AI教育プログラムの推進に伴い、「AI関連の資格」が増えてきています。
そのため、たくさんある中から、どれを受けるべきか迷っている方も多いのではないでしょうか?
今回は、AI関連のおすすめ資格や取得するメリット、勉強方法について紹介します。
本記事を通じて、習得したいスキルや目指す職業に必要な資格を知ることができるでしょう。
スキルアップに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
AI関連の資格を取得するメリット
AI関連の資格を取得することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
AI関連の資格を取得すると次のようなメリットがあります。
AI関連資格取得のメリット1.成長市場であるAI分野で活躍が期待できる
近年、AIを活用したさまざまな製品やサービスは増えており、今後もますます私たちの生活の利便性を向上させることになることが予想されています。
IDC Japan株式会社の「国内AIシステム市場予測」からは、次のようなデータが報告されています。
- 2022年市場規模:3,883億6,700万円
- 2027年市場規模:1兆1,034億7,700万円(予測)
データからもわかるように、AI市場が成長を続けていることがわかります。
AI関連の資格を取得することで、今後も成長が予想されているAI業界で活躍できるチャンスが拡がります。
AI関連資格取得のメリット2.年収アップが期待できる
AI業界は市場の成長に伴い、エンジニアの需要も高まっています。
そのAI業界への転職で年収アップが期待できると言えます。
具体的に、「AIエンジニア」とは、次のような職種のことをいいます。
- データサイエンティスト
- 機械学習エンジニア
- データアナリスト
これらの職種は、AIに関するスキルが必要になります。
転職の際には、他の候補者に対して保有スキルにおいて差別化する必要があり、AI関連の資格を取得していることで転職活動を有利に進められます。
また、これらの職種は年収の水準も700〜1400万円と高く、転職することで年収アップが期待できます。
AI業界の主な職業
ここでは、AI業界の主な職業について、次の3つを紹介します。
- データサイエンティスト
- 機械学習エンジニア
- AIコンサルタント
各職業の仕事内容や必要なスキルを簡単に解説するので、それぞれの違いを確認しておきましょう。
AI業界の主な職業①データサイエンティスト
データサイエンティストとは、データサイエンス技術を用いて企業の課題を解決する職業のことです。
データサイエンティストは、データの収集・分析や統計モデルの設計、データベースの構築など、データを扱う業務に幅広く携わります。また、業務にあたり、データ分析用のフレームワーク・統計モデルが豊富な「Python」と「R言語」の高度なプログラミングスキルが求められます。
データサイエンティストは、企業が抱えるデータ活用の悩みを解決できる人材として注目されている職業です。データサイエンティストになりたいと思っている方は、データサイエンティストセミナーがおすすめです。
AI業界の主な職業②機械学習エンジニア
機械学習エンジニアとは、 AI技術の中でも機械学習モデルの設計や開発を行うエンジニアのことです。
具体的には、新しい機械学習アルゴリズムの開発やプロダクトの改善業務など、AI関連のサービスの設計・開発業務に携わります。
開発業務にあたり、AIプログラミング言語の「Python」「R言語」だけでなく、データベース言語の「SQL」やクラウドサービスの「AWS」の操作スキルも求められます。
機械学習エンジニアは、AI系のシステムやサービスを扱うさまざまな業界において活躍している職業です。
AI業界の主な職業③AIコンサルタント
AIコンサルタントとは、企業が抱える経営上の課題に対してAI活用の視点からアドバイスを行うコンサルタントです。
AIコンサルタントは、AIツールの導入支援やAIシステムの構築など、顧客企業へのヒアリングからIT戦略策定、実行支援まで幅広い業務に携わります。
そのため、AIプログラミングの実装スキルはもちろんのこと、ヒアリング・プレゼン能力などの高度なコミュニケーションスキルも求められます。
DX推進への対応が進む今、ニーズが急拡大している職業の一つです。
AI関連のおすすめ資格10選
では、具体的にAIに関連するおすすめの資格を紹介していきましょう。
AI関連の資格の中でも、特におすすめのものは次の10個です。
ここからは、それらの詳細やおすすめのポイントについて解説していきましょう。
資格名 | 運営団体 | 試験内容 | 受験方法 | 受験料 | 開催頻度 |
---|---|---|---|---|---|
E資格 | JDLA(日本ディープラーニング協会) |
