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【2024】DMMの3Dプリンター「PostPro 3D」とは?概要と導入事例をわかりやすく解説

こんにちは!Chisatoです。本日のtopicsは、合同会社DMM.comが開始した化学的表面処理機「PostPro 3D」による特殊表面処理サービスをご紹介します。

合同会社DMM.comのDMM.make 3Dプリント事業部は、化学的表面処理機「PostPro 3D」の日本総代理店である株式会社3D Printing Corporationの技術サポートの元、「PostPro 3D」による特殊表面処理サービスを2021年1月13日より開始しました。

PostPro 3D
PostPro 3D表面処理の加工例

DMMの3Dプリンター「PostPro 3D」の概要

PostPro3D

ここでは、PostPro 3Dの概要を記載しています。PostPro 3Dがどんな方におすすめで使用する際のメリットも解説します。

 PostPro 3Dの製品概要とメリットとは

3Dプリンターで製品を造形する場合、プリントの精度のバラツキが発生するため、表面状態が粗くなる課題があります。その場合、表面を研磨などで滑らかにする後工程のプロセスを手動で行っています。

3Dプリンターでの造形後の手作業での仕上げ工程は多くの時間を必要とするため、その作業は部品の製造コストを多く占めます。3Dプリンターで製品を造形後の後工程は、費用をかけずに、安全で品質を保てる方法で自動化させることが不可欠です。

このような課題を解決するために、これまで手作業で仕上げていた表面処理工程を完全自動化する製品「PostPro 3D」をAdditive Manufacturing Technologies(AMT社)が開発しました。一度に多くの部品を処理できるため、試作品に限らず、治工具や3Dプリント製品における最終製品の大量生産にも活躍が期待できます。

PostPro 3Dは下記のような課題で困っている方におすすめです。

 

  • 3Dプリントした製品を販売できるレベルの製品外観にしたいと思っている方
  • 3Dプリントした製品の表面のザラつきに不満があり改善したい方
  • 3Dプリントしたパーツの後加工工程を自動化してコストを削減したい方

 

AMT社はこれまで幅広い用途に応じた製品で多くのテストを重ねています。従来の表面仕上げ加工と比較すると、コストの削減とスピードを大幅に削減することを証明しています。

部品の精密さと正確性が重視される自動車業界や航空宇宙業界、医療機器分野などを中心に、あらゆる部品を製造できるようになりました。また、これまでに500万以上の部品を加工した実績があります。

PostPro 3Dでは表面加工にプッシュ技術と呼ばれる技術が活用されており、滑らかに仕上げることができます。またPostPro 3Dは完全に自動化されており、あらかじめパラメータ設定を行うことにより、短時間で滑らかな表面仕上げを可能にします。

サービス提供背景

現在、日本において3Dプリンタ―によるものづくりが広がりを見せていますが、熱溶解積層(FFF)方式やレーザー焼結方式等の3Dプリンタ―で造形したパーツに特有の表面のざらつきが原因で、塗装などに不適切であったり、手触りや見た目が重視される部品や最終製品への利用が困難であったりする場合があります。

今回の、DMM.make 3Dプリント事業部の「表面処理、後加工サービス」の「PostPro 3D」による化学的表面処理を利用することによって、個人の3Dプリンタ―ユーザーのお客様から企業のお客様までが、手軽に表面品質が向上した3Dプリント品を手に入れることができ、最終製品の製造や塗装等の応用の可能性を広げることを目的としています。

「表面処理、後加工サービス」内容

DMM.make 3Dプリント事業部による3Dプリント品の「表面処理、後加工サービス」は、AMT社の表面処理機「PostPro 3D」を使用して、DMM.makeの3Dプリントサービスで造形した製造物またはお客様が造形した製造物に対し、ご利用用途に合わせて最適な表面処理・後加工をご提案します。

表面処理
<左:表面処理前、右:PostPro 3Dで表面処理したパーツ(使用3Dプリンター:Markforged(熱溶解積層(FFF)方式)、材料:Onyx)>
表面処理したパーツ
<左:表面処理前、右:PostPro 3Dで表面処理したパーツ(使用3Dプリンター:Sinterit(粉末焼結積層造形(SLS)方式)、材料:PA12 Smooth)>

