AutoCADを効率よく利用するひとつの方法として、Excel連携というものがあります。
しかし、Excel連携でどのようなことができるのか、どのような使い方ができるのかわからないとお悩みの人も多いでしょう。
そこでこの記事では、AutoCADにおけるExcel連携のメリットや使い方をわかりやすくまとめました。AutoCADの操作速度を上げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
AutoCADのExcel連携でできること
AutoCADには、作図を効率化する方法として、表計算ソフトである「Excel」との連携機能が搭載されています。具体的にできることを2つ紹介しているので、普段時間をかけている作業を効率化できそうかチェックしてみてください。
Excelで作成した表の挿入

まずAutoCADの作図のなかで時間がかかってしまうのが、表の挿入です。
通常、AutoCADで表を作成する際には「注釈>表」を利用して、セルにひとつずつ文字を入力していかなければなりません。
また、一度挿入した表内の情報を書き換えるときに、表のサイズ調整が必要になるなど手動で対応する項目が数多くあります。
対してExcelと連携すれば、Excelで準備した表をまるごと挿入できます。
事前に計算式を組んでおけば、もし修正が必要になった場合でも、すばやく表に反映できるのが魅力です。
AutoCADを利用した設計業務では、図面内に数量表や部品表などを掲載するケースが何度も登場することから、表作成に手間を感じている方は、ぜひExcelと連携をしてみてください。
Excelで作成したスクリプトによる自動化

AutoCADでは、Excelに搭載されているマクロのスクリプトを読み込んで、一部の作業を自動化する機能が搭載されています。
まずAutoCADを操作する際には、手動で作図ツールなどを利用しなければなりませんが、すべて手動で対応するのは非常に手間がかかります。対して、ExcelのVBAと連携すれば、手間のかかる単純作業の自動化が可能です。
AutoCADのExcel連携による表の挿入方法
AutoCADでExcelを連携して、表の挿入を効率化したいという方向けに、具体的な操作手順を整理しました。今回は数量表を作成するという目的で、以下の表をAutoCADに反映します。
| レベル1 工事区分 |
レベル2 工種 |
レベル3 種別 |
レベル4 細別 |
レベル5 規格 |
単位 | 数量 |
| 道路改良 | 道路土工 | 掘削工 | 土砂掘削 | 腐葉土 | ㎥ | 1,000 |
| 路体盛土工 | 流用土 | - | ㎥ | 300 | ||
| 法面工 | 植生工 | 客土吹付 | 盛土法面積 | ㎡ | 500 |
早速、挿入する手順を見ていきましょう。
Excelに表を反映する

まずはExcelを起動して、前項で提示している表を反映しました。
この状態で「ファイル>名前を付けて保存」をクリックし、任意の場所にデータを保存してください。なお、保存したファイル名称は「数量01」としています。
AutoCADでExcel連携の設定をする

Excelの準備が完了したら、AutoCADを起動して「注釈>表」を選択し、上画像と同じウィンドウを表示しましょう。続いて「データリンクから開始>データリンクマネージャを起動」を選択して、以下と同じ画面を開きます。

ここでは、AutoCADとExcelを連携するためのリンク名を決めます。
「新しいExcelデータリンクを作成」を選択したら前項で設定したExcelファイル名「数量01」と入力してOKを選択してください。(データリンク名は任意で問題ありません)
最後に、ファイルのリンク先や表示したい表のセル範囲を設定したら、OKを押してください。

これで、AutoCADとExcelとの連携が完了しました。
連携したExcelの表を挿入する

すべての設定が完了したら、表挿入の画面へと戻り「データリンクから開始>数量01」を選択します。プレビュー画面にExcelで用意した表と同じ項目が反映されていることを確認したら、OKを押してAutoCADのワークスペースに表を反映しましょう

また、上表の数値を変えたい場合には、Excelファイル「数量01」を開いて数量を変更、その後に「表を選択>右クリック>データリンク>更新内容をソースファイルからダウンロード」を選択すれば、自動でAutoCAD上の表が書き換わります。

手間なく修正に対応できるので、ぜひAutoCADとExcelを連携して、表挿入を効率化してください。
AutoCADのExcel連携によるマクロの活用
AutoCADでは、Excelと連携してマクロを使った作図が可能です。
今回は、測量を実施したという前提で、以下に示すExcel上に反映したXYZ座標をAutoCADに読み込ませるスクリプトを用意し、実際に反映してみます。
| 始点X | 始点Y | 始点Z | 終点X | 終点Y | 終点Z |
| 0.00 | 0.00 | 0.00 | 200.00 | 0.00 | 0.00 |
| 200.00 | 0.00 | 0.00 | 200.00 | 50.00 | 0.00 |
| 200.00 | 50.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
では、具体的な使い方を見ていきましょう。
Excelで座標情報を入力する

