様々な加工機を製造販売しているアマダは、レーザ加工機も取り扱っています。
そして、数あるレーザ加工機の中でも代表的なのがENSIS-AJシリーズで、省エネで稼働させられるのが特徴です。
ではそのENSIS-AJシリーズには、具体的にどのような特徴があるのかを解説していきます。
レーザー加工機とは
レーザー加工機とは、木材や鋼材・金属などをレーザーでカットする機械のことを言います。
レーザーカットなので、誰でも簡単に堅い素材をカットすることが可能です。
家庭用で使うレーザー加工機は「レーザーカッター」とも呼ばれます。
家庭でレーザーカットを試したいと言う方は、こちらの記事でレーザーカッターについて見てみてください。
アマダのレーザー加工機「ENSIS-AJシリーズ」とは
アマダのENSIS-AJシリーズは、エネルギー効率が高いファイバーレーザマシンです。
少ない電力で高い出力を実現できるため、電力コストが抑えられるのが強みです。
レーザダイオードの光を、光ファイバーによって収束する形で、構造は非常にシンプルです。
そのためメンテナンスも複雑になりにくいので、ランニングコストも安く済み全体的な省エネができます。
そして、ビームの質をコントロールできる機能が備わっているのが大きな特徴です。
素材の質や厚さに応じたビームの形状を作り出すことで、幅広い素材に対応可能です。
最大で25mm厚の金属まで切断でき、直線やカーブなど様々な形状にできます。
コントロールはコンピュータによって行われるため、人の手を加えずに済み、素材の厚みに応じてレンズを交換する必要もありません。
ビームコントロールは無段階なので、調整の際の誤差が少なく素材に最適な質のビームを作り出せます。
薄板の場合は、高い密度の細いビームを使用し、高速での加工を行います。
厚板が対象の時は、切りしろであるカーフ幅を太くします。
厚みのある素材だと、レーザの熱によって一部が溶け出ますが、太めのカーフ幅の隙間を活用しながらアシストガスによって吹き飛ばすことで、きれいな切断面を実現します。
アマダのENSIS-AJシリーズが実際にどんなものか一眼で知りたい方は、こちらに参考動画があります。
アマダのレーザー加工機のモデル特徴
ENSIS-AJシリーズには、出力の違うモデルが複数ありますが、その中で比較的高出力な6kWタイプと9kWタイプには、ビームの径と焦点位置を自動で決める機能が備わっています。
その機能が、ビームの質コントロール機能と合わさることで、射出部からある程度距離の離れた部分でも制御がしやすいです。
レーザ加工機には、ビームが放射状に広がってしまうため、射出部から離れた部分が必要以上にえぐられてしまうという問題が付きものです。
しかし、離れた部分までしっかりとビーム制御ができるENSIS-AJシリーズでは、そのような問題が起こりにくいです。
さらに、制御されたビームでは、切断や穴開けが短時間で済みます。
対応できる最大幅である25mm板でも、穴開けピアス加工は1秒で行えます。
ENSIS-AJシリーズで中厚の素材を加工する場合、ノズルから噴出させるアシストガスを用います。
そのノズルは特殊な形状になっていて、最適な角度や勢いでアシストガスを出すことができます。
適切な噴出が可能なので、アシストガスとして使用する窒素の消費量が少なく済み、省エネが実現できます。
また、オプションではエアコンプレッサーを用いた技術もあり、それを使用すればアシストガス代が不要となります。
アマダのレーザー加工機の特徴①省スペースな本体
ENSIS-AJシリーズでは、使用する発振器の小型化に成功しています。
従来のもののおよそ半分のサイズとなっていて、本体へのビルトイン仕様なので、スペースを取らずに済みます。
さらに、ENSIS-AJシリーズ本体は、使用する環境に合わせて、レイアウトを右出しと左出しから選択可能です。
オプションで自動化する場合も、そのレイアウトをベースにするため、無理のない配置にできます。
ENSIS-AJシリーズに合わせるために、別のラインを無理に変更させるということにはならないでしょう。
アマダのレーザー加工機の特徴②操作性の高い大画面タッチパネル
ENSIS-AJシリーズで使用されているソフトウェアでは、多種多様なCADデータをそのまま取り込むことができます。
そのデータを元に、加工に必要なモデルを作り上げられます。
立体図面として作成されたCADから、短時間で展開図が作成できるため、レーザ加工の工程へもスムーズに移行できます。
そして、ENSIS-AJシリーズには、そのソフトウェアを感覚的に操作できる、タッチパネル式の大画面が搭載されています。
スマートフォンに近い形で扱えて、視認性も高いため、滑らかな操作ができるでしょう。
アマダのレーザー加工機の特徴③豊富な自動化モデル
レーザ加工機は操作をせずに、長時間自動で加工作業をさせるという使い方が多いです。
そして、ENSIS-AJシリーズには、その自動化ができるように、様々なモデルが用意されています。
スタンダードなタイプは素材供給から製品の集積までを行う形で、薄板から厚板まで幅広く対応可能です。
部品のバラシと仕分けの作業も自動で行えて、工程が短時間で済みます。
さらに、次の工程に応じた仕分けもできるため、レーザ加工を含めた全体の作業がスムーズに進みやすいです。
そのスタンダードモデルでは、8時間の稼働が実現できます。
同じように8時間稼働ができるモデルには、加工パレットを自動交換できるものもあります。
パレットにはそれぞれ異なる素材をセット可能で、スケジュール通りに交換と加工を行えます。
パレットの数は標準だと10枚ですが、必要に応じて、オプション対応で12枚あるいは15枚に変更可能です。