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CBT方式 |
|
年2回 |
G検定 | JDLA(日本ディープラーニング協会) |
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IBT方式 | 13,200円 | 年3回 |
データサイエンティスト検定 リテラシーレベル |
データサイエンティスト協会 |
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年2回 |
画像処理エンジニア検定 | 画像情報教育振興協会 |
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マークシート方式 |
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年2回 |
AWS専門知識認定資格 | Amazon |
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33,000円 | いつでも |
Professional Data Engineer |
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200ドル | 3~4日/週 | |
統計検定 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
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年1回 |
認定AI・IoTコンサルタント | 一般社団法人 AI・IoT普及推進協会 |
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年4回 |
Pythonエンジニア認定 データ分析試験 |
一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会 |
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随時 |
AI実装検定 | AI実装検定 実行委員会 |
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|
随時 |
①E資格
E資格は、ディープラーニングを実装したり、AI業界への転職によってキャリアアップを検討したりしている方にとって特におすすめの資格です。
概要
E資格は一般社団法人「JDLA(日本ディープラーニング協会)」が主催する、ディープラーニングに関する資格です。E資格の「E」は「Engineer」の略称で、ディープラーニングを扱うエンジニア向けのスキルを証明するための資格です。
試験以外で必要な知識を習得するために、「JDLA認定プログラム」と呼ばれる講座を受講することがE資格の受験資格となっています。
JDLA認定プログラムとは、JDLA(日本ディープラーニング協会)が審査して認定する講座であり、2024年2月現在では21社が開講しています。
講座のカリキュラムにはコーディングなどの実技演習課題が組み込まれているため、
- 「JDLA認定プログラム」講座
- 試験本番
の二段階でエンジニアとしてスキルが試されます。
また、合格者の特典として、名刺やプロフィールにE資格のロゴを使用する権利が与えられたり、合格者限定コミュニティ(Slack)に参加することができます。イベントや勉強会に関する情報を得ることができます。
また、ロゴによって名刺交換の時の話題作りやスキルのアピールができたり、コミュニティ内で人脈を拡げたりすることができるなど、合格することでさまざまなメリットがあるため人気の資格です。
試験内容
E資格の試験内容は、この次に説明する「G検定」とは異なり、プログラミングや開発環境に関する内容など、エンジニアが実践で必要となる分野についての出題となっています。
試験内容の詳細は以下となります。
試験範囲 | 試験範囲の具体例 |
数学的基礎 |
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機械学習 |
|
深層学習の基礎 |
|
深層学習の応用 |
|
開発・運用環境 |
|
E資格試験は、大きく5つの分野から出題されます。
数学的基礎は、確率・統計分野や情報理論など、機械学習を理解する上で重要な数学的な概念が出題されます。出題範囲も限られてくるので、数学に苦手意識のある人でもしっかりと学習すれば高得点が狙える分野です。
機械学習においては、パターン認識、教師あり学習や教師なし学習が主に出題されます。
深層学習を理解するために重要な概念や基本事項が盛り込まれているので、しっかりと理解しておきましょう。