まずはExcelを起動して上画像と同じように始点・終点のXYZ座標を入力します。
入力が完了したら「ファイル>名前を付けて保存」を選択し、任意の名前でファイルを保存しておきましょう。
なお、マクロを利用する際には、Excelを起動した状態にしておく必要があります。
このまま閉じずに、画面を縮小しておきましょう。
AutoCADのVBAでマクロを組む

AutoCADでは「管理>アプリケーション>VBA管理」という項目からVBAを起動できます。
今回は参考として、指定したXYZ座標の始点・終点を線ツールで結ぶマクロのスクリプトを用意してみました。

無事にマクロを組むことができたら、画面上側にある実行ボタンをクリックしましょう。
上手くスクリプトが動作すれば、以下と同じ三角形の図形が作成されます。

なお、今回組んだマクロは、取得したXYZ座標の数を増やしても対応が可能です。
取得した座標の位置に点を設けるなど、書き換えも可能ですので、ぜひAutoCADとExcelを連携できるマクロにチャレンジしてみてください。
また、マクロの作り方を学びたい方は、以下の記事がおすすめです。
わかりやすい初心者向けガイドを解説しています。
AutoCADのExcel連携を活用するメリット
AutoCADとExcelを連携することで、作図作業にどのような変化が起こるのかイメージできない人もいるでしょう。参考として、Excelと連携したことによって得られるメリットを紹介します。
手動で作図する手間を削減できる
AutoCADとExcelを連携すれば、今まですべて手動で作図していた作業を簡略化できます。
参考として以下に、手間を削減できるポイントを整理しました。
- 表を作成する際に表枠やフォント挿入の手間を減らせる
- 測量情報の反映といった単純作業を効率化できる
作図を担当する場合には、図面作成のクオリティのみならず、スピードが求められます。
このときすべて手作業で実施した場合には、1つの作業に大幅な時間を要するでしょう。
対して、AutoCADとExcelを連携すれば、作図時間の短縮が可能です。
もちろん連携できるもの・できないものはありますが、作業効率化を目指しているのなら、Excelとの連携にチャレンジしてみてください。
AutoCAD上での修正を効率化できる
通常、AutoCAD上でミスや変更があった場合には、オブジェクトをひとつずつ変更しなければなりません。また、正しく修正できたのかをチェックする作業も必要でしょう。
対して、AutoCADとExcelを連携すれば、Excel上で修正した情報をそのままAutoCADに反映できます。AutoCADのみ使用した場合に発生する、次のような手作業を削減できるのが魅力です。
- 修正のために複数のコマンドを起動する
- フォントの変更に伴い表のサイズを調整する
また、ひとつのオブジェクトや表を修正をすると、周辺のデータも含めて調整が必要になることも少なくありません。Excelとの連携なら、すべてを一括で修正できるため、今後変更の可能性がある項目は、Excelと連携をしておくと良いでしょう。
さらにAutoCADを自動化できる機能や使い方のことを学びたい方は、以下の記事がおすすめです。
初心者向けの講座情報を解説しています。
AutoCADのExcel連携をセミナー講習で学ぼう

「AutoCADのExcel連携の使い方をもっと詳しく知りたい」「自社で活用できる連携機能がないかチェックしたい」と考えている人は、セミナー講習の参加をおすすめします。
セミナー講習ではAutoCADの基礎知識はもちろん、業務で役立つ一連の操作をまとめて学べるのが魅力です。なかにはExcel連携など、中~上級者向けの知識を学べるセミナー講習も実施されているので、興味がある方はすぐに参加できるセミナーがないかチェックしてみてください。
なお「実践的に学べるAutoCAD自動化セミナー」では、AutoCAD利用者向けに、自動化に役立つ情報や使い方を学べます。2日間でAutoCADの自動化をマスターできるので、Excel連携について詳しく学びたい方におすすめです。
AutoCADのExcel連携についてまとめ
AutoCADを効率よく操作したいなら、Excel連携を活用するのがおすすめです。
手動だと手間のかかる表作成を効率化できることはもちろん、スクリプトを活用した自動化に対応できます。
使い方を覚えてしまえばAutoCADの作業効率アップを目指せるので、ぜひ本記事で紹介したExcel連携にチャレンジしてみてください。