三菱電機のレーザ加工機を稼働させるためには、専用のソフトウェアが必要です。
そして、二次元加工の際に用いるソフトウェアは、CamMagicLAです。三菱電機のレーザ加工機に合わせて作られたソフトウェアですが、具体的にどのような機能や強みがあるのかを解説していきます。
三菱電機のレーザ加工機の特徴
三菱電機のレーザ加工機は、高速での切断ができることが強みです。その強みを活かせるように、CAMシステムのCamMagicLAは、切断用プログラムを短時間で作れるようになっています。レーザ加工に必要なNCデータを、CADデータから素早く作成し、レーザ加工機を持て余すことがありません。レーザ加工機は、1枚の鋼板から複数の製品を切り出すネスティングが基本ですが、CamMagicLAにはワンクリックネスティングという機能が備わっていて、ネスティングのレイアウトを少ない操作で作ることができます。そして、ただ切断線を無造作に配置するのではなく、余る部分が少ない、歩留まりの良さを重視するレイアウトとなります。部材の鋼板を最大限に活用できるため、コストを抑えられる可能性が高いです。
レーザ加工機のプログラムを作る際、一般的にはまず図面データを読み込ませて、レーザ加工に最適な形にするために整理が必要です。そこからレーザの経路を設定し、部材の登録もしなければなりません。ワンクリックネスティングであれば、そのデータ入力から加工機用のデータ作成までの流れがスムーズに行えます。CADデータにあらかじめ材質や板厚などの情報が添付されていれば、それらの情報も図面と一緒に取り込みます。さらに、外周と内穴、ケガキ線も自動で判別可能なので、人が細かく指定する必要はありません。名前の通りほとんどの作業をワンクリックで行えて、必要な個数を入力するだけで済みます。
レーザの経路や切断部分の設定をプログラミングする際には、部材の質や板厚などを考えなければなりません。さらに、他の切断線と干渉しないことも考慮する必要があるため、プログラミングを行う人には充実した知識と高い技術力が求められます。しかしながら、CamMagicLAのワンクリックネスティングだと、その作業をソフトウェアが自動に進めてくれるため、扱う人に求められる要素はそう多くありません。したがって、レーザ加工に関するノウハウがあまりないような人でも、熟練者のようなプログラミングが用意できる可能性があります。
そのワンクリックネスティングを使用したレイアウトの作成は、同じ形状ばかりで揃えても問題ありませんし、複数の形状にも対応できます。そのため、同じ材質と板厚で、異なる製品をまとめて作成することも可能です。配置アルゴリズムが、歩留まりが最高になるように調整してくれます。もし、そのレイアウトに隙間があった場合は、別の形状をマウスで手軽に持って来て、そこに配置するということも可能です。形状はもちろん回転させられるため、他の製品の切断線とは重ならない工夫ができます。その上、使用する部材は定尺でなければならないというわけではありません。いびつな形状の端材にも対応可能で、材を最大効率で活用可能です。
レーザ加工機に合わせたプログラム作成
CamMagicLAでは、レーザ加工機に一方的にNCデータを送るだけではなく、加工機の情報をフィードバックできる機能が備わっています。加工機が蓄積した加工条件を、USBメモリあるいはLAN環境を用いてCamMagicLAにアップロードする形です。そのデータを元にピアシング加工の種類や径の大きさを自動で調整したり、切断の条件を切り替えたりできます。さらに、三菱電機がレーザ加工機用に用意しているリモートサービスを活用すると、加工機の実績を把握しやすくなります。実績は図面や部材ごとに確認可能なので、それを参考にしてより効率的なプログラム作成をすることも可能でしょう。
また、三菱電機のファイバーレーザ加工機と新しいタイプのCO2レーザ加工機には、F-CUTという高速加工法が備わっています。ビームの発振器と制御装置を高速で通信させることで、オンとオフを素早く切り替えられる技術です。それを活用すると、切断区間が終わった後にヘッドを停止させずに済み、高速での加工を維持できます。CamMagicLAには、そのF-CUTに対応したNCデータを作成できるオプションが用意されています。ヘッドが高速で動き続けるので作業の時間が短くなり、レーザに使用するエネルギー量も少なく済みます。
加工スケジュールを調整しやすい機能
CamMagicLAには、特定のレーザ加工機の動作をシミュレーションできる機能が備わっています。その機能を活用すると、加工が完了するまでの時間を高い精度で算出できます。誤差はおよそ10%程度なので、加工のスケジュールを調整しやすいです。その算出もネスティングと同じようにワンクリックで可能で、難しい操作は必要なくすぐに時間がわかります。さらに、その時間算出と並行して、作成したNCデータに異常がないかどうかを確認できます。そうすると、加工前の段階でエラーが判明するため、加工が始まってからのエラー発生を予防できます。無人環境下での加工時にエラーが発生し、確認した際に加工が完了していなかったという状況になりにくいです。したがって、加工スケジュールが狂ってしまうこともないでしょう。
干渉を回避できる経路の作成
レーザ加工では、加工済みの部材がヘッド部分に干渉してしまうリスクがあります。特に切り出す部分が大きければ、その一部が穴の内周部分に引っ掛かり、上部に大きく跳ね上がりやすいです。そうすると、跳ね上がった部分にヘッドがぶつかって、故障する恐れがあります。また、跳ね上がった部分を取り除かなければならなくなり、加工機を一時停止させる必要性が出てきます。さらに、干渉するリスクがあれば、安心して無人環境にはできないでしょう。
CamMagicLAでは、その干渉が発生しにくい経路を作成することができます。跳ね上がる可能性が高い部分は、あらかじめ細かくカットできるようなレイアウトにし、跳ね上がりそのものを防ぎます。そして、経路を工夫して、跳ね上がりそうな部分を避けることも可能です。跳ね上がるリスクが高い部分の加工をあらかじめ済ませておいて、それ以降はそこをヘッドが通らないようにすれば、万が一跳ね上がりがあったとしても、干渉はせずに済みます。その他にも、跳ね上がる部分を後回しにしたり、完全にカットするのではなく小さなジョイントで繋げることで跳ね上がりを抑えるなど、色々な工夫が可能です。ジョイントを残す場合は、最後に切り出す指定も当然できます。
加工以外の部分をサポートする機能もある
CamMagicLAでは、作成したネスティングデータを、部品ごとに色分けすることができます。そうすることで、ひとつの部材から複数の形状を切り出す際にも、いくつの部品があるのかが把握しやすく、仕分けも容易になります。また、色分け機能は図面データにもあり、径が同じ穴を同じ色にできます。そして、そのまままとめて径を変更することが可能で、ひとつずつ指定していく必要がありません。
また、レーザ加工では、切り出す際に穴を開けるピアシング加工がほぼ必須ですが、そのピアシングの線を一括で指定したり、実際に切断をする前に穴だけをまとめて開けておくといったことも可能です。そうすると、穴を開けた後で、レーザに使用するガスの性質を変え、熱のトラブルを避けたりコストを優先させたりといったことができます。
三菱電機のレーザ加工機を活かすソフトウェア
CamMagicLAは、三菱電機製のレーザ加工機の性能を活かせるソフトウェアです。そして、使用するために必要な技術力や知識は、そう多くはありません。したがって、導入してから早い段階で、機能を最大限に活用できる可能性が高いです。
自動ネスティングができるおすすめのソフトウェア紹介
自動ネスティングが可能なおすすめのソフトウェアを紹介します。
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また、幅広い加工機に対応しているのも特徴の一つです。
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初めて自動ネスティングを導入する方にもおすすめです。
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