深層学習分野においては、基礎と応用に分かれており、基礎分野ではニューラルネットワーク、応用分野では画像系や自然言語処理が主に出題されます。
特に試験範囲が広いため苦手分野をできるだけ減らすようにしておくと良いでしょう。
最後に開発・運用環境においては、AIを動かすためのハードウェアに関する内容が出題されます。深層学習分野の範囲が広いため、学習が疎かになったまま試験に臨んでしまう受験者も少なくはありませんので、しっかりと理解しておきましょう。
また、E資格は、主に機械学習と深層学習の分野からPythonによるプログラム実装問題も出題されます。Numpyを用いたスクラッチ及びTensorFlowかPyTorchによる選択問題が出題されます。
初めての方は、Pythonプログラムの基礎を身に着け、日頃からプログラムに慣れておくと良いでしょう。
合格のポイントは、とにかく苦手な分野をできるだけ減らすことが重要です。
極端に得点率の低い分野がある場合、不合格になってしまうことがあるため、注意が必要です。
E資格に関する詳しい出題内容はJDLA公式ホームページからも確認できるので、受験を考えている方はチェックしてみましょう。
受講方法
E資格の受験はCBT(Computer Based Test)方式となっており、決められた会場に集合し、そこに設置された端末で試験を行います。
お住まいの地域の近くにある会場をあらかじめ確認しておきましょう。
受験料
E資格の受験料は次のとおりです。
受験費用(税込) | |
一般 | 33,000円(※団体割引あり) |
学生 | 22,000円 |
会員 | 27,500円(※申し込み2営業日前までに会員割引の発行手続きが必要) |
②G検定
G検定は、さまざまな事業にディープラーニングを活用したい人におすすめの資格です。
ここでは、G検定の詳細について説明します。
概要
G検定は、E資格と同様に一般社団法人ディープラーニング協会が主催する、ディープラーニングの基礎知識に関するスキルを証明する資格です。
同じくJDLAが主催する「E資格」と比べると、G検定は「ディープラーニングの知識を生かして応用する」ことに特化した資格です。難易度としてもE資格よりも優しく、受験資格も必要ないため、E資格取得に向けたファーストステップとして取得する人もいます。
また、E資格同様に、合格者は名刺にロゴを使用できる権利が与えられるため、話題のきっかけになったりスキルのアピールをしたりするのに役立ちます。
エンジニアほどの知識は不要でも、業務の困りごとの解決や仕事の効率化のためにディープラーニングを活用したいと考えている方にはおすすめです。
試験内容
G検定の試験内容として公開されている2024年2月時点でのシラバスは次のとおりです。
人工知能(AI)とは | 人工知能の定義 人工知能研究の歴史 |
人工知能をめぐる動向 | 探索・推論 知識表現 機械学習・深層学習 |
人工知能分野の問題 | |
機械学習の具体的手法 | 教師あり学習 教師なし学習 強化学習 モデルの評価 |
ディープラーニングの概要 | ニューラルネットワークとディープラーニング ディープラーニングのアプローチ ディープラーニングを実現するには 活性化関数 学習の最適化 更なるテクニック |
ディープラーニングの手法 | AIと社会 AIプロジェクトの進め方 データの収集 データの加工・分析・学習 実装・運用・評価 クライシス・マネジメント |
ディープラーニングの社会実装に向けて | AIと社会 AIプロジェクトの進め方 データの収集 データの加工・分析・学習 実装・運用・評価 クライシス・マネジメント |
数理・統計 |
ここからわかるように、E資格に比べて歴史・法規・倫理・応用例など、AIそのものの概念に関する内容が多く、これからAIを勉強する人にとっては基礎知識として知っておくべき内容が詰まっています。
受講方法
G検定はIBT(Internet Based Test)方式のため、自宅などインターネットに接続できる端末のある環境があればどこでも受験することができます。
受験料
G検定の受験料は次のとおりです。
受験費用(税込) | |
一般 | 13,200円 |
学生 | 5,500円 |
再受験の場合 | 上記の半額 |
③データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
こちらはデータサイエンティストとしての基本的な知識が必要とされる有名な検定です。
概要
優秀なデータサイエンティストとして、データサイエンス力やビジネス力・実際のデータエンジニアリング力などを証明する資格です。将来データサイエンティストとして仕事をしたい学生や、転職に使いたい初心者の方におすすめとなっています。
データサイエンティストについて知識を得たいと思ったら、下記のセミナーも検討してみてください。
試験内容
4択式の90問・90分の試験となります。
内容はデータサイエンティスト協会が決めている