また、8時間稼働かつパレットの自動交換をしながら、集積の作業も済ませられるタイプもあります。
その他にもマニプレーターを使って素材を1枚ずつ安定させながら供給させるモデルや、パレット棚を2つにすることで全体の加工可能時間を増やしながら、ひとつの作業の時間は短縮できるモデルなども用意されています。
アマダのレーザー加工機の特徴④対応質量と寸法が異なる3型式
ENSIS-AJシリーズは、
- 3015
- 4020
- 6225
の3通りの型式が用意されています。
それぞれ軸移動量が異なるため、最大加工寸法が違います。
また、最大ワーク質量も異なり、3015だと920kgですが、6225は4020kgまで対応可能です。
それ以外の機能は基本的に共通ですが、一部のオプションには、型式によっては対応できないものもあります。
さらに、それぞれ対応する発振器にも違いがあり、どれでも6kWと9kWは選択できますが、2kWと3kWを選択可能なのは、3015あるいは4020のみです。
価格の目安としては、3015の6kWが1億2500万円で、9kWは1億5000万円です。
アマダのENSIS-AJシリーズ機能のサポートオプション
アマダでは、ENSIS-AJシリーズの機能をサポートするためのオプションも数多く用意しています。
レーザ加工だけでなく抜き加工であるNCTを併用する場合は、それぞれの加工間で誤差が出ないように自動補正ができる機能を選択できます。
そして、基本的には視認できない加工状況を、リアルタイムで確認できるカメラもあります。
カメラが撮影した映像はパソコンやスマートフォンなどから視聴可能で、アラームが鳴った際にはその録画映像も確認できます。
また、3色タワー型の信号灯もオプションにあり、色で状況を示すことで、本体から離れた場所からでも稼働状態が確認しやすくなります。
そして、ENSIS-AJシリーズはレーザのビームを素材に合わせて最適なものに変更可能ですが、それとは別に切断条件のことも考えなければなりません。
その際に活用できる、ノズルチェンジャ―もオプションとして用意されています。
自動でのノズル交換で、長時間稼働時でも、幅広い素材を加工することができます。
ストックできるノズルは標準だと8個ですが、オプションだと16個にまで増やせます。
また、スクラップに関するオプションも選択可能で、標準だと横方向に排出されるものを、手前あるいは奥側に移動できるコンベアーがあります。
さらに、スクラップが入るトレイを1.8倍にすることも可能で、長時間の稼働でも満杯になるのを防ぎます。
その大容量トレイは分割式となっているため、清掃の際などの取り扱いは難しくありません。
アマダのレーザーマシン一覧
アマダはENSIS-AJシリーズ以外にもたくさんのレーザーマシンを販売しています。
アマダのレーザーマシンを一覧にすると
- REGIUS-3015AJ
- VENTIS-AJシリーズ
- ENSIS-AJシリーズ
- ENSIS-3015RI
- ENSIS-6225AJ
- BREVIS-1212AJ
- PRELAS-1212AJ
- FO-MIINTシリーズ
- LC-αⅤシリーズ
- LCG-3015
このように10種類もレーザーマシンが存在しています。
また、パンチングとレーザーどちらも使えるパンチ・レーザー複合マシンも5種類あります。
- ACIES-AJシリーズ
- EML-AJシリーズ
- LC-C1AJシリーズ
- ACIESシリーズ
- LC-C1NTシリーズ
パンチ・レーザー複合マシンの場合は、板を切断加工したりするだけでなく、バーリングやタッピングも行うことが可能になります。
アマダにはたくさんのレーザー加工機があるので、自社にあったレーザー加工機を見つけてみてください。
自動ネスティングができるおすすめのソフトウェア
自動ネスティングが可能な、おすすめのソフトウェアを紹介します。
平均5%の材料コスト削減!世界最高水準の自動ネスティングCAD/CAMソフト「SigmaNEST」
まず自動ネスティングソフトウェアでおすすめなのが、日本国内の人気はもちろん世界中で好評を得ているSigmaTEK社の「SigmaNEST」です。
SigmaNESTは、自動ネスティングの性能に定評があり、最高の歩留まりによって材料コストを平均5%削減することができます。
また、幅広い加工機に対応しているのも特徴の一つです。
最高レベルの高歩留まりネスティング結果と材料の有効活用の実現はもちろん、見積り、生産、出荷など、あらゆる工程を一本化、且つあらゆる費用を削減できる、とにかく凄いソフトです。
- 材料コストを削減したい!
- 人的負担を減らしたい!
- 機械の稼働をより効率化したい!
- 基幹システムと連携したい!
- 複数の機械をワンシステム化したい!
こんな効率化を求めるなら、まずはこの自動ネスティングソフトを要チェック。
日本国内のサポート体制もしっかりしているので導入前の相談からアフター対応まで何かと心強く安心です!
初めて自動ネスティングを導入する方にもおすすめです。
一般のネスティングソフトとシグマネストの違いや配置パターン比較は、SigmaNESTの公式サイトにわかりやすくまとめられているのでおすすめです。最先端の自動ネスティングソフトウェアの概要をぜひご覧になってみてください。
省エネに強いアマダのレーザー加工機の導入を考えよう
レーザー加工機はランニングコストが高くなりがちで、素材1枚当たり数百円かかることも珍しくはありません。
そこでENSIS-AJシリーズを導入すると、素材1枚のコストを数十円単位に抑えられる可能性があります。
省エネでレーザー加工をしたいのであれば、ぜひアマダのレーザー加工機「ENSIS-AJシリーズ」の導入を考えてみてください。