AutoCADの導入を検討している企業の重要な課題の一つとして、費用をいかに抑えるかという点が挙げられます。AutoCADは複数の助成金・補助金制度を活用でき、うまく組み合わせることで導入費用を大幅に軽減することが可能です。
この記事では、AutoCAD導入に使える助成金の種類や申請の流れ、活用するときの注意点まで詳しく解説します。AutoCADの導入を検討中の企業の担当者様はぜひ参考にしてください。
AutoCADの導入に使える助成金一覧
AutoCADの導入には、複数の助成金・補助金制度を活用できます。主な制度は以下の3つです。それぞれ対象者や助成金額が異なるため、自社の状況に合ったものを選ぶことが大切です。
| 助成金・補助金 | 概要 |
|---|---|
| IT導入補助金 | 中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の費用を補助する制度。AutoCADは通常枠で申請でき、補助額は最大150万円(単体申請の場合) |
| 人材開発支援助成金 | 従業員のスキルアップを目的とした研修・トレーニング費用を支援する制度。中小企業の場合、訓練費用の75%・1人あたり最大50万円の助成金を受給できる。 |
| 中小企業経営強化税制 | 対象ソフトウェアの導入時に即時償却または税額控除が受けられる税制優遇制度。取得価額の10%の税額控除(資本金3,000万円超の場合は7%)が適用される。 |
これらの助成金制度を上手に活用することで、AutoCAD導入にかかる費用負担を大きく抑えられる可能性があります。助成金・補助金の申請には期限や要件があるため、AutoCADの導入を検討している場合は早めに情報収集を始めることをおすすめします。
IT導入補助金
IT導入補助金は、AutoCADを導入する際に活用できる代表的な助成金・補助金制度です。中小企業・小規模事業者を対象に、業務効率化やDX推進を目的としたITツール導入費用の一部を国が補助します。
IT導入補助金には複数の申請枠がありますが、AutoCADは『通常枠』での申請となります。通常枠は各事業者の課題に合ったITツール導入を支援する申請枠で、幅広い種類のソフトウェアに対応しているのが特徴です。通常枠にはA類型・B類型の2種類があり、それぞれの概要は以下の通りです。
| 項目 | A類型 | B類型 |
|---|---|---|
| 補助率 | 1/2〜2/3 | 1/2〜2/3 |
| 補助額 | 5万円~150万円未満 | 150万円~450万円以下 |
| 必要プロセス数※ | 1つ以上 | 4つ以上 |
※プロセス数とは、ITツールが対応する業務領域のことを指します。『顧客対応・販売支援』『会計・財務・経営』『総務・人事・給与・労務』など、複数の業務領域にまたがるツールを導入するほど、より高い補助額の区分で申請できます。
AutoCAD単体で申請する場合はA類型の対象となり、補助額の上限は150万円です。ソフトウェアの利用料や、導入に関わるサポート費用なども補助の対象に含まれます。他のITツールと組み合わせて4つ以上のプロセスを満たせば、B類型として最大450万円の補助を受けられる場合もあります。
なお、申請にはGビズIDプライムの取得と、登録されたIT導入支援事業者を通じた手続きが必要です。スケジュールや申請条件は年度ごとに変わるため、IT導入補助金公式サイトで最新情報を確認しましょう。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、AutoCADの操作スキル習得を目的とした社員研修・トレーニングに対して活用できる制度です。厚生労働省が管轄する助成金で、従業員のスキルアップや職業能力の向上を支援することを目的としています。
助成金の対象となるのは、AutoCADなどのソフト操作スキル習得にかかるトレーニング費用です。AutoCADを販売しているオートデスク公式ページによると、中小企業の場合は訓練費用の75%(中小企業以外は60%)が補助され、1人あたりの助成金上限額は50万円です。建設業でこの助成金を受給する場合は、資本金3億円以下または従業員300人以下の事業者が対象となります。
『事業展開等リスキリング支援コース』を活用すれば、DX化に関連する業務のためのトレーニング費用も対象になるため、AutoCADを使った設計業務のデジタル化を推進する場面でも利用しやすい制度です。ソフトウェアそのものではなく、人材育成にかかる費用を支援する制度であるため、IT導入補助金と目的が異なる点を押さえておきましょう。
人材開発支援助成金については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご覧ください。
AutoCADのセミナー受講を検討している場合は、人材開発支援助成金に対応している『AutoCAD基礎セミナー&AutoCAD自動化セミナー【助成金対応】』をおすすめします。研修費用の最大75%の助成金を受給できるため、ぜひ以下もチェックしてみてください。
中小企業経営強化税制
中小企業経営強化税制は、AutoCADを含む対象ソフトウェアを導入した際に税制上の優遇を受けられる制度です。補助金のように導入費用が直接戻ってくるわけではなく、AutoCADのような高額ソフトウェアを税務上で有利に処理できる点が特徴です。
AutoCADを販売しているオートデスク公式ページによると、対象は中小企業者(資本金1億円以下かつ従業員1,000人以下)で、取得価額70万円以上のソフトウェアが対象となります。費用を即時償却するか、取得価額の10%(資本金3,000万円超の場合は7%)を税額控除するかを選択できます。