- アシスタント・データサイエンティストへの問題
- 数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラム
が出題されます。
受験方法
データサイエンティスト検定 リテラシーレベルは基本的に会場受講のみとなります。
全国さまざまな箇所で実施されているので、自宅近くの会場は調べておきましょう。
④画像処理エンジニア検定
画像処理エンジニア検定は、AIの中でも画像処理分野における設計・開発に必要な知識を証明するための資格です。
ここでは、画像処理エンジニア検定の具体的な資格内容について説明します。
概要
画像処理エンジニア検定は、公益財団法人「画像情報教育振興協会」が主催しており、画像処理エンジニアとして必要なソフトウェア・ハードウェア・システム開発に必要な能力の評価を行う資格です。
画像処理は、工業・医療・交通・映像関係などさまざまな分野で活用が拡がっている技術であり、エンジニア・プログラマ・研究者などの人材としての需要も高いので、資格を取得して知識レベルをアピールすることでキャリアアップも目指すことができます。
試験内容
画像処理エンジニア検定の試験内容は次のとおりです。
基礎 | カメラモデル 画像 知覚 画像処理の歴史 |
画像信号処理 | 撮影 画像の性質 フィルタリング処理 幾何学変換 |
パターン認識・計測 | 2価化 領域処理 特徴点検出 |
メディア処理・符号化 | 移動物体検出 動画像処理 光学的解析とシーン復元 |
画像処理システム | ハードウェア システム 規格 |
知的財産権 |
受講方法
画像処理エンジニア検定の試験は、マークシート方式で行われます。全国20都道府県で実施しているため、お住まいの地域の近くの会場を調べて申し込みしましょう。
受験料
画像処理エンジニア検定は、「ベーシック」と「エキスパート」の2種類のレベルがあり、次のように受験料が異なります。
受験費用(税込) | |
ベーシック | 5,600円 |
エキスパート | 6,700円 |
⑤AWS専門知識認定資格
AWS専門知識認定資格とは、Amazonが提供するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」を活用するための資格です。
概要
AWS専門知識認定資格は、Amazonが主催する資格で、同社のサービスであるAWSに関する知識を証明できます。さまざまな分野やレベルの資格があるため、エンジニアにとって自分の保有スキルの種類やレベルを見える化するために有効な資格です。
なお、AWS専門知識認定資格は、2023年には、日経×TECH(日経BP)により「IT資格実態調査/これから取りたいと思うIT資格」において情報処理安全確保支援士に次いで2位を獲得するなど、近年人気が高くなっています。
AWSの認定資格は下記の12種類です。
- クラウドプラクティショナー
- ソリューションアーキテクト
- SysOpsアドミニストレータ
- デベロッパ
- ソリューションアーキテクト
- DecOpsエンジニア
- セキュリティ
- Alexaスキルビルダー
- 高度なネットワーキング
- 機械学習
- データアナリティクス
- データベース
このうち、AIに関する資格は機械学習、データアナリティクス、データベースになります。
また、これらの他に難易度別に、認定レベルごとに次のような能力基準が設定されています。
なお、目安としてレベルごとにAWSサービスの経験年数を示します。
基礎レベル | 約6ヶ月程度の経験者向け |
アソシエイト | 約1年程度の経験者向け |
プロフェッショナル | 約2年程度の経験者向け |
これらのレベル分け以外に、専門分野に関する技術が「専門知識」として分類されており、AIに関する分野である「機械学習」「データアナリティクス」「データベース」は専門知識に分類されます。
なお、AWS専門知識認定資格を取得すると、次のような特典を受けられます。
- 取得資格のデジタルバッジが発行される
- Amazon主催のイベント(AWS Summitなど)優遇される
- 他の試験で使用できる50%割引バウチャーが発行される
- 他の試験において無料の模擬試験が受けられる
- 合格者限定コミュニティ(LinkedIn)にアクセスできるようになる
これらの特典により、知識やスキルの証明ができるだけでなく、AWS専門知識認定資格に合格することで、その後のスキルアップにも役立てられる資格となっています。
試験内容
AWS専門知識認定資格の試験を受講する上で必要とされる知識を分野ごとにまとめると、次のとおりになります。
機械学習 | 基本的な機械学習アルゴリズム 基本的なハイパーパラメータの最適化 機械学習及びディープラーニングのフレームワーク モデルトレーニング |
データアナリティクス | AWSのサービスを使用した分析ソリューションの設計・構築・保護・保守 |
