとても高いです。

ジェネレーティブデザインとトポロジー最適化の特徴

『ジェネレーティブデザイン』は、形状をコンピュータが自動的に生成することに対し、『トポロジー最適化』は、CAD上のある3Dモデルに対して最適化計算を行います

少し雑な言い方になるかもしれませんが、以下のように捉えることができます。

ジェネレーティブデザイン 未だ無いモノを作る。複数案の回答が提示される。
トポロジー最適化 今あるモデルを最適化・軽量化する。基本的に1対1の回答が提示される。

共通しているのは、コンピュータに3Dモデルを考えさせる、という点です。
では、ものづくり、特に設計において、どの段階で使われていくのでしょうか?

一般的な製品開発サイクル

一般的には、製造方法の検討段階や、詳細なエンジニアリング設計をする段階で、一般的なトポロジー最適化が使用されます。図のような完成した形状をさらに最適化していくようなイメージでしょうか。

理想の製品開発サイクル

対して、ジェネレーティブデザインでは、上図のようなコンピュータで計算された形状が数十個~数百個、自動的に生成されますコンセプトの段階でも、材質や応力、デザインの方向性を加味して利用することが可能です。

ジェネレーティブデザイン

どちらもコンピュータに計算させて3Dモデルを作成するので、使いどころが違うことを理解しておきましょう。
もちろん、ジェネレーティブデザインをトポロジー最適化の範囲で利用しても大丈夫です。

ジェネレーティブデザイン・トポロジー最適化が使えるソフト5選

Fusion 360 Solidworks Creo Parametric Altair Inspire solid Thinking ANSYS Mechanical
トポロジー最適化
(シェイプ最適化)
ジェネレーティブデザイン × ×
(Creo7.0に一部実装予定)
×
ラティス(格子)構造作成 ×
(3DXpert for SOLIDWORKS)

(19.1ではβ版)
CADデータエクスポート形式
※STL以外で特徴的なもの
スカルプトモード
(Tスプラインモード)
メッシュBREPボディ フリースタイルモデリング環境
(B-スプライン、ポリゴン、NURBS他)
PolyNURBS
対応OS Windows(64bit),Mac Windows Windows Windows Windows,Linux
その他 商用ライセンス 2018以降
Simulation Professional、
またはPremium
ansys spaceclaim上でリバースエンジニアリング

1. Autodesk Fusion(商用ライセンス)

Autodesk Fusion(商用ライセンス)

ジェネレーティブデザイン』という言葉を広めたのが、Autodesk Fusionと言っても良いと思います。

Autodesk Fusionのジェネレーティブデザインは、自然が進化する手法をデザインで模倣するものです。ソフトに軽量化や安全率の目標数値、材料や製造方法、を入力計算し、設計の代替案を生成します。

計算されたモデルは、スカルプトモードで編集可能なジオメトリに変換されます。
Brepモデルの為、解析計算もすぐに行うことが可能です。

Fusion 360の商用ライセンスに搭載されたジェネレーティブデザインの機能を使ってモデルを作成する方法

2. SOLIDWORKS( Simulation Professional、またはPremium)

SOLIDWORKS( Simulation Professional、またはPremium)

SOLIDWORKS のトポロジー最適化機能は、応力制約、固有値制約を用いて形状生成することができます。また、解析結果をメッシュボディーに直接出力できます。
メッシュ BREP ボディという形式で、簡単な編集も可能です。

また、3D Systemsが提供する3DXpert for SOLIDWORKSを利用することで、3Dプリントの為の内部ラティス構造を作成することが可能です。

3. PTC Creo Prametric

PTC Creo Prametric

PTCのトポロジー最適化計算は、結果形状がポリゴンではなく、B-repになるため、そのままの利用が可能です。

これまで最適化形状をそのまま製品に使うことは難しく、生成された形状を参考に、新たにモデリングを行うのが主流でしたが、Creoではいち早くB-rep形状への出力と、フリースタイルモデリング環境での素早い編集を可能にしました。

4. Altair Inspire | solidThinking

Altair Inspire | solidThinking

出典:altair

Altair Inspireは、HyperWorksを演算エンジンとして利用し、ジェネレーティブデザイン / トポロジー最適化 / ラピッドシミュレーションを提供しています。

最も長い歴史を持つソフトの1つで、構造特性に優れたコンセプトを素早く簡単に生成でき、コスト、開発時間、材料消費量、製品重量の削減につながります。最適化されたラティス構造を生成し、3Dプリンティング向けに.stl形式でエクスポートできます。

また、PolyNURBSフィットツールを使って、をジェネレティブデザイン結果にフィットするようCAD形状を作成可能です。

5. Ansys Mechanical

Ansys Mechanical-2
出典:ansys

ANSYS Mechanicalは、耐久性のある軽量なコンポーネントを設計するためのツールを提供します。目標を容易に定め、製造要件が満たされるようにコントロールし、材料の最小厚さを設定し、削除する部分を決めることができます。
計算結果はSTLデータとして出力でき、「ANSYS SpaceClaim」を利用し、3Dプリンティングまたは製造のためのCADデータとして活用することができます。また、複合材料部品、3Dプリンティングでしか作成できない部品、骨や生体組織をシミュレートすることが可能です。

ジェネレーティブデザインについてまとめ

今回はジェネレーティブデザインについてと対応のソフトについて解説しました。
ジェネレーティブデザインの需要はどんどん高まってきているので、設計士はいち早く取り入れると良い技術でしょう。
昨今、より身近になってきている『ジェネレーティブデザイン』、『トポロジー最適化』の技術をぜひこの機会に活用してみてはいかがでしょうか。

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