なお、本制度の利用には経営力向上計画の認定取得が必要になるため、AutoCAD導入前に手続きの流れを確認しておくことをおすすめします。
AutoCAD導入の助成金を受け取る流れ

AutoCAD導入に活用できる助成金・補助金は、制度ごとに申請の流れや必要な手続きが異なります。助成金を確実に受け取るためにも、事前に申請の流れを確認しておきましょう。
IT導入補助金の申請手順
IT導入補助金を活用してAutoCADを導入する場合の大まかな流れは以下の通りです。
- GビズIDプライムの取得
- IT事業者・ITツールの選定
- 必要書類を準備する
- 支援事業者とともに交付申請を行う
- 交付決定後にAutoCADを導入する
- 事業実績報告を行い、補助金を受け取る
GビズIDプライムの取得には約2週間かかるため、早めに手続きを始めておきましょう。また、申請はAutoCADに対応したIT導入支援事業者を通じて行う仕組みになっているため、事業者選びは慎重に進めることが大切です。公募回ごとに締め切りが設定されているため、公式サイトでスケジュールを事前に確認しておきましょう。
人材開発支援助成金の申請手順
人材開発支援助成金を活用してAutoCADの研修を実施する場合の、助成金支給までの大まかな流れは以下の通りです。
- 訓練計画を策定する
- 労働局へ『職業訓練実施計画届』を提出する
- AutoCADの研修・トレーニングを実施する
- 訓練修了後に助成金の申請を行う
- 審査を経て助成金が支給される
この助成金は補助金とは異なり、先に費用を支払って後から助成金を受け取る後払い方式です。資金の準備が必要になるため、助成金受給までのキャッシュフローを考慮したうえで活用を検討しましょう。人材開発支援助成金の申請要件の詳細は厚生労働省の公式ページで確認するか、管轄の労働局に相談することをおすすめします。
中小企業経営強化税制の申請手順
中小企業経営強化税制を活用してAutoCADを導入する場合の、助成金支給までの大まかな流れは以下の通りです。
- オートデスクに証明書の発行を依頼し、申請証明書を受け取る
- 主務大臣へ経営力向上計画を申請し、認定を受ける
- 認定後にAutoCADを取得・導入する
- 税務申告の際に納付書類に必要書類を添付して申請する
- 即時償却または税額控除の適用を受ける
他の助成金・補助金と比べると手続きの難易度がやや高いため、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。自社の税務状況に合わせて、即時償却か税額控除かを選択しましょう。
また、中小企業向けのDX補助金は以下の記事でも詳しく解説しています。DX化の推進を考えている企業の担当者様はこちらもぜひ参考にしてみてください。
AutoCADの導入に助成金を活用するときの注意点

AutoCADの導入に助成金を活用するときは、以下の注意点を押さえましょう。
- 補助対象となっているかを確認する
- AutoCADに対応しているIT導入支援事業者を選ぶ
- 余裕を持ったスケジュールで申請を進める
ここでは、上記3つの注意点についてそれぞれ解説します。
①補助対象となっているかを必ず確認する
AutoCADの導入に助成金を活用する前に、まず自社や導入ソフトが対象要件を満たしているかを確認することが大切です。制度ごとに助成金の対象となる事業者の規模や業種、ソフトウェアの取得価額などの条件が定められており、すべての企業が申請できるわけではありません。
例えば中小企業経営強化税制では、資本金1億円以下かつ従業員1,000人以下の中小企業者が対象で、取得価額70万円以上のソフトウェアでなければ適用を受けられません。助成金を申請する前に、各制度の公式サイトや担当窓口で要件を確認しておきましょう。
②AutoCADに対応しているIT導入支援事業者を選ぶ
IT導入補助金を活用してAutoCADを導入する場合、事務局に登録されたIT導入支援事業者を通じて申請を行う必要があります。そのため、AutoCADに対応している支援事業者を選ぶことが大切です。
対応していない事業者を選んでしまうと、そもそも助成金の申請自体ができなくなるため注意が必要です。AutoCADに対応している支援事業者はIT導入補助金の公式サイト上で検索できるため、事前に確認しておきましょう。
③余裕を持ったスケジュールで申請を進める
AutoCADの導入に助成金・補助金を活用する場合、申請から交付決定・導入・実績報告まで一定の期間がかかります。締め切りギリギリで動き始めると、書類の準備が間に合わなかったり、助成金の申請自体ができなくなったりするリスクがあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
例えばIT導入補助金では、申請の前提となるGビズIDプライムの取得に約2週間かかります。また、人材開発支援助成金では、訓練開始の原則1ヶ月前までに計画届の提出が必要です。いずれの制度も、導入を決めてからすぐに申請できるわけではありません。
AutoCADの導入時期から逆算して、どの助成金をいつまでに申請するかを計画しておくことをおすすめします。
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AutoCADの助成金まとめ
AutoCADの導入には、IT導入補助金・人材開発支援助成金・中小企業経営強化税制といった複数の助成金制度を活用できます。助成金ごとにそれぞれ対象者や支援内容が異なるため、自社の状況に合わせて選ぶことが大切です。
また、助成金を申請する際は余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。AutoCAD導入を検討している場合は、早めに助成金申請の準備を始めましょう。