データベース | オンプレミスとAWSクラウドベースでのリレーショナルとNoSQLデータベース |
受講方法
AWS専門知識認定資格は、テストセンターとオンラインの2種類の方法で受験できます。
テストセンターで受験する場合は、24時間前までに申し込みが必要となります。
オンラインでの受験の場合は、自宅での受験もでき、当日申し込みでも受験可能です。
なお、オンラインでの受講の場合は、PCのウェブカメラとマイクを使用してリモートで試験監督による試験監視が行われます。試験によってはリモート試験官とのやり取りが英語になる場合もあるため、受験前に使用言語については確認するようにしてください。
受験料
AWS専門知識認定資格のうち、AIに関する資格の受験料は次のとおりです。
受験費用(税込) | |
機械学習 | 33,000円 |
データベース | 33,000円 |
データアナリティクス | 33,000円 |
また、バウチャーチケット購入センターを利用すれば31,350円で受験できるので、申し込み前に調べてバウチャー発行をしておきましょう。
⑥Professional Data Engineer
Professional Data Engineerは、Google Cloud Platform(GCP)を使ってデータの収集・加工・連携するスキルを証明するための資格です。
ここでは、Professional Data Engineerの資格内容について説明します。
概要
Professional Data Engineerは、Googleが主催する「Google Cloud認定」のうちの一つです。
データの収集・変換・公開により、意思決定を支援するために機械学習モデルを活用するような業務に役立てることができます。日頃からGCPを利用していたり開発していたりする人にとっては、さらなるスキルの習得の機会や保有スキルの棚卸しになるためおすすめです。
また、合格するとGoogle Cloud認定のロゴが入ったパーカーやリュックなどのノベルティが割引価格で購入できるようになります。
試験内容
Professional Data Engineerの試験内容は次のとおりです。
BigQuery | |
ETL | Dataflow,Dataproc,Pub/Sub,Cloud Composer |
データベース | Bigtable, Cloud SQL, Cloud Spanner |
IAM・モニタリング |
受講方法
Professional Data Engineerは、遠隔監視オンライン試験か、テストセンターでのオンサイト監視試験のいずれかの方法で受験できます。
受験料
Professional Data Engineerの受験料は「$200」です。
⑦統計検定
統計検定は、その名の通り統計力の検定となりますが、AIエンジニアやデータサイエンティストの手前である数字の計算など、統計の基礎を理解していると証明する検定です。
概要
統計に関する知識・統計学の活用力を評価する試験です。
データから計算して科学的に問題を解決する能力を求められます。
試験内容
統計検定1級は会場で紙の受講が必須となりますが、それ以外の統計検定はオンラインでも受験可能です。
複雑な確率計算やビジネスの結果からの計算などが主な内容です。
こちらは過去問が公開されているので、事前によく調べておくと良いでしょう。
⑧認定AI・IoTコンサルタント
認定AI・IoTコンサルタントは一般社団法人AI・IoT普及推進協会が運営するAIやIoTのコンサルタント向けの資格です。
概要
他の検定と違い、研修を受けて最後に試験に合格したら資格がもらえる形の検定です。
オンラインでも、オンラインとオンサイトを組み合わせたハイブリッド式という形でも研修を受けられます。
試験内容
基本的には研修で受けた内容が試験に出てきますが、
- DX実践のためのAI・IoTを代表とするデジタル化
- ケーススタディで学ぶDXProcess(DXP)
- AIPA認定資格のご紹介
この3つが主になっています。
⑨Pythonエンジニア認定データ分析試験
Pythonエンジニア認定データ分析試験は一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営しているPythonエンジニア向けの試験です。
概要
Pythonエンジニアとしての網羅的な知識が問われる検定となっています。
試験は会場に足を運ぶ必要があるので注意してください。
ただ、試験は毎週何回も行われているので、日程の融通は利きやすいです。
試験内容
- 基本的な数学の知識
- Pythonの知識
- ライブラリの知識
- データ分析の知識
などが問われます。
⑩AI実装検定
AI実装検定は、AIを実装できる人材だと証明するための検定となっています。
概要
ディープラーニングやAI実装のプログラミング知識などを問われる検定です。