「PostPro 3D」について

「PostPro 3D」について

AMT社の「PostPro 3D」は、有機溶剤を使用した化学的処理によって、3Dプリンターで造形したパーツの表面を滑らかに仕上げる後加工機です。表面の見た目や手触りだけではなく、防水性、気密性、塗装性、機械特性などを向上させることができます。

 

  • 3Dプリンターで造形したパーツの表面の手触り・見た目を向上します。
  • 防水性、気密性、塗装性、機械特性などを向上します。
  • 熱溶解積層(FFF)方式、パウダーベッド方式(レーザー焼結方式、HP Multi Jet Fusion方式、高速焼結方式等)の3Dプリンタ―で造形したパーツに
  • 対応可能です。
  • 80種以上の熱可塑性樹脂を試験済みです。

 

表面を滑らかにし、防水性、気密性、塗装性、機械特性などを向上させる、化学的表面処理機「PostPro 3D」による特殊表面処理サービスに注目です!

DMM.makeの導入事例:PostPro 3Dで表面処理したパーツ

最後に、DMM.makeの導入事例を紹介しましょう。

PostPro3Dは、3Dプリントで造形した熱可塑性樹脂のパーツを自動化された表面処理技術によって滑らかな表面に仕上げます。 表面粗さは製品の外観にとても影響があり、手が触れる部分でもあるので滑らかにする必要があります。

PostPro 3Dのchemical vapor smoothing(化学的表面処理)の技術は、特殊な薬液でモデルの表面を溶かして処理を行っていきます。PostPro3Dによって処理されたパーツは、表面の粗さが Ra 1μm未満となり、出来上がりの寸法変化はほとんどありません。

また、造形物のザラつきが抑えられており、射出成形に匹敵する表面品質を得ることができます(Raは算平均粗さと言われ、表面の凹凸の寸法差を平均して示した数値です)。

本体の外形寸法(幅 x 奥行 x 高さ)は1826 x 1388 x 1380 mmで、本体の中に入れる600×400×400mmの大きいチャンバーに処理したい部品を入れていきます。処理時間はおよそ90〜120分で複数の部品を同時に処理することができます。

チャンバーに入る大きさであれば、複数パーツでも同時に処理することができ効率的です。一台で他のプロセスを必要とせずに最終用途に近い製品に表面状態を仕上げることができます。

処理工程としては、表面処理したい部品をチャンバーに吊るして固定していきます。制御された量の溶剤蒸気に部品をさらしていきます。

蒸気は部品上で凝縮し、部品表面が硬化します。一定の時間が経つと、機械が再び熱くなっていき、溶媒が再気化して、処理チャンバーから溶剤を抽出していきます。その後、パーツは処理チャンバー内で乾燥されることで、平滑化されたなめらかな表面が仕上がります。

PostPro 3Dは今までに80種以上の熱可塑性樹脂を試験済みであり、ナイロン(6、11、12)・難燃性ナイロン・炭素繊維や ガラス繊維を含むナイロン・TPU・TPE等の幅広い素材に対応しています。

また、FFF方式(熱溶解積層方式)・SLS方式(粉末焼結積層方式)・MJS方式(材料噴射方式)等で造形したパーツに幅広く対応しており、一度に多くの造形物の処理が可能です。

Before画像は未処理状態となっており、処理後はAfter画像のように黒味が増した状態で出来上がります。

未処理状態

処理後

まとめ

PostPro 3Dを用いて、3Dプリント造形後の表面処理プロセスを自動化することで多くのメリットがあります。  3Dプリント製造におけるリードタイムが短縮されるので、コスト削減にもつながります。

また、表面処理の品質も安定したものに保たれるため、どんな製品でも滑らかな表面状態を確保できます。PostPro 3Dは、新たな製造業の物作り製造技術として取り入れられています。

PostPro3D
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