板金設計ではCAMを利用すると便利ですが、どのCAMソフトを利用したら良いか迷ってしまうこともあるでしょう。この記事では板金設計で利用するのにうってつけのおすすめCAMソフトを厳選紹介するので参考にしてください。
板金設計とは?
板金設計とは板金加工をする際に金属板の寸法や厚さなどを考えて、製品に必要な形状を検討して具体化することです。金属製品の製造では金属の材料を選び、適切な厚さの原料から必要な寸法で切り出して加工を進めていきます。
製品設計をした上でどのような金属材料にすべきかを検討したり、板金加工に必要な要件定義をしたりする基礎として必要になるのが板金設計です。一般的には二次元または三次元の図面を作成して、具体的に板金加工に必要とされることを導き出せるようにします。
自社製造をするときだけでなく、板金加工業者に原料生産を委託するときにも図面は欠かせません。図面に基づいて製造が進められるため、板金設計があってこそ金属製品の製造が進められると考えても良いでしょう。
板金設計は製造プロセスにも貢献するため、板金加工による製品製造をしている企業では重要な役割を果たしています。板金設計では仕様書に基づいて要件を満たす製品を設計することが求められるからです。
精密性が要求される作業なので、近年ではCADソフトが板金設計に用いられています。CADソフトの中でもCAD/CAMと呼ばれるCAM(Computer Aided Manufacturing)に対応しているソフトが便利なので活用されることが多くなりました。
CAMはそのサポートとして活用されていて、コンピューター制御による自動処理によって、人では対応が大変な部分を精密にモデリングできるようにしているソフトです。板金設計の効率も精度も上げられるので、金属加工の現場では重宝されています。
板金設計で使えるCAM3選!
板金設計ではCAMソフトとして有用なものがたくさん流通しています。どれを選んだら良いかわからない方のために、おすすめのソフトを3つ選んだので参考にしてください。
1.Alma CAM
Alma CAMは高度な板金設計やロボットを活用する自動化に対応しやすいCAMソフトです。Alma CAMはプログラミングの自由度が高く、5軸加工にも二次元・三次元の板金設計にも対応している汎用性の高いソフトになっています。
Alma CAMには多数の製品があるのも魅力で、現場でのニーズに合った仕様のソフトを簡単に導入できます。多機能なら良いとは一概には言えません。ハイエンド仕様ならその分だけ価格が高くなるのが一般的だからです。
Alma CAMならコストパフォーマンスが高いソフトを現場に合わせて導入することが可能です。板金設計の担当者のスキルを考慮して選ぶこともできるので、効率を最大限に引き上げやすいならAlma CAMを検討してみましょう。
2.MetaCAM
MetaCAMはハイエンド向けの高機能かつユーザビリティの高いCAMソフトです。3次元の板金設計に向いているソフトで、板金加工に特化したさまざまな機能が搭載されています。
MetaCAMではエンボス加工やバーリングなどの加工作成が簡単にできるのが魅力です。マウス操作もできますが、キーボードによるコマンド操作の対応範囲も広くて、操作効率を上げやすい設計になっています。
ネスティング機能も搭載されているため、異なる金属や厚さなどで設計したデータを管理して配置を決定することも可能です。MetaCAMはネスティングによる板配置に強いのがおすすめポイントで、基本的な板を用意して組み合わせる現場では使いやすいソフトでしょう。
3.AP100
AP100はミドルユーザー向けのわかりやすくて直感的に利用できるシステムに整えられているCAMソフトです。AP100は板金加工に特化しているのも特徴で、パーツ加工やシート加工の設計をおこなえるだけでなく、展開図形の設計やシミュレーションなどもおこなえます。
AP100は板金設計の初心者がベテランに向かう上で役に立つサポートも整っています。AP100を手掛けるアマダ株式会社のノウハウが集められたアマダスクールと呼ばれるトレーニングプログラムがあるので、CAMソフトにいよる設計が初めての人でも短期間で学ぶことが可能です。
板金設計でのCAMの選び方
板金設計のおすすめCAMソフトを3種類紹介しましたが、実際には他にも魅力的なソフトがたくさんあります。板金設計でベストなCAMを選び出すには比較ポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは板金設計でのCAMの適切な選び方がわかるように要点をまとめました。導入で失敗しないようにチェックリストとして活用してください。
板金設計に対応しているか
CAMソフトは必ずしも板金設計に特化した機能を持っているわけではありません。コンピューター支援による製造目的の設計ができるのがCAMの特徴だからです。
板金設計に適した機能やサービスが整っているCAMを選ぶと使い勝手が良いのでおすすめです。
2次元か3次元か
2次元、3次元のどちらに適しているかがソフトごとに異なります。多くの場合では3次元に対応している方が使いやすいでしょう。
ただ、2次元の図面を引ければ良い場合には、2次元での機能が豊富なCAMの方が便利なので目的に応じて選ぶのが大切です。
パスのパターンを決めやすいか
板金設計ではパスのパターンを簡単に決められると作業効率が上がります。基本パターンが用意されていたり、パスのパターンを設計して登録したりできるCAMは便利です。
自社製品の性質に特化したパス選定ができるCAMソフトなら効率的にベストな製品を設計できます。
必要な仕様に対応しているか
板金設計に対応しているだけでなく、レーザー加工や穴加工などの自社でおこなっているさまざまな加工内容に応じた仕様に対応しているのは重要なポイントです。自社特有の加工技術に合わせてオリジナルの使用を登録できるとさらに活用しやすくなるでしょう。
費用面がリーズナブルか
CAMソフトの利用には費用がかかります。継続的に利用することを考慮して、リーズナブルな価格で使い続けられるCAMを選ぶのがおすすめです。
ハイエンドを選ぶとその分だけ高くなります。機能が多ければ良いと考えるのではなく、必要な機能が揃っているCAMの中で安くて使いやすいものを選びましょう。
導入やアップデートの負担は少ないか
CAMソフトを選ぶときには導入とアップデートがしやすいことを重視しましょう。クラウドサービスでどちらも簡単におこなえるのは魅力的です。
板金設計に必要な機能は加工技術の向上と共に変わっていきます。クラウドサービスならアップデート不要でいつでも最近の機能を使えるので安心です。
サポート体制が整っているか
サポートが充実しているのはCAMを選ぶ際に重要なポイントです。どれだけ高機能なCAMを導入したとしても、支援機能を使いこなせなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
使い方や機能についてのサポートを受けられる体制が整っているCAMを選べば安心です。初めて利用する場合には講習などを受講できるソフトを選んで、機能を最大限に生かせるようにしましょう。
まとめ
板金設計は板金加工において欠かせないプロセスです。CAMは板金設計の効率性と精密さを高める上で欠かせないツールになっています。
現場に合わせて適切なCAMを選んで導入するのが大切です。ここで紹介したおすすめソフトと選び方を参考にして、ベストなツールを活用していきましょう。