B級・A級・S級という段階があり、自分のレベルによって受けることができます。
試験内容
級によって試験の内容が変わりますが、
- 数学の知識
- ジェネラリスト(G検定)の知識
- AIプログラミング
- フレームワークやライブラリの問題
などが出題されます。
職種別におすすめのAI関連の資格
AI業界の職種はそれぞれで異なる専門知識が必要なため、それぞれで必要になる資格も異なります。
ここでは、3つの職種別におすすめのAI関連資格を紹介します。
それぞれの職業に対して資格が必要になる理由も解説するので、資格を選ぶ際の参考にしてください。
職種別おすすめのAI資格【データサイエンティスト】
データサイエンティストにおすすめのAI関連の資格は、次の4つです。
- E資格
- G検定
- AWS専門知識認定資格
- Professional Data Engineer(PDE)
E資格・G検定を取得すれば、データの収集・分析方法など、データサイエンティストの分析業務に必要な知識を証明できます。そのため、AI業界未経験からデータサイエンティストを目指す方は、転職時のアピール材料として効果がある場合があります。
またAWS専門知識認定資格は、AWSサービスを適切に使えることを証明するのに役立ちます。
そのため、転職候補の企業や自社でAWSやGCPなどのクラウドサービスを利用している場合に、取得すると良いでしょう。
またPDEは、Google Cloudの「BigQuery・Cloud SQL・Cloud Pub」などを使用している場合におすすめの資格です。PDEを取得することで、GCPサービスの使い方に詳しくなるからです。
データサイエンティストはAI関連の知識に加え、クラウド上のデータベース等を扱えるスキルも必要になる場合があるため、AWS専門知識認定資格やPDEなどのクラウドサービス系の資格も取得すると、活躍の場を広げることができます。
職種別おすすめのAI資格【機械学習エンジニアに】
機械学習エンジニアにおすすめのAI関連の資格は、次の3つです。
- E資格
- G検定
- 画像処理エンジニア検定
E資格・G検定は、機械学習エンジニアに求められる「機械学習・開発環境」の知識を中心に扱う資格です。そのため、機械学習エンジニアに必要なスキルを持つ人材の証明として、利用することができます。
また、画像・動画を扱う機械学習エンジニアの場合には、画像処理エンジニア検定のエキスパートがおすすめです。資格勉強を通じて、機械学習の画像処理技術に限らず、画像処理に必要な総合力を高められるからです。
画像処理エンジニア検定のように、自分が扱う機械学習モデルと関連性が高い資格があれば、積極的に受験してみると良いでしょう。
職種別おすすめのAI資格【AIコンサルタント】
AIコンサルタントにおすすめのAI関連の資格は、次のとおりです。
- E資格
- G検定
- AWS専門知識認定資格
- Professional Data Engineer(PDE)
E資格・G検定は、AIの基礎力の証明として役立ちます。特に AI業界以外のコンサルタント経験者でAIコンサルタントを目指す場合は、ディープラーニング検定を取得しておくと、転職で有利になることがあります。
また、近年はクラウドサービスの導入を検討する企業も多いため、AWS専門知識認定資格・PDEの取得もおすすめです。クラウドサービスの導入支援の際に、説得力のある提案ができるからです。
AI関連の幅広い知識をインプットするために、資格を利用すると良いでしょう。
E資格の受験資格が得られる講座に関しては下記サイトでも解説があります。
AI関連の資格を取得するのに必要な知識
AI関連のおすすめ資格を紹介しましたが、これらの資格を取得するためにはどのような知識が必要になるのでしょうか?ここでは、AIの資格取得に必要な共通知識について解説します。
機械学習・ディープラーニング
AIの資格において、機械学習・ディープラーニングは必須といえる知識です。
これらの代表としては次の分野があります。
- 回帰モデル
- ロジスティック回帰
- holdout
- パラメータ探索
数学
AIの資格に限らず、エンジニアとしての知識が必要になれば、数学は必須です。
数学の中でも、AIエンジニアに関係するのは次の分野です。
- 微分積分
- 線形代数
- 確率・統計
- 情報理論
プログラミング
AIの資格取得を目指す上では、プログラミングの知識が必要です。
また、AIやデータベースに関係するプログラミングは高く、ゼロベースでモデリングを行い、実装できる程度のスキルが必要になります。
なお、AIに関係するプログラミング言語として人気なものには次のものがあります。
- Python
- R
- Julia
- JavaScript
法規・倫理
AIは技術進歩が早いため、それに付随して関連する法規や倫理的な考えも常に変化していきます。AIエンジニアに限らず、AIを活用して事業に役立てることを考えると、法規適合や倫理的観点は必ず必要です。
