Blenderにはいろいろな機能がありますが、機能をうまく使いこなすためにはさまざまな用語に精通している必要があります。その一つが「頂点」です。
こちらでは、Blenderでいう頂点とは何か、頂点を追加するやり方、できない時の対処の仕方をご紹介します。
Blenderの「頂点」とは
Blenderでは、オブジェクトを扱う際の基本となる構成要素を理解しておく必要があります。
その一例となるのが、頂点・辺・面です。
こちらでは、Blenderを立ち上げたときにデフォルトで表示される立方体を例にとり、画面での表記を交えて説明していきます。
正方形の場合 | ||
頂点 | オブジェクトの点であらわされる部分 | 角の8つの部分 |
辺 | 点を2つつないだもの | 12個存在 |
面 | 点を3つ以上つなげたもの | 6個存在 |
頂点・辺・面ですが、Blenderではそれぞれを指定して編集することができます。
Blenderで編集モードにした際に、メニューバーの下に点と棒と四角が書かれたボタンが表示されています。こちらを選択することで、オブジェクトのどの構成要素を編集するかを選択できるようになっています。
頂点・辺・面ボタンの切り替えはキーボードを使っても可能で、頂点はキーボードの「1」、辺は「2」、面は「3」を押すとそれぞれを選択できます。
Blenderで頂点を追加する方法
こちらでは、正方形の立方体を例にして、Blenderに頂点を追加するやり方をご紹介します。
編集モードに切り替える
- Blenderを起動して中央に表示される立方体をマウスで左クリックして選択
- 選択したオブジェクトを編集したいので、編集モードにする
編集モードにするためには、以下のどちらかでモードが切り替わります。
- メニューバーの2段下にある「オブジェクト」と書かれた右側の下向き矢印をクリックして「編集モード」を選択
- オブジェクトを左クリックした状態でtabキーを押す
編集モードに切り替えるとオブジェクトや線の色が変わるのでわかりやすいと思います。
頂点を追加する
編集モードになったところで、正方形の一面をなくし、そこに線を加えつつ、頂点を追加する手順をご紹介します。まず、正方形の正面にあたる部分をカットする作業ですが、
- キーボードの「C」を押す
- 白い丸が出現するので、その状態で正面の角にある4つの頂点を左クリックして選択
- 面全体の色が変わるので、そのタイミングでキーボードの「X」を押す
- 「削除」のウィンドウが出るので、「面」を選択すると空の入れ物を横にしたような形状で表示される
- その状態で対角線上にある2つの点を選択したいので、キーボードの「C」を押して2点を選択するか、Shift+左クリックで2つの点を選択
- 2点が選ばれた状態でキーボードの「F」キーを押すと、2点の間に線が引かれる
※確認しづらい場合は、マウスのホイールを使って図形を拡大するとよいかもしれません。
なお、この「F」キーは面取りを行うキーで、3つ以上の頂点がないと機能しないのですが、2つの頂点を選択して実行すると、点と点を結ぶことができます。 - この状態でマウスを右クリック
- 「頂点コンテクストメニュー」が表示され、一番上に「細分化」があるので、そちらを選択
※2点で結んだ線の中に頂点が追加されているのがわかるはずです。 - 追加された頂点と右上の頂点を「C」キーやShiftキーを使って選択して右クリック
- 細分化を選ぶと、その間に頂点が追加
追加した頂点ですが、選択された状態のまま次の頂点を追加すると、自動的に頂点同士が辺でつながれる仕組みになっています。
頂点の位置を変更する
上述で追加した頂点は、位置を変更することもできます。
試しに、作成したいずれかの隣り合う2つの点を選択し、「G」キーを押してからマウスで動かしてみると、対角線上から外れ、マウスを操作した方向に引っ張られるに違いありません。
この「G」キーですが、Blenderで移動を指示するショートカットキーになります。
X/Y/Zキーとともに使うと、縦横上下に動かすことができます。
Gキーは頻繁に使うため覚えておきたいものです。
移動に関してですが、すでにある頂点の場所を変更することも可能です。
線上で頂点を動かしたい場合は、動かしたい頂点を選択して「GG」と2回続けてキーを押すと、マウスを使って頂点を移動できます。
頂点を追加・移動することで複雑な形状を作成
Blenderではオブジェクトの頂点を追加・移動することで複雑な形状を作成できます。
そして、複雑なオブジェクトを管理するのに役立つのが、頂点グループという機能です。
頂点グループとは、複数の頂点をまとめることができる機能で、作業効率アップに役立ちます。
頂点グループの設定は、オブジェクトモードでも編集モードでも行えます。
- 画面右側のプロパティから下向き三角のそれぞれの点に小さい丸がついているボタンの「オブジェクトプロパティ」を選択
- プラスを押すと頂点グループインデックスが追加
- 選びたい複数の頂点を選択
- 「割り当て」をクリック
これで頂点グループに指定できます。
頂点グループは、Ctrl+Gキーを押すことでも新規作成が可能です。
「頂点グループ」ウィンドウが出てくるので、「新規グループに割り当て」を選択します。
頂点グループの機能でよく使われるのが、「ウエイトをコピー」です。
すでに作成された頂点グループをコピーし、ミラー反転させることで対称の形の頂点グループを作成できます。
頂点を追加できないとき
Blenderを使い始めの方は特に、マニュアル通りに行ったのに、なせかできないことがあるものです。
頂点の追加についても同様です。
Blenderで頂点が追加できない時の主な原因は、編集モードになっていないことにあります。
画面左上側にある選択モードが「編集モード」になっているか確認してから、頂点の追加を行うと解決できることが多いようです。
何らかの操作で、オブジェクトを非表示とした場合に、頂点を追加できないことがあります。
- オブジェクトを非表示のショートカットキー:「H」
- 隠したオブジェクトを再表示する場合は:「Alt+H」
オブジェクトを非表示にすると、辺や面は選択できても、頂点は選択不可になる場合があります。そうなると、頂点を選択しても、選ばれたことを示す白色に変化しないため、伴って頂点の追加もできないことになります。
Blenderで頂点が追加できないトラブルが起きた場合は、どんな状態で作業しているのか理解していなかったり、これまでしてきた作業の全体像が見えていないことが大きな要因です。
画面に表示される情報を見ることで解決できるケースも多いので、焦らず冷静に考えてみましょう。
作業工程がわからなくなった場合は、「Ctrl+Z」のやり直し機能を使い、一つずつ見ていくとよいかもしれません。なお、頂点グループ機能で、新規グループの割り当てを行うと、Ctrl+Zで戻ることができない点に注意が必要です。
Blenderで頂点を追加する方法についてまとめ
Blenderの頂点はそれぞれのオブジェクトの角や端の部分で、頂点をつなぐことで辺や面を作り出し、複雑な形状を実現できます。
頂点の追加のやり方ですが、「細分化」を使います。
頂点を追加できない場合は「編集モード」になっていないことが主な原因です。
画面で状況を確認しながら行うと、スムーズに作業できるはずです。