AI関連資格においても、それらの内容を問われることがあるため、資格取得のためにも必要な知識といえます。
AI関連の資格を取得するための勉強方法
最後に、AI関連の資格を取得するための勉強方法について解説しましょう。
AI関係の資格を取得するための主な勉強方法には次のものがあります。
- 講座受講
- 独学
- 参考書
それぞれの特徴について解説しましょう。
講座受講
講座受講は、AI関連の資格を習得するのに最もおすすめの勉強方法です。
それぞれの資格に対して、主催団体が推奨する講座が開催されており、試験範囲や講座の品質が保証されているためです。
例えば、E資格でいう「JDLA認定プログラム」は主催団体である「JDLA(日本ディープラーニング協会)」が審査して認定している講座を公開しています。
受験する資格を運営している団体が認定している講座なので、カリキュラムや品質に関して安心して受けられます。
また、AIの分野は技術進歩が早いため、資格試験の範囲も頻繁に変更されることがあり、試験勉強も常に最新情報を入れておく必要があります。
そのため、万能な動画教材や参考書などは存在しないと考えられます。
情報の新しさを考えても、常に内容を改善している講座で勉強することが資格取得のためには効果的だといえるでしょう。
特におすすめのJDLA認定プログラム講座
AI研究所が運営するJDLA認定プログラム「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、受講方法は「対面」「オンライン」「eラーニング」の3種類から選択可能です。
eラーニングの場合、最短で4日間、対面・オンラインの場合は1ヶ月間でE資格の受験資格が取得可能です。
また、他のJDLA認定プログラムと比較して割安であり、「対面」「オンライン」「eラーニング」のいずれの受講方法でも、20万円程度で受講可能です。
さらに、現在割引キャンペーンを行っており、対面・オンラインは138,600円、eラーニングは76,780円で受講できます。
形式 |
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費用(税込) |
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受講期間 |
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JDLA認定プログラムの選択にお悩みの方は、E資格対策ディープラーニング短期集中講座を検討してみてください。
独学
AI関連の知識は、UdemyやYouTubeなどにもさまざまな動画教材があるため、それらを活用して独学で勉強しようとする方もいます。
しかし、次のような理由から、おすすめはできません。
- 資格試験の範囲と教材での学習範囲が異なる可能性がある
- 疑問に思ったことがあっても相談できない
- どの動画教材が良いかわからない
このように、教材自体の品質を確認してくれる人や、疑問に感じた部分を相談する人が周りにいない限りは、動画教材を使った独学での勉強はおすすめできません。
参考書
資格勉強といえば、参考書での勉強が第一に思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか?
確かに、おすすめの資格として紹介した資格に関しては、各社から参考書が発売されており、それで学習する人はいます。実際、紙媒体での勉強に慣れている人にとっては、携帯性も良く、直接メモを記入できる参考書は勉強しやすいかもしれません。
しかし、AIのように技術進歩の早い分野においては、資格試験の内容の改訂も頻繁に行われます。それと比較し、書籍のライフサイクルの短さから、購入して学習している参考書が既に古くなってしまっており、試験範囲と異なっていることが考えられます。
また、AIに関する資格試験はコーディングなどのPCを使って手を動かす作業が発生するケースが多く、そこでわからないことが出てきた場合、参考書では解決できず、わからないことを解決できないままになりかねません。
そのため、周りに相談できる人がいない限り、参考書はおすすめできません。
AI関連の資格とは?まとめ
AI関連の資格や取得に必要な知識、勉強方法について解説しました。
データサイエンティストや機械学習エンジニアにはAI知識や関連スキルが求められるため、資格勉強を通じて知識を習得・スキルアップを目指すのも一つの方法です。
AIを活用した業務やDXを進めたいとお考えの企業では、AIに関する知識を深める必要があるかもしれません。AIプロジェクトを進めるために必要なことを相談していただけます。
企業向けにAIコンサルティングサービスを提供しており、経験豊富なコンサルタントが直接ご連絡いたします。何でもお気軽にお問い合わせください。